冥次元ゲイムネプテューヌ   作:ロザミア

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コラボ回を書きながらこちらも投稿する。
前日譚も大変だけど、それもまた楽しい。

それはそれとして本編を目の中に突っ込んで殴り抜けるッ!!


二人だけの会話

車に送ってもらってそこへ向かう。

車を降り、不安そうな視線に笑顔で返した後に歩き出す。

もういるだろう、座っているのか立っているのかは知らないけど。

歩く。

約束通り、監視も何もない一人だ。

パーカーのポケットに手を突っ込んで歩く。

 

そうして見つけた。

何と言うか、見た目はイケメンなおじさんだから見つかりやすかった。

特徴的な銀髪を見間違う筈もなく、座ってコーヒーを飲む人に声をかける。

 

「やっほー!」

 

「んー?」

 

間延びした声、呑気な声だった。

コーヒーのカップを置いて、気だるそうな顔をこちらに向けてくる。

そして…

 

花が咲いたように嬉しそうな顔をする。

待ち望んでたといわんばかりの反応で少し困る。

敵というか…そう言う関係なんだけどなぁ。

 

コーヒーを飲み干してこっちにやって来る。

飲み干してから来るところにちゃっかりしてるとは思う。

 

「やあやあ待ってたよネプテューヌちゃん!女神ちゃーん!

お爺ちゃんの眠気覚ましコーヒータイムの終了時間直前に来てくれるなんて君は空気が読めるね!」

 

「ちょちょちょ…近い!近いって!」

 

「ああ、ごめんごめん」

 

顔が近かったけど謝って離れてくれた。

ああビックリした…

 

「さて、楽しもうじゃないの」

 

「…楽しいかなぁ」

 

「俺は君とこうして面を合わせて話せるだけで楽しいとも。

つまり、今日は俺を友達と思って接してくれればいい」

 

「…」

 

地獄を作るなんて言った人がよくもまあそう言える、と内なる自分が吐き捨てる。

ネプテューヌはこんなことを言わない。

けれど私はそれを唾棄する。

…そうだとしても、平和的解決を望むのだから、自分もまた度しがたい。

ここには怪物しかいないんだから。

 

どこへ行こうかと考えるリゼヴィムと歩いていると、前を歩いていたリゼヴィムがこちらに振り向く。

10年の付き合いの友人のような、それを心配するような顔だった。

 

「あまり自分を思い詰めても仕方ないんじゃなぁい、ネプテューヌちゃん」

 

「…何の事?」

 

「そう疑いなさるな!今日ばかりは俺は口出しはしても手出しはしないからSA!

そういう契約だからねぇ」

 

「悪であるって言うのに契約は守るんだね」

 

「悪魔だからねぇ」

 

「関係ある?」

 

「あるね」

 

ポケットから賽子を取り出したリゼヴィムはたまたまそこにあったベンチに座る。

 

「悪魔は契約を結べばそれを可能な限り叶えなきゃならない。

それは欲望の詰まった題であれ、理想にまみれた命であれ悪魔はそれをただの契約として受け入れる。

受け入れて初めてそれを契約とする!」

 

「…悪魔であることに拘るんだね、リゼヴィムは」

 

「まあ、自分を大切にするのは重要だからねぇ。

在り方は人それぞれなれどその在り方そのものを根底から変えるのは難しいものさ。事変わりやすい悪魔といえど根底は同じなのさ」

 

だというのに、と残念そうに手で遊んでいた賽子を見つめるリゼヴィム。そこには哀愁があった。

心から悲しんでいる。

 

「今の悪魔は残念極まるね」

 

「どうして?契約を守ってる悪魔は多いよ?」

 

「違うね。

契約してるんじゃない、あれは寄生してるのさ。

蛆のごとく地より湧き出て他者の心へ入り込み、心を吸う生き物。その在り方へと歪んだ…それは悪魔じゃあないね」

 

「寄生…?」

 

「古来より悪魔はそれ相応の資格がある奴以外は召喚出来ない類いだった。確かに、悪戯に召喚する奴もいるけどそれはそれで契約足り得る。召喚に応じることこそが契約ならば誰であれその契約書に名を記すに値する!

