鬼滅の刃―母の十字架と片羽の蝶―   作:氷金夜

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駄文注意です!(定期)
第4話でございます。姉の捜索中にさっきと同じ鬼と遭遇した木綿季。しかし体つきが前回と違い、その理由は稀血である姉の腕を取り込んだからだった!姉の命の危険に絶望する木綿季、しかし前の世界で会った愛する人の言葉を思い出し、覚醒する。
追記 UA数1000突破ありがとございます!Σ(゜Д゜)


第4話 剣士 紺野木綿季

人気も感じない宵闇の中、人ならざる者から鮮血が飛び散る。

「な!?なんだこいつ……!鬼狩りでもないのに俺を斬りやがった!!」

やった!これでもダメージは入る!――と言っても相手の身体が硬い……!傷も少し浅い。

それに身体への負担が大きい。刀もとても重いし、ソードスキルを放った後の硬直はあの頃の時より比べ物にらないほど長い。これをあの頸に伸ばさないといけないなんて――

「この餓鬼がアアアアアアアア!」

――っ!!来る!

鬼が右手の爪を伸ばして凪ぎ払う。硬直のせいでパリィが間に合わない!だったら防ぐしかない!

鬼からの攻撃を《ソニック・リープ》で止まっていた刀をなんとか上に引き上げ、鬼の攻撃を刀の腹で受け止め――切れないっ!?

「うわぁ!」

鬼の攻撃に耐えきれず刀ごと吹き飛ばされ家の塀に激突してしまった。

右肩が凄く痛い……まさかここまで力の差があるとは思わなかった。鬼がゆっくり近づいてくる。さっきソードスキルで斬った胴体もいつの間にか何もなかったかのように消えている。ズルいと思ってしまう。だってボクの身体はVRMMOの身体じゃないのに、あっちはVRMMOのモンスターみたいにすぐに傷が無くなってしまうのだから。

「お前ら姉妹は揃いも揃って生意気だよなぁ。たかが人間が鬼狩りでもないのに敵うわけがないのによぉ。」

声に少し怒声が籠ってる。少し怒っているようだ。

「お前ら本当に調子乗ってるよなぁ。お前の姉は稀血のくせして藤の臭い漂わせてるし俺のことをおちょくるしよぉ。お前はお前でさっき俺から逃げたくせに少し刀が使えるからって歯向かってくるしよぉ。人間は鬼喰われる運命なんだから大人しくしておけば手荒な真似はしねぇってのに。まぁそんなやつらの苦しい表情を見ながら喰うのは好きだがねぇ。」

調子に乗ってる?人間は鬼に喰われる運命?巫山戯るな!

「そんなのは間違ってる!」

その一声で立ち上がる。

「ボクも姉ちゃんも調子に乗ってなんかない!姉ちゃんは自分の身を守るためにあの袋を持ってたんだ。ボクも姉ちゃんを助けるためにここにいる!鬼喰われる運命なんてあなたが勝手に決めつけてるだけでしょ。例えそうだとしてもボクはその運命に抗うよ。あなた達にば絶対に未来の皆を傷付けさせない!」

「そうかよぉ……殺れるもんなら殺ってみやがれぇ!!!」

鬼が動く!今度は両手でボクの頭を掴むように。そ!もさっきより速く。

今度は硬直で動けない訳じゃないから頭を下げて避ける。――けどこれで終わらないよね……。

そう思いながら視線を上に向けてみると、鬼の指がそれぞれ乱雑な方向に指していた。

……まさか!?

これから鬼が何をするのか察して右に急いで避ける。だけど――ボクは鬼の爪しか見ていなかった……。

――お腹に重い衝撃が走る!

「カハッ!!」

身体が飛ばされる……鬼に蹴られたんだ!

身体が地面に叩きつけられて数秒呼吸ができなくなったけど、すぐにできるようになって咳き込んだ。

「っち。左で蹴ったからかもしれんが……しぶといやつだなぁ。」

痛い、苦しい、辛い。あの世界じゃ無かった感覚だ。だけど今それに負けちゃダメだ!姉ちゃんはこれ以上に痛くて、苦しくて、辛かったんだから!この鬼は無駄に人間の血を流すのが嫌らしい。なら少なくとも多量出血するほどの傷を負わせずにボクを捕まえるはず!――多分さっきの鬼狩り様は鬼狩りだからそんなことを気にしてたら危ないからだと思う。

「そんじゃ今度はこっちから行くぜぇ!」

鬼が飛びかかってきて殴りや蹴りを連発する。ボクはなるべく身体を捻らせながら躱すけどさっきの蹴りのせいでお腹が痛い……どうしても無理なときは刀で捌く。この繰り返しだ。

だけどこのままだと明らかにじり貧だ。何とかして隙を作らないと……!そうだ!

