無気力高校生の浦の星学院生活記   作:豚骨うどん

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どうも豚骨うどんです。
豚骨は醤油が一番好きである。
…すいません。どうでもいいですよねハイ…
それじゃあどうぞ~


第一話 出会い

長い一週間だった。

 

この一週間めちゃんこ大変だった。俺が転入する浦の星学園は結構な進学校だったらしく、そのおかげでレンタルしていた漫画は読めず仕舞いだった。こんなことならやっぱり編入取り消しにしてもらえばよかった。因みに編入試験は無事合格。ギリギリだったみたいだが…

 

「しかし何もないな内浦…」

 

そして現在俺は沼津市の内浦という町を散歩している。東京からここまで長旅でしかも渋滞に巻き込まれたことにより少し遅い到着である。普段ならこんな時間に意味もなくほっつき歩いたりしないし、散歩なんてめったにしないがこれから住む町だしな。それに…

 

『引っ越し作業は俺がやっておくから近所を散歩してこい。それともこっちの手伝いするか?』

 

…面倒くさいのはゴメンだからな。

それにしても都会とは大違い。夕方ということもあって、まるで違う世界に来てしまったような気分になる。景色も綺麗で思わず立ち止まって眺めてしまうほどだ。水平線に沈む夕日。橙色に移る海面。そして服を脱ぎだす少女。これこそ正に絶景と呼ぶにふさわs…ん?何か変なの混ざってなかったか?

 

「タアアアアアアアッ!」

 

「は?」

 

俺は夢でも見ているのだろうか?服を脱いだかと思えば、スクール水着となった少女が叫びながら海目掛けて走っていくではないか。四月に入ったとはいえまだ少し肌寒い。そんな日に海水浴?頭大丈夫か?

 

そんなことを考えていると横からもの凄いスピードでスク水少女の下に走っていく人影。すげえ早さだな、陸上選手か?

 

「待って!死ぬから!死んじゃうからッ!」

 

「離して!行かなくちゃいけないの!」

 

そうこうしているうちに、陸上選手もとい陸上少女がスク水少女に追いつき腰にしがみ付く。陸上少女は必死になって止めているが、スク水少女は頑として海に飛び込もうとする。何ともカオスな状態である。そんな二人の攻防は突如呆気なく終わりを迎える。

 

「えッ」

 

「あッ」

 

「「うわあああああッ!」」

 

二人の少女の着水によって。

…とりあえず近くにコンビニとかがないか探すか。思い立ったが吉日、早速携帯で調べる。ホントにスマホは便利だな~

 

 

 


 

 

 

「なあ、こんな所で焚き火なんてしてホントに大丈夫なのか?」

 

「大丈夫大丈夫!誰も見てないし、このままだと風邪ひいちゃうもん!」

 

「君の言葉の何処に大丈夫な要素があるんだ…」

 

たははと笑う陸上少女は俺が買ってきたタオルで頭拭いている。俺が薄情にも彼女たちを見捨てて帰ったと思った人、正直に手を挙げなさい。お兄さん怒らないから。

 

「あ、あのタオルありがとうございます。」

 

「いや気にしないで下さい。自分が勝手にやっていることなんで。」

 

俺がわざわざタオルを買い与え、尚且つ焚き火まで用意したのは現在タオルに包まっている件のスク水少女のあの珍行動について聞きたかったからだ。一体どうなったらいきなり服を脱ぎだし、肌寒いこの季節に海水浴をしようと考えたのか。そういう類の変態なのかとも考えたが、お礼を言ってくるあたり、一定の礼節はあるようだ。まあ、妙なこと言い出したとしても二度と関わらなければいい話だから問題ないだろう。

 

「それでなんで海に飛び込もうとしたの?」

 

俺がスク水少女にしようとした質問は陸上少女に取られてしまった。ならば俺は聞き手に徹しよう。

 

「…海の音が、聞きたいの。」

 

「海の音?なんで?」

 

「………。」

 

スク水少女は口を噤んでしまう。どうやら聞かれたくないことらしい。聞かれたくないなら無理に聞き出す必要もないだろう。

 

「…じゃあもう聞かない!…海中の音ってこと?」

 

陸上少女も深くは触れないらしい。それが賢い選択だろう。人には言いたくないこと一つや二つあるものだ。俺にもあるしな…

 

「…私ピアノで曲を作ってるの。でもどうしても海の曲のイメージが浮かばなくて…」

 

「へえ!作曲なんてすごいね!ここら辺の高校?」

 

「…東京。」

 

「東京!?わざわざ?」

 

「わざわざっていうか…」

 