それを当代はどうだい?何をするかと思えば地上への進出!

駒の開発、他者への転生……下らないねぇ、実に。

どちらが悪魔を卑下してるか分からないじゃないかね?」

 

驚いた。

単純にその口から出る台詞に驚いた。

リゼヴィムは悪魔を尊んでいる事に、ではなく全悪魔を否定する言葉にだ。

これなら魔王なんて要らなかったろうにねぇ、と最後に言ってから賽子で遊びだした。

 

子供のように移り気の激しい人物。

 

そんな印象すら浮かぶ。

 

「今の当主は…半端だねぇ。敵対者足る俺が、永く生きる俺からすれば青二才にも満たない。君一人に背負わせた方がいい治世だろうさ」

 

「私?無理だよ、私に国とか無理無理!」

 

「例えばの話だ。

まあ、君はもうあらゆる悪魔の駒を超越しているから誰もその種族に手を伸ばせないだろうけど…というより、その可能性は切り捨てられてるね」

 

「…あっ」

 

「心当たりはあるようで何より、まあ、そんなんで変わったら詰まらないから有難いね。

そうだろう?俺の敵であり、女神の人間ちゃん」

 

「えっ」

 

見抜かれた?

いつ、どこで、どうして?

いや、違う。

 

そうか、この為だったのかと思い至る。

 

この為の邂逅だったんだ。

自分の中身を探るため、互いの腹の内を見せるための邂逅だったんだ。

 

「私を理解したかったの?」

 

「君も俺を理解したかったろう?お互い様だよ、ウフフフフ」

 

「…当たり。でも、それだけじゃないよね?」

 

「そうだねぇ…問いたいね。

ずばり、ネプテューヌちゃん。

君は俺とも手を取り合えると思うかい?」

 

「うん」

 

「ウフフフフ、気前のいい即答ありがとう。

どうしてか聞いても?」

 

「だって、話が出来るよ?

リゼヴィムと私は、こうして話し合えてる。

なら…私はリゼヴィムを受け入れるよ」

 

心がある、言葉がある、その人がいる。

それだけで、繋がれる。

それは今までが証明していることで、自分の掲げる夢を叶える方法。

誰もが繋がる可能性を秘めている。

 

皆それに気づいてないだけで、その糸は常に紡がれている。

多少強引にでもそれを結ぶ。

それが自分のやっていること。

リゼヴィムはそれをうんうんと頷いて、納得する。

 

理性的、どこまでも狂った様子を見せない。

これがリゼヴィムという悪魔の一側面だとしても、自分はその側面に踏みいることを許された。

とても、有難い。

 

「なるほどねぇ、見えてきた」

 

「私も、分かってきたよ」

 

「ほほう、さては同じ答えと見たねぇ」

 

「せーので言う?」

 

「「せーの」」

 

 

 

 

 

 

 

「「─ヒトデナシ」」

 

「ああやっぱり?」

 

「…分かってたけどネプ子さんがヒトデナシはなくね?」

 

口ではそう言うものの、胸にはストンと納得が広がる。

ああ、ヒトデナシ。

確かに、自分もリゼヴィムも最終的な人の感情は無視して動いている。

そうだ、自分本意だ。

 

「そうかねぇ、筋金入りだよ、君。

俺は分かっててやってるし、君もそうだろう?

自身のエゴイズムに身を委ねて動くのは、とても心地がいい」

 

「心地がいいっていうのは分からないけど…皆の意見をたまに無視しちゃう事はあるよ」

 

「…面白いねぇ。

君はどうして俺の理想的な敵足りえてくれるんだい」

 

「主人公ですから、ドヤ!」

 

「主人公ねぇ…」

 

リゼヴィムはそう言いながら賽子を懐にしまった。

 

ともすれば、リゼヴィムは何なのだろう。

ラスボスなのだろうか。

恐らく違うんだろう。

もっと何か…別の何かな気がする。

 

立ち上がって歩き始めたリゼヴィムに自分も続く。

 

言葉のキャッチボールを除けば平和な時間だ。

とても悪の親玉ポジションの人といるとは思えないほどに穏やかだ。

 

