すれ違いの結末   作:ビールは至高の飲料

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スパロボZの修理、改修技術ってスゴいですよね。
キラにバラされたセイバーも次の話では直ってたし、短期間でWガンダム勢の機体を改修するし。
原作では4年かかったソレスタルビーイングの新型も短い時間で開発されるし。


TYPE"Z"

 フィアラが出ていった後、珍しくカトルが久しぶりに呼吸をしたかのように大きく息を吐く。

 そんなカトルにトロワが肩に手を置いて話しかけた。

 

「大丈夫か、カトル?」

 

「大丈夫だよトロワ。ただ少し、痛いところを突かれただけだから」

 

 フィアラからコロニーを破壊、と口に出された時は自分が糾弾されたような気がした。

 尤も、あの様子ではカトルの事を言ったのではなく、適当にした発言のようだが。

 家族を失った悲しみのままに暴走してコロニーを破壊した。

 それはゼロシステムによる助長もあったにせよ、それを使いこなしている者がいる以上言い訳にはならないだろう。

 破界事変の時にクロウが言った。

 罰を受けるのは、全てが終わってからだと。

 今は世界や人類が崖っぷちに立たされている。

 カトルとて人類の存続や平和の為に戦う事に迷いはない。

 しかし、戻ってきた自分をこの部隊の人間は誰も責めずに受け入れてくれた。

 だからこそ時折、自分の犯した罪の意識が薄らぐ時がある。

 もちろん自分がしてしまった事を忘れるつもりも忘れることも出来ないのだが。

 故に、フィアラが放った一言には釘を刺された思いだった。

 自戒するカトル。

 

 

 アムロとクワトロが先程のフィアラについて話していた。

 

「大尉、あの子をどう思う?」

 

「此方に敵意が有るのは間違いない。だがそれ以上にそうすることで何かを守っていると感じた」

 

「守る、ですか……」

 

 クワトロの意見にシンが反芻するとそうだ、と頷いた

 

「我々を拒絶する事で自分の中にあるモノを保とうとしている。そう感じた。何にせよ、他者の心に踏み切るにはそれなりの資格と覚悟がいる」

 

 それは、多元戦争でもクワトロが言っていた事だ。

 問答無用に自身の心に踏み込もうとする者を受け入れられる人間などそうはいない。

 これは押しの強さよりも、相互の信頼関係と性格の相性の方が重要だからだ。

 あの手の相手に上から言うことを聞かせても逆効果になる。

 PMに関して協力を得られないのは残念だが、無理強いすればここぞという時に裏切るだろうし、それを許さない者も部隊の中から出る可能性がある。

 そんな事になれば、この部隊が崩壊する。

 何にせよ、PMの事は研究者達に期待する方が現実的だろう。

 そう締め括り、別の話題に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よう」

 

 フィアラが自分の機体の下に辿り着くと、そこにはギターを構えて積まれている格納庫の荷物に座っているバサラがいた。

 会話もなく、向かい合っていると、口を開いたのはフィアラからだった。

 

「ありがとうございます。あの時、止めてもらって命拾いしました」

 

「……もう、あんな歌を歌うんじゃねぇ」

 

「そのつもりですとも。私も、出来る限り長生きしたいので」

 

 おどけるようにそう口にすると一度息を吐いた。

 すると、今度はどこか羨むような表情でバサラを見る。

 

「貴方は、本当に心のままに歌うんですね」

 

 軌道エレベーターで聴いたバサラの歌。

 感情を乗せたとても情熱的な歌だった。

 

「お前もそうすりゃいいじゃねぇか」

 

 バサラからすればそれは当たり前の事だった。

 それは決して難しい事ではないのだと彼は思っている。

 

「そうですね。そう在れたら良かったのに……」

 

 最後に歌を楽しいと感じたのはいつの事だったか。

 今は周りもフィアラ自身も歌を利用する事しか考えていない。

 そこで胸ポケットに入れていたデータスティックをバサラに投げた。

 

「それ、今回の宿代。この部隊の上役にでも渡しておいて」

 

 中にはPMの世界での戦闘記録が入っている。

 具合が良くなるまで面倒を看て貰ったのは事実なのでタイミングを見て渡そうと思ったが、忘れていた。

 

「それじゃあ」

 

 もう用も無いので、機体に乗り込んでZEXISの艦から出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ランドとメールが案内されたのは、数ヵ月前に解体されたアクシオ社の隠れ工場だった。

