とある魔法と科学の交差点   作:もっち~!

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千葉騒乱

---千葉エリカ---

 

道場破りに遭い、門下生、師範代である兄上、師範である父が伸された。

 

「かっちゃん、ここもダメだよ」

 

「お前が強すぎるんだ」

 

十文字家による道場破り…許せない。

 

「待て!私が相手をする」

 

去ろうとするアイツを呼び止めた。

 

「女の子?ケガすると、責任取れないよ」

 

私が怪我をする前提で、話をするアイツ。CAD一体型の特殊警棒を手に、アイツに迫った。だが…全身を貫く電撃を浴び、全身の感覚が無くなっていく。

 

「動きが直線すぎる。狙撃し放題だよ、それじゃ」

 

コイツ、剣士では無いみたいだ。何者だ…地べたに倒れた私に近寄り、私の特殊警棒を手に取り、股間に差し込んできた。奥まで突かれたら死ぬ。このままでは殺される…恐怖で身体が震え始めた。

 

「真一君…何をしているの?」

 

門下生の渡辺摩利の声だ。彼女の知り合いなのか?

 

「剣技を磨こうと思って、師範に相手をして貰ったんだけど、師範を倒したら、みんなで襲って来て…そうだよね、かっちゃん」

 

「あぁ、そうだ。一対一の試合の結果で、師範の仇討ちって、もはや、武道では無いなぁ」

 

一対一…そうだった。そうだけど、千葉流があんな弱々しい男子に負けるなんて…

 

「エリカは、まだ高校生になっていないの。その辺で止めてあげて。私が代わりにバツを受けるから」

 

摩利がアイツを抱き締めた。特殊警棒から手を離したアイツ。だけど、深く刺さったのか、特殊警棒は私から抜けない。摩利を含めた3名が、道場から遠ざかっていった。

 

 

 

---千葉寿和---

 

実家である千葉道場が襲われたと、第一報を受けて、部下達と現場へ向かった。救急車が複数台いて、怪我した門下生達をピストン輸送をしていた。見た目は大惨事であるが…

 

「非は我々にある」

 

と、親父。

 

「この私が敗れ、門下生が彼に次々に襲い掛かったんだ。修次、お前は師範代の立場で、何故止めなかったのだ?」

 

師範である父が、師範代である弟の修次を責めていた。

 

「止める?あれは、道場破りだ。道場の者、全員で対処すべきことだ」

 

修次が言うには、事件後に門下生の渡辺摩利が攫われたと言う。検問にそれらしき三人組が引っ掛かったが、修次の話と内容が違った。

 

「他の流派の者が教えを請うと、道場破りになるの?」

 

主犯格の少年。

 

「師範が倒されて、仇討ちって、迂闊に稽古に行けないだろうに」

 

その少年の保護者らしき男性。

 

「誘拐?彼とは知り合いで、未成年だし、家まで送ろうと思っていたんですけど」

 

攫われたはずの女性。

 

「まぁ、取り敢えず、全員の名前と住所を書いてくれるかな?」

 

供述調書にサインをして貰った。親父は事件にはしたく無いようだが、門下生が病院送りにされているので、修次の主張する殺傷未遂事件として、捜査を始めていた。うちの門下生は警察関係者が多いからなぁ。引くに引けない事情もある。

 

職場の警察庁に戻り、事件の供述調書を上司に見せ、決済して貰おうとした。上司の決裁がないと、勝手に送検出来無いのだ。。

 

「千葉君、この案件はマズいよ。事件にしない方がいいなぁ」

 

上司の顔が青ざめていた。ビッグネームがいたのか?改めて、被疑者を見ると十文字家の次期当主がいた。だが、彼は実行犯では無い。

 

「実行犯の少年は…まだ中学生か。家裁送りか?魔法師協会送りが妥当ですか?」

 

「そういう問題じゃないんだよ、千葉君」

 

どういう問題なんだ?

