ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編) 作:とんこつラーメン
あんなにも沢山の事を一度にしやがって…あんなの…あんなの…!
興奮するじゃないの――――――――!!
ってなわけで、この興奮が冷めない間は、もっちー祭りになるかもしれません。
それと、イベント再復刻に合わせて、改めてポール・バニヤンに萌えた子は挙手。
私も大好きだから、いずれはもっちーの嫁候補にマジで入れたいです。
「あ~……」
真っ暗な闇から意識が浮上する。
なんか体がフワフワする物に乗っている…っていうか、背中側だけじゃなくて体の方にもなんか乗ってる?
「おっと。流石の私もそこだけは譲れないよ」
「何を言うのですか。元を辿れば、一番最初に鞠絵と契約をしたのは私です。ならば、私にこそ鞠絵の看病をする義務があります」
「確かに、嘗ての聖杯戦争ではそうだったかもしれないが、あれからもう10年以上の時間が経過している上に、ここはカルデアだ。君は一度、英霊の座に戻っていて、あの場所で再召喚されたような存在だ。という事は、少なくともカルデアに置いては私こそが先輩になるんじゃないかな?」
「「ぐぬぬ…!」」
「フォウ……」
………なんだろう。
猛烈に今だけは目を開けたくない。
めっちゃ聞き覚えのある二つの声が痴話喧嘩をしてるから。
けど、ここで起きないとタイミングを逃しそうな気がするんだよなぁ~…。
仕方がない。ここは覚悟を決めて大人しく起きるか。
「…何やってんだ二人して」
「「マスター!」」
そこにいたのは、心から嬉しそうな笑顔を浮かべているダ・ヴィンチと、いつの間にか鎧の部分を消して青いドレス姿になっているセイバー…アルトリアだった。
で、さっきからオレの体の上に乗っていたのはフォウだったのか。
道理でフワフワしてた筈だ。
「ここは…カルデアのにある空き部屋の一つ…ってことは、オレ達は無事に戻って来れたんだな」
「その通りさ。と言っても、向こうが崩壊するのとほぼ同時に戻ってくる形となったから、流石のマスターの体にも相当な負担が掛かったみたいだ。藤丸立香ちゃんやマシュと一緒に気を失っていたよ。唯一、意識を保ったまま戻って来れたのは、其処にいるアルトリアだけさ」
流石は伝説の騎士王……普通に凄いな。
「それよりもマスター。どこか身体が痛んだりはしてませんか?」
「大丈夫だ。痛むどころか、熟睡出来たお蔭で調子がいい」
半身だけを起こしてから体を動かす。
首や腰の骨がゴキゴキとなって、一気に目が覚めてきた。
「そういや、藤丸とマシュはどうした?」
「あの二人なら、立香ちゃんの自室で休んでるよ。少し前に目覚めたって報告があったから、今頃は管制室にいるんじゃないかな?」
「そっか。なら、オレもいかないとな……っと」
ベッドから降りようとした時、ちょっとだけふらついてしまった。
咄嗟にアルトリアが体を支えてくれたから、事なきを得たけれど。
「大丈夫ですか?」
「おう……ちょっち油断してたわ」
「気を付けてくださいね」
「うん。ありがとな」
アルトリアに手を引かれる形で床に降りる。
それはいいんだけど、どうしてアルトリアはドヤ顔でダ・ヴィンチを見てる?
「ふふん!」
「クッ…! キャスターのクラスじゃなかったら、もう少し俊敏に動けるのに……!」
一体お前達は何を張り合ってるの?
