とある魔法と科学の交差点   作:もっち~!

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厄介事

 

---宮藤真一---

 

僕の管理下にある窓の無いビルにテロ行為をした女性がいた。その場で拘束し、牢に入れてあるそうだ。早速、ツッチーを伴って、彼女に会いに行った。彼女の名前は、警策看取。プロフィールを見て、気づいた。操祈とドリーと同じ研究所にいたことだ。看取…ミーちゃんである可能性。

 

「なぁ、単刀直入に訊くが、お前、ドリーの関係者か?」

 

「なんで、それを…ねぇ、ドリーをどうしたのよ。まだ、生きているんでしょ?」

 

ドリーの名を聞き、取り乱した女性。それまで、どんな拷問にも悲鳴すら上げなかったらしいのだが…って、ここの警備は拷問するのか?

 

「ドリーがミーちゃんって人物に会いたがっているんだ。心当たりはあるんだな?」

 

「えっ…」

 

視線が泳ぎ始めた。関係を誤魔化したいのか?

 

「どうするんだ?」

 

「お持ち帰りする」

 

「わかった。報告書はこっちで書いておく」

 

後のことはツッチーに任せて、僕は看取と共に、家へ転移した。家に着き、看取の拘束を解き、ドリーの待つ部屋へ連れて行った。万が一を考え、ドリーにはミワとミニちゃんをガードとして付けてある。同じ波長な為か、この二人といると、心地良いらしい。

 

「この部屋だよ。ドリー、入るぞ」

 

「うん、いいよ~」

 

看取を連れ、ドリーの部屋に入ると…

 

「ミーちゃん?」

 

「えっ…ドリー…ドリーなの?」

 

「ミーちゃぁぁぁぁ~ん!」

 

ドリーが看取に抱きつき、早速匂いを嗅ぎ始め、

 

「う~ん、ミーちゃんの匂いだ。懐かしいなぁ~」

 

匂いで人物判別するのって、ユニークスキルかな?美琴は匂いフェチでは無いんだけど…

 

「ねぇ、アレを見せてよ~」

 

ドリーは、広口瓶に入った液体金属を看取に渡すと、瓶の中でイルカが飛び跳ね始めた。

 

 

学校に戻ると、もう放課後だった。午前中にテロが起きて、直ぐに向かったのだが、結構時間を食ったなぁ。

 

「おい!お前、どこの家のモンだ!」

 

最近、三科生にも絡まれる。迷わず、取り巻きごと、風紀委員の部屋へ強制転移させる。後、摩利とか沢木さんがどうにかしてくれるだろう。魔法師の家系って、派閥があるらしい。それは子供でも意識して、自分よりも下位の家系には威張り散らす傾向があるようだ。三科生って、現代魔法が使えないんだろ?威張る程の者でも無いだろうに。

 

校門の前に転移すると、既にみんなが待っていた。

 

「遅かったわね。なんか問題を起こしたんじゃ?」

 

美琴に詰め寄られた。

 

「いや、ちょっとだけだって…」

 

「そのちょっとが危ないんだぞ~」

 

操祈に突っ込まれた。確かに、そのちょっとが危ない時が多い。

 

「今日は大丈夫だよ。呼び出される前に、帰ろうよ」

 

摩利に事情聴取されるかもしれない。

 

「呼び出しって…やはり、なんかやらかしたんだな」

 

ニィニは確信を突くなぁ。えぇっと…味方は…深雪だけかな。

 

「深雪、帰ろう」

 

「はい」

 

二人で歩き始めると、後ろも付いてきた。これで、校内放送は聞こえない。

 

「質問なんだけど、転移魔法が使えて、なんで三科生なの?」

 

北山雫に訊かれた。

 

「空間魔法を使える人って貴重だと聞いたことがありますけど」

 

光井ほのかが更に聞きたいみたいだ。

 

「あぁ、僕は現代魔法師ではないから」

 