 

「この工場は軍とかに卸す商品を開発や製作するんじゃなくて、テロリスト達の機体を受け入れて整備したり、試作の武器やパーツをテロリストに渡して試験運用させる為の施設らしいですよ。まだライフラインも生きてるし、軍に接収される前にこの設備で私の機体を修理して欲しいんです」

 

 破界事変で代表だったカルロスが破界の王を呼び寄せた事と世界を蹂躙したインペリアルに荷担した事で会社は解体されたが、未だにアクシオ社の機体に乗る者は多く、他の会社と合併したり、工場は買い取られたが、中には未だに手付かずで放置された工場が幾つか在る。

 この近くに危険なZONEが設置された事もあり、この工場も放置状態だった。

 

「よくそんな場所しってたな」

 

「まぁ、こっちに来てからアクシオ社にはそれなりに繋がりが有りましたからね」

 

 主に戦場で破壊された機体を(無断)回収して引き取って貰い、お金を得たり。

 そもそもの話、エルガン代表から依頼されてカルロスに揺れる天秤のスフィアであるVXを渡したのが縁の始まりだった。

 メールが固定されているS4Uを見上げる。

 

「また、すごーい壊れっぷりだね……」

 

「とにかく、手足をくっ付いてれば良いんです。後はこっちで何とかします」

 

 流石にフィアラも、この世界に来た時よりも酷い状態の自機を完全に修復出来るとは思っていない。要は継ぎ接ぎでも戦闘が出来れば良いのだ。

 

「……何ならZEXISの連中に頼ったらどうだ?」

 

「あの人達に頼るなら自爆させて供養した方がマシ。何より信頼出来ない」

 

 笑顔でそんな事を言うフィアラ。

 要するに、ZEXISではなくランドとメールなら信頼出来ると思って依頼してきた。

 そう思えば悪い気はしない。

 

「ま、引き受けたからには何とかするさ! 幸いパーツはそれなりに豊富だしな!」

 

 アクシオ系列の機体のパーツが工場内に残っており、それを使えば手足くらいどうとでもなるだろう。

 伊達にあの無法地帯で修理屋は営んでいない。間に合わせの物で直すのはお手の物だ。

 

「大船に乗ったつもりでいろ! 丁重な仕事とスマイルが我社の売りだからな!」

 

「ありがとうございます。私も手伝いますので」

 

 暑苦しい笑みで親指を立てるランドにホッとするフィアラ。

 毎度暑苦しいと評される彼の笑顔だが、以前ジエー博士のドアップが目覚まし代わりだったフィアラにとってそのくらいで動じる事ではない。

 

「じゃあ、早速始めようか! 報酬も前払いでたくさん貰ったし!」

 

 仲間値段というか、ほぼタダで修理するつもりだったが、フィアラはこれは正当な取引なので、とお金を払って貰った。

 年下の女の子といえど、ここで無償で修理を請け負えば、対等な関係とは言えず、フィアラを一人前と見ていないという侮辱にもなる。

 だから2人はフィアラから報酬を貰った。そして貰った以上は誠心誠意仕事をするだけだ。

 

「と言っても、こりゃあ修理つーより改修になりそうだがなぁ」

 

 ランドは苦笑して使えそうな手足を調べ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 始まったS4Uの改修作業。

 ランドとメールが手足の接続とその他の改修を行い、システム面はフィアラが再構築している。

 

 その日も作業を終えてシャワーを浴びていると、隣で体を洗っているメールが話しかけてきた。

 

「ねぇ。機体が直ったらどうするの?」

 

 どうするのか。転移装置が直らない限りはPMの世界には行けない。かと言って、今更また各地でPM退治をする意味が見出だせない。

 

「私達と一緒に、みんなのところに戻らない?」

 

 皆、と言うのは、ZEUTであり、ZEXISの事だろう。

 メールはフィアラの身体を見る。

 顔の傷。首から下も無数の傷痕が刻まれている。

 シャワーを止めると一拍置いて口を開いた。

 

「……私、ZEUTHに居た頃からお礼とか言われたこと、ないんですよね」

 

「え?」

 

「惰性的にPMの対応を手伝ってたけど、私の義務だとでも思ってたのか、感謝の気持ちを表された覚えがない。特に2つの部隊が合流してからは」

 

