無気力高校生の浦の星学院生活記   作:豚骨うどん

1 / 6
どうも初めまして豚骨うどんです。
因みにどちらかと言えばラーメン派です。
あ、どうでも良い?アッそう…
それではどうぞ!


プロローグ

「息子よ、転校しくれないか?」

 

「親父よ、説明を求む。」

 

リビングのソファで寝転がりながら漫画を読んでいたところ、急に親父が扉を開けて入ってきたかと思えば第一声がこれである。親父が突拍子もないことを言い出すのは何時もの事だが今日はいつにも増して真剣な雰囲気を醸し出している。大体こういう時碌なことじゃないのは長年の経験で分かっているため、部屋に戻ることにする。レンタルしている漫画の続きを読まなければ。

 

「おい息子よ、自分から説明を求めておいて帰ろうとするな…え、ちょっ待って。ホントに帰っちゃうの?待って、待ってくださいお願いします!」

 

「やるなら最後までキャラ通せよ。」

 

先程まで威厳たっぷりな演技を投げ打って、俺の歩みを必死になって止めようとする親父。

 

「おい大の大人が息子の足に引っ付いて駄々捏ねるなよ、みっともない。」

 

「だってだって息子が冷たいんだもん!」

 

「だもんじゃないよ。」

 

尚も俺の足にしがみつき離れない親父に溜め息をつき、諦めて話を聞く姿勢に入る。親父がここまで粘るのも珍しい。きっと大事な話なのだろう。碌なことではないことには変わりないだろうが。

 

「ほら話があるなら早く終わらせよう。明日返さなきゃいけない漫画が残ってるんだ。」

 

「まったく最初から素直に聞けばいいものを…」

 

「はよしろ。」

 

「アッハイ。」

 

おずおずと俺の前に座り話し始める親父。何でも最近行きつけの居酒屋で知り合った人がとある高校の理事長らしく、その高校の生徒が年々減少していてこのままだと廃校にせざるを得ないことを涙ながらに語ってきたらしい。自分の娘が通っている学校だから何とかしたいと言った理事長の姿が痛々しかったのと、酔っていたのとが重なって親父はつい口を滑らせてしまったらしい。『うちの息子を通わせてはどうだ?』と。うん何故そうなった?

 

「それで、あれよあれよと編入手続きをしてしまったと。」

 

「…ハイ。」

 

「しかもその高校は元女子高で男子も募集したが一人も男子が入らなかったと。」

 

「…ハイソノトオリデス。」

 

「そして俺はその高校での唯一の男子になってしまったと。」

 

「…ハイオッシャルトオリデス。」

 

これを聞いて頭を抱えてしまう俺は悪くない。

マジか~転校か~、そうなると色々準備しないとな…

 

「その高校は何処にあるんだ?」

 

「えっ、ああ…静岡の沼津だが…」

 

「そうなると引越しか。荷物まとめなきゃなぁ。」

 

「お、おい…」

 

「あっちで住める物件探さないとな。学校近くにあるといいが…」

 

「お、おい息子よ!」

 

「何だ親父?」

 

「いいのか?」

 

「いいのかって何が?」

 

「いやだって転校だぞ?その友達とか…」

 

そこで口籠ってしまう親父。そんな親父を見て、親父の言いたいことが何となく分かった。俺が転校することにより、今の学校の奴等と離れ離れになる事を危惧しているのだろう。

 

まあぶっちゃけそこまで気にしていないというのが本音である。別に学校でボッチだからとかそんな事はなく、クラスメイトとは良好な関係を築けていたし、昼休み一緒に弁当を食べる奴らだっていた。なので決してボッチという訳ではない、断じてない。

 

ただそこまでクラスメイトを重要視しているわけではないだけである。休日に遊びに行くような間柄ではなく、あくまで学校内だけでの関係。なら別に今の学校じゃなくても俺は一向に構わない。冷めている考えだとは思うが本当の事なのだから仕方ない。でもこれをそのまま親父に伝えるれば憐みの視線を向けられるのは分かり切ったこと。さてどう伝えてものか…

 

「もし嫌なら父さん今からでも頭下げに…」

 

「……まあ、何だ…親父が困っている人を見過ごせない性格なのは理解しているつもりだ。そんな親父だからこそ俺は自分の出来ることなら協力したいと思えたんだ…だから気にすんなよ。」

 

「む、息子…」

 

どうやら上手く誤魔化せたようだ。さてそれじゃあ改めてこれからの事についての話にもどr…

 

「そんなこと言ってお前のことだからどうせ、別に今の高校だろうが転校先の高校だろうが特に変わらないだろうとか思ってるんだろうがな。」

 

…バレテーラ。さすが俺の親父、俺の事分かっていらっしゃる。

 

「…お前のそういうところも治るかもだしな…」

 

「ん?親父今何か言ったか?」

 

「いや何も言ってないぞ。それよりもホントに良いのか?」

 

「…まあ別に俺は一向に構わんですよ。」

 

「…そうか。」

 

そう呟く親父の顔に少し影が差していることについては触れないでおこう。面倒くさいし。

 

「それなら自分の荷物をダンボールに詰めておいてくれ。それから住む場所はもう決まってるから心配するな。」

 

「おう、分かった。」

 

そう言ってリビングから出ていく親父。一人になったリビングで再びソファに寝転がりながら先程の漫画の続きに目を通す。

 

「早く読んじゃわないとな…」

 

その独り言に答えるものは誰もいなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、言い忘れてたけど一週間後編入試験があるからちゃんと勉強しておけよ。」

 

「ホント親父マジふざけんなよおい。」

 

どうやら漫画はしばらくお預けのようだ…

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
良ければ評価や感想お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。