すれ違いの結末   作:ビールは至高の飲料

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休まらない休暇

『テメェは! エウレカに頼らずとも俺達の体を治せる鍵だ! 一緒に来い!』

 

(知るか! 勝手にくたばれ!)

 

 ホーミングレーザーを避ける為に急降下するが、レーザーの光線が幾つか特区日本の会場に当たる。

 その事に顔を青くする間もなく、毒々しい赤い粒子のガンダムが大剣で斬り込んできた。

 振り下ろされる実体剣を横に避けると同時に爪先から出したビームの剣で斬ろうとすると、相手は難なく躱す。

 

(こいつ、ソレスタルビーイングの劣化(パチモン)ガンダムのクセに!)

 

『腕が違うんだよ、腕がぁ!!』

 

 こっちの心を読むような言葉を発してS4Uの胸を蹴りつけられる。

 

『スポンサーさんがお前さんを連れてこいってんだ! 悪く思うなよ、歌姫ちゃんよぉ!』

 

 まったく悪びれる様子のない声でスカートから誘導兵器を射出し、鋭い動きで襲いかかってくる。

 

 ビームマシンガンで撃ち落とそうとするが、連続で発射する弾は、迫りくる誘導兵器に掠りもしない。

 

『ハッ! さっきの返しは悪くなかったが、射撃はイマイチのようだな!』

 

 引き金を引いた高威力のビームライフルを光線をバレルロールしながら躱して接近してくると、大剣で斬り込んでくる。

 だが。

 

『させるかぁ!』

 

 ホランドが機体を駆って赤い粒子のガンダムへと突撃する。

 

『コイツを、テメェに連れてかれる訳にはいかねぇんだよ!』

 

『向かってくるのはかまわねえがな! 仕事の邪魔すんじゃねぇ!』

 

(コイツら、どっちがどっちで喋ってるんだか……!)

 

 内心で悪態を吐きつつ、フィアラはPMの排除をしているブリタニア・ユニオンと黒の騎士団を中心としたZEXISの戦闘を視線を移しつつ、自分にも向かってくるPMを倒す。

 

(誰かに任せても問題無いけど、直接討った方が奴らの因子を取り込み易いのに……このっ!?)

 

 赤いガンダムの粒子ビームを避け、特区日本の会場施設に被害が出ないように立ち回る。

 たが、向かってくる誘導兵器の幾つかが、機体を掠め、フィアラを連れ去ろうとするホランドの機体がシールドに激突する。

 

「あ、がっ!?」

 

 地上に叩き落とされ、フィアラが呻き声を出す。

 

『もらったぁ!!』

 

 ホランドがS4Uを捕まえようと突っ込んでくる。

 ライフルで応戦しようとするフィアラ。2機の間にスーパーロボットの中でも一際巨大な機体が降りてきた。

 

『ダイタァアアアン、カムヒア!!』

 

 全高120mの巨人が突然現れた事にフィアラは呆然となった。

 

『世のため人のため、悪の野望を打ち砕くダイターン3! この日輪の輝きを恐れぬのなら、かかってこい!』

 

 場違いな啖呵が響く中で、誘導兵器がダイターン3をすり抜けてフィアラに向かう。

 すると、1条の光が誘導兵器の1つを撃ち抜いた。

 ダイターンとは反対にS4Uよりも小さな白い機体。ランスロットが守るようにフィアラの前で停止する。

 

『こちらは、ユーフェミア・リ・ブリタニア殿下の専任騎士、枢木スザク。君を援護する』

 

 一方的に宣言されて勝手にこちらを守り始める2機。

 釈然としない気持ちのまま、フィアラは大きく息を吸い、再び歌い始めた。

 消えかけていた金の紋様が補填される。

 先ずはこっちを狙ってくる2機の排除へと動いた。

 ダイターン3を遠慮なく盾にしながら、チマチマと赤い粒子のガンダムと銀色のKLFを攻撃する。

 次第にPMも数を減らしていき、此方を援護する機体が増えてきた。

 