「リゼヴィムは好きなことはないの?」

 

「好きなことねぇ…悪事をするのは大好きだね。

けれど大好きなものなら別にある」

 

「それは?」

 

「人間だよ、女神ちゃん。

人間こそが悪魔を悪魔たらしめる。

俺は人間が大好きだ、愛してるといってもいい」

 

「…そっか」

 

やっぱりそうだ。

この悪魔は自分の知るなかで一番悪魔らしい。

世界をめちゃくちゃにするといいながら人間を愛してると宣う。

何て矛盾、だけど本人の中では矛盾なんて何一つとしてない。

 

これが悪魔リゼヴィム・リヴァン・ルシファー。

悪魔らしい悪魔であり、超越者であり、賢人のような愚者。

まるで仮面をいくつも被った存在だった。

きっと誰よりも人間を愛してるし、誰よりも世界を壊したがってる。

…異常性こそがリゼヴィムの中では正常な答えなんだ。

 

自分は微笑んでこう言うしかない。

 

「どうしようもなく、狂ってるね」

 

「君が俺にそれを言うか、パープルハート、いやネプテューヌちゃん。

キリスト教にも言われたけどねぇ…身内にも言われたね。

狂ってる、ねぇ…何を今更!言うのが100年は遅いねぇ。

よろしい!ならば俺を止めるかい!」

 

「うん、絶対に止めるよ」

 

「ウフフフフ、素敵な返しをありがとう。

なら、ここからは闘争の中で語り合おうじゃないか。

この穏やかな時間に幕を引いて、俺達の戦争を始めよう」

 

「うーん…それはいいんだけどね?」

 

「うん?」

 

空気を壊すようで悪いんだけど…

そのですね、長く話したりしてただ歩いてるだけだとね。

 

「お腹すいた…」

 

「ガクリッ…おいおい締まらないよぉ!」

 

「ご、ごめん」

 

「いいんだけどなんかこう…こうさぁ。

まあいいや…寿司でも奢るよ、こんなおじいちゃんと一緒で良ければね」

 

「なんか無駄に優しいね?」

 

「そりゃ君、これから戦争する相手への礼儀みたいな物だとも。

今のうちに食も楽しむといい…これから退屈はしないんだからねぇ…」

 

出来ればさせてほしいです…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

回らない寿司って本当にあるんだね、ネプ子さんまた賢くなれましたね。

回ってる寿司は良く行くけど回らないのは行かないからなんか新鮮だったなぁ…

 

二人して意外と食べた。

まさかリゼヴィムもあんな食べるとは…

小猫ちゃん程じゃないにしても良く食べる部類だね。

太らないの?

 

「お腹一杯!ゴチになりました!」

 

「ハッハッハ善きに計らえ~」

 

「ははー!」

 

「まあ、こんなやり取りもこれで終わりだ。

今度こそ、お別れといこうじゃないの」

 

「あ、なら最後に1つだけ!」

 

「んー?」

 

聞いてあげようという姿勢のリゼヴィムに自分はずっと気になっていたことを聞くことにした。

多分、彼は嫌だろうけど…折角答えが目の前にいるからね。

 

「ヴァーリのこと、嫌いなの?」

 

「…彼氏だからかい?」

 

「そうかもしれないけど…ううん、きっとそうじゃなくても聞いてたと思う」

 

「お優しいことだねぇ。

…嫌いねぇ、なら1つ問おうか。

君は何をもって人物を嫌う?」

 

「え?うーん……理不尽を与える人?」

 

「なら、君は俺が嫌いで俺はヴァーリが嫌いってことになるね」

 

「…そうなるのかな?でも、嫌いって程じゃないよ?」

 

「今の答えなら、そうなるのさ。

嫌いの基準なんて物差しはない。

例え俺があれの父親を誑かして捨てさせたとしても、その延長線上であれの母親の記憶を消してやったとしても。

俺があれを嫌う理由になるかい?」

 

「それは…そうだね。

じゃあ、嫌いじゃない?」

 

「むしろ期待してるね。何を、とは言わんさ」

 

何を期待してるんだろう。

昨日のリゼヴィムなら戦争相手が増えることだろう。

でも、今のリゼヴィムを見ると…分からない。

単純に孫のヴァーリに期待を寄せている?

