オラリオにモンスターハンターが駐在しているのは間違っているだろうか 作:クルミ割りフレンズ
此処はオラリオの外壁近く、ディビッドがリコと共に居る。何故居るのかというと
『GISYASYASYASYASYANNN!!!』
『GISYA...GISYA...』
絶賛狩り中である。今回のクエストはゲネルセルタス亜種及びアルセルタス亜種の狩猟である。
オラリオに向かって来ているのが目撃され発注されたのである。
ゲネルセルタス亜種の方は尾と足が破壊されそろそろ限界が近い筈だがまだ戦意を喪失していない。
アルセルタス亜種の方はというと...
「ニャー!やっぱりボクあいつ嫌いニャ!男として許せないニャ!」
「まぁな、あんな鬼嫁...いや虫嫁はゴメンだぜ。アルセルタスはまさか外壁に刺さったまま動かなくなるとはなぁ。」
そうゲネルセルタスは原種も亜種もオスを武器として使うのである。更に亜種はそれに拍車がかかりその別名:砲甲虫の通りオスを弾丸としてブレスと共に発射する事があるのである。
しかも発射されたオスはその後何かに当たるとバラバラに砕け散るのである。しかし今回は発射した時には既に弱り切っていた事、撃つ瞬間口元にリコリスのブーメランを食らった事で威力が弱り外壁に激突しても砕けず刺さったようだ。まぁその事を受けて虫の息なのだが...
「取り敢えずオスの方は虫...じゃなくて無視だ。ありゃもう動けんだろうからな。」
「了解ニャ!行くニャ、ボクの必殺!メガブーメランの技、ニャーーー!」ぐるんぐるんぐるん
『GISYA!?GISYASYASYAN!?』ズドンッ
リコリスの発動したメガブーメランの技を既に破壊され脆くなっていた脚に食らいバランスを崩してしまったゲネル亜種。そこにディビッドがすかさず追撃する。
「ナイスだリコ!行くぜ、狩り技発動!」
今ディビッドが担いでいるのは大剣【真名ネブタジェセル】、ディビッドが最も得意な武器の一つ。その使い勝手の良さから今回も担いできたのだ。
剣が激しく火花を散らす程地面に擦り付け、振り上げると共に強力な衝撃波を起こす狩技。
その名も
「
『GISYAAAAN!...』ドーン
狩技を真正面から受けた事でゲネル亜種はその巨体を地に沈めた。
しかしクエストはまだ終了していない。
「旦那さん、こっちはどうするニャ?」
「ホント、どうしたもんかねぇ。」
『GISYA...GISYA...』
そう先程から壁に刺さったままのアルセルタス亜種である。戦う力どころか戦意すら無く情けない鳴き声を上げている。
そもそもメスに呼ばれたから来て戦っていたのである。そのメスが死んでしまえば縄張りでもない此処では戦う理由もない。
「今回は捕獲してギルドに生息域の旧砂漠まで届けてもらうか。」
「了解だニャ!」
そのまま壁から引き抜かれあっさり捕獲されたアルセルタス亜種はハンターズギルドに引き渡されたのだった。
クエスト終了から暫くしてディビッドはリコと共に街中を歩いていた。因みにディビッドの今の装備はブラックXシリーズに真名ネブタジュセル、アイルーのリコを連れている為目立つ格好をしているが殆どの者は慣れているようだ。
「旦那さん、これからどうするニャ?」
「冒険者ギルドだ。着替えたかったが面倒だからこのまま行くぞ。」
「ニャ、冒険者ギルドにニャ?」
そう彼らは商店街エリアを進んでおりこのまま行くと冒険者ギルドに着くのだ。ハンターズギルドならば分かるが冒険者ギルドに行くことにリコは疑問に思ったのだ。
「そうだ、そう云えばリコはあんまり連れて行かなかったな。報告だよ、セルタス2体の事とアルセルタスが刺さって傷つけた壁の事もな。」
「討伐と捕獲に壁の修繕って事かニャ?」
「そういうこった、それを
「ニャ、旦那さん口悪いニャ。一応雇い主みたいなものニャよ?」
日頃からぶっきらぼうな物言いをしている主人が幾分かトゲ付きな為窘めるリコ。
それに対してディビッドは顔を顰めて答える。
「そうは言うがな、あの野郎この前俺に『最近近づくモンスターが増えているようだが何ならオラリオ周辺のモンスターを狩り尽くしてはどうだ?お主ならば可能だろう。』とか抜かしやがったんだぞ。それに俺を正式に雇ってんのはウラノス神だ。」
