ロリでショタで30代の男の娘は好きですか?(FGO編) 作:とんこつラーメン
基本的に、各章の間に『幕間』という形で時系列や物語を無視した時間軸での茶番的な話をしようと思っています。
まだ本編には出ていない英霊達が沢山登場します。
そして、基本的に出てくるサーヴァントはもっちーと契約している者達です。
さぁ、今回は誰が出てくるのやら。
ノウム・カルデアにある、とある部屋にて、カタカタカタという音と共に怒号のような悲鳴が聞こえていた。
「しょく~ん……生きてるか~……」
「愚問だ! この程度で死んでたまるものか!」
「右に同じ! というか、なんで私まで巻き込むっ!?」
「マスター…? この仕事量は、流石に老骨に堪えると言いますか……」
「口よりもまずは手を動かせ。数学ジジイ」
「数学ジジイっ!? ホームズにも言われたことのない渾名が聞こえたんですけどっ!?」
現在、この場にいるのは四名の男達。
カルデア所属のマスターの一人であり、技術班を統括している『望月鞠絵』。
その彼と契約をしているキャスターの『ギルガメッシュ』
鞠絵とは色んな意味で腐れ縁の疑似サーヴァントの『諸葛孔明(エルメロイ2世)』
数学ジジイことアーチャーの『ジェームズ・モリアーティー』
「なんだろう……今、見えない誰かにバカにされた気がするのだがネ」
気のせいだろう。
「博士……毎度毎度思うのだが、どうして我々が手伝わなくてはいけないんだ? 今のカルデアにも少なからずスタッフはいるのだろう?」
「あいつ等にはあいつ等の仕事がちゃんとあるんだよ。それに、コレ系の仕事には向いていない」
「そうかもしれないが……」
「本当ならオレだってさせたくはない。けど、現状では致命的なまでに人手が足りないんだ。一人で可能ならば喜んでやるけど、それだと幾ら時間があっても足りない」
「だから、我々に手伝わせている…か」
「その通り。あ、ギル。こっち頼むわ」
「いいだろう。そっちは終わったのか?」
「あと少しって感じ。モリアーティー、そっちは?」
「こちらももうすぐだヨ。あぁ……可愛い愛娘(フラン)に会いたい……」
キャスタークラスとはいえ、人類史最古の英雄王であるギルガメッシュが素直に鞠絵の言葉を聞き入れている。
それは一重に、彼の事を認めているからに過ぎない。
実は、これはアーチャーの方のギルガメッシュも同じだったりする。
「やば……普通に時間の感覚が無くなってきたかも……」
「おい。以前の我の二の前にはなるなよ。貴様を冥界まで迎えに行くのは御免だぞ」
「大丈夫だって。まだまだ最高記録には程遠いぜ……ヘヘヘ……!」
「博士……一応の為に聞いておくが、その『最高記録』とはどれぐらいなんだ…?」
「MAX3ヵ月! あの時は本気で死ぬかと思ったよ……」
「それ、完全に人体の限界を超えてるよネっ!? マイガールは本当に人間なのかイっ!?」
「普通に人間だし。オレはガールじゃないし」
などと話していても、ちゃんと手だけは動いているのが凄い。
四人揃って、目の下には真っ黒な隈が出来上がっている。
「そう言えば…別室で仕事をしている連中は大丈夫だろうな……」
「あぁ…ニコラ・テスラとエジソン、それから……」
「ダ・ヴィンチとホームズの野郎もぶっこんだ。最初は全力で嫌がってたから、令呪&エミヤがトレースしたロープでグルグル巻きにしてから連行した」
「ブッ! ホームズザマァwww」
「いや、お前も他人事じゃないからね?」
こうして、今日も彼等は明日の平和の為に画面とにらめっこしていくのだった。
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小休止と食事を兼ねて、二班に分かれているお仕事メンバーは合流をして食堂へと向かっていた。
「おう…お前ら……そっちの首尾はどうよ……」
「取り敢えず、今日のノルマの5割は終わった感じかな?」
「そっか……」
ダ・ヴィンチ(ロリ)の報告を聞いても全く覇気がない。
それは、この場にいる全員がそうであり、いつもは口喧嘩が絶えないエジソンとニコラ・テスラも、今回ばかりは静かに黙っていた。
「お前達も悪いな……こんな事を手伝わせちまって……」
