ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編)   作:とんこつラーメン

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おひさ~です。

最近になってFGOの過去のイベントが連続で復刻してモチベーションが地味に上がったので、久々に投稿です。

それと、少しこの作品について考えていることがあるので、もしかしたら活動報告で皆さんにお聞きするかもしれません。







聖剣VS聖剣

 空洞を抜けた先に待ち受けていたのは、この特異点の聖杯に召喚された、もう一人のアルトリア・ペンドラゴン。

 だが、その姿はオレ達の側にいるアルトリアとは、余りにも大きくかけ離れていた。

 

 白銀の鎧と対を成すかのような、漆黒に染まり赤い線が浮き出ている鎧。

 着ている服もまた漆黒に染まっていて、その顔には禍々しいバイザーが装着されている。

 トドメは、その綺麗なブロンドの髪がくすんで、頭頂部から出ていた筈のくせっ毛が無くなっていた。

 

「あれが……この特異点における私……」

「あぁ…その通りだ。見た目だけならお前さんともいくつか共通点があるかもしれないが、性格の方は期待しない方がいいぞ。あれはもうサーヴァントなんて生易しい存在じゃねぇ。正真正銘の破壊の化身だ」

 

 キャスターが警戒を促すようにセイバーに忠告をする。

 にしても『破壊の化身』…ね。

 言い得て妙だが、不思議としっくりとくるな。

 

「ここまで来たという事は、アーチャーを倒した…という事で良いのだな? キャスター」

「あぁ。この俺と、仮マスターであるこの嬢ちゃんの連携の前に敗れたよ」

「そうか……」

 

 声は一緒でも、その口調は何処までも機械的で冷たい。

 とてもじゃないが、同一人物とは思えないな。

 っていうか、なんかこっち見てないか?

 

「貴様がもう一人の私のマスターか」

「だったらどうした? 真っ先に狙うか?」

 

 流石のオレも、聖剣とまともに戦り合ったらタダじゃ済まない。

 下手したら、この義手が壊されるかも。

 

「も…もっちー……」

 

 不安そうな顔で藤丸がオレに寄り添う。

 声と足が震えていることから察するに、あいつが放っている殺気に怯えているって所か。

 それでも必死に両足で立っている辺り、お前は充分に凄いよ。

 並の魔術師なら、とっくに小便漏らして白目を向いてから気絶してる。

 

「お前は後ろに下がってからマシュやオルガの傍にいろ。いいな?」

「う…うん……。もっちーも気を付けてね……」

「心配すんな。真の天才に不可能はない」

 

 ゆっくりと背後に下がる藤丸を確認しながら、オレはマシュに目配せをする。

 こっちの意図をすぐに察したのか、あいつは力強く頷いてくれた。

 

「キャスターも後方に下がっててくれ。さっきの宝具で相当に魔力を消費してるんだろ?」

「……嬢ちゃんにはバレてるか」

「仮契約でも、オレはお前のマスターだ。それぐらいは手に取るようにわかる」

「そっか」

「ここからはオレとセイバーの仕事だ。お前もマシュと一緒に二人の事を守っててくれ」

「了解だ。なぁに、お前達のコンビなら絶対に勝てるよ。さっき、アーチャーの野郎が言い掛けてたことだが、お前さんには『アレ』がある。パスを繋いでいる俺だからこそわかる『アレ』がな。この戦い……一見すると向こうにアドバンテージがあるように思えるが、実際にはそうじゃない。単純な『条件』だけなら間違いなく互角。だが、向こうには無くてコッチにはある物がある。アイツは気が付いていないようだが、この勝負……勝ち目は充分にあるぜ」

「んなことは最初から分かってるよ。でもなキャスター。お前は一つだけ大きな勘違いをしてるぞ」

「なんだよ?」

「条件云々に関係なく、本物の天才は、目の前にどんなにデカい壁が立ち塞がっていても、それを真正面からぶち壊していくもんなんだよ」

「違いねぇ」

 

 拳と拳を軽くコツンとぶつけ合ってから、キャスターは皆の傍まで歩いて行った。

 前に残っているのは、オレとセイバーの二人だけになった。

 