「ニャー、それは確かに頭に来るのは分かるニャ。でも仕方ないニャよ、旦那さん。ボク達ハンターズギルドとオラリオの人達じゃあモンスターに対する考え方が違うのは当たり前ってやつニャ。」
ダンジョンのモンスターを否定する訳では無いが地上のモンスターは自分たちと同じく今を生き成長する動物なのだ。間違ってもダンジョンのモンスターの様に壁からボトボトと成長した姿で生み出される訳では無い。
地上のモンスターは大きく数を減らせば個体数が元に戻るまで数年かかる。それなのに邪魔になるから殲滅したらいいと言われたのだ。
オラリオにとってモンスターとは無限に湧いて来る存在なのだ。その事が彼らとの認識の違いなのだと痛感した。
「それは分かってる、けどな。あぁもう、この話は終わりだ。ほらもう着くぞ、とにかくギルドの方には俺が報告しとく。その間リコはミィシャちゃんにでも可愛がられてろ。」
「ニャ、ニャんですとぉー!」
リコは今日一番の声を上げて驚愕する。なんせリコは可愛がられる事が苦手なのだ。構われるのが嫌なのでは無く男なのに『可愛い可愛い』といわれ『リコちゃん』とちゃん付けで呼ばれる事に抵抗感があるのだ。どうせなら『かっこいい』と言われた方が嬉しいのは男子心と言うものだろう。
「そんなに時間もかからねぇよ。いつも通りの報告だから10分ぐらいだよ。」
リコは自分たちアイルーが人間たちの琴線に触れる事にはある程度理解を示している。だからこそ10分も可愛がられると思うと辟易し、苦情を言おうとした時だった。
「エイナさぁーん!アイズ・ヴァレンシュタインさんの情報を教えてくださあぁい!」
「あ?」
「ニャァ!?」
そんなもの何処かに消え失せた。なんせ隣を血塗れの少年が満面の笑みで通り過ぎて行ったのだ、軽くホラーものである。
「ニャ、ニャニャ!!」
「落ち着けリコ、名前叫んでたしエイナちゃんが担当の駈け出しってところだろうぜ。怪我も殆ど無かったし、ありゃ返り血かなんかだろ。ほいミィシャちゃん、リコの事頼むわ。」
「は~いリコちゃん久しぶり♡相変わらず可愛いね!」
「うニャー!旦那さん後で覚えてろニャアァ!!」
☆報告後
冒険者ギルドのギルド長ロイマンへ適当に報告を済ませた後リコを引き取りにミィシャを捜していた。因みにロイマンから嫌味ったらしく壁の事を言われたがそれも適当に聞き流していた。
そして目的の人物であるミィシャ・フロットを見つけたが彼女は泣く泣く書類の処理をしており近くにリコは見当たらなかった。
「おうミィシャちゃん、リコはどうしたんだ?前の時はメチャクチャ撫でてたろ?」
「ディビッドさ~ん聞いてくださいよ!エイナがリコちゃん愛でるのは溜まってる仕事が終わってからって言うのよ!」プンプン
そう言って頬を膨らませる彼女に対して「いや、それは当たり前だろ」と思ったが口には出さなかった。となるとリコは何処に行ったのか?
「それじゃぁリコはエイナちゃんの所に?」
「そうだよ、ほらあそこ。」
そういってミィシャの指差す方向を見るとエイナが先の少年と対面になるようにソファー座り説教をしているのが見えた。
(美人は何しても美人だけど怒り顔は別だな。すげぇ怖い、てか貫禄あるな。激昂ラージャンよりあるんじゃね?まぁその手にリコを抱いて撫でてなかったらの話だけどな。)
などと割りと失礼な事を考えたが確かに今のエイナはリコを撫でている事で一周回って微笑ましく見えた。
「おぉ居た居た、序でに聞くけどあの説教食らってる少年の名前って分かるか?」
「えっと、確か【ベル・クラネル】って言ったかな。彼がどうかしたの?」
「いんや、さっきまで血塗れだったから少し気になっただけ。それじゃリコ回収してさっさと帰るわ、またなミィシャちゃん。」
別れを告げるとリコを回収する為エイナ達の方へ向かうディビッド。説教中に外部の者が割り込むのはマナー違反だが仕方ないだろう。
それに
(”クラネル”ねぇ、どっかで聞いた様な気がするが気のせいか?それにしても白髪に赤目、ウサギみたいな子だな。かくも血塗れウルクススかな...てか?)
少しだけベル・クラネルという少年の
「ようエイナちゃんと少年、お話中悪いがリコを引き取ってもいいかい?」
これが
やっとダンまちキャラ出せた。
暫くはこっちを書くつもりです。