「なに、サーヴァントとしてマスターの仕事を手伝うのは当然だ。当然だが……」
「あんなにも大量の仕事をしたのは生前でも何回あった事か……」
「だろうな……」
世界的にも有名な科学者であり、今を生きる科学者である鞠絵にとっては誰よりも尊敬する英霊でもある二人に自分の仕事を手伝わせることに、少なからず罪悪感を抱いている。
だが、今はそんな自分の事情に何て構っている余裕はない。
これから先の戦いの為にも、今できる事は全力でやらないといけないのだ。
「ハハハ……いい気味だネ…ホームズ……」
「そっちだって凄い事になってるじゃないか……モリアーティー……」
「「ハハハ……」」
世界一の名探偵と犯罪界のナポレオンが揃って目の下に隈を作っている。
見る者が見れば卒倒しそうな光景だ。
「おっと……」
「何をふらついておるか。ほれ」
「わっと」
足取りがおぼつかない鞠絵の事を見かねたのか、いきなりギルガメッシュが彼の事を持ち上げた…と言えば聞こえはいいが、要はギルがもっちーを抱っこした。
「……ごめん」
「そのように謝るのであれば、もっとしっかり歩かんか。戯けが」
文句を言っているように聞こえるが、その顔は僅かに笑みを浮かべている。
結局、そのままの格好で食堂まで行く羽目になった。
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食堂に到着すると、そこでは様々なサーヴァント達で賑わっていた。
どうやら、時間帯的には丁度、昼が少し過ぎた辺りだったようだ。
その証拠に、普段からカルデア内の食事を作っているエミヤやブーディカ、タマモキャットなどがテーブルについて茶を飲んでいる。
「やっと落ち着いたね」
「いつも、あの時間が最も賑わうからな…って、タマモキャット、どうした?」
「この気配……どうやらご主人がやってくるようだぞ? キャットの『御主人レーダー』にビビッと来た!」
「なによそれ……」
キャットの言う通り、食堂の入り口から鞠絵を初めとした面々がゆっくりと入ってきた。
だが、その顔を見て食堂にいる全員が凍りつく。
「む? 碌に時計を見ずにやっていたからよくは分からなかったが…丁度いい時間だったようだな」
「やっと食事にありつける……」
あのギルガメッシュが鞠絵を抱き上げた状態でやって来たのも驚きだが、それ以上に全員の顔がまるで死人のように青褪めていた事が驚きだった。
「ちょっとちょっと! 最近になってからあんまし姿を見ないと思ったら…また徹夜でもしてたっていうの?」
「そうでもしないと全く終わりそうにないからな……」
「むぅ…流石はご主人。キャットに出来ない事を平然とやってのける!」
「感心している場合か! ギルガメッシュ、マスターは大丈夫なのか?」
「当たり前だ。この我がいる限り、こやつを過労死などさせぬわ。今は極度に疲労しているだけよ」
「そうか……」
一先ずは一安心。
そのまま開いている席に向かってから、そっと鞠絵を椅子の上に降ろす。
その隣に孔明が座るが、その途端に鞠絵が彼の体に体を預けるようにしてきた。
「は…博士!? いきなり何をっ!?」
「少しだけこうさせてくれ……頼むわ……」
「全く……普段の貴方はどこに行ったのやら……」
瞼が重く、今にも眠りそうな鞠絵に対し、いつもは喧嘩腰な孔明も強くは言えないようで、溜息を吐きつつもそのままの状態を許していた。
だが、そんな彼を決して見逃さない人物が一人。
「おやおや~? いつから兄上と博士はそんな仲になったのかな~?」
「ラ…ライネスッ!?」
可愛い可愛い小悪魔な義妹の登場である。
因みに、彼女もまた鞠絵に強い好意を抱いている女性の一人だったりする。
「うんうん。やっぱり、博士は何をしていても可愛いね」
「頬をつつくな。彼は今、本気で疲れ果てているんだからな」
「分かっているよ。この私が博士に対して酷い事をする訳がないだろう?」
「どの口がそれを言うのやら……」
疲労でいつもの調子が出ない孔明は、肩を下げて再びの溜息。
折角の小休止なのに、全く気が休まらない。
「おいフェイカー。まずは食事だ。何か腹に溜まる物を寄越せ」
「そう言う注文が一番困るのだがな。いいだろう、他の者達はどうする?」
