楓物語   作:バリスタ

12 / 18
3300…ごめん書きすぎた











まよいキャリー  其ノ参

015

 

 

楓

「…さて…阿良々木くん…

 

 こんなタイミングで言うのもなんだけど…

 

 携帯の充電が切れて地図が開けなくなっちゃった…」

 

暦

「…タイミングが悪すぎる!」

 

楓

「…マジでごめん…阿良々木くん探しの時にGPS起動してて

 

 切るの忘れてたみたい…」

 

暦

「…ふらっと来たからこの辺土地勘ないぞ…」

 

 

 

戦場ヶ原

「…昔、この辺に住んでたわ…私」

 

暦

「本当か!じゃあこの住所分かるか?」

 

 

 

 

住所の書かれた紙を差し出す、阿良々木くん

 

 

 

 

 

戦場ヶ原

「読み上げなさいよ」

 

暦

「いや…見た方が早いだろ?」

 

戦場ヶ原

「あなたの触れた物に触りたくないの」

 

暦

「…僕なんかしたか!?」

 

 

 

 

 

 

渋々、住所を読み上げていく阿良々木くん

 

 

 

 

戦場ヶ原

「…ふむ…あの辺ね」

 

 

どうやら脳内マップで大体の位置は把握したらしい

 

 

 

 

 

 

 

 

016

 

 

 

戦場ヶ原

「……通り過ぎた…」

 

 

立ち止まり戦場ヶ原さんが言う

 

 

 

暦

「戦場ヶ原…これで3度目だぞ?」

 

 

戦場ヶ原

「…誠意が見たいなら全裸土下座してあげるわ」

 

 

暦

「僕を社会的に殺す気かァ!」

 

 

 

やっぱり…そう簡単にはいかないか…

 

 

楓

「…んー…一旦公園に戻って考えようか…」

 

暦

「そうするか」

 

 

 

?

「だから言ったじゃないですか…無理ですって…」

 

 

顔を下げつぶやく

 

 

 

楓

「まだまだ、これからだよ…八九寺真宵ちゃん」

 

 

 

真宵

「なんで私の名前を!?」

 

楓

「カバンにガッツリ書いてあるよ…」

 

 

 

天然かな?

 

 

 

 

 

017

 

 

 

 

 

暦

「…戦場ヶ原、大丈夫か?」

 

戦場ヶ原

「心配ないわ…阿良々木くん」

 

楓

「…よし、忍野さんの所行くか」

 

暦

「なんでだ?」

 

楓

「道に迷わす怪異の対策を聞きにね」

 

暦

「な!?」

 

戦場ヶ原

「…」

 

暦

「だから土地勘のある戦場ヶ原が迷ったりしたのか」

 

楓

「…まぁ…そうだね」

 

暦

「…なんか、歯切れ悪いな」

 

楓

「…とりあえず…戦場ヶ原さん、

 

 阿良々木くんの自転車で忍野さんの所に行ってきて

 

 迷い牛って言えば伝わる筈だから」

 

戦場ヶ原

「わかったわ…」

 

 

018

 

 

暦

「…八九寺…」

 

真宵

「気にしないでください…もう慣れてますから」

 

楓

「なんで諦めムードなんだい?」

 

暦

「いや…」

 

楓

「まぁ、なんとかなるよ」

 

暦

「え?」

 

 

羽川

「あれ?阿良々木くん?」

 

楓

「…」

 

羽川

「それに篠宮さんも、一緒にお出かけ?」

 

楓

「いや、妹さん達に頼まれて家出した

 

 阿良々木くんの捜索してた」

 

暦

「羽川は…散歩か?」

 

羽川

「うん、そうだよ…っとそこの子は?」

 

真宵

「話しかけないで下さい、貴女のことが嫌いです」

 

羽川

「おや、初対面の子に嫌われちゃった…

 

 私意外と子供受けはいいんだけどな…

 

 でもダメだよ!ちゃんと挨拶しなきゃ!」

 

真宵

「は、はい…」

 

羽川

「よろしい…」

 

暦

「羽川はすごいな…」

 

羽川

「それと阿良々木くんもちゃんとそういう事は

 

