---宮藤真一---
毛利蘭、灰原哀は、四葉系列の病院に入院して貰った。重度の精神疾患とのことで、家族も面会謝絶であるが、僕達が面会をする分には問題は無いそうだ。彼女達の同居人には連絡をしてあるので、警察沙汰にもならないそうだし、一安心である。
そういう僕は、犯罪被害者保護プログラムと言うのが適用され、御坂真一となり、美琴と義兄妹ってことで同居している。
「真一!問題は起こさないでね」
僕と義兄妹になり、美琴も魔法師高校への入学を希望をするようになった。超能力も現代魔法も同じジャンルなので、転向も楽らしい。一方、僕の方は、ウィザードなので、相変わらず程遠い位置にいるそうだ。
ニィニこと、司波達也に師事を仰ぎ、僕と美琴は魔法師としての勉強をしていた。そして、そこに毛利蘭の姿もあった。彼女も僕と同じ高校へ入りたいそうで、魔法師としての能力開発をしていた。ここで問題なのは、学年である。美琴は僕の1つ下、蘭は僕よりも歳上であるのだった。だけど、バァバの妙案で、美琴を飛び級、蘭は中学浪人にすることで、入試が受けられることになった。
「あっ!」
「真一!」
ストレスによる僕の魔法の暴走…美琴が僕に電気ショックを飛ばして、難無き事態に持ち込んだ。
「だから、問題を起こす前に、休んでいいんだよ」
歳下の女子にアドバイスを貰う僕…
「真一、ケーキを買って来たわよ。ティーブレイクにしましょ」
真由美さんと深雪が帰ってきた。入試が迫っていた。受験生が受験する学校で勉強するのは、不正だと思われるってことで、家にみんなが来て教えてくれていた。
「国語と道徳以外は問題無いようね」
模擬試験の結果を見ていた真由美さんに言われた。国語は難しい…平仮名と片仮名は覚えたが、漢字が危険である。点の位置で、「おおきい」が「ふとい」にも「いぬ」にもなるし…う~ん…道徳は、立ち位置で変わると思うし。善悪もそうだよな。どこに立つかが問題である。
「達也君、実技は?」
「美琴は1科生、蘭は2科生、真一は3科生ですね」
真由美さんの問い掛け気に、即答するニィニ。
「受かることは受かりそうね」
◇
そして、運命の試験日…筆記試験は、ミニちゃん経由で教えて貰いながら、解答した。俗に言うカンニングである。見つからなければ問題は無いらしい。実技は…
「で、なんでカンニングして、筆記が合格ギリギリなの?」
試験後、真由美さんから衝撃的な言葉を聞いた。カンニングしていたことがバレていて、しかも合格ギリギリだった事実。
「なぁ、これってどこの国の言語だ?」
かっちゃんが僕の答案用紙を持って来ていた。筆記問題が日本語で無くなっていた。長文が書けずにいらついたせいで、悪魔語で解答していたようだ。
「これは…悪魔語です…」
そこに書かれていた文字を、日本語に翻訳すると、結構良い点だったらしい。
「次回からは、日本語で書こうな」
凹んだ僕に、かっちゃんが優しく声を掛けてくれた。
◇
入学式の日を迎えた。あの日から小学校の国語の勉強を頑張った。ようやく小学校5年生並にはなっていると思う。ニィニ、ネェネ、蘭、美琴とは違う場所で三科生の入学式が行われるそうだ。デカイ講堂に入ると、壇上にはデカイモニターがあり、一般の学生の入学式の模様が映し出されていた。能力の無い者だと、ここまで格差があるのだな。
モニターには生徒会会長として真由美さんが映ったり、新入生総代としてネェネが映っていた。無事に入学式が終わると、教室に行き、ガイダンスを聞き、お開きになった。一人で帰るなと言われていたので、生徒会室へと向かう。一人で帰ると、問題を起こすと思われているようだ。僕は問題児では無いのに、みんな心配性だな。
「おい!てめぇ~!ここは三科生が来ていい場所じゃねぇんだぞ!」
後ろから襟を掴まれたので、相手の手首を極めて、腕を絡め取り、肘、肩をも極めて、相手の背後に移動した。
ボキッ!
相手のどこかの骨が折れたようだ。制圧した相手を廊下に捨てると、ソイツはCADを抜き、僕にナニカの術を放ってきた。バリアで弾くと、天井が爆発して崩壊してきた。僕は咄嗟に、生徒会室に転移した。
「どうしたの?」
真由美さんに訊かれた。
「ここに来る途中で、暴漢に襲われたんだけど、天井が崩れてきたから、ここに逃げ込んだんだよ」
僕の言葉を受けて、かっちゃんとはんぞー君が部屋を出て行った。
「ねぇ、どこか怪我していない?」
「大丈夫!バリアを張って避けたから」
『天井が崩壊して、怪我人が多数。CADを使ったのは、一科生至上主義の森崎だ。肩の骨が粉砕しているようだ』
無線からかっちゃんの声が響き渡った。
「ねぇ、何をどうしたの?」
真由美さんに訊かれたので、洗いざらいを話した。
「三科生って、生徒会室に来ちゃダメなの?」
「そんなことは無いわよ。同じ学生なんだから…でもねぇ、中には差別主義者がいるから…」
真由美さんは僕を優しく抱き締めていた。