ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編)   作:とんこつラーメン

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来週から一ヶ月限定の通常公開です。

あくまで試験的なものなので、あまりにも不評だった場合は一ヶ月を待たずに限定に戻します。







こんな事もあろうかと

 セイバー・オルタを撃破したオレ達は、精神的な意味で少しだけ安息を得ていた。

 実際に安心していたのは藤丸やオルガ、マシュと言った実戦経験に乏しいメンバーばかりで、オレやセイバーは未だに気を引き締め続けていた。

 

「おっと。俺もここまでか」

「キャスター……」

 

 役目を終えたからなのか、キャスターの体も他のサーヴァント達と同じように消えかけていた。

 

「キャスターさん……」

「そんな悲しそうな顔をすんなって。また縁があれば会えるさ。例えば、お前さんか嬢ちゃんが俺を召喚するとかしてな」

「……うん!」

 

 少しだけ泣きそうになっていた藤丸だが、キャスターの言葉ですぐに元気を取り戻した。

 こいつのこの性格だけは、本当に凄いと思う。

 

「キャスター…いえ、クー・フーリン。貴方と共に戦えた事は、本当に得難い経験でした」

「おいおい。これでもう終わりみたいなことを言わないでくれよ。さっきも言ったろ? また縁があれば会えるかもしれないって」

「そうですね。その時は是非とも、伝説に刻まれる程の槍の冴えを見せてほしいものです」

「もしも俺がランサーのクラスで召喚されたらな。っつーわけで、嬢ちゃん! もしもカルデアとやらで俺を召喚する時は、ランサーのクラスで頼むぜ!」

「上手くいったらな。……ありがとな。お前がいなかったら、本当にどうなっていたか分らない。世話になった」

「礼を言うのはこっちだぜ。こんな地獄みたいな場所で、最高の味方と巡り合った。しかも、その内の一人は最上級のマスターと来てやがる。…仮とはいえ、嬢ちゃんと契約して、一緒に戦えてよかったぜ」

 

 別れの言葉替わりか、キャスターは消えゆく体で俺の頭を乱雑に撫でた。

 いつもならば文句の一言でも言うところだが、今回は流石に空気を読んで黙っていた。

 

「そうだ。最後に一言」

「なんだ?」

「いい加減にオレの事を『嬢ちゃん』って呼ぶのだけは止めろ。オレは立派な男だし、歳も35なんだぞ」

「こっちも何度も言うけどよ、その見た目で言われても説得力皆無だって。んじゃな!」

 

 結局、最後の最後まで呼び方を訂正することなく、キャスターは消えていった。

 

 

 

 

 

・・・・・

・・・・

・・・

・・

 

 

 

 

 

 冬木の聖杯の呼ばれた英霊が全て消滅し、この場に残っているサーヴァントは、オレが自分の聖杯で呼び出したセイバーのみ。

 

「あの…先生……」

「なんだ?」

「あの真っ黒いのが…そうなんですよね?」

 

 真っ黒いの? あぁ…あれな。

 

「その通りだ。本来の姿をしてはいないが、あれがこの地における聖杯…より正確に言えば、願望器としての力を発揮する『大聖杯』だ」

「凄すぎる……文字通り、超弩級の魔術炉心じゃないの……! 前々からずっと疑問には思っていたけど、どうして聖杯なんて代物が日本に存在しているのよ……。私の記憶が正しければ、少なくともこの国は『聖杯伝説』とは全くの無関係だったはず……」

 

 まぁ…時計塔に属する者として、その疑問は尤もだよな。

 藤丸は話に着いて来れずに、またFXで有り金全部溶かした顔になってるけど。

 

「聖杯を生み出したのは『アインツベルン』の連中だよ」

「ここに来る道中でも聞いた、御三家の一角と言われている、あの……」

「そうだよ。その殆どがホムンクルスで構成している特殊な連中だがな。その魔術回路や血筋は間違いなく超一流だ」

 

 あそこのジジイとはオレも知り合いだからな。

 会う度会う度に憎まれ口を叩いてくるクソジジイだけど。

 

「けど、目の前にあるアレには願望器としての機能は愚か、聖杯としての存在すら保てなくなってやがる。あれは…空っぽの器だよ」

「もっちー…空っぽってどういう事?」

「それは……」

 

 オレが藤丸に説明をしようとした時、いきなり通信でロマニが割り込んできた。

 

