楓物語   作:バリスタ

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まよいキャリー  其ノ肆

022

 

戦場ヶ原

「…ここね」

 

大体五分ぐらいの道のりを

 

一時間かけた…

 

「…アリかよ…こんなのって」

 

 

そこは何もない更地だった

 

 

戦場ヶ原

「区間整備…考えてみれば

 

 これだけ町並みが変わっているのに

 

 目的地だけが何も変わってないなんて

 

 

 …そんな都合の良いことがあるわけ無い」

 

 

「そりゃ…そりゃあさ…

 

 これは予測できたこと…だったかもしれないが

 

 …都合よくいって良いところじゃねぇのかよ」

 

 

「…羽川さんの反応的にそんな気はしてたけど…」

 

 

「こんなの…」

 

 

真宵

「う…あ…あ…」

 

 

不意に更地に走り出す八九寺

 

 

「八九寺!」

 

 

 

真宵

「ただいま帰りました!」

 

 

楓・暦

「!」

 

 

私の目には抱き合う親子の姿が見えた

 

 

 

 

「…良かったね…真宵ちゃん」

 

 

私は泣いていた…涙なんて

 

 

…もう出ないと思ってたのに

 

 

 

戦場ヶ原

「彼女…何か言ってたの?」

 

「うん…ただいまって」

 

 

 

戦場ヶ原

「そう…なんだかそれは

 

 とてもいい話のように思えるわ」

 

 

 

 

023

 

 

 

 

「さて、真宵ちゃんも送り届けたし

 

 私達も帰ろうか」

 

戦場ヶ原

「ちょっと待ってもらえるかしら」

 

「え?」

 

戦場ヶ原

「阿良々木君、まだ返事聞いてないんだけど」

 

「え?あぁ…」

 

 

 

戦場ヶ原

「私、結構欲深いの」

 

「じゃあ…一つ約束してくれ」

 

戦場ヶ原

「何かしら?」

 

「今後は僕と認識にズレがあったら

 

 はっきり言ってくれ」

 

戦場ヶ原

「お安いご用よ…で、阿良々木君…

 

 一応言葉にしてもらえるかしら?」

 

 

「篠宮、悪いが僕の方も証人に」

 

「はなからそのつもり」

 

「ありがとう」

 

「ほら、女の子をあんまり待たせないの」

 

 

 

「……流行ると良いな」

 

戦場ヶ原

「は?」

 

 

「戦場ヶ原、蕩れ」

 

 

 

 

戦場ヶ原さんは笑顔だった

 

 

…とんだ凸凹カップルな気もするけど

 

 

 

 

 

 

024

 

 

 

後日談…というか今回のオチ

 

 

 

あれから一週間

 

 

私が個人的に気になって色々調べたが

 

 

 

八九寺真宵の身に起こった悲劇と

 

 

あの土地に綱手さんという人が住んでたことしか

解らなかった…

 

 

羽川さんに聞けば解るんだろうけど

 

多分…知らない方が幸せな気がする

 

 

そんなことより

 

 

「何で君がここにいるんだ?」

 

真宵

「えへへ」

 

「なんか二階級特進だとか」

 

「…えぇ」

 

 

そういうこともあるの?

 

あり得るの?

 

 

真宵

「まぁ…しばらくこの町にいますんで

 

 見かけたら声をかけてください!」

 

 

「…うん」

 

「あぁ」

 

真宵

「では、私はこのへんで!」

 

 

 

 

 

 

 

「ふう…にしても有事の際を除き

 走行禁止か…」

 

「後ろに乗るか?」

 

「…それは…戦場ヶ原さんに

 

 許可取ってからにするわ」

 

「そうか…」

 

ダダダダダダ

 

「んえ?」

 

 

「やっと追いついたぞ

 

 阿良々木先輩!」

 

 




火憐
「火憐だぜ!」

月火
「月火だよ!」

火憐・月火
「2人合わせてファイアーシスターズ!」

火憐
「いやぁ…楓さんがあんな大きいバイク乗るなんてな…」

月火
「…かっこよかった!」

火憐
「…それは分かる」

月火
「さて次回!」


次回

するがハンド   其ノ壱




火憐
「…珍しく不穏にならなかったな、月火ちゃん……」



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