なら…それなら自分で育てればよかったのに?

 

のらりくらりと質問がかわされる。

 

まるで実態がないようだった。

性格がコロコロ変わって、リゼヴィムがそこにいるのか検討もつかない程に。

本当は偽物なんじゃ?

そんな疑問すら沸いてくる。

でも、その疑問が消えるほどの確信としてこれはリゼヴィムだという漠然とした感想がある。

 

むむむ…主人公の眼を以てしても分からないとは!

 

「まあ、いずれ分かる、いずれな…」

 

「ぐぬぬ…卑怯なり」

 

「ウフフフフ、許してチョーよ。

じゃあ、また会おうじゃないのネプテューヌちゃん。

二週間でどう仕上がるか…楽しみで仕方がないね」

 

心より戦いを楽しみにしている様子。

恋人との逢瀬を楽しみにするように、プレゼントを渡すのを必死に隠す子供のように。

ニヤニヤとした顔は、しかし誠実そうにも見えた。

 

だから、自分はこう返す。

 

「絶対に諦めないよ。夢も、リゼヴィムと手を繋ぐ未来も」

 

歩きながら手をフラフラと振ってリゼヴィムは去っていく。

 

…何だかんだで普通に過ごした気がする。

困った。

心に入り込むのが上手いにも程がある。

話術というか…揺さぶってくる言葉だ。

 

こうして、自分とリゼヴィムの話は終わった。

だから、後は考えなきゃいけない。

この二週間、何をするのか。

きっと、今まで通りの修行じゃ駄目だろう。

何より…自分の力の先が気になる。

 

グレートレッドの言葉、新しいむげん。

つまり、自分にはグレートレッドとオーフィス…この二人…二人?二龍と同じ位になれるってこと。

 

どうすればなれるのか。

そして、なるべきなのか。

グレートレッドは『むげん』は皆化け物だと言っていた。

自分はそう思わなくても長く生きたグレートレッドからすればその通りなんだろう。

 

「…うーん、考えても仕方ないかな。とりあえずおっちゃんに連絡をっと」

 

終わり次第すぐに連絡を入れろとしつこく言われてしまったのでその通りにする。

メールで終わったよーと送るとすぐに返信が来た。

 

『駅に車寄越してるから乗れ。大丈夫だったか?』

 

固い文章だった。

それだけおっちゃん達には心配をかけさせたんだと思う。

いーすんも居ない本当での一体一。

心細かったけど、向き合うにはいい機会だった。

 

駅に向けて思案しながらも歩くことにした。

まだ良く分からないことが多いけど、皆との絆が導いてくれるって信じてる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかえりなさい、ネプテューヌさん」

 

駒王町に戻ってきて、家に帰った時。

まず声をかけてくれたのはいーすんだった。自分はそれに快活にただいまと言うと皆心配なさそうだと安心した。

…ヴァーリには特に悪いことしちゃったね。

 

「どうだった?」

 

「似た者同士って感じ?」

 

「なるほど、お前はそう捉えたのか」

 

「なるほどって…どういうことだ曹操」

 

ヘラクレスの質問に曹操は寄りかかってた壁から離れる。

 

「リゼヴィムは多重人格のように多くの顔があるということだ。

良ければ、どのような会話をしたか簡潔にでもいいから説明してくれないか?」

 

「うん、いいよ」

 

ヴァーリの事は伏せて他の事はある程度話す。

すると、皆分かったようで考え込んだり何度も頷いたりと様々だった。

皆に聞いたら、

 

狂気的な悪魔、戦争狂、子供っぽい、愚か者、賢そう…等々、色々と皆の感想が違う。

 

それはリゼヴィムという悪魔の成せる技なのかもしれない。

 

「…理解したわ」

 

リアスちゃんは何か分かったようで頻りに頷いていた。

 

「リゼヴィムは確かに私たちの最大の敵なのかもしれないわ。

邪龍よりも、遥かにね」

 

「えーっと…部長、俺分からんとです」

 

「悪魔としてリゼヴィムは誰よりも悪魔であるのよ、イッセー。

誰よりも悪魔らしい存在、それが彼。

だからこそ、最大の否定者足りえる、足りえてしまう。

私たちを否定するに余りある物が彼にはある。

いつかの頼光と同じかそれ以上に…」

 

「契約を厳守するところがですか?」

 

「それもある。でも、それだけじゃない。

リゼヴィムが真に悪魔として私たちよりもそれらしいのは顔よ」

 

「イケおじだからですか!?