『聖杯を万能の願望器として機能させようとするには、その中に英霊の魂が必要になるんだよ』

「英霊の魂……」

『そう。聖杯戦争で脱落した英霊の魂は、そのまま自動的に聖杯の中へと溜まっていく仕組みになってるんだ』

「そっか……それで、最後まで残ったペアが自動的に願いを叶えられるようになるわけなんだね」

『その通り! いや~、立香ちゃんは理解が早くて助かるなぁ~!』

「えへへ……」

 

 人のセリフを全部奪っておいて、よく言うよ。

 しかも、一番肝心な事は全部ぼかしやがった。

 聖杯を願望器にするには、合計で『7つの英霊の魂』が必須なんだってことを。

 それこそが、令呪が存在する本当の意味。

 これを生み出した『間桐』の連中は、相当に性格が悪いよな。

 

「色々とまだ不明な点は多いが、取り敢えずはこれでミッション終了…ってことでいいよな? オルガ」

「え? あ…はい! そうですね。それじゃあロマニ。回収して……」

「ちょっと待ってくれ」

「え? ど…どうしたんですか?」

「カルデアに戻る前に、少しだけ一服させてくれよ。体が持たないぜ……」

 

 白衣のポケットから中華風のパッケージな煙草『煙龍』を一本だけ取り出して、口に咥えてから指先から火を出して思い切り吸った。

 

「プハ~……」

「鞠絵…いつの間に煙草なんかを?」

「あの聖杯戦争が終わった直後ぐらいかな。この義手を作ってくれた『人形師』に進められてな。気が付けば、普通に吸うようになってた」

 

 あ~…体動かした後の煙草は超うめ~!

 後は美味い酒でもあれば完璧だな。

 

「ところで……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……いつまでコソコソと隠れているつもりだ? レフ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「『えっ!?』」」」

 

 セイバー以外の四人が揃って面喰っていた。

 落ち着いているのはセイバーだけで、こいつは既に気配を感じ取っていたようだ。

 

「……まさか、気が付いていたとはね。お見事だよ。流石は博士だ」

 

 パチパチパチという拍手と共に、見慣れた緑のスーツを着た男が崖の上から姿を現した。

 

「レ…レフ…? なんで貴方がここに……? だって貴方は……」

「しかも、其処にいるのは48人目のマスター候補生の子か。微塵も見込みがないから見逃していたが、博士がここにいるのならば納得がいく。彼ならば、多少の足手纏いがいても全く問題が無いだろうからな」

 

 オルガの事を完全に無視して、オレと藤丸の事だけを見てやがる。

 相変わらず、ムカつく目をしてるよ。

 

『レ…レフ教授っ!? なんで彼がそこにっ!? 貴方は確かに……』

「死んだはず…か? 酷いな。勝手に私の事を殺さないでくれないか? ロマニ」

 

 普段は細目になっているレフの目が大きく見開かれ、瞬間、物凄く不快な気が辺りを覆った。

 といっても、藤丸みたいな生粋の一般人には感じられてないようだが。

 

「全く…正しく状況把握もせずに、自分勝手に結論を付けたがる。本当に…本当に……どいつもこいつも、愚か過ぎて吐き気が止まらない」

「そーかよ」

「博士。どうして人間という生き物は、こうも定められた運命からズレたがるのだろうね?」

「それは、人間が生まれた時から自由だからだ」

「自由…か。この世で最も価値のない言葉と概念だな」

 

 好き勝手に言ってろ。

 それよりも……。

 

「あぁ……レフ……? な…なんで……」

 

 やっぱり、オルガはショックが大きいか。

 オレと同じぐらいに、レフの事も慕ってたからな、こいつは。

 

「マスタ―…博士…下がってください」

「マ…マシュ…?」

「上手く言葉には出来ないのですが…今のあの人は危険です! あの人は、私達が知っているレフ教授じゃありません!」

 

 デミサーヴァントとなった事で、マシュは本能的な部分でレフの事を危険視しているようだな。

 いい観察眼だ。悪くない。けどな……。

 

「そいつは違うぞマシュ」

「え?」

「あいつはオレ達がよ~く知ってるレフだよ。ただし、『本性を現した』って言葉が前に付くけどな」

 

 煙草が短くなってきたので、口から落として足で踏み潰す。

 

「……矢張り、君だけは分かっていたのか」

「あったりまえだ。天才舐めてんじゃねぇ」

「参考までに聞きたい。いつからだ?」

「最初からだ。より正確に言えば、お前という存在を知った時から…だな」

「成る程な。伊達にあの両親の子供ではない…ということか」

 

 それを言われると少しだけ複雑な気持ちになる。

 なんせ、この事に確信が持てたのは、他でもない両親の『助言』のお蔭なのだから。

 

