---宮藤真一---
週末、ツッチーに学園都市に呼ばれ、美琴、ミワと共に呼ばれた場所に転移した。
「見つけたぞ。ドリーの片割れをな」
ドリー…ミサカシスターズの初号機と呼ばれる個体であるが、2体製造されたそうだ。1体はシスターズの寿命を長くする実験に使われ、もう1体はその記憶を共有する為の実験に使われたそうだが、後者の方が生きて保存されていると言う。
「まだ、いたんだね」
悲しそうな美琴。その美琴を見つめるミワ。
「どうして、ソイツは、ネットワークで繋がっていないんだ?」
ミワがツッチーに訊いた。
「2体1対での実験だそうだ。それを生かして、お前らが製造されたそうだ」
どこか悔しそうなミワ。ミワから恨みのエネルギーを『強奪』していく。ミワを殺人鬼にはしたくない。破壊の権化にはしたくない。それは、バケモノである僕の仕事だから。お願いだよ、僕の仕事を奪わないでよ~
「えっ!ちょっと…真一…あなたが背負い込まないでいいのよ」
美琴がネットワークを通じて、僕の心打ちの半分を読み取ったようだ。
「さぁ、行こうよ」
発電系能力者2,ウィザード1,陰陽師1のパーティーを前にして、右往左往する学園都市理事配下の警備兵達。弾倉の銃弾に圧力を掛けて、暴発させていく僕。ガードロボを次々に撃破していく美琴とミワ、そして、トラップを解除していくツッチー。理事長にも報告が上がらない研究…ここの理事達はしたたかなのか、上に報告せず、独断で研究する輩が多い。
実験施設の奥…彼女の収められているカプセルと、操作コンソールだけの部屋を見つけた。ツッチーがコンソールを操作して、カプセルから彼女を取り出した。全裸で投げ出された彼女をミワが素早くたきしめて、床に降ろした。美琴は、持って来たタオルで身体を拭き、スエットスーツを着せた。下着類はサイズが不明な為、持ち込まなかったようだ。
「ドリー…」
「美琴…お姉ちゃん?」
「そうよ。私よ。遅くなってごめんね」
「大丈夫…ミーちゃんと操祈ちゃんが一緒にいてくれたから」
薄ら笑顔のドリー。
「さぁ、帰ろう。私達の家に」
「妹達もいるの?」
「私が末の妹だよ…ドリー姉さん…」
ミワが声を掛けると、嬉しそうな表情で、意識を失った。
「ミワ!生命維持装置をつなげて!」
「分かった」
ミワは上半身をはだけ、胸から生命維持装置のラインを引っ張りだし、ドリーの身体へとつなげた。
『ラオ、ドリーのデータは届いているか?』
『うん、届いているよ。システムチェックしたけど、問題は無いと思うって、ミサカはミサカは胸を張って言う。張るほどの胸が無いのは内緒ですけど…』
「ツッチー、撤収だ!」
「あぁ。取れるだけデータを取った」
時限式の殲滅魔方陣を仕掛けて、その場から家へと転移した。
---食蜂操祈---
御坂美琴が飛び級で国立高校へ入学したそうだ。どんな手を使ったの?実験体のクセに、この実験都市から、抜け出すなんてズルい。そういう私も実験体の一人である。この学園都市の闇に触れ、この学園都市を憎んだ。だけど、敵は巨大であり、脱走する気も起き無い程であったのに。
「なぁ、ここを出て、美琴と同じ学校に通わないか?」
私だけの部屋に、突如男性の声が聞こえた。ここは女子校、男性は立ち入り禁止なんだぞ~。
「どういうこと…」
目の前に、御坂さんの彼氏がいた。過去に3回も私を食べた肉食系男子だ。
「私の身体目当てかしら?御坂さんに比べて、スタイルに自信があるんだぞ~」
「ドリー…」
なんで、その単語を知っているの…遠い過去に失った大切の者の名である。
「今、一緒に暮らしている。ドリーが操祈と会いたいって言うんだ。一緒に来てくれない?」
一緒に暮らしている?だって、ドリーは…涙が零れていく、涙腺が壊れたみたいだわ。どうしたんだろう。こんなの私のキャラに合わないわ。
「ドリーはねぇ、記憶のリンク実験もしていたんだよ。ドリーと呼ばれる個体は二人いたんだ。一人は、妹達の延命の為の実験で命を落としたけど…君が昔…看取ったのは彼女だよ」
もう一人は…生きている…の?
「ねぇ、操祈ちゃん…操祈ちゃんだよね?会いたかったよ~」
目の前に、あの時よりも成長したドリーがいた。だけど、あの時のドリーの仕草が残っている気がする。パタパタと近づいて、途中でドサっと、顔面から転んでいるし。
「痛っ!てへへへへ~、操祈ちゃん、会いたかったよ~」
歩行訓練をさせた方が良い、よたよた歩きのドリーは、数回転びながらも、私の元に辿り着き、私に抱きついた。
「あぁ~操祈ちゃんの匂いだ~」
体臭で人を見極めるクセ…あの当時のままのようだ。
---宮藤真一---
ドリーと操祈を同室にした。操祈の住んでいた寮から、操祈の私物を総て『強奪』してきて、部屋に置いて上げた。後は、ミーちゃんって子を探さないと。
「ドリーも操祈も、ミーちゃんの本名は知らないんだな?」
「う~ん…」
「訊いたことが無いです」
ツッチー達に探させるかな。
「で、美琴と同じ学校へ入る?」
「入れるんですか?」
「たぶん…」
美琴と同じレベル5であるから、入学出来るはず…バァバに打診すると、入学許可が下りて、来週から編入する運びとなった。
そして、週が明けての月曜日、真由美さん、美琴、操祈と共に生徒会室へ転移して、操祈だけ先に職員室へと向かった。
「彼女もレベル5なの?」
真由美さんに訊かれ、頷いた。レベル5の能力者は、戦略級魔法師相当だそうだ。その為か、すんなり入学編入許可が下りたらしい。しかも飛び級で…
あのボディで中学生って…あ~ちゃんに謝れ!