まよいキャリー 其ノ壱
001
正直この話をするかどうか悩んだ
でも、私の話をするなら…この話も必要
蝸牛と会い、道に迷ったあの時間も
今の私を形作るモノ…思い出だから
だから話すよ…蝸牛の少女と出会ったあの日の話
002
楓
「やっと来た…」
『モノがモノだからちょっと手間取ったけど
時期的にはそろそろ地図が頭に入った頃だろうから
丁度良かったかな?
父より』
バイクである
中型のバイクである
003
楓
「〜〜〜♪」
鼻歌交じりのツーリングを楽しんでいる
とても気分がいい…
阿良々木君探しという頼まれ事がなければ
楓
「…っと、この辺で1度…えっと近くの公園は…っと
ここを右折で目の前か…あれ?」
すごく見覚えのある自転車が止まってる
とりあえず隣に停めて…
あれ?
楓
「…あれ?戦場ヶ原さんも居る…」
とりあえず…阿良々木君達のとこに…
楓
「…ん?」
なんだろ…この違和感
004
暦
「なんでバイク!?」
楓
「免許持ってるし…昨日届いたから
慣らしがてらね」
戦場ヶ原
「…おっきい…」
楓
「ん?」
戦場ヶ原
「…いや、なんでもない…」
楓
「…?」
暦
「あ、そうだ戦場ヶ原、お礼なら篠宮に」
楓
「…ん?」
戦場ヶ原
「……」
不意をつかれたような顔をしてる…
楓
「あー…お礼なら既にして貰ったよ?」
暦
「何!?」
楓
「まぁ、教えないけどね」
戦場ヶ原
「という訳だから阿良々木君にもお礼がしたいのよ」
暦
「お前ら裏で結託してないか…」
005
戦場ヶ原
「なんでもしてあげる」
楓
「…だってさ」
暦
「と言われてもな…」
戦場ヶ原
「1週間ノーパン生活でも構わないわ」
暦
「へ?」
戦場ヶ原
「裸エプロンで毎朝起こして欲しいとか」
暦
「うちの家庭が崩壊するわ!」
楓
「流石に私もお隣さんちの家庭崩壊の原因が友達なのは…
ちょっと…」
戦場ヶ原
「…そう…じゃあ、エロは無しね」
暦
「おう、そうしてくれ…」
戦場ヶ原
「まぁ、阿良々木君はそういうお願いは
してこないと思ってたけど」
暦
「お?僕、信頼されて…」
戦場ヶ原
「だって童貞だし」
006
暦
「ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」
…模範解答みたいなリアクションしてるな阿良々木君…
暦
「そ、そういうお前は経験あんのか!」
戦場ヶ原
「ヤリまくりよ」
暦
「……!」
楓
「アラァ…」
朝っぱらから公園でなんちゅう会話してんだこの人たち…
戦場ヶ原
「…」ポヒュー
戦場ヶ原さん…口笛吹いてるんだろうけど…吹けてない…
ド緊張して唇乾いてる…
暦
「…戦場ヶ原、お前…」
戦場ヶ原
「何かしら?」
暦
「嘘ついてるだろ?」
戦場ヶ原
「なんの事かしら?」
暦
「僕にその情報を開示したところでお前に何の得もない…」
楓
「…素直に答えといた方が今後のためだと思うよ…私は…」
戦場ヶ原
「……………
えーそうですよ!処女ですよ!」
楓
「逆ギレだ…」
戦場ヶ原
「所詮、阿良々木君の事を好きになる子なんて
私みたいなメルヘン処女だけよ!」
暦
「………」
愕然としちゃってるよ…阿良々木君…
楓
「…話振られなくてよかった…」
戦場ヶ原
「楓さん」
楓
「oh......」
戦場ヶ原
「あなたも言いなさぁい!」
楓
「ひゃぁ!」
暦
「……ここ五分ぐらいの記憶消えないかな…」
007
戦場ヶ原
「…ふう…」
楓
「…うぅ…」グスッ
暦
「…お疲れ様…」
戦場ヶ原
「…で、お願いは決まったかしら?」
暦
「半日考えさせてくれ、夕方までには答える」
戦場ヶ原
「という名目で公園デートと洒落込むのね」
楓
「なかなかやり手だね、阿良々木君」
暦
「…お前ら仲良いな……ん?」
楓
「おん?」
戦場ヶ原
「……?」
阿良々木君が公園の入口の方を見ている…
そこには…10歳前後の女の子が居た