『フィアラ・フィレスの捕縛を絶対に阻止しろ! 奴等に彼女の身柄を渡せば、更なる犠牲を生む!』

 

 ゼロがこの場にいる全ての兵に向けて指示を飛ばした。

 多くの邪魔が入るようになったからか、赤い粒子のガンダムは舌打ちをした。

 

『チッ。これ以上はちと面倒だな。粒子(エネルギー)も心もとねぇ。スポンサーからも、あまり無茶すんなと言われてるし。面白くねぇが、退き時か……』

 

 此方を牽制しながら去っていくガンダム。

 ホランドの方は構わずフィアラを捕まえようとしたが、ウイングガンダムがバスターライフルを撃ち、回避する。

 その僅かな隙を突いてフィアラは、シールドブレイドとビームサーベルの両方を振るって銀色のKLFの両腕を斬り落とした。

 

『クソガッ!?』

 

 流石に形勢不利を悟ったのか、ホランドもそのまま戦場から姿を消した。

 同時に、地上で戦っていた紅蓮二式が最後のPMに輻射波動を叩き込んで撃墜する。

 敵を全て始末したことを確認してから、フィアラは歌を止めて大きく息を吐く。

 すると、ゼロから通信が繋がった。

 

『協力に感謝する。体調はもう良いようだな』

 

「……」

 

 ゼロからの通信にも応答せず、前回の事もあってシールドでコックピットを守りながら警戒を維持して少しずつ距離を取る。

 ある程度距離が取れたことを確認して転移に入る。

 そこでランスロットのパイロットから通信が繋がった。

 

『君のおかげで、前回も今回も、ここに住むたくさんの人の命が失われずに済んだ。だから、来てくれて、本当にありがとう』

 

 その通信に応える気がなかったのか。それともそんな余裕が無かったのか。乳白色の機体は音もなくその場から掻き消えるように姿を消した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユーフェミアが考案した特区日本をどうするのか。

 その案に対して当面はブリタニア、と言うよりも、副総督であるユーフェミアと黒の騎士団が共同で治める事となった。

 ゼロがZEXISの一員として活動し、インペリウムを討つことを条件に特区日本に黒の騎士団の存在を認める提案をした事も理由の1つだ。

 

 そして────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユーフェミア様の命により、再びZEXISに参加する事になりました、枢木スザクです。また、よろしくお願いします」

 

 黒の騎士団と一緒に戻ってきたスザクはZEXISに挨拶する。

 

「こっちに戻ってきたんだな」

 

「うん。ユーフェミア様は、インペリウムを始めとする各脅威に対して、僕がZEXISに協力するのが1番だとお考えになってね。それまで、この部隊に所属する事になったんだ」

 

 それには黒の騎士団に対する監視の意味もあるが、それはユーフェミアなりの建前だ。

 彼女は姉であるコーネリアの側近であるダールトンを側に置き、特区日本の在り方を模索する事になるだろう。

 

 それを眺めながらゼロは仮面に手を触れる。

 

(ギアスは制御不能に陥り、既に俺の意思でオンオフが利かなくなっていた。もしもあの時、冗談でもユフィに日本人を殺せと命じたら────)

 

 その最悪の光景を想像し、ギアスの扱いを更に気を付けねばと自戒する。

 そして御破算になった計画を練り直しながら、各脅威に対しての戦略を組始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ZEXISの戦いは更なる苛烈さを増していった。

 しかし、暗黒大陸の螺旋王、月のムーンWILLを撃破。

 手を結んだ三大国家との戦闘やそれを指示していたアレハンドロ・コーナーを倒す事にも成功し、併合されていく組織の膿を取り除いた。

 その過程でソレスタルビーイングのロックオン・ストラトスの死亡という喪失はあったが、それでも彼らは前に進み続ける。

 イマージュとの対話をも成功させ、彼らは2つめの月である陰月で、インペリウム。そして破界の王ガイオウとの熾烈な戦いを勝利に納めた。

 それを機にZEXISは解散。それぞれの生活に戻り、また新たな生活を始める。

 特に別世界から来たZEUTHメンバーは。

 

