ロクでなし魔術講師と禁忌教典と火拳(ロクアカ×ONE PIECE) 作:迷子の鴉
「……とここまでがゲイル・ブロウの発動過程でこの部分からマナが流れてその魔術が──」
「ムム」
「分かった?」
「全くわからん」
「もーう!」
アルザーノ帝国魔術学院2年2組。その教室内では生徒達が教師が来るまでの間思い思いの時間を過ごし、その中で1人の男子生徒が金髪の美少女から講義を受け、頭をひねらして唸っていた。
「あぁぁダメだこりゃ!! やっぱこういう頭を使うのは向いてねぇや」
「ダメだよ! そんなこと言ってたら! まだ1年の内容の一部分だよ!」
「んな事言ってもよォ」
「無駄よルミア。こいつに教えることは時間の無駄よ」
少年に説教する彼女に銀髪の猫耳みたいなカチューシャを着けた女子が口を挟む。
「システィそんなこと言っちゃ」
「いいんだルミア。俺が悪いんだ、お前が庇ってくれることはねぇよ」
「あなたも学院の生徒として自覚を持ちなさい。なんであんたみたいなのがこの学園に来たんだか……」
「ま、そうカリカリすんな。白髪が増えるどころかハゲになるぜ」
「これは白髪じゃなくて生まれつきの銀髪!ハゲにはならない!あんたいい加減にしてよ!何度目よこのやり取り!?」
「みみっちいなぁ。そんなんだから講師泣かせの白猫なんて言われんだ」
「くぅぅぅ!!」
「システィ! どうどう……!」
3人によって広げられるやり取りに(あぁまたか)と生徒達は呆れ、苦笑し、自分の課題に取り組んだ。
「それにしても……遅い!」
「何が?」
「ほら、今日来る臨時講師の先生」
「あ、この前セリカのばぁちゃんが言ってたあれのことか」
《ばぁちゃん!?》
一同は大陸最強の大魔術師「アルフォネア・セリカ」をばぁちゃん呼びした少年に恐れおののく。
「どっか道迷ってんじゃねぇか」
「この学院に務めることになる講師が時間に遅れるってどういうことよ!」
「ウーン、でもこんなに遅くなるなんて……」
「ま、待ってりゃ来るだろ。やーどんな奴なんだろうな。楽しみだ」
その時、
「悪ぃ悪ぃ遅れたわ〜」
漸くその講師であろう男が教室に現れた。
「やっと来たわね! あなた、一体どういうこと!? あなたにはこの学院の講師としての自覚は──」
システィーナの体がヒエヒエに凍つく。
「あ、あ……あああ──あなたは──っ!?」
なんだ運命の再開? ……お知り合いで?
「違います人違いです」
人違いか。
「人違いなわけないでしょ! あなたみたいな男、早々いてたまるもんですか!」
「こらこら、お嬢さん。人に指差してはいけませんって習わなかったかい?」
「そうだぜシスティーナ。大体お前いつもいつも偉そうにおれのこと注意しやがって」
「うるさいあんたは黙って! ていうかあなた、なんでこんな派手に遅刻してるの!? あの状況からどうやって遅刻できるっていうの!?」
「そんなもん、遅刻だと思って切羽詰まってた矢先、実は時間にまだ余裕があるってわかってほっとして、ちょっと公園で休んでいたら本格的な居眠りになったからに決まってるだろう?」
「なんか想像以上にダメな理由だった!?」
「ははは!おもしれぇ。俺気に入ったぜあいつ!」
「あはは……
「学院長ぉぉー!!」
誇りある学院長の部屋に頭がちょっとヤバそうな眼鏡の男が入り込む。
「なんだねハーレイ君、そんなに慌てて」
「私の仰りたいこと、あなたには検討がお付でしょう」
ハーレイの剣幕に学院長、「リック・リオダーン」はため息をつく。
「今日赴任してきたグレン君の事かね」
「それもあります!ですが第一にあのポートガス・エースの除籍の件でのことです!」
「君も飽きないのう。彼は一応入学試験はギリギリのラインで合格しておるのだよ」
「ですがこれ以上奴のような馬鹿者を入れていては我が校の恥!さらに奴が度々起こす事件はもう我々の手で終えるものじゃない!」
学院創設以来、
彼は一体この学園で何を起こすのか。彼は何者か。
彼が起こす嵐はまだ始まったばかり……