 それは、アークエンジェルの1件でフィアラが塞ぎこんでしまった事ともう片方との部隊で起きたトラブルもあり、上の人間はフィアラへの対応をメールやアナ姫などに丸投げしていた。

 内心で感謝していた者も居たがZEUTHという1部隊が彼女に礼をした事はない。

 口にしていないのなら、感謝していないのと同意義なのだ。

 

「こっちに来て最初ZEXISにも在らぬ疑いをかけられたし。要するに、合わないんですよね。私みたいな人間は」

 

 それに、前回の事件がある以上、人が増えれば同じ事が起こらないとは限らない。

 そもそもフィアラ自身、あの部隊に馴染める気がしない。

 

「これからの事は機体がどうにかなったら考えます。それに、ここ最近は色々と息の詰まる事の連続だったから。少しの間はゆっくりしたいです」

 

「そっか……」

 

 申し訳なさそうにやんわりと拒否され、それ以上この会話を続ける事はなかった。

 

 

 

 

 

 

 

「完せーいっ!!」

 

 達磨から人の形を取り戻したS4Uを見てメールが両手を上げて喜びを体現する。

 残っていたパーツをS4Uの規格に合わせたり、色々と代用した。

 

「前とは見た目が大分変わっちまったがな」

 

「そうだね。何か、太った? エーデル准将が乗ってた機体にちょっと似てる」

 

 本来細かった機体はミサイルポッド付きの両肩両足によって太くなり、防御フィールドが破壊された事で胴体部の装甲やスラスターを追加した結果、エーデル准将の機体であるレムレースを思わせる外観に変わっていた。

 それは、左手が5指の代わりに装備されたドリルも影響しているかもしれない。

 

「助かりました。やっぱり専門がいると、違いますね」

 

 先程機体の動作を確認したフィアラが純粋に称賛する。

 

「つっても、やっぱり突貫の間に合わせだからな。いざ戦闘になったらどんな不具合が出るかは分かんねぇぞ?」

 

「そこは、何とかしま────ん?」

 

 着信が来て内容を確認する。

 すると、フィアラが眼を細めた。

 

「どうしたの?」

 

「えぇ。こっちにいるラクスさん達が、アビスに接触するみたいです。出来れば一緒に来て欲しいと」

 

「え? あの子、こっちに居んのか!?」

 

「えぇ、まぁ……すみません。私はラクスさん達と一緒に一度宇宙に上がります。2人は、ZEXISに戻るんですよね? お別れです」

 

 え? ラクスこっちに居るの? と驚いている間に機体に乗り込もうとするフィアラをランドが止める。

 

「待て待て! 先走るなよ! 俺達も同行するさ」

 

「はい?」

 

「直したばかりの機体で何か遭ったら大変だしね」

 

「ま、アフターサービスって奴だ。もちろんお代は要らないぜ」

 

 ZEXISの事も気になるが、あいつらなら自分で何とかするだろうという信頼がある。

 

「それじゃあ、よろしくお願いします」

 

 少し悩んだ後にそう頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、指定された場所まで移動してラクス達と再会すると、大型のシャトルで宇宙に上がった。

 向かうのは次元境界線が最も不安定な次元の穴であるアビス。

 

「デケェな……」

 

 広がっているアビスの穴を見てランドが呟く。

 ここにはフィアラとランドの他にラクス達と行動を共にしていたハリー大尉とウィッツにロアビィもいる。

 5機はシャトルを守るようにして停止していた。

 

「私達以外がこっちに近付いてる。この反応は……」

 

 近付いてくる敵を確認して小さく舌打ちするフィアラ。

 肉眼で確認出来る距離まで接近してきた。

 現れたのは次元獣だった。

 

「まぁ、すんなり行くとは思ってなかったがよ!」

 

「フィアラ。その機体で戦えるかい?」

 

「やるしかないでしょう……!」

 

「ディアナ様。ここは我々にお任せ下さい」

 

「皆さん、よろしくお願いします」

 

 シャトルが戦闘に巻き込まれないように離れる。

 

「それにしてもスゴい数だね」

 

「やるしかねぇだろ! いくぜっ!!」

 

 最も装甲の厚いガンレオンが次元獣の群れを相手に先陣を切った。

 2機のガンダムと金色のスモーも応戦に入る。

 フィアラも当然戦闘に参加する。

 左腕のドリルで次元獣の頭部を潰す。

 しかし、やはり今までの愛機と使い勝手が変わりすぎていて扱い難い。

 

