ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編)   作:とんこつラーメン

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プロローグ
こんな見た目でも、私は立派な大人です


 一人しかいない喫煙室にて、オレは煙を吹かす。

 こんな安物の煙草じゃ、ちっとも吸った気にはなれないけど、それでも何も無いよりはずっとマシだ。

 

「ふぅ~……」

 

 なんで、オレはこんな場所にいるんだろうか。

 同じことを、これまでに幾度となく自分に問い質してきた。

 ここに来てから、既に結構な年月が過ぎた。

 少しだけ昔を懐かしんでしまうのは、オレがそれ相応に歳を取った証拠だ。

 

「皆さん揃って仕事熱心だこって」

 

 自分には大きすぎる椅子に座り、脚をブラブラとさせながら、自分の吐いた煙で充満する喫煙室を見渡す。

 今はオレ以外に誰もいないここだが、休憩ともなれば色んな奴がやってくる。

 ベリルやデイビットなんかがいい例だ。

 性格に癖はあるが、あいつらは決して嫌いじゃない。

 だって、オレがこうして喫煙してても全く文句とか言わないから。

 

 逆に、ペペロンチーノやオフェリアはいっつも『タバコはやめろ』って言ってくる。

 なんでも、この見た目で煙草を吸う姿を見るのは、非常に心臓に悪いらしい。

 余計なお世話だ。オレだって、なりたくてこんな姿で生まれたわけじゃない。

 

 カドックは嫌そうな顔をしてこっちを遠巻きに見てるし、キリシュタリアに至っては完全にオレの事を子供扱いしてやがる。

 こっちの方がお前なんかよりも、ずっと歳上なんだっつーの。

 

 唯一、ヒナコだけは何も言わないでいてくれる。

 まぁ…それは、オレとアイツがお互いに誰にも言えない秘密を共有しているからだろう。

 流石に、喫煙室から出た直後に会うと、問答無用で消臭剤を振りかけてくるけど。

 

「ん?」

 

 ボケ~っと考え事をしていると、喫煙室の扉を叩く一人の男がいた。

 怪しさ全開の顔に、緑の帽子と服を着ている男。

 オレとは色んな意味で腐れ縁な奴だ。

 

 チョイチョイと手招きをしてくるので、無視するわけにもいかず、仕方なくここから出ることに。

 まだ吸い始めたばかりの煙草を灰皿に押し付けてから火を消し、入り口まで歩いていく。

 

「望月博士。こんな所にいたのかね」

「オレが煙草を吸ってちゃ悪いのかよ、レフ」

「そうは言っていないがね。だがしかし、ちゃんとして欲しいと思うのは事実だよ。君は間違いなく、この『人理継続保障機関フィニス・カルデア』の大事なメンバーの一人なのだから」

「それは、うちのオヤジとマリスの野郎がオレに何も言わずにここへと連れてきたからだろうが。事実、すぐにここを出て行ったしな」

「けど、君はまた戻ってきた」

「オヤジに騙されてな……!」

 

 あの時の事は、今思い出しても腸が煮えくり返りそうになる……!

 何を思ったのか、父さんと母さんは、実の息子であるオレに対して、恐ろしく強力な睡眠薬(シロナガスクジラですら一発で昏倒するレベル)を無理矢理に投与して、眠らせたうえでここに強制連行しやがった。

 確かに、オレに対して普通の睡眠薬じゃ微塵も効果は無い。

 どういうわけか、薬物に関しては異常なまでの耐性があるからな。

 両親から受けた薬だって、普通の人間なら即死しててもおかしくない代物だ。

 逆を言えば、それぐらいでもしないとオレを気絶させることすら出来ないって事なんだけどな。

 全く…嫌な部分だけ遺伝しちまったよ。

 

「で、何の用で来たんだよ? 煙草を吸わないお前がここに来たって事は、純粋にオレを呼びに来たんだろ?」

「おっと、そうだった。オルガが君の事を呼んでいたよ」

「あいつが? 分かった。ったく…そうならそうと、最初から言えっての」

「悪い悪い。君と一緒にいると、不思議と話し込んでしまう」

「なんじゃそりゃ」

 

 意味わからんわ。

 心の中を覗かせないのはお互い様だが、それを抜きにしても、こいつは時計塔にいた頃から微塵も信用してない。

 なんて言えばいいんだろうか…自分でも非現実的だとは思うけど、『勘』のようなものが『この男だけは絶対に信用するな』と言っているのだ。

 うちの父親も、こいつと会う時だけは目を鋭くしていたしな。

 

「彼女なら、自室にいるよ」

「そーか」

 

 会議室や所長室じゃないって事は、何かプライベートな案件か?

