すれ違いの結末   作:ビールは至高の飲料

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原作である第二次Zのコードギアス関連の情報。
ユフィ生存と特区・日本の成立。
カレンを含めた黒の騎士団の全員がゼロの正体を知らない。
ロロがルルーシュの側に居ない。
スザクがラウンズ入りしていない。
ナナリーの立ち位置が破界篇と変わらない。
オレンジ卿からの情報でギアス教団は壊滅。
C.Cは精神退行中。
作者の都合により、扇とヴィレッタ関連のイベントは破界篇から全面カット。


希望

『今回、特区・日本の防衛支援をありがとうございます』

 

 ユーフェミアが通信越しにZEXISに礼を言う。

 側には、行方不明であるスザクの代わりにラウンズであるジノとアーニャが控えている。

 

「それよりもユーフェミア総督。特区の被害はどうなっている?」

 

 ゼロの質問にユーフェミアは苦い顔になった。

 

『皆さんが迅速に対応してくれたお陰で、PMからの被害は最小限に食い止められました。ただ……』

 

 少し言いづらそうにした後に話を続ける。

 

『例の所属不明機。あの機体との戦闘で避難していた方や、誘導を行っていた黒の騎士団の方に被害が出ました。被害の規模については現在調査中です』

 

「……そうか」

 

 立場が人を作ると言うが、特区・日本を治める立場に立ってからユーフェミアは為政者としての顔に成りつつある。

 それから幾つかの情報をやり取りして通信を切る。

 すると周囲はゼロに対して疑念の視線を向けていた。

 皆を代表してジェフリーがゼロに問いかける。

 

「今回、フィアラ・フィレス君の暴走について説明を求める」

 

「説明、と言われてもな。私とて今回の事態には困惑している」

 

 本当に知らないとばかりの態度。

 今までなら、納得は出来ずとも見過ごす選択も在ったかもしれない。

 だが今回は事情が違う。

 そこでアムロが前に出る。

 

「ゼロ。俺達は今までお前の不審な行動に目を瞑ってきた。しかし、今回はそれでは済まない事をお前も分かっている筈だ」

 

 フィアラ・フィレスとの戦闘でZEXISのメンバーにも被害が出たのだ。

 知りませんでは済まない。

 かと言って、ゼロが何をしたのか、明確な証拠が有る訳でもないのも事実だ。

 

「そう言われてもな。元々フィアラ・フィレスは我々に敵意を抱いていたのは事実だ。それが何らかの形で爆発しても不思議ではあるまい」

 

 シラを切るような態度に黒の騎士団である玉城が加勢する。

 

「そうだぜ。あの子が勝手にやって来て勝手に因縁ふっかけて来たんだろ!」

 

「だが、現れた時のフィアラ・フィレスの様子は明らかにおかしかった。何故彼女は特区・日本を助けに来るような真似をした?」

 

 彼女の話を信じるなら、既にPMの世界へ行く切符を手にしている為に、これ以上はPMの戦闘に関与しないとの事だった。

 ここ最近は現れる事もなく、被害に対して静観を決め込んでいた。

 良くも悪くも有言実行なところのあるフィアラが何故この地だけPMの討伐を行ったのか。

 

「彼女なりの事情が有ったのだろう。我々が推測できる事ではない」

 

 他人事のように言い放つゼロ。

 それに鋭い視線を向けたのはクロウだった。

 

「破界事変の時から今日まで、お前さんが本気で世界を変えようと戦ってたのは知ってる。だけどな、エスター達がああなった以上、俺らも今回そう簡単に納得してやる訳にはいかねぇんだよ」

 

 先日ようやく次元獣から人間に戻れた大事な後輩であるエスターの消失に普段は軽口の多い彼だがこの時ばかりはそうはいかなかった。

 このままのらりくらりとやり過ごそうモノなら、強引に口を割らせるのも視野に入れる。

 険悪な空気になるZEXIS内。

 ゼロを守ろうとジェレミアが彼の前に立っている。

 そんな中でアナ姫がポツリと呟いた。

 

