楓物語   作:バリスタ

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かえでトランスファー   其ノ弐

008

 

 

 

『ギャァァァ!』

 

 

「何事!?」

 

 

荷解き中に叫び声が聞こえた…

 

…方向的にも…声色的にも…

 

多分阿良々木さんなんだろうけど…

 

 

「…まだ時間あるし…

 

生活必需品だけでも出しとかなきゃ…」

 

 

結局昨日…あのままお風呂も妹さん達と一緒に入り…

 

一緒に寝てしまった…

 

 

「…布団は元々先に用意してくれてたのがあるし…

 

お湯も電気も問題ない……

 

んで携帯も…新しいのが送られてきたと…」

 

 

手紙に書いてあったのは

 

『安否確認のため大体3日に1回

 

位置情報が送られるように設定したのに

 

川から動かなかったから一応送った…

 

届いたら何があったか教えて…お父さん心配!』

 

 

「…メールは送ったと…」

 

 

『いつものです』

 

とだけ…多分これで通じる

 

伝わらなかったらまた送ろう…

 

 

 

 

 

 

009

 

「やっと出てきましたね…阿良々木さん」

 

「あぁ…すまない…」

 

「さっき…悲鳴聞こえましたけど…

 

大丈夫ですか?」

 

「あー…妹に起されただけだから心配いらないよ」

 

「…はぁ…」

 

「さてと…駅に向かおうか」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

家から最寄りの駅へ

 

 

「あ、そうだ…今日出る前に妹と

 

話してた事なんだけどさ」

 

「はい?」

 

「恋ってなんだろうって」

 

「…また随分と難しい話してますね…」

 

「いや…事の発端は

 

僕に気になる人が出来たことから始まるんだけども」

 

「はぁ…」

 

「…呼称を入れるとバレるから入れないが…」

 

「…羽川さんですか?」

 

「何故バレた!?」

 

「いや…阿良々木さん…仲良いの羽川さんぐらいしか

 

思いつかなかったので…」

 

「…うぐっ…」

 

「わわっ!ダメージ受けないでください!

 

自転車が揺れる!」

 

 

2人乗りしてます…人通りが少ないので…

 

 

 

 

 

010

 

 

「でだ…好きになるってイマイチ分からないんだ…」

 

「…また随分とめんど…難儀な性格してますね…阿良々木さん」

 

「なんか今…訂正しなかった?」

 

「してませんよ?」

 

「そう?ならいいんだけど…」

 

「案外男の子と女の子じゃ

 

感じ方も考え方も違うし人の性格によっても違うから

 

コレっていう答えは無いんじゃないかな?」

 

「ほぉ…

 

あ、駅前につく…そろそろ」

 

「あ、はい、降りますね」

 

「…そういうもんか…」

 

「…そういうもんですよ…」

 

「なるほどな…」

 

「…まぁ…案外阿良々木さんは

 

自分のことを好きになってくれた人を好きになったりして」

 

「…どうだろな…ないとも言い切れない」

 

「っと……ん?」

 

 

 

 

011

 

 

「羽川さん、今日は街の案内お願いします!」

 

「うん!任せて!」

 

「あの…羽川?」

 

「阿良々木さんもよろしくお願いします!」

 

「あ、うん…」

 

「…まずは…本屋でも行こうか」

 

「はい!」

 

 

 

 

移動中

 

 

 

 

「…篠宮…なんでスルーしたんだ?」

 

「あれは…見ないふりが懸命かと…」

 

 

 

「…2人とも…優しいね」

 

「……」

 

「私を気遣って聞かなかったんでしょ?」

 

「……まぁ…」

 

「大丈夫、転んだだけだから」

 

「…の割には制服は無事なんですね…」

 

「!!」

 

「…事情もあるだろうから深入りはしません」

 

「…篠宮…悪い…ちょっとあそこのコンビニで

 

飲み物買ってきてくれないか?」

 

「あー…分かりました…変なことしちゃダメですよ?」

 

「しないよ…」

 

 

 

 

 

012

 

 

 

 

さてさて…適当に同じスポーツドリンクを三本買ったけど…

 

あれ?2人は?

 

 

「ガーゼは_とけ、傷_

 

いきなり_ったらびっ_するだろうから」

 

 

 

ん?

 

 

 

「いや…多分驚かないよ…あの人たちは…

 

私が髪をバッサリ切っても気付かないよ…

 

あの人たちは…私の顔も覚えてない」

 

 

…めっちゃ重い話してる…っと茂みから出てくる

 

逃げな……くてもいいか…

 

 

 

 

「あ、お二人共日陰に避難してたんですね」

 

「あ、あぁ…まだ4月とはいえ陽射しは侮れないからな」

 

「そうね…」

 

「あ、スポーツドリンクなんですが良かったですか?」

 

「悪いな…買い物頼んで…」

 

「いえいえ…」

 

「さて…移動しよっか」

 

「あぁ」

 

「はい」

 

 

013

 

 

「あれは…」

 

 

1人道に出る羽川さん

 

 

「羽川…どうしたんだ?」

 

「車通りが無いとはいえ道の上は些か危険ですよ」

 

「うん…」

 

 

その腕には猫と思しき物の亡骸が抱えられていた

 

 

「…猫…ですかね…

 

…損傷もかなり酷い…尻尾…無くなっちゃってる…」

 

「…2人とも…本屋行く前に…

 

この子埋めてあげるの…手伝ってくれる?」

 

「分かった」

 

「了解です」

 

 

 

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