 まぁいい。実際に会ってから本人に直接確かめればいいだけの話だ。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 望月鞠絵。年齢35歳。

 世界最高峰の頭脳を持つ超天才科学者である『望月陸奥守(むつのかみ)』と、同レベルの頭脳を誇る生物学者『望月京子』との間に生まれた一人息子。

 容姿だけならばまるで、就学前の幼女にしか見えないが、その中身は両親顔負けの超絶的な頭脳と身体能力を秘めている。

 その能力故に、前所長である『マリスビリー・アニムスフィア』の助手を務めていたこともあり、科学者としてだけでなく、魔術師としての実力も推して知るべきである。

 あのマリスビリーの『一番弟子』であったキリシュタリアでさえも、望月博士には全幅の信頼を置いている程なのだ。

 20代の頃は時計塔にて講師を務めていた経験もあり、その際にマリスビリーの娘であり、現在のカルデア所長でもある『オルガマリー・アニムスフィア』とも知り合っている。

 というか、オルガマリーは彼の元教え子なのだ。

 だからこそ、普段は他の所員達には辛辣な彼女も、彼だけには最大級の信頼と信用を寄せて、素の表情を見せている。

 因みに、彼の両親はこのカルデアの創設時の数少ないメンバーであり、私が造った『近未来観測レンズ【シバ】』の製作を手伝ってくれた事もある。

 それだけではなく、『地球観測モデル【カルデアス】』の製造にも一枚噛んでいて、それ故に子供である望月博士もこの組織とは深く繋がっている…のだが。

 

「彼は些か、やる気が欠けている節があるな……」

 

 それが『我々』を騙す為のポーズなのか、それとも素なのかは不明だが、それでも……。

 

(お前と、お前の両親の存在は非常に危険だ。お前がこのまま何もしないのであれば、それでよし。だが、お前が『我々』に牙を向こうとしたならば、その時は……)

 

 容赦なく、その命を貰う事としよう。

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 気心の知れた元教え子とはいえ、あいつも立派な女性である以上はマナーとして入室前のノックは忘れない。

 つーわけでコンコンってな。

 

「入るぞ~」

 

 ノックはした。でも返事が無い。

 つまり、これで何か事故的な事が起きても、オレには全く非は無いって事になる。

 だから、遠慮なく部屋の扉を開いた。すると、いきなりオレの視界が何者かによって防がれてしまった。

 

「ぜんぜぃ~!」

「……………」

 

 いきなり抱き着いてきたのが、前所長の一人娘でもある若き元所長のオルガマリーだ。

 前々から思っているけど、オレの前でだけ性格が変わりすぎじゃないか?

 もしかしてとは思うけど、まさか二重人格の類じゃあるまいな?

 

「色々と言いたいことはあるが、まずは離れろ。普通に苦しい。それから、何の前触れも無くいきなり抱き着いてくる癖は治せ」

「ずびばぜん……」

 

 泣いているのか、完全に鼻声になってやがる。

 服に鼻水とかついてないよな?

 

「で、どうした? 何か大事な用でもあるのか?」

「そうだった! 聞いてくださいよ先生!」

 

 そこから出るわ出るわ、所員達に対する愚痴の数々が。

 この齢で所長なんて地位についてしまい、かなり無理をしているせいか、どうも他の連中からの評判は良くない。

 まぁ……普段のオルガの性格を考えれば、無理も無いんだけどな……。

 

「そんでもって、ロマニが言うんですよ! 『君はもう少し、肩の力を抜いたほうがいい』って! いつもヘラヘラとしてるアンタにだけは絶対に言われたくはないってのよ!!」

「そうかそうか。それは大変だな~」

 

 基本的に好きな事さえ出来れば大満足なオレにとって、他人の愚痴を聞かされるのは普通に嫌だ。

 だから、こんな時は基本的に右から左に聞き流すように心掛けている。

 