「知っていますか? ゼロ……」

 

 突然口を開いた彼女に視線が集まる。

 

「フィアラは人を傷付ける事を言う時もありますが、基本的に彼女は嘘を吐かないんですよ」

 

 感情だけの言動が多いフィアラ。

 しかし嘘を吐くのが苦手なのか、彼女は隠し事はしても嘘を吐く事はない。

 だからこそこれまで彼女がもたらす情報には一定の信用があった。

 一拍置いてからアナ姫がゼロに問いかける。

 

「ゼロ。貴方は今の自分の言葉が嘘偽りが無いと誓えますか?」

 

 真っ直ぐ見つめられて問われるゼロ。

 

「私は……」

 

 僅かに言葉に詰まっていると、壁を背にして腕を組んで立っていたヒイロがスッと動き、ゼロの仮面に手を伸ばすとそのまま奪い取ってしまった。

 

「ヒイロ、貴様っ!?」

 

 手で顔半分を隠しつつもヒイロを睨み付ける素顔を晒したゼロ。

 その顔を見てカレンがゼロとは別の名を呟く。

 

「ルルーシュ……」

 

 アッシュフォード学園に在籍していた同級生。

 ゼロが未成年である可能性は破界事変の頃から予想されていたが、まさかこんな形で素顔が暴かれるとは思ってなかった。

 カレン同様、元アッシュフォードの生徒だった沙慈も言葉を出せないでいる。

 素顔を暴かれたことでヒイロがゼロに問いかけた。

 

「ゼロ。フィアラ・フィレスにギアスを使ったな?」

 

 質問という形を取っているが、その声には確信がある。

 

「……」

 

 答えずにヒイロを睨み付けるゼロ。

 

「ギアス?」

 

 誰かが疑問を口にしたことでヒイロが自分の知っている情報を明かす。

 ギアスを持つ者によって異なる能力が有ること。

 ゼロの持つギアスが他者に対する絶対命令権で有ることも。

 

「ゼロの起こした奇跡の多くがギアスの力に依る物だ」

 

「何故今まで黙ってたいた」

 

「ゼロの正体も、ギアスを持っているという事実も意味が無いと判断していた」

 

 五飛の問いに即答するヒイロ。

 彼からすればギアスもそういう武器でしかないという認識なのだ。

 それを使い、何を成すのかという面を重要視していた。

 だがらこれまで協力者という形を取り、ゼロの正体を知りながら吹聴する事もなかった。

 しかしここに来て状況が一変する。

 

「ゼロ。本当にあの子にギアスを使ったのか?」

 

「……特区・日本をPMから守る為だ」

 

 甲児の責めるような問いにゼロは眉間にしわを寄せたまま答える。

 

「それが本当なら、あの子がキレる訳だぜ。そういうの、1番嫌いそうだもんな。ということは、あの子はゼロがギアスを持ってるのを知っていた訳だ」

 

「そのようだな」

 

 他人事のように口にしているが、ゼロからすればそれが完全に予想外だった。

 クロウの言うようにフィアラがあそこまで周りを気にせず暴れる理由も頷ける。

 フィアラに限らず自分の意思を他人に渡して許せる者などそうは居ない。

 況してや、フィアラはかなり直情的な性格だ。

 そこで険しい表情を浮かべていたラクスが小さく手を上げて発言する。

 

「ゼロ。もしや、フィアラを捕らえる為、私にギアスを使いましたか?」

 

「ラクス?」

 

 僅かな怒りを滲ませて詰め寄るラクスにゼロは険しかった顔を更に歪める。

 

「PMが現れてから黒の騎士団の方と合流するまでに、不自然な記憶の空白が有ります。おそらくはそれがギアスを使われた者の後遺症」

 

 ゼロの前に立って問い質すラクス。

 

「フィアラ・フィレスに余計な抵抗をさせずにギアスをかける為────っ!?」

 