 言わなきゃダメだよ?」

 

暦

「はい…」

 

羽川

「それから篠宮さん」

 

楓

「私もか!」

 

羽川

「あまり学区内を走らない方がいいよ」

 

楓

「…そうだね…校則上ダメだもんね」

 

羽川

「まぁ…転校前に取ってる資格だし

 

 あまり問題にはならないと思うけどね」

 

暦

「あ、そうだ羽川」

 

羽川

「なに?」

 

暦

「この住所わかるか?」

 

 

 

真宵ちゃんのメモを差し出す阿良々木くん

 

 

羽川

「あ、この住所なら……

 

 …ごめん、分からないや」

 

暦

「羽川でも知らない事ってあるんだな…」

 

羽川

「…なんでもは知らないわよ、知ってることだけ」

 

暦

「……」

 

羽川

「…さて…私もそろそろ散歩の続きに行こうかな

 

 …そうだ、阿良々木くん」

 

暦

「ん?」

 

羽川

「…あまり戦場ヶ原さんに気を使わせちゃダメだよ?」

 

暦

「お、おう?」

 

羽川

「じゃあね、阿良々木くん、篠宮さん」

 

暦

「あぁ」

 

楓

「…乗り物…

 

 …あとは阿良々木くんの交友関係か」

 

暦

「ん?」

 

プルプルプル

 

暦

「…俺の携帯か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

019

 

 

 

 

忍野

「へー…これ阿良々木くんから見えてるの?」

 

戦場ヶ原

「えぇ」

 

忍野

「じゃあとりあえず転校生ちゃんからの言伝で

 

 対象はわかったから説明するよ

 

 

 迷い牛

 

 まぁざっくり言えば永遠にゴールに辿り着けなくする

 

 怪異だ、だから棄権すれば開放される」

 

暦

「…いや、忍野、僕が聞きたいのはコイツを送り届ける」

忍野

「何かそこにいるのかい?」

 

暦

「…いや…何言ってるんだよ忍野…ここに」

 

忍野

「…あー…そういうことね」

 

楓

「…」

 

暦

「え?」

 

忍野

「とりあえず、対処法はツンデレちゃんに教えとくから

 

 答え合わせしてね、転校生ちゃん」

 

楓

「…本当…鋭い人…」

 

忍野

「それと最後に阿良々木くん」

 

暦

「ん?」

 

忍野

「自分の目で見た物が全て真実だと思うなよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

020

 

 

 

戦場ヶ原

「…戻ったわ」

 

暦

「おかえり、戦場ヶ原…」

 

戦場ヶ原

「楓さん…貴女知ってて聞かせに行ったの?」

 

楓

「…確信が持てなくて…」

 

戦場ヶ原

「…そう…」

 

楓

「…忍野さんはなんて言ってた?」

 

戦場ヶ原

「…『阿良々木くん、帰りたいと思えば怪異から解放される』

 

 って言ってたわ…」

 

楓

「…そのまんまだね」

 

暦

「…いや、だから僕が聞きたいのは!」

 

戦場ヶ原

「…そこに誰かいるの?」

 

暦

「いや、戦場ヶ原、なにふざけてるんだよ」

 

戦場ヶ原

「阿良々木くん、申し訳ないけど…

 

 私には見えないの…八九寺真宵なんて女の子は」

 

暦

「…いや、こうしてここに居るし、触れるし

 喋れる…何言ってんだよ戦場ヶ原…なぁ、篠宮」

 

楓

「私には見えるよ」

 

暦

「ほら!」

 

楓

「私の中に怪異が居るから」

 

暦

「!?」

 

楓

「ちなみに、羽川さんが見えてたのは

 

 そもそも彼女が家に帰る意思が無かったから

 

 事情はよく分からないけど…

 

 

 

 迷い牛は…帰りたくない人を永遠に迷わす怪異」

 

暦

「でもこいつは!」

 

 

楓

「…君、何年か前に死んでるでしょ?八九寺真宵…

 

 さんと呼ぶべきかな?」

 

 

真宵

「…」

 

暦

「いや、ふざけるなよ!」

 

楓

「巫山戯てる訳ないだろうが!」

 

暦

「ッ!?」

 

楓

「こっちがどんだけ

 

 気を使ってたと思ってやがる!」

 

暦

「…」

 

楓

「テメェの見てるモンが真実じゃねぇんだよ!

