【マダム・ルゥルゥのオウニ商会立ち上げ】   作:どら焼きパンケーキ中佐

6 / 9
イヅルマでジノリ技師長から隼一型を調達して、ナツオさんをオウニ商会羽衣丸整備班長として雇用したマダム・ルゥルゥはしばらくイヅルマを拠点に置き、資金繰りをしていくことにしました。


【第六話 ✿ルゥルゥ飛行隊出撃✿】

【第六話 ✿ルゥルゥ飛行隊出撃✿】

 

《真紅の女龍》マダム・ルゥルゥ仕様の【隼一型】

《ナツオカスタム》ナツオ仕様の【隼一型】

《脅威の魔改造》ロリリコさんの【赤とんぼ】

曲がりなりにも、ユーハング式の飛行小隊一つ分になりました。

 

まだ、この時期のイヅルマの自警団はリノウチ大戦の影響によってカリスマ的なACEトキオ団長が行方不明になったことで、事実上自警団として機能をしていませんでした……

 

~行方不明になったトキオ団長の娘さんのアコちゃんがカナリア自警団を結成するのはまだまだ先のお話です~

 

[閑話休題]

 

ルゥルゥが計画したのは、イヅルマに急増した空賊に対して自分達が自警団としての役割を担うことで、【羽衣丸】建造費用の追加調達をすることに加えて《ナツオ整備班長》への安定した給与を支給しなければならないという【オウニ商会】の代表者としての義務があったのでした……

 

【ルゥルゥ飛行隊詰所】

ルゥルゥが達筆なユーハング語でしたためた看板を見つめながら慌てた様子の小太りの青年がルゥルゥ飛行隊詰所のドアをDONDON!BANBAN!叩いています。

「騒がしいですね。」

ロリリコさんは、どこか冷めた言い草でそう呟くと、物憂げがちにドアを開けました。

「ルゥルゥ飛行隊詰所にございます。ご要件を御伺い致します。」

さっきまでは何だったのか?と思わせる見事な業務用SMILEでロリリコさんは応対を始めました。

「私は、イヅルマ市長の縁戚関係者のアルバートと申します……!あなた達を凄腕の飛行隊と見込んでお願いします!最近イヅルマを荒らす大空賊【トカゲのシッポ団】を討伐してくださいませんか?」

 

ロリリコさんは、どうしますか?という眼差しでルゥルゥを見つめながら決定を促しています。

 

ルゥルゥの決定は決まっていました。

 

「アルバートさんだったかしら?あなたの保有資産の半分を頂戴致しますがよろしくて?」

 

アルバートは、あっ!私は頼む相手を間違えちゃった!と後悔しましたが、後の祭りでした……

 

「受けた依頼は果たします……お支払いはキッチリお願い致します。」

 

《私、支払い滞納したら処される……!》

 

~《トカゲのシッポ団来襲》~

いつもの日課とばかりに、大空賊の【トカゲのシッポ団】が160機程イヅルマ上空に向かって迫りつつありました。

 

「ロリリコ、ナツオ班長、オウニ商会商売繁盛!」

「「はい!」」

 

この後の三機の活躍を語るのは野暮ですが、結果として159機撃墜という戦果を挙げました。

 

1機生き残った人間がいます。

【トカゲのシッポ団】団長です……

 

「呆れるわね。本当にトカゲのシッポを切るように逃げるなんて。」マダム・ルゥルゥがぼやきました。

 

「また会いましょう。トカゲさん、オウニ商会の売り上げの為にも……」ロリリコさんが続けます。

 

「とんでもないところに就職しちまったかな?」ナツオ班長はしばらく眉間に皺を寄せて考えこんでいました。

 

【ルゥルゥ飛行隊】は、イヅルマで荒稼ぎをしました……

 

資金繰りは安定した感じになりました。

次は【羽衣丸】の乗員を集めなければなりませんでした……

《操舵士》《副操舵士》《副船長》《サルーンのマスター》などルゥルゥの理想的な【羽衣丸】を仕上げるには、時間が必要になりました。

 

「急いては事を仕損じる……ユーハングのことわざね。」

 

(つづく)

 




ルゥルゥ飛行隊を書きたい回でした。
若き日のアルバートが……(笑)

第七話もよろしくお願いします✿

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。