FGOAチーム所属1部攻略RTA 作:眼帯にロマンを感じる人
アポクリのレイド戦に乗り遅れたので初投稿です。
「…ただいま。」
私は結局この日守と会えなかった。玄関前にいたはずなのにどうして?
「お帰りなさいオフェリア。今日は帰りが遅かったわね。」
「…少し勉強していただけよ。」
これは嘘、親にとって私は優秀な魔術師としてでしか見てくれない。
「そう、貴方は優秀な子ね。これからも魔術師として…」
今日もそう、親が話すものは魔術師としての私に関する話ばかり。私自身に関する話は一切出てこない。だから、私は未だにこの家を好きになれない。特に両親が揃う日曜日の家は最悪、だから彼の家に逃げることで何とかなっているけど…
「…シャワー浴びてくるね。」
「分かったわ、夕飯は用意しておくわね。」
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私は服を脱いでシャワールームに入る。私は鏡の前で自分の体を見る。体にはそれなりの自信はあるが、どんなにアピールしても彼は全く気付く様子がない。
「…守は胸が大きい方が好きなのかな。」
そう思ってしまう自分がいる。聞きたくてもこんな質問できるわけがない、もし彼が巨乳派だったらどうしよう…いざとなったら魔術で大きくするしかないわね。そもそもそんな魔術があるかどうか…
シャワーの蛇口を捻ってお湯を出す。シャワーを浴びると自然と心が軽くなるような気がする。昔はそんなことを考える余裕すらなかったわ。そう考えると、私は守にたくさん救われているんだなと実感する。
シャワーを浴びてすっきりしたら、体重を測る。恋する乙女にとって体重管理は重要な課題、少しでも油断していると…
「う、嘘でしょ、少し太ってる…」
こうなるの。この前守と一緒に食べたラーメン?ってやつが美味しくて、2杯お替りしたのがいけなかったのかしら。早く痩せないと…
そのあと夕飯を食べて自室に戻ったわ。食事中の会話は軽く聞き流すことにしている、だって真面目に聞いても疲れるだけだから。
ベッドで横になる。今日は色々と大変な1日だったけど、充実していたと思う。これも守と一緒に過ごせたからだ。もし、守がいなくなったら…そう考えると怖くなる。だから、彼を守れるように強くならないと…
そう誓いながら、私は瞼を閉じた。
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朝になり、日差しが窓から差し込む。その日差しで目が覚める、今日もいつも通りの時間に起きることができたみたい。
着替えて朝食を食べるためにリビングに行く、そこには私の父親がいた。席に座ると父が話しかけてきた。
「オフェリア、時計塔での成績はどうだ?」
「えぇ、変わらず先生から最高評価をもらっているわ。」
「そうか、これからも精進してくれ。我が家系が根源に近づくためにも…」
分かっている、両親が心の奥底から望んでいることを、それが私にできる親孝行であることも…でも私は、本当の自分を見てほしかった。それが叶うことはないでしょうけど。
「…本当の自分を見てくれるのは、守だけなのね。」
私はそう呟いた。
家から出て時計塔に向かう、入り口で待っていれば守には確実に会うことができる。守と会って昨日のことを問い詰めないと。
遠くから守がやってくるのが見えた。よし…
「守?昨日なんで私から逃げたのかしら?」
守が私に気づいたようだ、すごく慌てているみたいだけど…
「お、オフェリア、えぇと、これには事情がありまして…」
「しかも、よりによってエルメロイ先生に魔術をかけるなんて!貴方って人は!」
「あ、いや、ね?ちょうど近くにいたから…」
「ふーん、そんなこと言うのね?」
「あ、あぁ、その…許してください。これあげるからさ、ね?」
彼が鞄から小さな袋を出して渡してきた。
「え?これって…クッキー?守の手作り?」
「そう、出来立てのクッキー。最高の仕上がりだから味には自信がある。」
「そ、そう…」
天使(何をしているのオフェリア!今日はきっちり叱るって決めているでしょ!クッキーなんかに負けないで!)
悪魔(ここは受け取るべきよ、オフェリア!守の手作りなんて滅多に食べられない!さぁ、受け取りなさい!)
う、うぅ、でも体重が…昨日の時点で増えているから、このクッキーを食べたら…
悪魔(体重はあとで減らせば大丈夫!それにこれは出来立て、食べるなら今しかない!)
天使(だ、ダメよ!悪魔になんか負けないで!)
「…要らないのか?なら俺が食べるけど。」
「…まぁ、今回だけだからね。」
私はクッキーを受け取ってしまったわ。…だって守の作ったお菓子は美味しいんだもん!パティシエクラスの実力があるんだもん!勝てるわけないわ!
悪魔(や っ た ぜ、やはり片思いの男子からもらうお菓子は最強のようね!)
天使(く、くやしい!次は勝つわ!)