かぁー世の中顔か!くたばれイケメン!!」

 

「一誠さんも十分それに入ると思いますけど…」

 

「なら生きろイケメン!!」

 

一誠ェ…ネプギアも注意の仕方間違えてるよ~

でもお姉ちゃん許しちゃいます!

そうじゃなくって…

 

「多重人格のような性格でしょ?」

 

「そう。使い分けが上手い、思考を分離させられるのね」

 

「つまり、狂気的な自分と冷静な自分、二つがあると?」

 

「そうなるわね、もしかした、まだまだあるのかも」

 

「…なるほど、悪魔らしいといえば悪魔らしいですね」

 

「……少し、外の空気を吸わせてくれ」

 

「ヴァーリ…」

 

ヴァーリはそう言って出ていった。

…そうだよね。 

自分の捨てられた原因、お母さんと離ればなれになった元凶だもんね。

 

……うん。

 

「ごめん、皆」

 

「行ってきなさい」

 

「…ごめん、勝手で」

 

「その勝手に救われてるんだ、構わないよ。

それに恋人だろう?今支えてあげないでどうするのさ」

 

「姉ちゃん…行ってやれよ。アイツには、姉ちゃんが必要だ」

 

「…うん!」

 

皆に感謝して自分も家を出る。

ヴァーリは外で思い詰めた表情で立っていた。

…どう言葉をかけるべきなんだろう。

 

「ネプテューヌか」

 

「…うん」

 

そう思っていたらあっちから声をかけてきてくれた。

話し掛けづらいのを察してくれたのか、単に気づいたからなのかは分からないけど、ありがたかった。

 

こんな時でも助けてもらうなんてよくないね、ほんと。

 

「…心配かけちゃったよね」

 

「…そうだな、心配で胸が張り裂けそうだった」

 

「心配ばっかりかけちゃってるね」

 

「…俺が不甲斐ないばかりに、すまない」

 

「違うよ」

 

違う、そんなんじゃない。

不甲斐ない?どうして?

 

「子供だったヴァーリは悪くないじゃん!それに…今回は私が勝手にやった事だから。だから責めるなら私を責めてよ」

 

「お前は……いや、違うな」

 

「え?」

 

「情けない、と思っていたんだ」

 

「情けない?」

 

「ああ」

 

自分の手を見つめながらヴァーリはそう言った。

 

「俺はお前の心も体も守れていない。情けないことこの上無かった。兵藤一誠にああ言ったというのにだ…俺は口約束すら守れない馬鹿だった」

 

「そんなこと…」

 

「事実だ」

 

そんなことない。

ヴァーリは自分の心を守ってくれてたよ。

傍にいてくれるだけでも、救われてた。

シェアが無くても、ヴァーリの心は常に伝わってた。

 

「…お前がそうじゃないと思ってくれているのは分かってるよ。

けれど、これは事実なんだ」

 

「…なら、これから守ってよ」

 

「ネプテューヌ?」

 

「守ってよ」

 

悔やんでいるのなら、それをバネに変えないといけない。

悔しさだけを残すなんて駄目だから。

それを強さに変える一助になれるなら。

そう思って、上手く言えない自分は意思のままに言葉を発した。

 

「…だが」

 

「もう!!」

 

相変わらず俯いてるヴァーリに苛立った。

ので、両手で顔を掴んでこっちに無理矢理向けさせる。

説教が必要だねこれは!