「フォウフォウ……」
ほら。フォウも溜息を吐きながら首を横に振ってるぞ。
動物に呆れられてどうするよ。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
フォウを頭の上に乗せてから、オレ達は管制室へと向かった。
まずは帰還報告をするべきなんだろうが、その前にやるべき事がある。
そして、その為には皆の協力が不可欠だ。
「お~っす」
「博士! おはようございます!」
「もっちー! おはよ~!」
「あんな事があったってのに、お前らは元気だな……」
若いっていいよな…ほんと。
「博士。まずは無事に帰還してくれて本当に良かったと言わせて貰うよ。まさか、あの場面であの望月京子博士だけじゃなく、並行世界のレフ教授なんてのも出現するとは思わなかった」
「それはオレも同感だ。けど、母さんは当然として、あのもう一人のレフも間違いなく味方だ。これは母さんが行動を一緒にしている時点で断言出来る」
「博士がそこまで言うのなら、ボク達もそれを信じよう。ボクからしても、彼が悪人には見えなかったしね」
あのもう一人のレフは魔術師ってよりは、使命を帯びた戦士って感じだった。
ありゃ、並大抵の奴じゃ絶対に勝てないぞ。
悪い方のレフも、年貢の納め時かもな。
「って、今はンな事を話している暇じゃなかったんだ。ロマニ、今から時間あるか?」
「え? いきなりどうしたんだい?」
「今から、オルガの蘇生…っていうか、魂の定着を行う。少し手を貸してほしい」
「そうだった! まだ所長が残ってたんだった!」
忘れてたんかい。
聞かなかったことにしてやるが、二度目は無いぞ。
「博士、こう言ってはなんですが、本当に出来るんですか?」
「可能だ。最初はオレも半信半疑だったんだがな、詳しく説明をされて納得した」
まさか、オレの研究分野が『魂』にまで及ぶだなんて、昔は想像もしてなかった。
けど、どんな分野であれ、将来の為に勉強をしておくことは決して悪い事じゃない。
「聞いたことがあるかもしれないが、魂には『尾』のようなものがあって、全ての生物はその『尾』が肉体側にも同じように存在しているんだ。んでもって、その『尾』と複雑に絡み合い一つとなることで肉体と魂が一つになっているんだと」
「成る程……陰陽道なんかでよく聞く言葉だね」
「生き物が死んだ時、その魂の『尾』が肉体から離れていくらしい。因みに、英霊の体は基本的に魔力で構成されているから、今言ったみたいな『尾』は基本的に無いとの事だ。肉体と魂の境界線が非常に曖昧だから、まるで粘土みたいに二つが混ざり合っているんだよ」
「肉体と魂の境界線が曖昧……だから、英霊は『霊体化』が出来るんですね」
「そーゆーこった。で、ここからが本題なんだけど……」
少し気分を変える為に白衣のポケットを探ったが、何処にも煙草が無い。
むぅ……もしかして、あの特異点に落としてきちゃったかな?
「本来、全く同じ遺伝子を持つ肉体とはいえ、一度離れた魂をもう一度完全に定着させるのは絶対に不可能だ。それは、自然の摂理に反するからな。だが、この『摂理』に真っ向から対峙しているのが『
その代価として暫くの間だけ、あのグラサン野郎の仕事の手伝いをやらされたけどな。
あれはあれで非常にいい経験だった。
「分かり易く言えば、魂と肉体の『尾』を無理矢理に接続させて定着させる術だ」
「瞬間接着剤みたいに?」
「接着剤ってよりは、パテって言った方が正しいな」
藤丸の素直な疑問は、逆に分かりやすいから説明がしやすい。
「それ…反作用とかないのかい? 聞く限りじゃ相当にヤバそうだけど……」
「オレも最初はそれを懸念した。だが、その手の事はとっくの昔に研究と技術の発展で克服したとグラサン野郎が言っていた。実際、オレの目の前で蘇生した人間は、今でも普通に生活してるからな」
あの時はマジで『ネクロマンサー恐るべき』って思ったわ。
同時に、自分の視野の狭さも思い知らされたしな。
「今から、オレの研究室に保管されているオルガのクローン素体にその術を施す。あそこはダ・ヴィンチの研究室と同様に核シェルター並の強度があるから、あの爆発でも傷一つついてない」
「道理で、あそこだけ厳重になってる筈だよ……」
このオレが直々に設計したからな。
「そこで、まずはロマニ」
「なんだい?」
「オレは儀式を絶対に成功させるつもりだが、それでも万が一って可能性は否めない。だから、お前には医務室の準備をしておいてほしい。オルガが目覚めたら、まずは体の検査をして欲しいんだ」
「そういうことか。任せてくれ! ようやく医療スタッフらしい仕事が出来る!」
悲しい喜び方だな…それ。
「マシュ。藤丸。お前達二人は適当に服を見つけてきてくれ」
「「服?」」
「保存中のクローン素体が服なんて着てると思うか?」
「「あ」」
まぁ、オレはその程度じゃ動じないから平気だけど。
「アルトリアも二人の事を手伝ってやってくれ。頼んだぞ」
「了解です」
これでよし…っと。後は……。
「ダ・ヴィンチ。お前はオレと一緒に来い」
「君と?」
「お前には俺の術を手伝って貰いたい。一人でも出来なくはないが、今回のは絶対に失敗が許されない。故に、少しでも成功率を上げる為にキャスターであるお前の手を借りたいんだ。頼めるか? 天才」
「全く……そこはマスターらしく『頼み』じゃなくて『命令』をすればいいのに」
「オレはサーヴァントに『命令』なんてする気は無い」
「そう言うと思った。いいよ。喜んで手伝わせて貰うさ。これもまた貴重な経験だ」
こんな時、本当にキャスターのサーヴァントは頼りになる。
いや、別にオレ一人でも出来る自信はあるけど、念には念を入れて…ね?
「それでは、これよりオルガマリー・アニムスフィアの蘇生を行う! これが終わって初めてオレ達のミッションは終了になる! 各員、行動を開始せよ!」
「「「「「了解!」」」」」
……なんか、オレが現場指揮官みたいなことになってない?
オレってこんなにもリーダー気質な人間だったっけ…?
