なでこスネイク 其ノ壱
001
…ふむ…なんだろうな…このしっくりくる感じ…
この件…これ以上いい案が出てこないぞ…
さて…どう頑張っても飛ばす事の出来ない話だ
…この時行かなければもう少しマシな未来があったのかね…
002
楓
「…また随分といきなりだね…」
暦
「悪い、いきなり呼び出して」
神原
「まさか…そういう用か!」
暦
「神原、お前は言葉を濁すな」
閑話休題
暦
「という訳なんだ」
楓
「…ふむ」
階段を上りながら話を聞く
神原
「つまり、阿良々木先輩としてはその場で解決する為に
篠宮先輩を呼んだのだな?」
楓
「呪いねぇ…道具持って来てないし単純なのしか祓えないわよ?」
暦
「それでも構わない、その道の人間の目が欲しかったんだ
忍野に相談するのに幾らか時間が省略出来る」
…専門家に相談するのに省略は如何なもんかね、阿良々木くんよ
003
さて、頂上だ…
…刻んでるわ…白蛇…しかしまぁ、よく捕まえたなぁ…
暦
「千石!」
あーあ…行っちゃった…
千石
「暦お兄ちゃん…」
あらら?
004
楓
「さて…どうするかね?」
神原
「起きるのを待つべきだと私は思うぞ!」
暦
「無理に起こさない方が…」
楓
「んー…」
彼女の服をめくる
神原
「な!篠宮先輩!いきなり何を!」
慌てて阿良々木の目を押える神原
暦
「なにしてんだ!篠宮!」
楓
「…あんまり時間が残っても無さそう…
とりあえず神原、彼女をおぶって下山
阿良々木は彼女の荷物をまとめて持って降りて
私は現場を少し見てから追いかける」
暦
「…分かった、僕の家に集合だ」
楓
「あぁ」
005
…しかし…やり方は合っている…はず…
あの緊縛痕…おそらく蛇系…蛇切り縄とかのはず
…どういう事?蛇を切る…
それがマイナスに働く可能性…
私は電話をかける
006
翼
「あ、うん多分蛇神信仰だと思うよその神社」
楓
「ふむ、となると原因は場所より状態か…」
翼
「でもいきなりどうしたの?
楓
「いや、阿良々木が厄介事をまた連れて来ただけだ」
翼
「阿良々木?喧嘩でもした?」
楓
「あ、いや…その…」
翼
「…なんてね、阿良々木くんから聞いてるよ
怪異が関わる時は呼び捨てにしてくるって言ってたよ」
楓
「…あいつ」
翼
「でもなんで篠宮さんなの?」
楓
「あ、一応神仏に関わる家系で、専門家とまでは行かないけど
知識はあるし、忍野さんから教わったりしてるから…かな?」
翼
「なるほど、わかる人として呼んだのね?」
楓
「勝手な行動をしないだけ、成長と見るべきかね…」
007
阿良々木宅
楓
「んで、なんで中学生にストリップショーさせてんの?」
上裸ブルマって…てか、今の時代にブルマって…
楓
「なに、阿良々木の趣味?」
暦
「いや違う!神原の私物だ!」
神原
「うむ、淑女として当然の嗜みだ」
楓
「…変態として当然の企みでは?」
いっぺん学んでこい 淑女の嗜みってモノを
千石
「ふふっ」
楓
「ふむ、まだもう少し猶予はあるみたいだね
さて阿良々木、忍野さんに道具を貰いに言って欲しい
あの人の事だ多分、持ってる」
暦
「わかった」
楓
「私の見解はおそらく蛇切り縄だと思うって伝えといて」
暦
「ああ、千石を頼んだ」
それはどっちの意味だろうか…
008
千石
「…あの…暦お兄ちゃんの彼女さん?」
楓
「…その誤解は私が殺されるかもしれない」
神原
「案外、『貴女が第2夫人なら構わないわ』とか言うのではないか?」
いいのか?君の憧れの人のイメージがそんな感じで…
千石
「?」
楓
「あー、私は阿良々木の彼女ではないよ」
千石
「…良かった」
楓
「この辺の誤解は解かないと
阿良々木の彼女に怒られるからね」
千石
「え?」
神原
「戦場ヶ原先輩もそこまで鬼ではないと思うぞ?
