馬鹿が賢い文章書こうとしても無理ですね。矛盾だらけ穴だらけ、読みにくい文章でごめんなさい。
あと、朝起きて「UA数増えてないかなー(゚∀゚)」なんてスマホを開いたんですね。
「1万超えてるぅ!?Σ(゚Д゚)」ってなりました。本当にありがとうございます。
見てしまった。私は大本営から来た少年――春日蒼汰が、ニヤリとあくどい笑みを浮かべるのを見てしまったのだ。
妖精さんたちに群がられるも、すぐに手元に用意していた菓子折りを手渡しているのを見た時は、私が勘違いしていたのかと思ったのだ。
妖精さんたちは確かに甘いモノが大好物だが、性根が腐った人間からは決して受け取らない。【提督】の前任者である人物は妖精さんたちに言うことを聞かせようとたくさんの駄菓子を庁舎のあちこちに置いていたのだが、結局その駄菓子が1つたりとも減ることはなかった。
しかし、妖精さんたちは少年の手から直接菓子折りを受け取り美味しそうにマドレーヌを頬張っている。その可愛らしい姿に心が癒される。少年も妖精さんたちに敬意を持って接しているようだし、敵だと認定するにはまだ早計だったか。そう思った時だった。
ニヤリ、と。少年が妖精さんたちを見ながら笑みを浮かべたのだ。私のように、その可愛らしい姿に癒されたというなら分かる。だが、その表情はまるで自分の計画通りに物事が進んでいることに満足しているような、そんな悪い笑みだったのだ。
やはりそうか! この少年は、いや【コイツ】は……!
他の3人の様子を横目で確認する。しかし【提督】も大淀も足柄も、妖精さんたちの可愛らしい姿に目を奪われているようで【コイツ】の本性に気付いた様子はない。
だが、私には分かる。いや、最前線で深海棲艦どもと戦い続け、敵意と悪意をイヤというほどこの一身に受け止めてきた私だからこそ気付けたのだろう。
【コイツ】は、大本営内の横須賀鎮守府を良く思わない一派から何らかの指令を受けている。おそらく目的は【提督】の失脚。若くして『英雄』と呼ばれた青年と、それを保護する元帥閣下。2人を排除して海軍を自分たちで牛耳ろうとしているに違いない。
なぜか【提督】と元帥閣下からは信頼されているようだが、いったいどんな卑怯な手を使って取り入ったのか。【コイツ】は相当なやり手のようだ。妹の『陸奥』から「脳みそまで筋肉で出来ている」と言われる私ではその手の内は予想すらできない。私とは対照的に「横須賀鎮守府の頭脳」と呼ばれている大淀に相談してみようか。
いや。大淀は以前から【コイツ】と知り合いだったようだし【提督】と同じように絆されていても不思議ではない。相談はやめておこう。まだ【コイツ】が鎮守府内の艦娘と接触していない今のうちに、信頼できる何人かと警戒態勢を敷かなければなるまい。
私が今後の方針を考えていると【コイツ】――春日が【提督】に向かって姿勢を正した。
――ご挨拶が遅れてしまい、申し訳ありません。本日よりこちらに配属になりました、春日蒼汰と申します。3年前より大本営で働かせていただいており、総務・経理・一般事務などを担当しておりました。こちらでは大本営に提出する報告書の作成など執務の補佐を担当させていただくと伺っております。鎮守府での仕事は初めてなのでご迷惑をおかけすることもあると思いますが、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします
「ああ。こちらこそよろしく頼む」
まるで、あらかじめ何を話すか決めていたかのように流暢な挨拶をして敬礼をする春日。【提督】も答礼して返事をする。
「君には、現在私が行っている書類仕事の大半をこなしてもらうこととなる。働いていく中で気付いたことや疑問に思うことがあれば、何でも言ってくれ」
――それでは。さっそくで申し訳ないのですが、1つよろしいでしょうか
「どうした?」
――パソコン導入のご検討をお願いしたく存じます
「……ふむ?」
――現在、大本営での事務作業はそのほとんどをパソコンによる入力作業で行っております。作業時間の効率化・短縮化のために導入されたモノですが、かなりの成果を上げています。
「具体的には」