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
オレのお手製研究室。
室内にある隠し扉の前で、オレは勝手に設置したパネルを操作する。
「ほいほいほい…ってな」
パスコードを入力すると、隠し扉がシュッと開いた。
中は真っ暗だが、オレ達が入るとすぐに自動的に明かりがついた。
「どこに隠したのかと思ったら、こんな所に……」
「万が一の事も考慮してな。それよりも……」
中には、レイシフト用のコフィンと全く同じサイズ、同じデザインのカプセルが鎮座していた。
勿論、これにはレイシフトをする機能なんてのは無い。
あくまで、一時的に冷凍保存する為の代物だ。
「よし。異常はないようだな」
「いつ見ても見事なものだよね。マスターは確実に、天才生物学者である母親の才能も継承しているよ」
「よせよ。母さんなら、オレ以上に完璧な素体を創り上げるさ」
これは自分を卑下しているんじゃなくて、純然たる事実だ。
いずれは必ず乗り越えるつもりだが、少なくとも今のオレとあの人達を比較対象にするのは間違っている。
だって、比較にすらなっていないから。
「それじゃあ、早速始めるぞ。急がないと、マジで危ないからな」
「了解だ。私は何をすればいい?」
「まずは『陣』をこの周りに書くのを手伝ってくれ。ちゃんと、オレの指示通りに動いてくれよ? ほんの少しでもミスったら終わりだからな?」
「分かってるって。けど、何で書くんだい? まさか……」
「んなの、オレの血に決まってるだろうが」
「やっぱり……」
「つっても、この時に備えて予め冷凍保存しておいた術用の血液だけどな。何が悲しくて、ついさっきまで寝ていた身体から血を出さなきゃいけないんだ」
「本当に…マスターは用意周到だよね……」
そうして、オレ達はオルガを蘇らせる為の儀式を開始した。
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
まるで、それは海の中を彷徨うような感覚。
上下左右が存在せず、全てが暗闇に包まれている。
私はどうなったのだろうか。
何も分からない。何も見えない。何も感じない。
誰もいない。誰も私を見てくれない。誰も私を……。
「え……?」
それは光。
私には眩しすぎる光り。
「あれは……」
自然とそれに手を伸ばすと、そこから『声』が聞こえてきた。
それは、私の大好きな人の声。
私が唯一、愛する人の声。
私がこの世で一番愛する人の声。
『戻って来いオルガ。皆、待ってるぞ』
待ってる…私を?
『オレにはお前が必要だ。だから、戻って来てくれ……』
あぁ……本当にこの人は……。
そんな事を言ってくれるから…私は……。
「先生……私は……」
・・・・・
・・・・
・・・
・・
・
眩しい光が私の瞼を刺激する。
思わず目を細めると、その僅かな視界に見覚えのある姿が見えた。
「せん…せい…?」
「ようやくお目覚めか? お姫様」
一番最初に目に入ったのは、私の大好きな先生の姿。
その隣に並ぶようにしてキャスター…レオナルド・ダ・ヴィンチが笑っていた。
「どうやら無事に成功したようだね。やれやれだ」
「本当に助かったよ。サンキューな」
「なに。こっちも貴重な体験をさせて貰ったから御相子だよ。変則的ではあるけど、まさか死者の蘇生なんて有り得ない事象に関与できるとは思わなかった」
どうやら、先生だけじゃなく、この女も手伝ってくれたらしい。
悔しいけど、そのお蔭で戻ってこれたのだから、その分の礼は言わないといけないだろう。
「大丈夫ですか所長ッ!?」
「本当に良かった……」
「鞠絵の事ですから、絶対に失敗しないとは思ってましたけどね」
後ろに控えていたらしいマシュと藤丸とセイバーが私に上着を着せてくれた。
って、よく見たら私ってば服着てないッ!? なんでっ!?
「あ…ありがとう……。けど、これは一体……」
まだ完全にハッキリとしていない頭を動かして思い出す。
確か私は……あの特異点でレフにお前を殺したのは自分だと言われて、その後に先生が……。
「あ……そっか……」
思い出した……!
先生が『私を戻す手段がある』って言って、そして……。
「先生…私……」
「そうだ。お前は戻ってきた。このカルデアに。肉体的には『生まれ変わった』って言った方が正しいかもしれないけどな」
「せ…せ…せ…せ…」
生きて帰って来れた事。
大切な人に救って貰った事。
色んな気持ちがごちゃ混ぜになって、自分の気持ちが上手く整理できなくなって、私は我慢が出来なくなって、泣きながら先生に抱き着いた。
「先生――――――――――――――――――――っ!!!」
「うわぁっ!?」
またこの人に触れられる……。
その事が只々嬉しくて仕方がない。
やっぱり、私はこの人の事が大好きだ…!
「まぁ……今だけはいいか」
ポンポンと優しく私の背中を叩いてくれる先生。
子供を慰めるような仕草も、今の私にとっては愛おしい。
皆、後ろで悔しそうにしているけど、絶対に負けないから。
先生のお嫁さんになるのは、この私なんだから!
オルガマリー完全復活。
もう完全にもっちーのヒロインになってますね。