「最後の会話は終わったか?」

「お蔭様でな。でも、最後は余計だ」

「最後だ。お前達の運命は我が剣にてここで潰えるのだからな」

 

 勝手に言ってろ。その顔、今から驚きに染めてやるよ。

 

「もう一人の私よ」

「なんだ」

「貴様の後ろにて禍々しく蠢いている漆黒の球体が、この世界における『聖杯』なのか?」

「だとしたら?」

「必ず破壊する。あれはもう万能の願望器などではない。破滅しか生み出さない悪意の塊だ」

「やれるものならばやってみるがいい」

「言われずとも! マスター!!」

「あぁ!!」

 

 魔術回路をフル回転させて、セイバーに魔力を送り込む。

 すると、今までずっと魔力を蓄積し続けた聖剣の輝きが更に増した。

 

「その輝きは……面白い!!」

 

 あいつ…ってのはなんだかあれだな。

 よし。ここは仮の呼称としてあいつの事は『セイバー・オルタ』と呼ぶ事にしよう。

 

 セイバー・オルタの黒い聖剣もまた漆黒の光を放ち、その刀身に見た目で分かるほどに魔力が集中していく。

 これは……間違いなく特大の一撃が来るぞ!!

 

「束ねるは星の息吹……輝ける命の奔流……受けるがいい!!」

「卑王鉄槌……極光は反転する。光を飲め!!」

 

 白と黒。

 光と闇。

 陰と陽。

 正と邪。

 

 元は全く同じだった二本の究極の剣が今、この地でぶつかる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           約 束 さ れ た 勝 利 の 剣(エクスカリバー)

           約 束 さ れ た 勝 利 の 剣(エクスカリバー・モルガン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!?」」

「マ…マスター! 所長! 私とキャスターさんの後ろに!」

「なんちゅー威力だよ……冗談じゃねぇぞ!!」

 

 なんか後ろで騒いでいるが、それを気にしている暇なんて全く無い!

 聖剣と聖剣の全力のぶつかり合い。

 それは余波だけでも凄まじい威力を発揮し、オレ達の周囲の岩肌を容易に削り取っていく。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」

 

 二人の魔力が更に増大する。

 セイバーには予め、こっちに事は全く気にせずに全力でいけと伝えてある。

 そもそも、節約をして勝てるほど、円卓の騎士は甘くは無い。

 

 それぞれの聖剣から放たれた一撃は、中央付近で激しくぶつかり合い、威力は完全に拮抗していた。

 やがて、それは力の行き場を失い、混ざり合ってから轟音を轟かせながら上空へと消えて行った。

 

「そ…相殺…された…?」

「みたい…ね……」

「余波だけでこの威力って……強すぎだろ……」

「けど、これで相手の宝具は防げました!」

「いや…まだだ」

「「「え?」」」

 

 安心しきっている女子三人には悪いが、まだまだ全然終わってない。

 だって、向こうさんは超ピンピンしてるから。

 

「やるな。だが、今の一撃で終わりと思わない事だ」

 

 再び、オルタの剣に黒い魔力が迸る。

 

「ほ…宝具を二連発ですってっ!? そんな事有り得ない! あんな威力の一撃を連続でなんて、魔力が持つ筈がないわ!!」

「普通はな。だが、今の私は聖杯と繋がっている。即ち、私は聖杯から無限に等しい魔力を常に供給されているのだ」

「そ…そんな……」

「どんだけチートだよ……クソが!」

 

 キャスターが顔を歪ませ、オルガが愕然として膝をつく。

 ふむふむ……聖杯と繋がってる…ねぇ。

 

「さて…私はまだ余裕なわけだが、そちらはどうする? 素直に私の宝具を受けるか?」

「そうだな……んじゃ、セイバー。頼むわ(・・・)

「承知」

 

 セイバーが剣を下段に構えると、再び刀身に光が宿る。

 

「なっ!?」

「ん? 何をそんなに驚いてんだ?」

「何故だ……何故に再び宝具を放とうとすることが出来るっ!? 今の一撃で、貴様の魔力は完全に尽きた筈だ!」

「おいコラ。人の魔力量を勝手に決めつけんなよな」

 

 ったく……幾ら体が小さいからって、そーゆー偏見はいけないと思います!

