ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編) 作:とんこつラーメン
オレ達は、新たに仲間となったキャスターに道案内される形で燃え盛る瓦礫の海を進んでいっていた。
その間にも刺客として差し向けていると思われるエネミーと何度となく交戦をしていた。
「マシュ! 今です!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
セイバーが前に出ていたスケルトンを撃破し、そこをマシュが突撃して後方にて弓を引き絞っていたスケルトンに大盾の一撃をお見舞いする。
直撃はしたものの、それだけでは撃破に至らなかったようで、まだ辛うじて立っていた。
「後は任せな! エイワズ!!」
最後はキャスターの放つ炎のルーンが炸裂し、この場にいた敵は沈黙した。
「ふぅ……どれだけ相手をしてもキリがねぇぜ」
「全くですね。一刻も早く、聖杯をなんとかしなくては」
「な…なんとかなりました……」
セイバーとキャスターは全く平気そうだが、問題はマシュだった。
体力自体はまだまだ有り余っている様子だが、一回一回の戦闘ごとに緊張しているようで、少しだけ動きがぎこちない。
といっても、最初に比べればかなりマシになって来てるんだが。
「キャスター。もうそろそろ聖杯がどこにあるのか教えてくれないかしら?」
「あれ? 言ってなかったけか?」
「言ってないわよ!」
ワザとか? いや、これはなんか天然な気がする。
「いや。キャスターが言わなくても、なんとなく場所は分かるよ」
「ほ…本当ですかっ!? 博士っ!?」
「セイバーも分かってるんじゃないか?」
「そうですね。もしも、私達が知っている『冬木の聖杯戦争』と、この『冬木市』の地形が全く同じならば、聖杯が降臨する場所はたった一ヵ所しかありません」
「「「それは?」」」
「「柳洞寺」」
あくまでも可能性の話だけどな。
「この街にある『柳洞寺』って寺は、周囲にある霊脈の交差点であるが故に、日本でも有数の霊地になってんだ」
「知らなかったわ……」
「だから、聖杯なんて代物を呼び出すのにうってつけな訳なのさ」
「なる…ほど?」
藤丸。別に無理して考えようとしなくてもいいぞ。
「キャスター、実際はどうなんだ? オレ達の予想は合ってるのか?」
「大正解だ」
「マジか」
となると、増々この冬木市とオレ達が知っている冬木市とは『極めて近く、限りなく遠い別の街』である可能性が出てきたわけか。
「今、俺達が向かっているのはマスターとセイバーが言った『柳洞寺』って場所だ。もう一人のセイバーもそこに陣取っている」
「そして、その行く手を阻むかのようにアーチャーも控えている…と」
「そーゆーこった。気を付けろよ? クラスはアーチャーでも、実際にやってる事はアサシンと大差ないからな」
「奇襲に朝駆けに夜打ちとかすんのか?」
「……科学者なのに、よくそんな言葉を知ってるな」
「最近の科学者はよく色んな荒事にも巻き込まれるんだよ」
丁度、今の状況みたいにな。
「苦労してんだな……そのちっこい体で」
「ちっこい言うなし」
「フォウ!」
なに? 何を言ってもちっこい事には違いないだろって?
いいんだよ! アラサーでもまだ希望は捨ててないんだから!