 言い訳を終える前に、ラクスがゼロの頬を張った。

 それで確認は終わりとばかりに席に戻って目を覆ってラクスは俯く。

 僅かな沈黙の後に隼人が口を開く。

 

「フィアラ・フィレスにギアスをかけた結果、此方はシモン達を失った。その落とし前をどうするつもりだ?」

 

「シモン兄ちゃん達が死んだって言うのかよ!」

 

 立ち上がるワッ太にクワトロが話に入る。

 

「そう判断せざる得まい。あの痕を見てはな……」

 

 特区・日本の一部を抉り取ったあの1撃。

 認めたくないのは皆一緒だが、あの攻撃で止めようと動いたメンバーが消えてしまったのは全員が見ていた。

 それでもいまだ信じられず、心掛け追い付かずにこれまで彼らの話題を出せなかった。

 重たい沈黙が場を支配していると、これまでバルディオスのコックピットに残っていたマリンが入ってきた。

 

「遅れて済まない」

 

「どうしたんだ? 何か調べていたようだが……」

 

 タケルが質問するとマリンは頷いて端末(ノートパソコン)を開く。

 

「聞いてくれ。もしかしたら消えた彼らは無事かもしれない」

 

 マリンの言葉に全員が注目する。

 

「S4Uの最後の攻撃について調べてみた。すると、エターナルと合流した時とはデータが明らかに違っていた。むしろ、カミナシティでフィアラが消えた時の空間の反応と同様のデータが観測された」

 

 フィアラがPMの世界に跳んだ時と同じ反応。

 

「目的を達せられないと判断して逃げようとしたのか。それとも俺達を何処かへ跳ばそうとしたのかは分からない。だが────」

 

「シモン達は無事ってこと?」

 

「可能性の話だが……」

 

「いや、絶対に無事だ。アイツらがあの程度でくたばる訳ねぇぜ」

 

 マリンの報告に竜馬が笑みを浮かべている。

 他の面々も希望が持てた事でモチベーションを上げる。

 シンが居なくなった事で気落ちしていたルナマリアの肩にファが手を置き、ランド達が無事な可能性に旧友達が表情を和らげる。

 そんな中でジェフリーがゼロに言う。

 

「ゼロ。例え彼らが無事だったとしても、今君を信じる事は出来ないのは理解しているな」

 

「私を追放するか?」

 

「貴方の事だもの。そんな事をしたら、何をしでかすか分からないわ。しばらくは監視を付けて自室で待機していて。流石に私達全員にギアスはかけられないでしょう。そうでなかったら、私達はとっくに貴方の私兵になっていたわ。まだ聞かなきゃいけない事もあるしね」

 

 自分達にもギアスをかけられた者が他にも居るかもしれない。

 少なくとも今まで通り肩を並べて戦うのはとてもじゃないが無理だ。

 ゼロの監視役をヒイロが立候補する。

 

「ゼロの監視役は俺がやろう。今回の件は今までゼロを放置していた俺のミスでもある」

 

「なら俺もゼロの監視を引き受けよう。もしも奴が不審な行動に出たのなら俺が始末を付ける」

 

 五飛も監視役に立候補する。

 ゼロを連行されようとするのをジェレミアが防ごうとしたが、ゼロ自身が制止する。

 ここでZEXISの戦力を減らす事に誰も得をしないからだ。

 すれ違い様にロジャーがゼロに言う。

 

「君が今回、このような手段に出たことを残念に思うよ」

 

「……」

 

 ロジャーの言葉にゼロは何の反応も返さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 S4Uの球体が広がった光に呑みこまれ、光が止むとまったく違う景色が映し出されていた。

 

「なんだよこれはっ!?」

 

 コックピットの中でシンは周囲を見渡す。

 前後左右上下。

 あらゆる方面に埋め尽くされたPMの群れ。

 近くにいた何体ものPMがシンのデスティニー目掛けて突っ込んできた。

 

 

 




取り敢えずゼロへの処分は保留です。
取り調べとかから。

戦闘前会話にオレンジ卿追加。
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