 もっちー怒りますよ! ぷんぷん!

 ……ごめん。ちょっちふざけ過ぎたわ。

 

「貴様は……一体なんだ……! ただの子供ではないな…!」

「どこにでもいる、ただの天才科学者様じゃ。つーか、子供言うな」

 

 本当はもっと詳しく弁明したいけど、流石に空気を考えてこれだけにしておく。

 

「その体のどこに、それだけの魔力を抱えているというのだ……!」

「ンなもん簡単な理屈だよ。お前が聖杯から魔力を供給してるんなら、こっちも同じように聖杯から魔力を供給すればいい(・・・・・・・・・・・・・・)

「なんだとっ!?」

 

 ここで服の胸元を少しだけ開けてから、そこに施されている封印術式を少しだけ解く。

 すると、オレの全身が黄金に光り輝く始め、そこから同じように黄金に光り輝く杯が姿を現した。

 

「せ…聖杯だとッ!?」

「その通り。オレ達の世界で起きた聖杯戦争。それに勝利したキャスターと、そのマスターであるマリスビリーは見事に自分達の願いを叶えた。けど、それで全てが終わるわけじゃないんだよ」

「聖杯戦争が終わると、その次の聖杯戦争に備えて、魔術教会の手によって再び聖杯を封印しなくてはいけない…ですよね?」

「セイバーの言う通りだ。だが、聖杯を再封印するってことは即ち、またいつの日か聖杯戦争が開始される事を意味している。そんな事はオレもマリスもキャスターも全く望んでいなかった。だから、願望器としての役目を終えた聖杯を、未来の為に有効活用しようと考えたわけだ」

「ま…まさか……!」

 

 どうやら、向こうさんもなんとなく想像が出来たみたいだな。

 

「そうだよ。キャスターの力を使って、オレの体の中に聖杯を封印した。ちゃんと、それが他者にバレないように厳重な隠蔽処理もしてな」

「つ…つまり…貴様は……」

「そう。オレ自身が云わば『聖杯』なんだよ。願望器としての力は全く無いが、それでも聖杯が内蔵している魔力は超膨大だ。こんな無茶が出来るのは、オレ以外にはウチの両親ぐらいだろうさ」

 

 あの人達の場合、嬉々として聖杯と一つになりそうだけど。

 

「分かるか? お前とこっちとでは、魔力の量だけで言うなら完全にイーブンなんだよ。ってことは、この戦いの勝敗を分けるのは別の要因って事になる。もう…分かってるよな?」

「クッ……!」

 

 やっと悔しそうな顔を見せてくれたな。

 それでこそ、こっちの切り札を出した甲斐があったってもんだ。

 けど、その前に聖杯を体の中に戻さないとな。うんしょっと。

 

「こっちのセイバーにはマスターがいるが、お前にはいない。それがどうしてなのかは未だに疑問だが、今はそれを論じている暇じゃないから置いておく。マスターの有無…それは即ち、令呪の有無と同義だ。お前には無い切り札が、こっちにはある。それだけでもう十分に勝機はあるって思うんだけどな?」

 

 かといって、令呪の乱用はしないけどな。

 ちゃんと使用するタイミングは計らないと。

 

「そうだ。因みに言っておくとだな……」

 

 少しだけ目を瞑って精神を集中させる。

 すると、背中に移植されている令呪が大きく浮かび上がり、光の塊となって出現した。

 

オレは(・・・)七枚羽(・・・)()

「第一位……熾天使(セラフィム)……!」

「御名答。そして、お話しタイムはここまで。そろそろケリ…つけようや」

 

 セイバーがオレから更に魔力を持っていたのを感じた。

 聖剣の輝きが大幅に増し、視覚的にも向こうよりも威力が上なのが分る。

 

「ゆくぞ……闇に堕ちたもう一人の私よ!!」

「おのれ……!」

 

 先程と同じく、二人揃って聖剣を振りかざし、全力で振り下ろす!