「あんまり前に出ないの!」

 

 前に出がちなフィアラをロアビィが援護してくれる。

 

「どうも……」

 

「この状況だしね!」

 

 フィアラの礼を軽く流しロアビイが次の敵を蜂の巣にする。

 ウィッツやハリーも次々と次元獣を片付けていた。

 もちろん、ランドのガンレオンも。

 

「来た!」

 

 アビスの穴から現れたピンクの戦艦エターナルが出現する。

 それと同時に離れていたシャトルもエターナルに向かって移動する。

 しかし、武装のないシャトルを見逃すほど次元獣も甘くなかった。

 5機とエターナルに搭載された2機のMS。

 3桁に近い次元獣では数が違いすぎる。

 

「ラクスさん!?」

 

 シャトルに襲いかかる2匹の次元獣。

 それを守る形で横から体当たりをしてドリルを喰らわせる。

 だが、もう1匹の次元獣に逆に体当たりをされて左肩ごと持っていかれてバランスを崩される。

 その隙を突かれて他の次元獣からの攻撃をシャトルを守る形で受けた。

 トドメを刺そうとした敵をフィアラは右手に持っていた大剣を突き刺し、至近距離でミサイルを叩き込んだ。

 

「フィアラッ!?」

 

「大丈夫、です……あぁ、やっぱり反応が鈍いな!」

 

 所詮間に合わせ。装甲を追加したり手足が大きくなった影響で機体の反応が思ったよりも遅い。

 しかし、左腕を犠牲にした価値はあり、ラクス達の乗るシャトルは無事エターナルに辿り着く。

 そこでエターナルから通信が入った。

 

「久しぶりだな! 元気か?」

 

 バルドフェルド。

 多元戦争の時にフィアラを研究所から保護してくれた人物の1人だ。

 

「フィアラ。お前はエターナルに入れ!」

 

「まだ、やれますよ……!」

 

 右手にライフルを構えて戦闘継続の意思を示す。

 しかし、次に聞いたのは意外な言葉だった。

 

「お前の機体を取りに来い!」

 

「え?」

 

 何を言っているのか。

 私の機体? 

 

 動揺していると、ウィッツとランドがフィアラに近付く次元獣を片付ける。

 

「ボケッとすんな! 死にてぇのか!」

 

「何だか知らねぇが、その機体を取りに行け! こっちは俺達だけで充分だぜ!」

 

「……はい」

 

 機体を開いたエターナルのカタパルトに突っ込む形で入る。

 その中に在る、機体が目に入った。

 乳白色と金のラインが入った、細部は違うがS4Uに似た機体。

 全体的に細身になったが、女性騎士を思わせるデザインになっている。

 

「私の……」

 

 その機体を見たフィアラは今の機体から出て、引き寄せられるように新たな機体に向かう。

 コックピット内に入ると中もこれまでのS4Uとの違いはなかった。

 コックピットを閉じると、自動再世されるようになっていたのか、モニターから見知った顔が映し出された。

 

『アイラビュ~! フィアラちゃん! お久しぶりにゃ~!』

 

「うわ……」

 

 モニターに映っているのはジエー博士だった。

 突然のキスするような彼の唇がドアップで映し出されて、機体を立ち上げていた手が止まる。

 

『コレが流れてるって事は、無事フィアラちゃんに届いたみたいで安心したね!』

 

 ジエー博士の言葉を聞きながら機体のチェックをする。

 武装は殆んど変わらず、幾つか追加がある。

 変形機能は削除されていた。

 

『実は、次元を越えて実験機のS4Uのデータは定期的にワシのところに届いてたにゃん。これはそのデータを元に戦闘用として再開発したフィアラちゃんだけの機体にょね! あ、世界を越えて繋がるって何かロマンチック?』

 

 くだらない冗談を聞き流し、新機能を確認する。

 

『その艦がそっちの世界に行くみたいだったから丁度良くて送りつけたのよ。フィアラちゃんが送ってくれたデータのおかげでワシの研究も大助かりだったにゃー! いつか会いに行くから、今度こそワシの愛を受け取ってー!』

 

 そこで記録されていた映像が途切れた。

 色々と言いたい事はあるが、今言いたいのは。

 

「……ありがとう、博士」

 

 届くことのない感謝を口にした。

 

「DEエンジンへのエネルギー供給ラインの接続完了。全システム問題なし。S4U・TYPE"Zest()"起動完了」

 