「つーか、なんでお前はいつも、二人っきりになるとオレの事を後ろから抱きしめる?」

「だって…先生って凄く良い匂いがするし、プニプニしてて可愛いし……」

 

 良い匂いも可愛いも、昔からめっちゃ言われ慣れてるから、今更何も言うつもりはないが、それでも、オレはオルガの抱き枕になった覚えはない。

 

「もう少しだけ…このままでいてもいいですか……?」

「好きにしろ。どうせ、今のオレはただの暇人……」

 

 『暇人だから』と言い掛けた所で、オレの手作り特製超高性能スマホ(非売品)に通信が来た。

 このスマホ、実はただの携帯じゃなくて、このカルデアの通信機器とも繋がるようになっている。

 他にも暇潰しに色んな機能を詰め込んだ結果、二度と同じ物を作れない程にとんでもない代物になってしまった。

 それを言った時のレフの引き攣った顔は今思い出しても爆笑ものだ。

 

「もしもし?」

『もしもし~? ちょっとこっちに来てほしいんだけど、今はどこにいるのかな?』

「オルガの部屋だよ」

『おや~? もしかして、お邪魔だったかな~?』

「ンなわけあるか。今行く。ちょっと待ってろ」

『はいは~い。別に急がなくてもいいからね~』

「うっさい。令呪使うぞコラ」

『それじゃ~ね~』

「無視すんな」

 

 ちっ…! 一方的に切りやがった。

 

「そんな訳だから、ちょっくら行ってくるわ」

「え……?」

 

 呆けるオルガの腕を振りほどいてから、オレは部屋を出ることに。

 退室して扉が閉じた瞬間、中から大きな叫び声が聞こえような気がするが、敢えて聞かなかったことにする。

 

「ちょっとは空気を読みなさいよね!! あのバカサーヴァント!!!」

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 カルデア本部の端の方に存在する『工房』。

 ここに、さっきオレを呼んだ張本人が待っている。

 今回はノックなんてことはせずに、普通に中へと入っていく。

 室内には、無駄に派手な服を着た一人の美女がいた。

 

「来たぞ~」

「おっと。仮にもレディの部屋なんだから、ノックぐらいはした方がいいんじゃないかな?」

「一体どこにレディがいるって?」

「目の前にいるじゃないか」

 

 本来は何気ない普通の部屋だったが、『コイツ』が来てからはこの部屋は奴の『工房』へと魔改造され、今では様々な機器や道具などが並べられている。

 立場が立場故に優遇されても不思議ではないけど、だからと言ってここまでするか普通?

 少しは遠慮ってものを知らないんだろうか?

 

「寝言は寝てから言え。あ、英霊だから寝ないのか」

「相変わらずだね、君は」

「それに関してはお互い様だろうが、キャスター。いや……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レオナルド・ダ・ヴィンチ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「君が私の事を真名で呼ぶなんて珍しいね…『マスター』」

「気にするな。単なる気紛れだ」

「出来れば、これからもそっちで呼んでほしいかな?」

「気が向いたらな。で、どうしたんだ?」

「うん。実はね……」

 

 そうだ。まだオレの事を紹介してなかったな。

 どうでもいいとは思うが、これも一種の通過儀礼として諦めてくれ。

 

 オレの名前は『望月鞠絵』。

 この『人理保障機関カルデア』のスタッフの一人であり、ここの技術部のトップを務め、ついでにここに集められている48人のマスター候補の一人…というか、俺が一人目なのだ。

 

 そんでもって、この目の前にいるのがオレが契約をしている英霊サーヴァント『キャスター』のレオナルド・ダ・ヴィンチその人。

 オレにとっての『今』の相棒であり、実質的な助手でもある。

 色々と問題が多い奴ではあるが、その能力だけは間違いなく超一流だ。

 

 他にも様々なスタッフがいるが、それは会った時にでも紹介すればいいか。

 ともかく、一癖も二癖もあるメンバーが集まって、オレ達は今から世界を守っていかない訳だ。

 ま、その手の事は他の連中に任せて、オレはキャスターの魔力供給係としてのんびりとさせて貰うけどな。

 

 んなわけだから、今後ともよろしく。

 

 

 

 

 

 

 

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