「という事は、今はその『柳洞寺』って場所に向かって歩いてるのね?」
「そうなるな。山の中腹にある寺だけど、そこまで遠くはないから、日が暮れる前には辿り着けるだろうさ」
柳洞寺……か。
けど、オレの記憶が正しければ、あそこには確か……。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
「着いたぜ。ここだ」
「ここって……」
オレ達の目の前にあるのは、とある洞窟の入り口。
かなり大きくて、その気になれば大型車両とかも余裕で入れそうだ。
実際に入れようとするバカはいないだろうが。
「目的の大聖杯は、この洞窟を抜けた先に存在している」
「やっぱ、この世界線にもこの洞窟があったんだな」
「なんだか懐かしくもありますね」
「そうだな」
あの頃もよく、ここで他のサーヴァント達と激闘を繰り広げていたもんだ。
狭い場所での戦闘はセイバーにとっても不利な状況だったから、キャスターの援護が無かったら危なかったかもしれない。
「ここってかなり入り組んでた筈だよな?」
「おう。だから、はぐれて迷子とかにならないようにな」
「ならないわよ!」
「は~い!」
「あんたは返事しない! 子供か!」
子供だよ。法律上はな。
「なんでしょうか……これは天然の洞窟…のようにも見えますが、所々に何者かの手によって加工された跡があるような気が……」
「よく分ったなマシュ。この洞窟は半分が天然で、もう半分が人工的に作られてる。冬木に住んでいた魔術師たちが長い年月を使って拡張した地下工房なんだ」
「地下工房……」
「なんせ、冬木市には『御三家』の家が見事に揃ってたからな。そりゃ、人知れずこんなもんだって作られてても不思議じゃないさ」
初めてこれを見た時、マリスの奴は子供みたいに目を輝かせてたっけ。
オレはただただ驚いてばかりだったけど。
「ここにアーチャーが待ち受けてるんだよな……」
「そうだ。この中はちゃんと道もありはするが、同時に遮蔽物もかなり多いからな。どこから狙撃とかしてくるか分からねぇぞ」
「そこは、セイバーの直感スキルに頼るしかないな」
「はい。お任せください」
今更だけど、セイバーがこっちの味方で本当に良かったよ。
そうでなきゃ、ここで全滅…はしなくても、相当な重傷を負っていた危険性がある。
「アーチャーの相手はオレとキャスターがする。今回は雑魚戦じゃない。マシュは専守防衛に努めるんだ。いいな?」
「了解です」
「そしてセイバー。お前は……」
「承知しています。私はここでアーチャーと戦闘を行わず、その後に控えているもう一人の私との戦いに備えて力を…魔力を温存しておく…ですね」
「いや。魔力は温存しておくんじゃなくて、チャージしておいてくれ」
「チャージ…ですか?」
「アーチャー撃破後、すぐに対セイバー戦に突入するだろう。そして、さっきも言った通り、相手はまず間違いなく、出会い頭に宝具を放ってくると思われる。だから……」
「こちらも、すぐに宝具を放てるように聖剣に魔力を貯めておくのですね?」
「その通り。頼んだぞ」
「分りました」
取り敢えずはこれでよし。
後は野となれ山となれ…だ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
洞窟の中は、相変わらずごつごつしてて歩きにくい場所となっていた。
「きゃっ!?」
「わぷ」
いきなり、後ろを歩いていた藤丸が躓いて、オレに向かって倒れ掛かってきた。
いわんこっちゃない。
「ご…ごめんね~もっち~」
「暗くて歩きにくいのは分かるが、もうちょっと足元に気を付けろ」
「は~い……」
今までにコケたのってお前だけだぞ?
マシュもオルガもキャスターもセイバーもオレも、誰もコケてない。
「さて……奴の性格上、もうそろそろ仕掛けてきそうなんだが……」
なんかキャスターが物騒な事を言い出した。
それを聞いて、オレとセイバーとマシュは急いで周囲を警戒する。
「そんな事をせずとも、私は強襲なんて仕掛けないさ」
「「「!!!」」」
「出やがったな。聖剣使いの信望者サマがよ」
奴が…アーチャー?
他の連中と同様にモヤが掛かって姿が見えにくいが、どうも見た目だけはかなり普通の男に見える。
服装もかなり現代的だし……マジで何者だ?
「……別に私は信望者などになったつもりはないがね。だが、やって来た外敵を倒すぐらいの仕事はするさ」
「結局は門番とやってることは同じじゃねぇか。お前さんが一体何からセイバーを守っているかは知らねぇし、興味もねぇ。だがよ、このまま永遠に終わりが来ないゲームってのもつまんねぇだろ? どんな結末になるにしろ、いい加減に決着をつけて駒を先に進ませないとダメだろ」
「奇遇だな。私の方もいい加減、お前の顔は見飽きてきたところだ。しかも、その口ぶりだと大抵のあらましは既に理解していると見える」
「一応な」
「それでも猶、お前は自分の中の欲求に素直に従おうとする。例えクラスが『ランサー』から『キャスター』に変わっても、その本質だけは全く変わっていないようだな」
「当たり前だ。そうそう簡単に俺の性根が変わって溜まるもんかよ」
ルーンを使えて、本来はランサーとして召喚される可能性があった……?