 そして何故か、インペリウムの討伐を転機に、PMの出現も以前のような緩やかな物へと戻っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ~。こうやってのんびり出来るのも久しぶりかも……」

 

 日本のくろがね屋という温泉宿でフィアラは温泉に浸かっていた。

 まだPMがこの世界に出現する前からたまに来ては湯治しに来ていた。

 従業員が強面ばかりだからか、フィアラの身体の傷で入店拒否される事は無いし、今では常連未満の扱いを受けている。

 尤も、破界事変の際にDr.ヘルの一団が散々熱海で暴れたせいで、客足が減ったと女将が愚痴っていた。

 その煽りか、この女湯にはフィアラ1人しか入っていない。

 

「インペリウムは三大国家が手を取った国連による討伐、ね。そんな事だから国や大衆に良いように使われるんだよ」

 

 発表と違い、フィアラはインペリウムを討伐したのがZEXISだと確信している。

 

「ま、私には関係ないけど……」

 

 温泉に首まで浸かって目を瞑る。

 

「あらあら。お風呂で寝ては危ないですわよ?」

 

 聞き覚えのある透き通った声が届いた。

 目を開けるとそこには、長いピンク色の髪の女性がバスタオルを巻いてフィアラを見下ろしていた。

 そんな髪の毛が似合う人物をフィアラは2人しか知らない。

 

 その女性────ラクス・クラインは、静かにフィアラの横へ湯に入った。

 

「久しぶりですわね、フィアラ。思ったよりも元気そうで良かった」

 

 ニコニコと笑みを浮かべながら、ラクスはフィアラの手を握った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 再世篇、予告。

 

 

 

 フィアラ「相変わらず喧しい。言葉に気を付けたら? あのZONEとかいう建造物、破壊できるのが私だけだって解ってる?」

 

 

 フィアラ「侵略者が良くもまぁ、恨み言なんて言えたものね。騎士なんて御大層な看板下ろして、強盗で充分でしょ? なんちゃって騎士様?」

 

 ウェイン「テメェ……!」

 

 フィアラ「次元将に負けた負債を、こっちに押し付けにきてる恥知らずが。貴方達の活動は私にとっても迷惑なのよ」

 

 

 マリリン「あら? 誰かと思えば前に散々イジメてあげた白猫ちゃんじゃない。またイジメられにきたのかしら?」

 

 フィアラ「……相変わらず化粧濃いですね。実年齢をそれで隠せると思ってるんですか? 痛々しいですね!」

 

 フィアラ&マリリン『あははははははは! よし殺そう!』

 

 クロウ(何があったんだよコイツら……)

 

 

 

 メール「あぁ!? フィアラ! どうしてここに!?」

 

 フィアラ「あー。お久しぶりです?」

 

 

 ランカ「あ、あ、うあ……」

 

 フィアラ「歌えないなら、バジュラの方は私がどうにかしましょ」

 

 ランカ「え……?」

 

 フィアラ「私の歌は、世界を侵す……」

 

 

 

 フィアラ「DEエンジンに次元エネルギーの供給を確認。全システム異常無し。S4U-typeZ、起動」

 

 

 第二次スーパーロボット大戦Z 再世篇

 公開未定。

 

 

 フィアラ「さぁ。決着を着けましょうか。私達の関係に。そうでしょう? ZEXIS」

 

 

 

 

 

 




この作品にはまったく関係無いけど、もしもチェンゲの武蔵が最後まで生き残って真・ゲッターロボに乗って戦ってたら、あの戦闘服で決戦に挑んだのだろうか?

くろがね屋の男湯には不動GENとサンドマンが居たりします。
この話でユフィ生存が確定したわけですが、再世篇のifであの雑な生存は無いと思った。
エリア11はコードギアスのゲームであるLOST COLORSのブリタニア、もしくは黒の騎士団ルートのエンディングに近い状態です。
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