011
阿良々木家、庭
楓
「時に阿良々木」
暦
「どうした?」
楓
「君は吸血鬼、だったよな?」
暦
「あぁ…
怪異の王、鉄血にして熱血にして冷血の吸血鬼
キスショット・アセロラ・オリオン・ハートアンダーブレード
に血を与えた」
楓
「…血を与えた?」
暦
「助けを求められて…」
楓
「…………」
いや…過去話とはいえ、正気かコイツは…
楓
「…いや、君らしいちゃ君らしいか」
暦
「…それは褒めてるのか?」
楓
「感心してる」
初志貫徹というか…愚直というか…
楓
「阿良々木、くん」
暦
「んお?」
楓
「…いつか、私が…いや、なんでもない、忘れろ」
暦
「お、おう…」
神原
「あったぞ!」
暦
「おう」
012
北白蛇神社への移動中
楓
「時に千石ちゃん」
千石
「…はい?」
楓
「…かなり苦しいはずよね、それ」
暦
「な!?」
神原
「…考えてみれば、見えなくとも縄で縛られているようなものだ
苦しくない訳がないな」
千石
「だ、大丈夫…だよ…」
暦
「無理するな、千石
辛いなら辛いって言っていいんだぞ」
千石
「…うん」
楓
「ま、私の方で進行は抑制してるんだけどね」
神原
「今、サラッと凄いこと言わなかったか?」
013
北白蛇神社 境内
暦
「よし、これでいいんだよな?」
楓
「うん、こっちも人祓いはしたから大丈夫」
神原
「服もよし!」
暦
「…スク水だと!?」
神原
「あぁ!私も中に着ているぞ!」
暦
「しかも旧スクだと!?」
楓
「…どこで仕入れてるのよ」
閑話休題
暦
「じゃあ、千石…これを持って祈るんだ」
千石
「…祈る?」
神原
「この神社には神様は居ないのではなかったか?」
暦
「別に神様にじゃなくてもいい、誰かや何かでもいいらしい」
楓
「まぁ、お祓いに肝心なのは気持ちだからね」
014
楓
「…ん?あれ1匹用じゃない?」
暦
「さすがの忍野でも2匹同時に払う道具は持ってなかったらしい」
楓
「…じゃあ、どう払うのよ」
暦
「忍野曰く、
『今日の阿良々木君なら条件さえ整えれば触れると思うよ、
だから物理的に払うってのもアリかな?』だとよ」
楓
「…物理的に…ね…」
楓
「…麟…準備しといて」
麟
『………』
神原
「阿良々木先輩!」
ビクビクと痙攣する千石撫子
楓
「麟!」
千石撫子に絡みつく蛇が形を持ち始める
暦
「捕まえた!」
瞬間阿良々木の腕に噛み付く蛇
楓
「毒蛇…」
阿良々木の腕の再生が始まらない
神原
「先輩…」
楓
「タイミングを見て阿良々木を止めて、私は鳥居の方に回る」
阿良々木が気を引いているお陰で難なく鳥居へ移動出来た
神原
「阿良々木先輩!」
暦
「がっ!?」
神原
「蛇はとても臆病な生き物なんだ、
こちらから攻撃しなければ攻撃はされない」
暦
「でも!」
神原
「阿良々木先輩!助けるべき相手を見誤らないでくれ!」
楓
「麟、お願い」
次第に姿が視認出来なくなる
楓
「…後処理は千石ちゃんの協力ありきかな…」
015
後日談というか、今回のオチ
楓
「どうやら呪い返しにあった子は千石ちゃん告白した男の子だったよ」
暦
「それをなんで俺に?」
楓
「ん?千石ちゃん経由で払いに行ったからね」
神原
「サラッと言ったな…」
暦
「そうか…良かった…」
楓
「私も誰かのお人好しが移ったかね…」
千石ちゃん経由でアポイントを取ってもらい、解呪をして来た。
すんなり行けたのは驚いたけどもね…
楓
「不思議体験してるから信じて貰えたんだろうねぇ…」
暦
「誰かのお人好し?」
神原
「阿良々木先輩の事だろうな」
暦
「えぇ…」
火憐
「火憐だぜ!」
月火
「月火だよ!」
火憐
「月火ちゃん月火ちゃん」
月火
「なに?火憐ちゃん?」
火憐
「兄ちゃんの部屋に楓さんとは違う女の人がいたんだけど」
月火
「お兄ちゃん…まさか…」
火憐
「……」ゴグッ
月火
「さて次回!」
つばさキャット 其ノ壱
火憐
「この流れ前もしたような…」