妖精さんが見えるだけなのに   作:語部創太

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 すいません。以前書いていた艦これssは続きが全く思い浮かばなくてすごくつらかったので消しました。
 今回はそうなっても大丈夫なように、あらすじで保険かけまくったので大丈夫だと思います。
 ・・・失踪はしないように頑張ります。ごめんなさい。


1.転勤(主人公視点)

 薄暗い室内に、老人と少年が向かい合って座っていた。

 

「キミがここに勤めて、もうすぐ3年になるね」

 

――はい

 

「たしかキミは《妖精さん》を見ることができたね?」

 

――はい

 

「ふむ……」

 

 老人は、何事か考えるような仕草をする。少年は知っている。これは考えているフリだと。こういう仕草をする時、老人の中ではすでに結論が決まっているのだ。

 

「……よし」

 

 老人は何かを確かめたようにうなずいた。

 

「キミには、来月から横須賀鎮守府に行ってもらう」

 

――イヤです

 

「駄目です」

 

――あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛! ! !

 

 少年の絶叫が、永田町大本営に響き渡った。

 

 


 

 

 拝啓、天国のお父さんお母さん。貴方たちが他界あそばせてボクが働き始めてから3年が経ちました。

 学歴も後ろ盾もないボクですが、ただひたすら真面目に一生懸命働いてきました。上司からの無茶ぶりにも耐え、日々かかってくる電話から聞こえる罵詈雑言にも耐え、決して出世しているわけではありませんが、少しずつお給料も増えて、老後に向けた貯蓄もできるようになってきました。

 

ですが、ボクはもう限界かもしれません。

 

 何が悲しくて男1人女性いっぱいというハーレムの中で働かなくてはならないのでしょう。しかもその男1人ってボクじゃないからね? 稀代の天才とか言われてボクと2つしか歳が違わないのに日本存続の危機を何回も救ってる英雄さんだからね? なんだよそれチートかよチーターやんけ! そんな人類最強チート持ちと一緒に働くって何それ公開羞恥プレイ? 望んでもないのに勝手に比較されて格付けされて噂話好きな女性から「同じ男なのに……」とかひそひそ話される特典付きですか? ワーステキダナー。

 

 ボクはドMじゃありませんよ?

 

 大本営で書類仕事と電話対応してるだけで良かったのに直属の上司である元帥さんに「お給料増やしてあげるから行きなさい」とか言われて最終的には辞令という名の強制命令で異動させられたボクの気持ちが分かる? いや分かるでしょうね。お二人とも生前は公務員でしたもんね。生前は役所でこんな大変な仕事をしていたのかと、ボクも働き始めてからお二人の偉大さにやっと気付きました。

 とにかくボクはもう駄目です。毎月行っている墓参りですが、今月からはボクも一緒の墓に入ることになるでしょう。いや別に仕事は大変じゃないんだよ? でもその、対人関係がね? ストレスがね? 知ってるかい? 自殺する動機のうち9割は対人関係からの悩みだって言われてるんだよ?いやもう本当、

 

ダレカタスケテ

 

 

 とか、届くはずもない手紙を書いて現実逃避していたのが昨日。

 世界滅びないかなー。滅びれば働く必要もないのになー。なんて考えながら自転車を漕いでいると、前方に大きな建物が見えてきた。

 わー、着いちゃったよ。日本最強を誇る横須賀鎮守府だよ。今日からボクが働くことになる職場だよ。

 

「止まれ」

「ここは一般人立ち入り禁止だぞ」

 

 横須賀鎮守府の周囲は巨大な塀で囲まれていて、1つしかない門から出入りすることになっている。そこには門番として昼夜を問わず24時間、交代交代で憲兵さんが立っている。

 大抵は黒塗りの高級車くらいしか通らない門に近付くと、ものすごい形相で睨みながら2人の憲兵さんが歩いてくる。

 

――あ、どうもお疲れ様です

 

 胸ポケットにしまっていた手帳から身分証を取り出す。顔写真や所属が書いてあるこのカードの中にはICチップが組み込まれていて、タイムカードとしても使える優れものだ。

 

「これは失礼した」

「軍人とは思えぬ格好だったのでつい」

 

――いいんですよ

 

 そりゃあ、ごくごく普通のスーツに身を包んだ少年が自転車に乗ってたら軍人とは思わないでしょ。ボクだってそう思うもん。ちなみにこのスーツは洋服の青〇で買いました。バーゲンセールで上下1万円という格安スーツです。スーツ業界とパン業界は「春の○○祭り」「夏の○○祭り」「秋の○○祭り」「冬の○○祭り」お前ら1年中お祭りしてんなって思うよね。

 これから毎日この格好で通勤するのでよろしく、なんて簡単な会話を交えながら敷地内へ入れてもらう。自転車置き場はないので、庁舎出入口の近くにある駐車場で適当に止めといていいらしい。そこまで行くと公用車と思しき車が数台止まっているので、そのスペースを避けて駐輪する。

 

「お待ちしていました」

 

 中から自転車を漕いでいる姿が見えたんだろうか。庁舎出入口まで歩いていくと1人の女性が立っていた。

 艦娘【大淀】さんその人だった。大本営と各鎮守府を繋ぐ連絡係である彼女とは一時期、大本営で共に働いていたこともある。現在大本営にいる【大淀】さんの前任者で、現在の横須賀鎮守府には英雄である提督が新人だった頃に、その教育係として異動した。

 

――お久しぶりです、春日です。今日からまたお世話になります。

 

「はい。一緒に頑張りましょう」

 

 にこやかに微笑むかつての上司の姿は、2年前と全然変わっていなかった。

 




 艦これの大本営がどこにあるのか分からなかったので、政治の中心Nagata-choに設定しました。主人公の実家から電車で30分くらいのところって考えてます。ちなみに主人公は通勤時間1時間以上だと耐えられない軟弱者です。うp主も軟弱者です。どうぞ罵ってください。
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