 

 八九寺真宵はとうの昔に死んでて

 

 そこには居ないんだよ!」

 

暦

「…そんな」

 

楓

「…阿良々木、お前の目は何が見えてる」

 

暦

「……」

 

楓

「…私の目には八九寺真宵の顔は見えないんだよ」

 

暦

「…泣いてる……僕は…

 

 八九寺真宵がお化けだろうがなんだろうが

 

 コイツを送り届ける…」

 

楓

「なんの意味があるの?」

 

暦

「意味なんてない…ただ…

 

 帰るべき場所に帰してやりたいだけだ!」

 

楓

「帰るべき場所?あの世以外に何がある!」

 

暦

「…家だって…帰るべき場所だろ」

 

楓

「…!」

 

暦

「だから僕はこいつを送り届ける!」

 

 

 

楓

「…そう…戦場ヶ原さん、忍野さんの事だから

 

 阿良々木用の回答があるんでしょ?」

 

 

 

 

 

 

戦場ヶ原

「…えぇ…録画してあるわ」

 

 

 

 

 『…どうせ阿良々木くんの事だから

 

 どうやっても助けたいとかって言ってるだろうから…

 

 裏技を教えよう…ただし1度っきりの特別な手段だ

 

 請求は転校生ちゃんに5万で』

 

 

 

楓

「…んえ?」

 

戦場ヶ原

「という訳で、とっておき、聞いてきたわ」

 

楓

「…今度払いに行かなきゃか…」

 

真宵

「無理ですよ!10年辿り着けなかったんですよ!?」

 

暦

「…10年…」

 

戦場ヶ原

「…それが八九寺さんの迷い続けた年月かしら?」

 

暦

「あぁ…うん…」

 

戦場ヶ原

「…なら、問題ないわ1、2年だったら逆に過酷だったわ」

 

楓

「…じゃあ…合ってたのね…あれで…」

 

戦場ヶ原

「やっぱり貴女…」

 

楓

「…ズルかと思って確信が持てなかった…ごめん…」

 

戦場ヶ原

「…いいわ、忍野さんも自分を頼ってくれた事を喜んでたわ

 

 一歩間違えたら永遠に迷い続ける羽目になってたとか…」

 

楓

「…今度、勉強させてもらおう…」

 

暦

「…じゃあ教えてくれ戦場ヶ原!」

 

戦場ヶ原

「道を歩かなければいい…少なくとも迷い牛が知っている道を

 

 つまりココ最近出来た道や、塀の上なんかを辿れば

 

 ゴールに行ける」

 

真宵

「!?」

 

暦

「いや、塀の上とかはわかるけど

 

 なんで新しい道は平気なんだ?」

 

楓

「…怪異が幽霊のようなものだった場合…

 

 怪異自体には蓄積された記憶や経験は

 

 …無いの

 

 

 

 そこにあるのは思いだけだから…」

 

 

 

 

 

 

021

 

 

 

 

戦場ヶ原

「…ひとつ。確認したい事がある…阿良々木くん」

 

暦

「は、はい」

 

戦場ヶ原

「…阿良々木くんは誰だろうと救う人だから…

 

 私だから助けてくれた訳じゃない…そうでしょ?」

 

暦

「…僕は…そんなつもりは…」

 

戦場ヶ原

「別に助けを求めて無くても…困ってる人に手を伸ばす…

 

 そんな人だから…私は惚れた」

 

暦

「…え?」

 

 

戦場ヶ原

「…スッキリしたわ…悩みが無くなった…篠宮さん」

 

楓

「ん?」

 

戦場ヶ原

「証人になってもらえるかしら?」

 

楓

「…OK」

 

 

 

戦場ヶ原

「阿良々木くん」

 

暦

「はい…」

 

 

 

 

戦場ヶ原

「I LOVE YOU」

 

 

 

 

 

暦

「!?」

 

 

楓

「…ワヲ…」

 

 

真宵

「おめでとうございます」

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。