 機体に火が点ると開いたままのカタパルトに新型機の発進準備に入る。

 

『S4U発進どうぞ』

 

「フィアラ・フィレス、S4U、出ます!」

 

 加速を付けてエターナルから新型を発進させる。

 

 エターナルから飛び出すと、いつの間にかZEXISが戦線に参加していた。

 敵側には、偽りの黒羊のリアクターであるアイム・ライアードがいる。

 背面に次元エネルギーによって形成された光のマントが生み出される。

 シールドの内側に収められた柄を取り出す。

 

「次元エネルギー、物質化開始」

 

 今までエネルギーの刃を成していたそれは、実体の片刃が生み出される。

 

「シッ!」

 

 エターナルに近付く次元獣を斬り捨てた。

 一直線に並ぶ次元獣を刀身を伸ばして数匹串刺しにする。

 シールドブレードを展開し、両手の刃で立ち回る。

 フィアラ専用に調整されているだけあり、自身の思い通りに反応して動いてくれた。

 アイム・ライアードはスフィア・リアクター達が相手をして、ZEXISの面々も次々と次元獣を撃破していく。

 

「長引かせる必要はなし……一気に決める。私の歌は、世界を侵す」

 

 右手を掲げる新型のS4U。

 歌がこの戦闘区域に広がると、金の紋様はフィアラの機体の周囲に展開された。

 掲げた手の平には球体が生まれ、それが一定の大きさになると、歌が止んだ。

 

「終わりだ!」

 

 集まったエネルギーの球体を次元獣の群れの中心に向けて放つ。

 次元獣の群れの中心に辿り着くと、球体は一瞬で広がり、20程集まっていた敵を飲み込み、跡形もなく消し去った。

 

「────っ! やってくれますね、紛い者の人形が……っ!」

 

「スフィアには特に興味もないけど、貴方は邪魔だ」

 

 刀身を物質化させ、フィアラはアイム・ライアードの機体に襲いかかる。

 一太刀を避けると、大きく後方に退いた。

 

「これ以上の戦闘は無意味ですね。もっと揺れる天秤のスフィアの力を引き出しなさい、クロウ・ブルースト。それこそがエスター・エルハスを救う唯一の術なのです!」

 

 それだけを言い残すと、残った次元獣と共にこの戦域から撤退した。

 戦闘が終了すると、一息吐いた後にフィアラがエターナルの方を向く。

 

「私ももう行く。この機体を届けてくれてありがとう」

 

「やはり、私達と共に戦ってはくれませんか?」

 

「うん。やっぱり私は世界の未来よりも、自分の過去の方が大事だから。だから、さよなら」

 

 転移を発動させたのか、此方が引き止める前にフィアラ機もこの戦域から離脱した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 アビスを通ってやって来たエターナル。

 向こうでしか手に入らないパーツやZEUTHの家族からの手紙などが渡される。

 ラクスと再会したキラはてっきりエターナルで此方に来たのかと思ったが破界事変の頃から此方に居た事を知って驚いた。

 

「フィアラとは、破界事変少し後に再会しましたわ。それからたまに連絡を取り合っていたのです」

 

「そうだったのか」

 

「本当ならば、出来る彼女の傷を癒せればと思っていたのですが。フィアラは思った以上に頑なで、不器用で、そして優しい。だからこそ、自分の傷を守り続けている」

 

 あの子にとってその傷は大事なモノだから、癒すことを拒絶し、それに触れようとする者を攻撃してでも守ろうとする。

 ラクスは瞳を閉じて、あの温泉宿でフィアラと再会した時の事を思い返した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ルルーシュ「PMから、エリア11を全力で守護しろ!」

フィアラ「!?」


スザク「ありがとう。君のおかげで特区・日本を守ることができたよ」

フィアラ「――――殺してやる……っ!」

カレン「何するのよ!?」

ゼロ「フィアラ・フィレスを止めろ!彼女は錯乱している!」

フィアラ「ゼロ……撃って良いのは、撃たれる覚悟がある奴だけと言ったな。なら、この地ごと消え失せろっ!!他人の心を弄ぶ事がどういう結果を招くのか、その身を持って思い知れぇっ!!」




今後は大体こんな感じで進む予定。
実を言うと、今回ムウさんもこっちに来て貰おうかと思ったけど、話に絡まないからパスしました。なんで出なかった第二次Zでアカツキ。


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