まさか、このキャスターの真名は……。
「お前……あのアイルランドの『光の御子』である大英雄『クー・フーリン』か?」
「あ…バレた」
「「ク…クー・フーリンっ!?」」
『なんだってぇっ!?』
「くーふーりん?」
藤丸以外の全員がめっちゃ驚いた。
確かに凄い奴ではあるけど、ちょっとリアクション取りすぎじゃね?
ほら、アーチャーもなんかポカーンってなってるし。
「クー・フーリンと言えば、深紅の魔槍『ゲイボルグ』を操る赤枝の騎士! 『クランの猛犬』の異名を持っていて……」
「生涯に渡って一度も敗北をしたことが無いとされる『不敗の英雄』! まさか、キャスターさんがそんな凄い人物だったなんて……」
「いや、確かに俺の遺した偉業は沢山あるけど、なんか無駄に誇張されてないか?」
顔の偉人なんて、往々にしてそんなもんだよ。
「つーか、よく分ったな。俺の真名。全くヒントっぽい事は話してなかったと思うんだが」
「ルーンを操って、本来ならランサーだった英雄なんて、かなり限定されるだろうが。該当するのは、お前を除けば、影の国の女王である『スカサハ』ぐらいだろ」
「意外とウチの師匠と気が合いそうな予感がするのはなんでだろう」
会えるもんなら一度ぐらい会ってみたいもんだな。
噂に名高い『影の女王』とは。
「もういいかね?」
「「「「「「あ」」」」」」
ヤバい。完全にアーチャーの奴を無視してたわ。
「っていうか、テメェのせいで俺の真名がばれちまったじゃねぇか!」
「いや。それは単純に、お前の仮マスターである少女の推理力が卓越していただけだろう……」
「少女って……」
オレ…敵からも女扱いされてる……?
なんかもう訂正するのも疲れたから、好きに思わせておこう。
「しかし……」
こいつ……オレとセイバーのことを見ている?
「まさか、この地にもう一騎セイバーが召喚されるとはな。しかも……」
「この向こうにいるセイバー…アーサー王と同じだもんな。俺だって最初は驚いたぜ。けど、同時に嬉しくも思った。俺だけじゃセイバーには勝ち目はなかったが、同じ聖剣ならば十分過ぎるほどに勝機がある」
「ふっ……本当にそうだといいがな」
「なんだと……?」
こいつ…何を知っている?
なんだ、この余裕は……。
「……マシュ。当初の予定通り、お前は盾役に徹しろ。アーチャーからの遠距離攻撃を防いで、キャスターの詠唱時間を稼ぐんだ。勿論、藤丸とオルガを守る事も忘れるなよ」
「はい!」
「キャスターは兎に角、詠唱しまくれ。幾ら生前が白兵戦の達人だったからと言って、今はあくまでキャスターなんだ。無用の接近は控えた方がいい」
「可能な限りはな。けど、用心しろよ。あいつはアーチャーの癖に短剣を使った近接戦も得意としてやがる」
「例え弓兵と言えど、近づかれれば剣を使って反撃に転ずることもある…か」
そう珍しい事じゃないとはいえ、普通は最低限の迎撃の為に忍ばせておくもんだ。
それなのに、短剣で普通に戦える弓兵ってどうなのよソレ。
「まぁいい。相手がアーチャーである時点で、真正面から掛かって勝てるような相手じゃないんだ。なら、こっちはこっちなりのやり方で勝たせて貰うさ」
「……分かった。普通なら生身の人間が絶対に勝てない筈のサーヴァントに、何故か普通に勝ってるのがマスターだもんな。俺のマスターなら、それぐらいはやってくれないとな。じゃあ……頼んだぜ!! エイワズ!!」
いつの間にか全力で弓を引き絞って矢をこちらに向けているアーチャーに向かって、キャスターがルーンを唱えて攻撃する。
それに合わせて、オレは全力で走り出した。