ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編) 作:とんこつラーメン
「成る程……。そのような事情があったのですね」
召喚(オレにとっては再召喚)されたばかりのセイバーに、こっちの現状を話しながら、三人と自己紹介をし合って貰った。
「オルガマリー…貴女があのマリスビリーの娘だとは。よく見れば、父親によく似ている。特に、その鼻立ちや目元なんかが」
「セイバーは父さんとも知り合いだったのよね? 貴女から見た父さんはどんな人だった?」
「そうですね……一言で言い表すのは難しいですが、なんとも掴み所がない人物のように思えました」
「掴み所が無い…ね」
「はい。別に冷徹な人物と言う訳ではないのですが、まるで雲のような、幻のように捉えどころがない人間でした。けど、決して悪人の類ではないとだけは断言出来ます」
「どうして?」
「キャスターや、助手である鞠絵と話している時はよく笑顔を浮かべていたからです。少なくとも、私がよく知っている魔術師達とはいい意味で違った印象を受けましたね。まぁ、それは鞠絵もなんですけど」
オレの場合は魔術師ってよりは科学者の側面の方が強いしな。
「そして、マシュ・キリエライト。自分でも不思議なのですが、なんでか貴女の事は
「な…なんでですか?」
「それは私にもさっぱり。ただ、どうも初対面のようには思えなくて。でも、私が貴女と会ったのは間違いなく今日が初めての筈」
「ですよね……だとしたら」
「「なんでなんでしょうか?」」
「いや。ハモられながらこっちに聞かれても」
こいつら、意外と息があってるんじゃなかろうか。
もしや、マシュに力を貸す為に融合した英霊ってのは、円卓の関係者なのか?
「立香は少し前までは完全な一般人だったそうですね」
「うん。これも、最初はちょっとしたバイトのつもりだったんだけど、いつの間にかこんな事に巻き込まれちゃって……」
「……後悔してますか?」
「……ううん。それだけは絶対にないかな」
「どうして?」
「私ってさ、学校の成績も運動神経も平々凡々で、良くも悪くも中途半端なんだよね。これといった特技も無いし、趣味って言えるような事も無い。何かしなきゃって思ってはいるんだけど、いつも三日坊主で終わっちゃう」
……こいつもこいつなりの悩みがあったんだな。
もしも無事にカルデアに帰れたら、悩み相談ぐらいは受けてやるか。
「そんな何もない私だからこそ、どれだけキツい、辛いって思うようなことがあっても、後悔だけはしないって決めてるんだ。自分のやってきたことが、間違いではあっても、無駄ではないと信じたいから」
間違いであっても、無駄ではない……か。
ガキの癖にいい事を言うじゃないか。
少しだけ見直したよ。少しだけな。
「…いい目をしていますね」
「ふえ?」
「確かにあなたはマスターとしては素人かもしれない。でも、その心意気だけは充分に一人前です。きっと、マシュと融合した英霊も、そんな貴女だからこそ力を貸そうと思ったに違いありません」
「そ…そうかな……」
この二人も仲良くなりそうで何よりだ。
オルガも意外そうな目で見てるしな。
「あ…あの、セイバーさん。少しいいですか?」
「なんですか、マシュ?」
「セイバーさんは…その…あの『アーサー王』なんですよね?」
「はい。確かに私の真名は『アーサー・ペンドラゴン』に間違いありません。鞠絵は私の事を『アルトリア』と呼んでいます」
「「アルトリア?」」
チッ……余計な事を。
「『アルトリア』ってのは、『アーサー』をローマ字表記した場合の女性形なんだよ」
「「「おぉ~」」」
これぐらい知っとけ。特にオルガ。
「では、やっぱり宝具はかの聖剣『エクスカリバー』なんでしょうか……」
「世界一有名な剣だよね」
「そうですね。私の名が判明した時点で、宝具の事も判明するも同然ですね。仲間である貴女達ならば、知られても問題ないでしょうが」
「仮に敵に知られてても、それを真っ向からぶっ倒せる力を持ってるのが『エクスカリバー』って聖剣なんだよ」
実際、冬木の聖杯戦争でも、その威力にどれだけ助けられたか。
「よし。自己紹介はこのこれぐらいで終わりだ。そろそろ移動するぞ」
「「「「はい」」」」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「どこまで行っても焼け野原、焼け野原……。見た感じ、住人の痕跡も無いみたいだし、本当にここで何があったってのかしら……」
オルガの言った通り、行けども行けども特に景色は変化しない。
何処も彼処も廃墟ばかりで、目新しい手掛かりっぽい物は全く見つからない。
「ロマニ。そっちでここら一体の生体反応は検知できるか?」
『それぐらいならなんとか。でも、さっきからずっと探してるけど、君たち以外の生体反応は全く見当たらない』
「そっか……」
矢張り、この場での生存者はオレ達だけって事になるのか。
せめて、現地の人間が生きてさえいれば、そいつから色々と情報収集が出来るんだけどな。
「あっついね~」
「そうですね。周りが全て火で包まれていますから、かなり気温が高くなっているようです。こまめに休憩や水分補給なんかをしないと、すぐに脱水症になるかもしれません」
この環境も、現在のオレ達には大きな敵なんだよな。