「…なんでそんな険しい顔をしているんだ?」
「…いろいろと大変なのに、誘惑に負けて美味しく食べているからよ。」
「そ、そうか…」
あぁ、体重が増えるけど、クッキーが甘くて美味しいわ…
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今日の授業が終わった。昨日は逃げられてしまったけど、今日はちゃんと昼飯を…
「貴方が本田守で合っているわね?」
女性が守に話しかけてきた。あれは、たしか天体科の…
「そうですけど…えーと、貴方は?」
「私はオルガマリー・アニムスフィア、貴方に用があって来ました。詳しくは部屋で話すわ、ついてきて。」
彼は首をかしげながら
「なんかよく分からないけど、行ってくるよ。」
と言っていたから思わず
「また貴方やらかしたの?」
と言ってしまったわ。この前のやつを含めて彼は先生を悩ませることで有名だから…
「いやなんでやらかした前提で考えているんだ、彼女にはまだ何もやってない!」
まだ何もやってないって、何かするつもりなの!?
「んじゃ、行ってくるから。」
そう言って守は行ってしまった。彼に何も起きなければいいけど…
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彼の様子が気になって、思わず部屋まで来てしまった…どうやらちょうど部屋から出てくる時だったみたい。
「守!」
「オフェリア!?え、なんでここにいるの?」
「ちょっと守のことが気になったから、それで話ってなんだったの?」
「あぁ、俺の実力を見込んでカルデア?とかいう場所に魔術協会公認の魔術師として来ないか?というスカウト。」
「え、カルデアに招待された!?」
カルデア…確か時計塔が出資している施設のはず。ただ詳しいことは秘匿されているからわからないけど。
「それで、OKしたの?」
「まぁ、それを断る理由もないかなぁって。なんか色々できるみたいだし…」
「貴方のことだから誘われたら行くとは思っていたけど、ほんと守らしい理由ね…」
だとしたら、私も行かないと。もしカルデアで何かあったら…その時は私が助けないと!
「魔術師としての実力があれば、そのカルデアには行けるのね?」
「うん?まぁ、そうだと思うけど…」
「なら私も行くわ。」
「えぇ!?」
なんで驚くのよ…貴方が行く場所には何度もついていってるからわかるでしょ。はぁ、ほんと守は変わらないわね。
「当たり前でしょ。貴方1人だと危なっかしくて…」
「うっ!?た、確かにそうだけど…」
「それに、貴方が傷つくのを見たくはないから…」
「でも危なっかしいは酷いと思います!もうちょっとオブラートに包んでください!」
…さっき言ったことは彼に伝わってないようね。嬉しいような悲しいような…
「何を言っているの、いつも突撃して危ない目にあっているのは貴方でしょ?」
「返す言葉もありません…」
ほんと私が見てないと危なっかしくて…
「そうだ、じゃあこれ渡しておくよ。」
「え?これって…」
人形のようだけど…
「なんかあった時のための保険、いわばお守りだ。オフェリアもカルデアに行くみたいだから、渡しておくよ。」
「お守り…そう…」
「…くれるの?」
「そうだよ?俺はすでに1個あるからさ。」
「ありがとう、大事にするわ。」
プレゼント貰っちゃった、えへへ。あぁ、顔がにやけちゃう…こんなところ誰かに見られたら…
「…本田守とずいぶんと仲がいいのね、オフェリア・ファムルソローネ。」
「ふぇ!?お、オルガマリー先生!?え、えっと…見てましたか?」
「見てたわよ、貴方にもあんな顔ができるのね。なんでかしら?口の中が甘いわ。」
「あ、あぁぁぁぁ!!!」
ど、どど、どうしよう!?オルガマリー先生にあんなところを見られた!!恥ずかしい!すごく恥ずかしい!!今すぐにでもこの場を離れたい!!!
「…安心して、彼には言わないであげるから。」
「あ、ありがとうございます…」
「貴方も勧誘する予定だったけど、手間が省けたわ。貴方もカルデアに行くということでいいのね?」
「は、はい。」
まだ顔が熱い…今の私の顔、とんでもないことになっていると思う。
「はぁ…ではカルデアについて話します。」
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「以上です、何か質問は?」
「…大丈夫です。」
「そう、なら最後に1つ聞いてもいいかしら。」
はい、大丈夫です。
…私たちも最善を尽くしますが、予期せぬ出来事で死んでしまうこともあり得ます。貴方にその覚悟はできていますか?
「もちろんよ、私は現代の戦乙女。覚悟なんて最初からできているわ。」
「そう、なら安心したわ。カルデアは貴方を歓迎します、オフェリア・ファムルソローネ。」
守は必ず、私が守り切って見せる。
やっぱ歴戦のマスターってすごいなと思いました。
アポクリのイベント周回するので失踪します。