 

「うじうじ悩まない!私を守れなかったのが悔しいなら次は必ず守れるようになってよ!そりゃ私の無茶のせいなのは分かってるけど…でも、私が無茶できるのはヴァーリのお陰でもある!あの時の告白は嘘じゃないんでしょ!」

 

「…嘘じゃない。俺はお前を守りたい」

 

「なら、守って。

私の背中を誰かが撃ったりしないように、守って」

 

自分が好きなヴァーリはもっと強気で、賢くて、でも優しい。

そんな人なんだ。

だから、うじうじ悩んで立ち止まってる姿を見るのは…何か嫌だ!

 

「どんな時でも私を任せられるのはね、ヴァーリしかいないんだよ。助けてくれるんでしょ?」

 

「ああ」

 

「私のこと、守ってくれる?」

 

「ああ」

 

「…その、私のこと……」

 

「好きだ」

 

「まだ何も言ってないよ!」

 

「…フッ、ハハハ…!」

 

突然、ヴァーリが笑いだした。

何だか馬鹿らしくなったとばかりに。

 

「むー…なんでそこで笑うのさ~」

 

「ハ、ハハハ…すまない、俺だけ思考の沼に沈んで馬鹿馬鹿しくなってな…そうだった。俺はお前が走れるように守る…そう決めたんだった」

 

『惚気を聞かされる身になってほしいが?』

 

「あ、アルビオン…どこまで聞いてた?」

 

『無論、お前が来たときから全て。そも俺達は繋がってるのだから聞こえてしまうのだ、許せ』

 

「ねぷぅ~~!そうだった!私ってば分かってたのに何してんのー!?」

 

『何、ヴァーリはお前を愛してるのは間違いない。

そこは保証するぞ』

 

「嬉しいけどそれは本人から聞きたかったなぁ!?」

 

『本当に申し訳ない』

 

某鋼男の博士みたいに全く申し訳なく思ってないような謝罪やめて!あー!あー!

時よ戻れ!バトル路線に変えるから戻って!

 

時の砂、誰か時の砂持ってきて!

 

「時の砂を知ってるのは今どれくらいだろうか」

 

『発売日は1990年だぞ』

 

「何か悲しくなるからこの話やめよう!」

 

「おかしい、俺はその年代の生まれではないのにどうして喪失感が…?」

 

『寄る年波には敵わんな…魂だが』

 

「アルビオンは何なの?ドライグ並の出番ないから無理矢理ねじ込みに来たの?」

 

『出番はな、誰でも欲しいんだよ。

出番無くなったのもこの作品いるんだぞ』

 

「ねえなんで急にメタが侵食してるの?さっきのシリアスは!?」

 

『いいか、作品の説明文見てみるんだ』

 

え、何急に突然。

 

…あ、うん。

シリアスはぶち壊すんだって。

ぶち壊、す……

 

…。

……。

………。

 

『気付いたか?』

 

「嘘、この作品…シリアス多すぎ…?」

 

「どうしてだろうな…?」

 

『何故だろうな』

 

どうしてシリアスは発生するんだろう…?

 

「作者の思考回路が闇に近付きすぎた結果の文、いわばツケだな」

 

「メタいけど、何かこのテンションならやっていける気がする!」

 

『気のせいなんだよなぁ』

 

「分からないじゃん、もしかしたらこれなんか凄い力に目覚めて超天元突破グレンねぷ子になるかもしれない」

 

『なるんだったらここまで苦労してないな』

 

「残念だが夢は潰えたな」

 

「それはリゼヴィムに言ってよ!ああもう、何かぐだぐだになってきた!大丈夫でいいんだよね!?」

 

「ああ、やるだけやって見せるさ」

 

「その意気だよ!」

 

よし!

そうと決まれば二週間の余裕があるうちに詰めれるところ詰めちゃおう!駒王防衛隊、ファイアー!

シリアス担当はねぷ子さんじゃない!あっちのリゼヴィムだ!




ネタ時空!?殺されたんじゃ…

残念だったなぁシリアス、トリックだよ。
本物のネタ時空は滅茶苦茶な場面での再発を伺ってたって訳だ。
シリアスにしとこうかなと思ったし、騙して悪いなとも思ったよ。
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