「レフ…レフ! 貴方が生きてて本当に良かった! 博士と貴方がいてくれさえすれば、どれだけ損害を受けても、またカルデアを立て直せる!」

「所長! ダメです! その人は……」

 

 マシュの静止を振り切って、フラフラとした足取りで前に出るオルガ。

 それを見て、レフは実に嫌らしい笑顔を浮かべた。

 まるで、悪戯が成功したガキのように。

 

「やぁ…なんだか五月蠅い奴がいると思ったら、オルガじゃないか。元気そうで何よりだ。どうやら、そっちも大変だったようだね」

「そうなのよレフ! 管制室がいきなり爆発したと思ったら、いきなりこんな場所に放り出された挙句、カルデアには帰れなくなってるし……」

 

 オレはセイバーの傍まで行き、そっと彼女に耳打ちした。

 

「セイバー……」

「承知しています。任せてください」

「頼む」

 

 こんな時、詳しい事を言わなくても理解してくれるから、セイバーの事が好きなんだよな。

 冗談抜きでめっちゃ頼りになる。

 

「む? なんだか今、鞠絵から告白されたような気がします」

 

 お願いだから、直感スキルでこっちの心を読まないでください。

 

「マシュ。お前は藤丸の傍から絶対に離れるな。お前もいいな?」

「は…はい!」

「うん!」

 

 これでよし。後は……。

 

「予想外の事ばかりで本当に困り果ててた! 先生がいなかったら、私…私……」

「そうかそうか」

 

 全く耳に入ってないな。

 だって、あいつの目はオルガじゃなくて、ずっとオレばかりを見ているから。

 

「確かにそうだね。世の中、予想外の事ばかりで本当に困る。その中でも特に予想外なのが君だよ、オルガ」

「わ…私?」

「あぁ。あの時、確かに私は……」

「オルガの足元に爆弾を設置していたのに、生きていたから……か?」

 

 オレが話に混ざって、セイバー以外の視線がオレに集中する。

 

「……え? は…博士? 今…なんて……?」

「あの爆発の犯人が……」

『レフ教授…だっていうのか……!?』

「そんな……」

 

 皆が絶句するのも無理はない…か。

 あれだけカルデアに馴染んでた奴が、実は裏切り者でした…なんて、笑い話にもならないからな。

 

「そこまで見抜いていたのか」

「見抜くってよりは、ここを探索している間に考察したってのが正しいかな。ぶっちゃけ、こうしてお前に会うまでは確証は無かった。けど、お前が姿を現したことと、その言葉の全てを聞いて、オレの中の疑問が確信に変わった」

「ほぅ……?」

「お前はカルデアでもかなり特殊な地位にいる奴だ。それこそ、どんな場所にも普通に入れるし、どんな時間にどんな場所にいても違和感が無く、言い訳が出来る。あのカルデアであんな威力の爆弾を仕掛けられる人間は本当に限定される。けど、オレにはそんな事をする理由はないし、所長であるオルガだってそれは同じだ。となると……」

「消去法で犯人が私になる…という訳か。君は科学者よりも探偵の方が向いてるんじゃないかな?」

「かもな。けど、お生憎様。まだ転職をするつもりはないんでね」

「それは残念だ」

 

 町外れにある小汚い探偵事務所よりも、オレには小奇麗な研究室の方が似合ってるよ。

 

「聡明な博士の事だ。オルガの体の事も気が付いているのではないかな?」

「……まぁな」

「せ…先生……?」

 

 できれば、ずっと隠したままでいたかった。

 けれど、あんな風に話を振られたら、話すしかないじゃないか…クソッ!

 

「あの時の爆発で、オルガの肉体は確かに死滅した。けど、その魂…残留思念はまだ残っていた。それをトリスメギストスがこの場所に転移…レイシフトさせてしまったんだ」

「え……? 何…を言って……」

「オルガにはレイシフト適性が全く無かった。その『適性』とはあくまで肉体に依存するものだ。魂だけの状態になってしまえば関係なくなる。皮肉にもオルガは肉体を失う事で初めてレイシフト適性を得ることに成功したんだ」

 

 まともにオルガの顔が見れない。

 さっきから、心の中で罪悪感がグサグサと突き刺さる。

 だから、オレは一息で言ってしまうことにした。

 

「その通り! 君はもう二度とカルデアには戻れない。何故なら、戻るべき肉体が存在しない君が戻ったが最後。その瞬間にその意識が完全消滅してしまうのだから!」

「しょ…消滅…? 私が…?」

 

 ……はぁ……もうこれぐらいでいいか。

 流石にレフのドヤ顔は見飽きた。

 

「おいレフ」

「なにかな?」

「お前…何か大きな勘違いをしてないか?」

「…なんだと?」

「確かに、このままカルデアに戻ればオルガは消滅してしまうだろう。けど、オレはただの一度も『オルガがカルデアには戻れない』なんて言った覚えはないぞ?」

「「「『「!!?」』」」」

 

 よっし! 初めてレフが驚く顔を見れた!