何かトントン拍子に話が進んでいるが俺はもう聞くこと聞けたし早々に帰りたいんだが…どうやら会話に入らな過ぎて発言のタイミングを逃したようだ。さてどうするか…

 

「そうだ!じゃあ誰かスクールアイドル知ってる?」

 

「スクールアイドル?」

 

「うん!ほら東京だと有名なグループ沢山いるでしょ?」

 

「何の話?」

 

「え?」

 

おっと本格的に話が逸れてきたぞ。俺ここにいる必要なくなってきたしそろそろお暇しますかね。

 

「あの、そろそr…」

 

「貴方は知ってる?」

 

「え、何を?」

 

「だからスクールアイドルだよ!スクールアイドル!」

 

「…ああ、まあ小耳に挟んだ程度には知ってる、かな?」

 

「何か反応が微妙…ホントに知ってるの?」

 

急な質問に何も考えずに答えてしまった俺に対して陸上少女はこちらにジト目を向けてくる。いやそんな目で見られても…前の学校のクラスメイトがそんな話をしてたなぁ~、程度にしか知らない。つまり何も知らない。…ここは、正直に答えよう。

 

「すまん、クラスメイトの会話にそんな単語聞いた位にしか分からん。」

 

「ということは二人とも知らないの!スクールアイドルだよ!学校でアイドル活動して、大会が開かれたりするんだよ!」

 

「そんなに有名なの?」

 

「有名なんてもんじゃないよ。ドーム大会も開かれたことがあるくらいなんだから。超人気なんだよ!」

 

どうやら陸上少女はそのスクールアイドルにお熱のようだ。とりあえず相槌打って適当に話を切り上げるタイミングを見図ろう。

 

「へえ、そういうのが流行ってるんだな。」

 

「そうなんだ。私ずっとピアノばかりやってたから、そいうの疎くて…」

 

「じゃあ見てみる?なんじゃこりゃあ~ってなるから。」

 

「なんじゃこりゃ?」

 

「うん、なんじゃこりゃ!」

 

陸上少女は変な掛け声と共にスマホ向けてくる。画面には9人の少女たちが写し出されている。この娘達がスクールアイドルだろうか?美少女揃いだな。学校ではさぞかしおモテになっただろう。だが何というかその…

 

「う~ん、何というか普通?」

 

そう普通なのだ。可愛いが言ってしまえばそれだけ。普通という言葉がしっくりくる。まあ学生なのだからそれが当たり前なのだが。

 

「あっいえ、悪い意味じゃなくて…アイドルっていうからもっと芸能人みたいな感じかと思ったっていうか…」

 

「…だよね。」

 

「え?」

 

「だから、衝撃的だったんだよ。」

 

そう呟いた陸上少女は俺たちに背を向けて前に歩き始める。ん?どこ行くんだ?もしかしてこんな中途半端なところで帰ったりしないよな?それはそれで気にせず帰るけど。

 

「私ね、普通なの。」

 

何か自分語りし始めたので要約すると、自分には何も無いなぁと感じながら気づけば高校二年生になっててこのままだと普通怪獣になってしまうと思い悩んでいた時にスクールアイドルに出会ったらしい。普通怪獣ってなんだよ…

 

「みんな私と同じような普通の高校生なのにキラキラしてた。それで思ったんだ。私も仲間と一緒に頑張ってみたい。この人達が目指したところを私も目指したい。私も輝きたいって!」

 

陸上少女が今どんな表情をしているか自分の位置では分からないが、きっといい表情をしているんだろう。夢を人に語って聞かせる人は大抵そういう表情をするものである。()()()()()()()()()()

 

「ありがとう…何か頑張れって言われた気がする。今の話。」

 

「ホント?」

 

「うん。なれるといいわねスクールアイドル。」

 

「うん!私高海千歌!高校二年生だよ。」

 

「同い年ね。私は桜内梨子、よろしくね。」

 

どうやら話に区切りがついたようだ。それじゃあ今度こそお暇しましょうかね…

 

「それと貴方の名前は?」

 

その質問と共に視線が二人分こちらに向いていることに気付く。俺も名乗らなきゃ何ですね…仕方ないか。

 

   無面冷夜(むおもて れいや)だ。別に憶えてくれなくてもいいぞ。」

 

これがスクールアイドルに憧れた少女(高海千歌)と悩みを抱え東京から来た少女(桜内梨子)とのファーストコンタクトである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
主人公の名前の由来ですが

無→無気力
面→面倒くさがり屋
冷→冷めている
夜→夜に名前考えた

といった感じです。適当すぎる?俺は気に入ってるからいいの!
良ければ評価や感想お待ちしております。
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