---宮藤真一---
リゾート施設、なにが楽しいのだろうか?よく分からない。みんなでワイワイするなら、家でもいいじゃないかと思うのだが、真由美さん達は、エステとかマッサージとか、ビーチサイドとかを楽しんでいる。
放射能を帯びた物が無くなれば、沖縄に行けたのかな?未明にあの場所に行き、放射能に帯びた物を、USNAにある火山へ総て捨てた。これでどうだ?
翌朝、真由美さんに起こされた。未明の散歩で眠いんだけど…
「真一、起きなさい!あなた、またやらかしたの?」
なんで、バレたんだ?痕跡は残していない筈だが。
「何のこと?」
「ハワイにある火山が噴火したのよ」
「羽合?知らないよ…」
羽合には行っていない。行ったのは大亜連合の領地である。バレていないようだ。
「じゃ、誰が…」
「大亜連合の報復かも知れないな。この前の核攻撃の」
「そうね。あり得るわ」
なんか、大事になっている。黙っておこう。
更に翌日…
「ねぇ、真一!起きなさい」
「なぁに?真由美さん」
今朝は未明に散歩していないので、目覚めが良い。
「大亜連合の領地に何かしていない?」
「していないよ」
「本当に?」
「ぐっすり寝ていたよ」
「そうなの…じゃ、誰が?」
テレビでは、大亜連合の領地のうち放射能汚染された地区だけ、標高が10メートル下がっていることが報じられている。そんなことがニュースになるのか?平和だな。
「ねぇ、真一なら、この現象は、どうやるかな?」
「それは…そうだな。放射能汚染された物を、違う場所にポイかな?」
「そう…わかったわ」
---七草真由美---
真一のいない部屋に十文字君達を集めた。
「犯人は真一だわ。放射能汚染された物を、火山の火口にポイしてのよ」
「なるほど、行き場の無くなった火山性ガスか、水蒸気が圧縮されて、爆発して噴火か」
十文字君が正解に辿り着いたのだろう。
「きっと、沖縄旅行を潰した原因を排除しただけなのだろうな、真一的には」
「そう思うわ。悪気は無いと思いたい」
「しっかしなぁ、それだけの能力を持っていても、三科生は決定なんですよね?」
はんぞー君に訊かれた。
「魔法科高校は、魔法師として、扱えるサイオンの量で、クラス分けするの。真一は扱えるサイオンは無いから…そもそも、魔法師では無いし」
「残念だが、国の方針だ。いくら戦略級魔法師レベルであっても、アイツは魔法師では無いからな」
この国ではウィザードは評価されない。ウィザードとして評価されたいのなら、英国に渡ることだろう。真一の軍籍は既に英国にあるそうだし。
---宮藤真一---
フリードリンクスペースで、一人でまったりしていると、
「くどうくん、ちょっと、こっちに来て」
知らない女性に声を掛けられた。ホテルの人かな?付いていくと、
「確保しました。これから輸送します」
って、僕の意識が奪われていく。
意識が再起動すると、病院にいた。ここはどこだ?記憶を遡っていくと、拉致されたようだ。取り敢えず、ミサカネットワークに連絡をしておく。
「工藤君…大丈夫か?」
知らない髭のおじさんに、訊かれた。
「ここは?」
「もう大丈夫だよ。記憶喪失のようだな。園子君から聞いたよ」
園子って、誰?僕は記憶喪失では無い。また、間違われたようだ。
「検査の結果、脳に異常は無いみたいだ。薬物反応も血液から出ないし。何が原因だろうな」
「記憶喪失じゃ無い」
「工藤君は気にしないで、養生しなさい」
髭のおじさんは病室から出て行った。僕は病室に一人で放置されるようだ。ドアには見張りの人の気配を感じる。
---七草弘一---
何をやってくれたんだ、捜査一課は…真一を保護、輸送だと?何の目的だ?手下の公安部員に探らせている。合法的に返して貰わないと面倒なことになりそうだ。
「わかりましたよ。また工藤君と間違われたようです。捜索依頼者は鈴木園子です」
鈴木財閥の小娘が、警視庁の捜一に通報したのか。面倒この上無い事態だ。真一の素性をあまり明らかにしたくは無い。あいつの素性自体が狙われる原因になり得るからだ。
「どうしますか?真一君が自力で脱出しちゃいますよ」
その可能性が大だな。ミサカネットワークで、救援を待てと伝えたが、どこまで我慢してくれるかだな。