 それは圧倒的な力の奔流となって、再び大地を駆ける。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」」

 

 力と力。威力と威力のぶつかり合い。

 ここまではさっきと一緒だ。ここまではな。

 

「セイバー! 汝がマスター『望月鞠絵』が令呪を持って命ずる!! オレの…聖杯の魔力を好きなだけ使って、聖剣の威力を可能な限りブーストしろ!!」

「分かりました!! おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 最初は拮抗していた威力が、徐々にではあるがこちらに傾きつつあった。

 それを見たセイバーがニヤリと笑い、トドメと言わんばかりに更なるブーストを掛けた。

 ちゃんと足を踏ん張ってないと、オレの体が余波で吹き飛びそうだ。

 実際、後ろじゃ藤丸とオルガが飛びそうになってマシュとキャスターに支えられている。

 

「この私が……押されている…だと…!」

「これが私と鞠絵の力! 私達が紡いできた……絆の力だぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 声も挙げる事無く、セイバー・オルタは圧倒的なまでの光の奔流に飲み込まれ、彼女が立っていた場所には巨大な光の柱が屹立した。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

「そうか……これが…敗北か……」

 

 あれだけの威力の直撃を受けたにも関わらず、オルタは完全消滅しておらず、自らの剣を杖代わりに辛うじて立っていた。

 だが、流石にもう限界なのだろう。顔に着けていたバイザーは砕け、その顔が僅かではあるが見えていて、黒い鎧も全体的に罅割れ、足元から消えかけて居た。

 

「よもや……自分自身に敗れ去るとはな……笑い話にもならない……」

 

 口調だけは強がっているが、額や口から出血していることから、本当はもう喋る事も難しい筈だ。

 それなのに話すのを止めないのは、こいつなりの意地なのか。

 

「最後に一つだけ聞かせろ……もう一人の私よ……」

「なんですか?」

「どうして…貴様はそんなにも強い……」

「鞠絵がいるからです」

「なに……?」

「マスターが……愛する者が傍にいるから、私はどんな戦いにも赴けるし、絶対に怯まない」

「愛する者…か。偽りの婚姻しかしてこなかった自分()の口から、そんな言葉を聞けるとはな……」

 

 もう完全に死に体となっているオルタが、ゆっくりとこっちを向いた。

 

「もう一人の私のマスターよ……貴殿の名前を聞かせてほしい……」

「望月鞠絵。いずれ、世界一の天才科学者になる人間だ。そのちっこい頭によ~く刻んどけ」

「世界一の天才科学者……か。ふふ……それぐらいの人物でなくては…私の負けた意味が無い……」

 

 最後の最後までプライドが高い奴。

 どこまで自尊心高いっちゅーねん。

 

「キャスター……最後に残ったのはお前になったな……」

「そうだな。だが、俺はあんな汚ねぇ聖杯なんざいらん。こっちから願い下げだ」

「貴様らしい……な……ごはっ…!」

 

 派手に吐血をして、その血が地面に沁み込んでいく。

 いつの間にか傍まで来ていた藤丸がオルタの体を支えようとしたが、オレがそれを制して止めさせた。

 最後の最後ぐらい、せめて騎士らしく逝かせてやりたい。

 

「キャスター…これだけは覚えておけ。これから先、どんな風に運命が変化しようとも、結末は変わらない(・・・・・・・・)

「んだと…? おい、それは一体どういう意味だ?」

「ここで語らずとも、いずれ分かる日が必ず来る。そう…『冠位指定(グランド・オーダー)』…聖杯を巡る真の戦いは、今この瞬間から始まるのだという事をな……」

 

 ……は? おい…今こいつ……なんつった?

 

「ちょい待てよ……なんでお前がその言葉を知っているっ!? そいつは…そいつは!」

 

 その単語の真の意味を知っている人間は、オレを含めて世界にごく少数しか存在しない筈。

 それなのに、どうしてこいつがそれを知っているんだっ!?

 

「もしも……もしも……私にもマスターがいて…それが貴殿だったならば……私も……そいつのように……」

 

 満身創痍の体を必死に動かし、オレの頬を撫でるような仕草をしてから、セイバー・オルタは今度こそ完全に消滅した。

 

 散り際に見せた彼女の笑顔は、とても美しくて…眩しく見えた。

 

 

 

 

 




次回は最初の締めに入ります。

恐らくは、序盤なのに怒涛の展開が入ると思います。
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