――キーボード操作に慣れてしまえばペンで文字を書くよりもはるかに早く入力作業を進めることが可能です。さらにインターネット回線を通して文書のやり取りを行えば、郵送にかかる代金も節約できますし配達にかかる時間もはるかに短縮できます
「そのインターネット回線を敷く工事はどうする? 鎮守府内への民間人立ち入りは絶対禁止だ。業者は呼べないぞ」
――はい、仰る通りです。そこで妖精さんたちに事前相談をしたところ、大本営と横須賀鎮守府のみでの専用回線を敷くことが可能だと返答がありました
「それは本当か?」
『できますよー』
『あっちとこっちの、ぱそこん? が通信できるようにすればいいんです?』
『そんなの、ちょちょいのちょいです』
『がんばるクマー』
「不正アクセスやハッキングによる情報漏洩の可能性は」
――妖精さんの技術力を借りられれば、外部に情報漏洩する心配はないかと存じます
「……君は、パソコンがあった方が仕事しやすいんだな?」
――はい。導入していただければ、必ずや期待通りの成果を上げられるものと確信しております
「分かった。元帥閣下とも相談して、近日中に手配しよう」
――ありがとうございます
「ただ、数日の時間はかかるだろう。それまでは従来通りの方法で仕事にあたってもらいたい」
――はい
「他には、何かあるか?」
――いえ、特にはありません
「そうか。では本格的な仕事をしてもらう前に、庁舎内の案内をさせよう。大淀、すまないが頼めるか」
マズい。いきなり【コイツ】の要望を通させてしまった。警戒するといっておきながらなんてざまだ。
だが、私は書類仕事について詳しいことは分からない。ぱそこん? についても、そんな存在すら知らなかった。そうしたことは横にいる大淀が詳しい。何か不審点があれば大淀が指摘するだろうと考えていたが、そんな素振りは一切なかった。【コイツ】の言っていることが的を得ているのか……それとも、大淀がすでに取り込まれているのか。
大淀が執務室を出て行ってからまだ数十分。そんな短い時間で洗脳の類が可能なのかは分からないが、やはり今は大淀を完全に信頼はしない方が良さそうだ。
とにかく、これ以上大淀を【コイツ】と一緒に行動させるのは良くない。【提督】に近い大淀を味方につけることが【コイツ】の目的であるなら、それを阻止しなければならない。
「……待ってくれ、提督」
「長門、どうした?」
「彼の案内は私がしよう」
【コイツ】にあらかじめ警戒できている私なら、そう簡単に絆されはしない。むしろ、私の目が届かないところで他の艦娘と接触されてはたまらない。特に純粋な駆逐艦の子たちが【コイツ】の毒牙にかからないように、近くでしっかり見張らなければなるまい。
「……だそうだが、どうだ春日くん?」
――私はかまいません
かまわない、だと? よっぽど自分の手腕に自信があるようだな。私も簡単に自分の下に取り込むことができると考えているのならば、ずいぶんと甘く見られたものだ。私はビッグセブン、第一艦隊旗艦を任されている横須賀鎮守府最強の戦艦だぞ?
「よし。では長門、頼む」
「ああ、このビッグセブンに任せておけ」
――長門さん、よろしくお願いします
「こっちこそ、よろしく頼む」
簡単にペコペコと頭を下げる。その低姿勢で相手の油断を誘っているのだろうか。
(……大淀から目を離すな)
(……どういうこと?)
(詳しいことは後で話す)
足柄に耳打ちする。首を傾げていたが、とりあえずは頷いてくれた。裏表のない足柄なら安心して【提督】を任せられる。……洗脳された大淀が【提督】に牙をむく可能性もあるからな。いきなりそんな大胆なことをしでかすとは思えないが、万が一ということもある。
大量の妖精さんを身体にくっつけた春日と執務室の外に出る。外にいた天龍にも「駆逐艦たちの傍にいろ」と耳打ちしておく。極力、【コイツ】と艦娘が会わないように案内をしなければならない。
隣に立つ少年の様子を目の端で確認しながら、私は案内を開始した。
ビッグセブンから【コイツ】呼ばわりされる主人公がいるらしい。
当初の予定では10話で終わる予定だったお話が、まだ10%くらいしか進んでない。
無計画に書いてたらドンドン増えてく文字数。どうしてこうなった?(震え声)