特に篠宮先輩に対しては」
楓
「そう?」
…そうかね?
楓
「…ん?」
なんかこの子、放心してない?
千石
「………………」
神原
「何が起きてる!?」
楓
「…あぁ、そういう事ね…残念だけど早い者勝ちだからね…」
神原
「…なるほど、そういうことか」
千石
「うぅ」グスッ
割とガチ泣きだわ…
楓
「…さて、本人がこんな感じだし神原、
彼女から聞いた思い当たる節について教えて」
神原
「うむ」
009
要約すると、
1.イケメンに告白される
2.断る
3.イケメンの事が好きだった子に怨まれ呪いをかけられた
楓
「…ふむ、なんだろうかこの、小骨が引っかかる感じ…
なにか見落としてるような…」
神原
「…この呪いは相手に言うことで発動するのか?」
楓
「いや、現代じゃほとんど意味の無い呪術のはずなんだよ」
神原
「だが、現にこうして症状が出てるではないか?」
楓
「場所が悪かったの、あそこは良くないモノが集まる
掃き溜めみたいな場所」
神原
「つまり、ドブ川で傷を洗ってより悪化した様なものと?」
楓
「神原、あそこ少し辛かったでしょ?」
神原
「…ああ、一回目はかなり…」
楓
「神原の中の奴は、阿良々木とかと比べると弱いからね」
神原
「…篠宮先輩は?」
楓
「…しかし、現代に呪術がまた流行りだしてる感じなのかね?」
神原
「…露骨に話題を逸らした」
楓
「……ん?」
神原
「どうかしたか、篠宮先輩」
楓
「…素朴な疑問なんだけどさ…」
神原
「うむ」
楓
「蛇って一直線に長い生き物だよね?」
神原
「当たり前だな」
楓
「多分これシッポだよね?」
神原
「そうだな?」
楓
「…なんでこっちの足にも緊縛痕があるんだ?」
神原
「それは足から上半身に行って今度は逆の足に巻きついたのだろ?」
楓
「だとしたら、緊縛痕って交差しない?」
神原
「まさか、2匹居るのか!?」
楓
「…可能性はある、阿良々木に電話だ」
010
暦
『わかった、忍野に追加で伝えとく』
楓
「ええ、頼んだわね」
神原
「…全く気づかなかった」
楓
「普通の緊縛痕なら両足にあっても不思議じゃないからね…
間に合って良かったよ」
神原
「しかし、そうなるともう一人呪いをかけた者がいる…という事だな?」
楓
「振られた子、だろうねおそらく」
神原
「…その心は?」
楓
「登場人物的に、呪いをかけた発言した子同様
呪いに念を込めれる人間は振られた子のみだから…かな?」
神原
「確かに、理にかなっているな」
楓
「結局色恋沙汰ってのは怖いねって話だね」
千石
「…暦お兄ちゃん」
楓
「…千石ちゃん、思いってのは飾っとくだけじゃ駄目なのよ」
神原
「うむ、いくら先に好きだったからと言って
言葉にしていないのなら意味が無いからな」
経験則かな…
千石
「……」
楓
「一回ぶつかって、玉砕してみるといい
案外、違う景色が見えるかもしれないからね」
千石
「一回…ぶつかる?」
楓
「言葉にするのさ、自分の感情を思いっきりね…
阿良々木は優しいから、受け止めた上で君が傷つかないよう断る」
千石
「…振られるのがわかってて気持ちを伝えるの?」
楓
「腐らせるよりかは何倍もマシだよ、ちょっとだけ辛いかもだけど」
神原
「案外、胸のつっかえが無くなってスッキリするぞ」
経験則だな
生きてました。