カルデアから送られてきた僅かな補給物資の中に水があったから、今はそれを少しずつ飲みながら進んでいる。
「そもそも、カルデアスを灰色にする異変って何なのかしら……。未来が見えなくなるって事は、即ち人類が消えてなくなるって事?」
さっきからオルガは歩きながらブツブツと考え事をしているな。
足元に注意して歩かないと、コケても知らないぞ。
因みに、セイバーは最後尾に位置して殿を務めてくれている。
先頭はこのオレだ。
「先生。先生のご意見を伺ってもよろしいですか?」
『そうだね。ボクも博士の意見が聞いてみたい』
「完全な憶測になるけど、それでもいいか?」
「はい。構いません」
「分かった」
そこまで言うなら、話してやるか。
仕方がない奴らめ。
「まず、この特異点じゃ世界の抑止力は上手く機能していないと見るべきだろうな」
「ってことは、やっぱりこの世界は『ボルト』みたいな存在なんですね」
「多分な。で、これまでに幾つも存在している人類史におけるターニングポイント。素人である藤丸にも解り易く説明すれば、分岐点、もしくは選択肢だな。これを全部間違った方を選んでしまった結果が……」
「この世界の惨状……」
「つまり、ここってバッドエンドの世界なわけ……?」
「そうなるな。それは見れば一目瞭然だろうけど」
寧ろ、この光景がバッドエンド以外に見える奴は確実に頭がイっちゃってる奴だな。
「問題は、その分岐点が何なのかって事だな。これだけの大災害が発生してるんだ。どんなに足掻いても誤魔化しなんて効かない筈。となれば間違いなく、この地、この年でかなり大きな『何か』が発生したことになる。けど……」
『情報にある限りでは、2004年の冬木市でここまでの規模の災害は発生していない。これは明らかな矛盾だよ』
……ん? ちょい待てよ?
2004年の冬木市で起きた大きな出来事って……まさか……!
(いやいやいや! 確かに、一番可能性が高そうなのはそれだけど、あれはちゃんと街にも全く被害を出さずに終わらせられたじゃないか! 聖杯だってマリスの手に渡って……)
あ……そうか……。
(分かったぞ……! 確証はないけど、もしもこの世界における『分岐点』がアレならば、この惨状も納得が出来る! とてつもなく巨大な『
ということは、ここは……この『特異点』は……。
「「!!」」
突如、こちらに向けて鋭い殺気が飛んできた。
これまでの骸骨兵たちとは比較にすらならない程の殺気。
種類は違うが、この『感じ』はよく覚えている。
実に久し振りの感覚だよ……!
「マスター!」
最後尾にいたセイバーも急いで駆け付け、剣を構えながらオレ達の前に躍り出る。
同時にオレも、セイバーの近くでいつでもサポートに入れるように構えた。
「え? ちょ…どうしたの?」
「お二人とも?」
「せ…先生?」
まだこいつらは気付いていないのか。
けど、気配は消えてないから『アサシン』じゃない。
これは純粋に殺気を飛ばしてるだけだ。
「ロマニ!!」
『分かってる! 本当なら今すぐにでも撤退を推奨したいけど、博士とセイバーがいてくれるなら、何とかなる!』
「こら! ちゃんと説明しなさい! 何が起きてるのよっ!?」
『敵の反応が出たんだ! 二人はこっちよりも早く分かったみたいだけどね!』
「「「て…敵っ!?」」」
急いでマシュは盾を構えてからオルガと藤丸の前に出て、いつでも防御できる体勢になる。
『しかも、この反応は今までとは訳が違う! そこに迫ってきているのは……』
ゆっくりと、だが確実に近づいてくる黒い影。
靄に掛かって良く見えないが、どうやら女のようだ。
長い髪に手に持つ鎖付きの短剣。
長射程の相手か……。
「ねぇ……あれって…まさか……」
「その『まさか』だよ、オルガ……!」
セイバーがいつでも飛びかかれるように構えると、相手もまた攻撃態勢に移行した。
「あいつは……間違いなく『サーヴァント』だ!」
「サー…ヴァント……!」
ここでサーヴァントが出てくるってことは、さっきまでオレが考えていた事が正しいって事になるじゃねぇか! クソッタレ!!
しかも、あいつは……!
「セイバー」
「はい。貴方の言いたいことは分かります」
「じゃあ……」
視線だけをこっちに向けて、セイバーははっきりと断言した。
「
「だろうな。
本当に……いつの世も、最悪の予想だけが良く当たる。
良い予感は全く当たらないのにな。
「マシュ」
「は…はい!」
「最大級に集中しろ。そこから一歩でも前に出れば……死ぬぞ」
「「「!!!」」」
脅すようで気が引けるが、それでこいつらが生き残ってくれるのなら本望だ。
「お前はいつも通り、二人と自分の身を守る事だけに全てを注げ。いいな?」
「わ…分りました!」
これでいい。マシュは真面目な子だから、こんな時は絶対に言う事を聞いてくれる。
「靄のせいで姿がよく見えないから、姿形でクラスを判別するのは難しいか……」
「武器から察するに、ランサー辺りが妥当ですが……」
「それだけじゃ判断材料には弱すぎる。つーか……」
さっきの骸骨兵から奪った槍を構えて前に出る。
「奴がどのクラスだなんて、ここで倒せば問題ないじゃんか」
「全く……貴方らしいですね、鞠絵。では……」
「あぁ。やるぞ! ついでに、あいつから色々と聞き出す!!」
「えぇっ!!」
こうして、11年振りのサーヴァント戦が始まった。