 

「十文字家から圧力ですか?」

 

「そこじゃ無い…アンタッチャブル案件だ…」

 

アンタッチャブル案件?それは四葉家絡みだが…今回の関係者には、いないはずだぞ。

 

「何故、あそこが圧力を?」

 

「後なぁ、九島家、七草家からも抗議が来ているんだ」

 

『くどう』家?あぁ、実行犯の少年が宮藤と書いて『くどう』だったなぁ。って、まさか、9の関係者なのか。

 

「更には、十字教団からもクレームが届いている」

 

9の関係者で十字教団の関係者でもあるのか?あの弱々しい少年がっ!!それとも、十文字家と十字教団が関係しているのか?四葉と七草はどう絡んで来るんだ?

 

「ですが、警察関係者が何名も病院送りにされていますので、もみ消しは難しいですよ」

 

「もみ消すのでは無い。無かったことにするんだ。話を訊けば、試合の結果に納得出来ずに、一人に対して集団で襲い掛かったそうじゃないか。非が、千葉道場サイドにある。いいな。被害者と加害者は逆転するんだぞ」

 

なんだ、その裁定は?

 

「納得出来ないです。身内うんぬん以前に、圧力に屈するのですか?」

 

上司に食い下がる俺。

 

「事実を冷静に考えろ、千葉!彼らの供述と、訴えた側の主張が違うだろう。そもそも、攫われていないに、攫われたと主張する君の弟の訴えは、信用出来無いんだ」

 

修次の供述は、確かにおかしい。更に状況を訊く為、部下と共に、主犯格の少年の家に向かうと、玄関前で黒服の男達に囲まれた。

 

「事件関係者の身内が、捜査責任者とは、警察庁もザルだな」

 

公安の裏のドンである七草弘一が、黒塗りのセダンの後部シートから現れた。

 

「どうして、あなたが出突っ張るんですか?」

 

「それは、お前らが知ることで無い。ここは大人し、引け。まぁ、調べれば分かるから、教えてやるが、アイツは俺の息子だ」

 

何?宮藤真一が七草弘一の息子だと…そうなると、愛人は九島家か…

 

「分かったら、引け。もう、手を出すなよ。大事にはしたくない」

 

七草弘一の言葉通りというか、事件は事件にならなかった。逆に親父が詫び状を書く波目になったらしい。しかし、納得出来無い一部門下生と修次が、彼の家に押し掛けて、返り討ちに遭い、今度は軽傷では済まない怪我を負わされたそうだ。

 

「アイツらは馬鹿者じゃ!相手の本質を見極められないとは…」

 

「彼は何者だったんですか?」

 

「剣も拳も使える最強のウィザードだ。魔法師程度が勝てる訳が無かろうに」

 

対峙した瞬間、相手の本質を読み取った親父は、純粋に剣術だけで戦い、それに応え純粋な剣術だけを使った彼に破れたそうだ。

 

「そんなに強かったのか?」

 

「あぁ、そうじゃ。選ばれた者しか扱えない聖剣を使っていた。あの剣の前では、私の刀は弱すぎる」

 

聖剣使い…だから、十字教団がクレームを…。俺は、『宮藤真一』なる人物に興味を持ってしまった。

 

 

その後…非番の日には国立に通う日が増えた。親父の詫び状を持ち、彼に会い、剣の相手をすることにしたのだ。彼の吸収の早さは早い。目の前で見せた技が、次々とマスターされていく。教え甲斐がありすぎるだろうに。

 

剣以外に、銃の扱いも教えていく。飲み込みが早く、俺よりも、シューティングが上手くなっていく。

 

「射撃場をつくりました。日々の努力は必要ですよね」

 

彼の住む広い敷地に、全長2キロクラスの射撃場が設置された。これって、狙撃練習場では無いのか?

 

「そうだ。寿和さんにプレゼントです」

 

真一から貰ったのは、銃一体型のCADだった。拳銃タイプのレールガンである。狙いを付けて撃てば、弾は確実に的を撃ち抜く、直進性が売りだと言う。

 

「ウィザードでもCADが作れるのか?」

 

「この国だと、ウィザードじゃ、食えないですよ」

 

まぁ、確かに。俺の知識において、本物のウィザードは真一しか知らないしなぁ。ウィザードに需要があるとも思えない。

 

 




入学編に向けて、エリカと因縁を作ってみました(^^;
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