 

「な…何を言っているんだ君は……。あの時、オルガの肉体は……」

「そうだな。あの爆発で木端微塵になった。けどな、このオレが! この望月鞠絵が! 万が一の時に備えて全くの対策をしていなかったと、本当にそう思っているのかッ!?」

「ま…まさかぁっ!?」

「そうだよ! その『まさか』だよ!」

 

 ここでレフに向かって超ドヤ顔を披露。

 オレからのお返しだ!

 

「こんな事もあろうかと…ってな。カルデアの所長であるオルガに万が一の事が起きた場合に備えて、時計塔にいた頃に知り合ったサングラスを掛けたデカい図体をしたネクロマンサーに魂を別の肉体に定着させる魔術を教わっていてな。そいつを利用して、オルガの髪の毛からオレが生み出したオルガと全く同じ遺伝子を持つ素体…ホムンクルスに魂を乗り移らせる算段だったんだよ! まさか、こんな形で使うことになるとは思ってもみなかったけどな!」

「じゃ…じゃあ! 私は!?」

「安心しろ! ちゃんと戻れる! その素体はオレの研究室の中にあるカプセルの中に保存してあるから、戻る場所は藤丸たちとは違ってオレの研究室になるけどな」

「それでいいです! 寧ろ、そっちの方がいいです!」

 

 さっきまでレフの方を見ていたオルガだったが、急にこっちを向いて走ってきてオレに抱き着いた。

 ……今回だけは許してやるか。

 

「先生……ありがとうございます……♡」

「おうおう。感謝しろしろ」

 

 隣で怖い顔をしているセイバーが気になるけど、ここは敢えて見ない振り。

 

「……別に構わんさ。今更、小娘一人多く生き残ったところで、何も事態は変わらないのだからな……」

「だといいな」

 

 なんとなくだけど、こいつが言おうとしている事は分かっている。

 オレや藤丸、マシュもこの目で直に見てるからな。

 けど、だからこそ更にこいつの顔を悔しがらせることが出来る。

 

「おいロマニ。聞こえるか?」

『な…なんだいっ!? 一応言っておくけど、さっきまでのやり取りはちゃんと聞いてたよ! まさか、予備の肉体を用意するなんて、全く想像出来なかったよ! 色々と倫理的な問題はあるんだろうけど、この場合は例外だと認められるだろう!』

「当たり前だ。なんたって、オレは天才だからな」

『全くだね。で、いきなり呼び出したりしてどうしたんだい?』

「いやな。お前に少し聞きたいことがあって」

『何かな?』

カルデアスの色は何色だ(・・・・・・・・・・・)?」

『何色って…さっきまでずっと燃えるような赤に染まっていて…って、あれぇっ!? いつの間にか、元の青い色に戻ってるぞっ!? これはどういう事だっ!?』

「な…なんだとぉっ!? そんな馬鹿なっ!?」

 

 いや~…超爽快!

 ムカつく奴が狼狽える姿を見るのって、マジで気持ちいいわ!

 

「どうしてカルデアスの色が元に戻っているっ!? どうして人類の生存が未だに示されたままなんだっ!?」

「それは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それは……私達が瀬戸際で防いでいるからよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ここで来るのかよ…」

 

 突如として出現する一人の女性。

 オレと同じような白衣を着て、少し色素が薄くなった緑色の長い髪に、オレと同じタイプの眼鏡を掛け、体のスタイルや顔からは本来の年齢が全く想像が出来ない美女。

 

「き…貴様はっ!?」

 

 そりゃ、レフもマジで驚愕するよな。

 オレも心の中じゃめっちゃ驚いてる。

 

「随分と頑張っているようね。鞠絵ちゃん♡」

「母さん……」

 

 この美女こそが、オレの実の母親にして、もう一人の世界一の天才科学者。

 

「望月……京子……!」

 

 レフが本気で戦慄してる。

 こりゃもう、オレの出る幕は無いかもな。

 

 

 

 




次回、レフ論破。

そして、ヒロインズが母親公認に?
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