1つ案が浮かび実行しようとする。鬼の殴りを弾き、片手剣ソードスキルの縦斬り単発技バーチカルを鬼の右肩放つ!相手の右肩を斬り落とすつもりで!すると鬼は両腕を重ねて防御した。だけどそれが狙い。これで横腹はがら空きだ!発動中の《バーチカル》を解除し、使用後の負担を耐えつつ、空いている左手を握り力を入れる。ALOで辻デュエルをしていた時にアスナが使っていた《拳術》スキルだ。そして右から左への連結――これはアスナの前にデュエルした【黒い影妖精】からチラッと聞いたものだ。

……

ALO内某所

『ユウキならもしかしたらアレ出来るのかもしれないな。』

急に話し始めたのは最近仲良くなった黒い影妖精のプレイヤー【キリト】。彼とは辻デュエル以来妙に勘が鋭くて警戒していたが、ボクがやりたいことの手助けをしてくれて仲良くなり、ALO内ではソードスキルの応用を話し合う仲だ。

『うん?アレって何?』

『ああ。これは今のところ俺しか出来ないシステム外スキルだよ。』

この前の《魔法破壊(スペルブラスト)》だったり結構聞いたと思うけどまだあるんだね……。

『キリトってシステム外スキル沢山持ってるよね。一体いつ作ってるの?そんなに作るだけでも結構時間かかりそうなものなんだけど?』

そう言った瞬間ちょっとキリトに冷や汗が出てきた。

『えっえっとぉ……ちょっと思い付いちゃうと徹夜で作っちゃうって言うかな……アハハ。』

『ふぅーん。まぁいいや!それで何が出来るかもなの?』

『あ、ああ。その名も《剣技連携(スキルコネクト)》って言ってな、ソードスキル撃った後の硬直に入る前にソードスキルを起動して放つことでソードスキルの硬直をキャンセルするものなんだ。』

『えっそんな事出来るの!?』

そもそもソードスキルと硬直の間に隙間とかあるの……?

『ああ。と言ってもソードスキル撃ち終わった0.1秒未満の間にスキルを起動しないといけないんだがな。』

『いやいやいや!?流石に難しすぎない!?』

『まぁ俺でも成功率5割程度だからな。』

いやいやいや!?

『5割も出来るの!?もう本当にキリトは規格外だよ……。』

『いや、ユウキなら出来るよ。勿論練習は相当やらないとだけどな。』

『……もしかしてキリトがOSS持ってない理由って……。』

ボクがジト目になりながら呟く。

『あーまぁそれもアリマスカネ……。』

キリトもその気になればボクのより凄いの出来そうなんだけどなぁ。

『ま、まぁそれは兎も角その《剣技連携》のコツなんだけどな――』

……

――『使うスキルを左右の脳で分ける。』だったっけ。その後アスナが来て怒られてたなぁ。

結局あの後そのシステム外スキルを習得しずにここに来たけど、まさかこんなところで試す事になるなんて……。ボクが発動した《拳術》スキルが鬼の横腹に刺さる。この世界でスタンが発生するかは知らないけど、一瞬の隙さえできれば!

木綿季が発動した《拳術》スキルが刺さり、鬼が刀を放し、怯む。その隙をかの《絶剣》は見逃さない。

《拳術》によって刺さった左手引き、刀を左に構え、片手剣ソードスキル《スネーク・バイト》を発動し、左から右へ、右から左への2連撃を太ももに放つ。

切断とまではいかなかったが、鬼は立つことができなくなり、膝をつき頭の位置が下がる。そこに木綿季が回転しながら刀を構え直し、ソードスキル《ホリゾンタル・アーク》の水平2連撃を鬼の頸目掛けて放つ。しかし、これも切断とまではいかず、少し残ってしまう!

「惜しかったなぁ!」

やっと動けるようになった鬼が手を動かし、爪を伸ばす。木綿季の腹部や左肩に爪が刺さり、頬を掠めたりするが、木綿季は止まらなかった。

――止まるな!今止まったらそこから一方的にやられる!さっきの《拳術》もちゃんと連携したわけじゃない!硬直を無理に無視しただけだ!キリトが言ってたのはきっとこうじゃない!ソードスキルが撃ち終わる前に、そして硬直に入る前に、発動するんだ!こんな所で、終われないんだ!!!

片手剣ソードスキル水平単発技《ホリゾンタル》

――繋がった!

「はあああああああああああ!」

木綿季の放ったソードスキルが頸の斬れ込みに吸い込まれ、頸の残りを斬り離した!

「馬鹿な……こんな餓鬼に……。」

鬼の身体が崩壊していく。木綿季は鬼の爪から解放され、その場に倒れた。

「あ……がぁ、あぁ……。」

身体中が痛い、動かない……。意識が……飛びそう……。まだ、姉ちゃんを見つけてないのに……姉ちゃん……姉……ちゃん……………。

木綿季はそのまま意識を手放す。上空には、()が飛んでいた。

 




ご精読ありがとうございました!この第4話で一区切りになります!これから暫く投稿されないと思いますが、また一区切りしたら上がると思うのでそれまでおまちください!
因みにこの作品ではアスナ達は木綿季にSAO帰還者って事を隠しています。以上!大正コソコソ裏話でした!
次回 最悪な誕生日
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