「私は消化にいいものを頼む。出来ればスープ付きで」
「心得た。マスターはどうする?」
「シェフにお任せする~……」
「了解だ」
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運ばれてきた食事を口にしながら、束の間の休息を楽しむ面々。
鞠絵もエミヤが作ってくれたオムレツを寝ぼけ眼で食べているが、うつらうつらとして何度か完全に瞼が閉じることがあった。
「口にソースが付いておるぞ雑種。ジッとしていろ」
「ん……」
ギルガメッシュが鞠絵の口元をティッシュで拭う。
それを見て、エミヤが信じられないような物を見る目をしていた。
「なんだ、その目は」
「お…お前は本当にギルガメッシュか……? 仕事のし過ぎで霊基に異常が生じてるんじゃ……」
「その一言で、お前が普段から我たちをどのように見ているかがよく分かったぞ」
全てはアーチャーの方のギルガメッシュが悪い。
抗議などは彼の方にして貰いたい。
「にしても、また相当に無茶をしてるみたいだね。そんなにも溜まってるの?」
「溜まっているという次元じゃないよ。あれはもう完全に『山』だね」
「山って……」
その見た目に反してカツ丼を食べているダ・ヴィンチ(ロリ)に言われ、普通にドン引きするブーディカ。
そんな中、密かに鞠絵の後ろに周り込んだキャットが、その肉球にて彼の顔をそっと挟んだ。
「ふみゅ?」
「そんなにも疲れているのならば、キャットの癒しの肉球にて心を落ち着かせるがよい! これまでに幾多の肉球愛好家を虜にしてきたキャット自慢の肉球に掛かれば、御主人の疲れなど一発で吹き飛ぶに違いないぞ!」
「あぁ~…なんかちょっと夢心地になってきたかもしれない……」
「博士の眠気が加速度的に進行してるっ!?」
鞠絵、完全に寝る一歩手前まで来てしまった。
腕だけを器用に動かしてオムレツを食べている。
「マイガール…せめて君だけでも休むべきじゃないのかな?」
「けど…皆が頑張ってるのに…オレだけ休むってのは……」
「博士。今も昔も、カルデアという組織において、君の存在は最重要であると同時に必要不可欠な存在だ。その君に倒れられたら、戦力が大幅にダウンする」
「ホームズ……」
「確かに博士は常人を遥かに脱しているが、それでも人間であることには違いないんだ。休息は私達以上に大切だよ」
「名探偵にそう言われちゃ…何も言い返せないな……」
観念したのか、皿を空にした鞠絵は、最後の力を振り絞って口を拭いてから、それから素直に体の欲求に従って瞼を閉じた。
「ようやくか。姿形以上に性格もまた何にも変わっていないんだな、この人物は」
「それじゃ、私が部屋まで送ってくるよ」
鞠絵を起こさないように、そっと体を持ち上げるブーディカ。
小さな背中を優しく擦ってから、少しだけ位置を整える。
「少しだけここを頼んだよ」
「あぁ。マスターの事を頼んだ」
ブーディカが食堂を後にするのを見届けてから、孔明は静かに息を吐いた。
「そう言えば、ミスター孔明は度々マスターと色んな事を話しているが、君達は昔から親交があるのかね?」
「親交……というよりは、完全に腐れ縁になるな」
「そうだね。時計塔にいた頃から、兄上はよく博士に振り回されていたからね」
「一緒になって私を振り回していたお前が言うな!」
エジソンの指摘に昔を懐かしみながら応えるが、ライネスの一言で全てが台無しになった。
怒鳴られた本人はどこ吹く風だが。
「貴様は知っているのか? 雑種がどうしてあのように無理をする性格なのかを」
「詳しく知っている訳じゃない。だが、大体の推測は出来る」
「それはそれは……是非とも聞かせて貰いたいな。ロード・エルメロイ2世の推測とやらを」
「シャーロック・ホームズにそれを言われても皮肉にしか聞こえないが…まぁ良いだろう。どうせ、いつかはバレることだしな」
そうして、孔明ことロード・エルメロイ2世は静かに語り出した。
望月鞠絵が時計塔にいた頃の事を。
自分と彼との関係を。
実はちゃんと続きがありますが、それは一つ目の特異点を攻略してから。
プロット自体は出来上がっているので、どうかそれまで気長にお待ちください。