「「はぁい?」」

 

「真一はウィザードなんですよ」

 

と、深雪が僕の代わりに答えた。

 

「それは、本物の魔法使いってことですか?」

 

この子は誰だっけ?ニィニのクラスの眼鏡女子だ。

 

「そうなるかな…」

 

「CAD無しで魔法の行使って出来るの?」

 

雫に訊かれた。

 

「出来るって言えば出来るよ」

 

左の手の指先に炎を浮かべた。

 

「無詠唱ですか…それってマスターウィザードってことですか?」

 

ほのかの声が裏返った。それ程、驚いているようだ。

 

「アークウィザードの資格は持っているよ」

 

英国魔法協会発行の身分証をみんなに見せた。

 

「魔法使いって、本当にいたんだ」

 

驚いている現代魔法師の皆さん。学園都市組と、ニィニ達は、魔法使いのことを知っているのか、驚いてはいないけど。

 

「魔法使いは現代魔法師で無いからねぇ」

 

 

翌日、ツッチーに呼び出された。あの~、学校は休みじゃ無いんですが…

 

「真一、吸血鬼って、いると思うか?」

 

「いるよ。ヨーロッパの片田舎に集落があるけど…」

 

「集落の場所を知っているのか?」

 

「知っているけど、教えられない。バンパイアハンターに知らせるでしょ?」

 

「まぁ…教会サイドだからにゃ」

 

教えられない。知り合いもいるし。

 

「まさか、はぐれバンパイアでも出たの?」

 

はぐれバンパイアは、吸血鬼村の村長から、狩っても良いと言われている。ルールを護れない愚か者として。

 

「いや、そうじゃ無いんだけど…『吸血殺し』って能力を知っているか?」

 

「確か、Gホイホイの吸血鬼版だよね?吸血鬼を引き寄せる香りを発して、血を吸わせて灰にするって、感じだっけ?またの名をニトロブラッドって言うんだよ。濃い聖水と同じで、輸血した人間はそのエネルギー量に耐えられずに爆発すると言われているし」

 

「そこまで危険なのか…」

 

「たしか、エリクサーの材料だったような気がする」

 

「お前の知識が怖いんだが…」

 

僕はこんなにも大人しいのに、怖いのか?

 

「まさか、その能力というか、体質の人がいるの?」

 

「あれって、体質なのか?」

 

「そうだよ」

 

ツッチーは専門家なのに、知らなすぎるなぁ~。大丈夫か?

 

「それがなぁ、学園都市のある場所に軟禁されているんにゃ」

 

「この国なら、吸血鬼はいないから安心だよ」

 

「いないって言い切れるのか?」

 

「言い切れるよ。いれば、悪魔さん達が教えてくれるし」

 

悪魔は人間の負のエネルギーを食い物にしているのだが、吸血鬼の眷属になると、食い扶持が減るのだ。よって、見かけ次第、殲滅してくれるのだった。

 

「お前、悪魔と友達なのか?」

 

「うん。呼べば、来てくれるよ。悪魔だとアモンとかレヴィアタンとか」

 

「呼ばないでいいからな…お前、規格外すぎるだろ?」

 

「一応、バケモノだからね」

 

それ位呼べないと箔が付かないらしい。と、天使のミカエルが言っていたっけ。

 

「脱線したが、あの軟禁しているヤツを救出して、その厄介な体質を改善して欲しいんにゃ」

 

体質の改善かぁ~。それは厄介だな。

 

「幻想殺しに頼めば良いのに」

 

体質改善薬は、作るのが面倒である。

 

「そうなるのか。じゃ、救出を手伝ってくれ。上やんは、戦力外だからにゃ」

 

『幻想殺し』って、最終兵器じゃ無いのか?アレイスターの記憶によると、ドラゴンの力も持っているそうじゃ無いか。僕よりもバケモノだと思うんだけど…

 

 

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