最初に申し上げます。
赤谷海雲ファンの方々、申し訳ありません…
今作の番外編にも赤谷君は出久君の代役として登場しているですが、前作の番外編よりも赤谷君が酷い目にあっております…
そしてもう1つ、前作の番外編では赤谷君の父親は《一般の会社員》で、母親は《専業主婦》と私のオリジナルで解釈していたのですが、今作の番外編における赤谷君の両親の役職は前作とはまるで違うものとしております。
※出久君が精神世界で体験した年月と、現実世界の時間は《うえきの法則+》の原作と同じく、現実での《1年》がメガサイトでは《100年》経っているように、今作の番外編の出久君にとっては【精神世界での700日】は【現実世界において7日(1週間)】しか経過しておりません。
今回の話と次の話(番外編2作目3話)は、文章が多めで会話シーンは少なめとなっておりますが、出久君の那歩島での平穏な日々を描きつつ、《出久君がいない雄英高校がどんな年月(4月~11月)》を送ったのかを纏めました。
前回の話の前書きにも書いた通り、この番外編(《スローライフの法則》)でもヒロアカの原作キャラが何人も死亡しております。
《亡くなったキャラクター》や《雄英高校からいなくなったキャラクター》の詳細につきましては、次の話の後書きに纏めて書きます。
●5月の上旬…(ヘドロヴィラン事件から2週間以上経過)
None side
本州より遥か南に位置する孤島…《那歩島》…
その島の人口は約1000人であり、ここ数十年において目立った事件は発生していないという平穏な島である…
その島に《とある一家》が今月の始めに本州から引っ越してきた。
その一家は、元々《静岡県》に住んでいたが諸々の事情によって、ヒーローもヴィランもいない場所を求めた結果《九州の南西にある孤島》へ引っ越した。
一家は3人家族なのだが、父親は海外赴任をしているため、実質《母親》と《息子》の2人で新しい場所での生活をスタートした。
彼らの新しい住居は、前の住居人が引っ越してから数年放置されていた1階建ての空き家であり、引っ越しを兼ねて改装工事をしてもらったばかりである。
那歩島へ引っ越してきたその親子を、島の人達は快く受け入れていた。
ただ引っ越しの挨拶回りをした際、隣の家に住んでいる《島乃一家》が、母親は既に他界して、父親は出稼ぎのため島から離れているおり、幼い子供が2人だけで暮らしているということを《緑谷一家》は知った。
島乃宅の家庭事情を知った緑谷引子と緑谷出久は、お節介なのは百も承知で《島乃さん宅の幼い姉弟》の面倒を見ることにした。
…
●5月末…(那歩島の緑谷宅)
緑谷出久 side
PiPiPi…PiPiPi…PiPiPi…Pi…
「…ん……ふあああぁ……もう4時半かぁ…」
枕元に置いていたスマホのアラームを止めながら僕は目を覚ました。
「さてと、日が出る前にトレーニングに行ってこようかなっと」
「…んん……ん?……出久…にぃ…ちゃん…?」
僕が布団から出てジャージに着替えていると、隣の布団で寝ていた活真君が目を半開きにしながら眠たそうな声で話しかけていた。
「あぁゴメンね活真君、起こしちゃった?僕はちょっと走ってくるだけだから、まだ寝てて大丈夫だよ」
「う…ん……わかっ…た……いってらっしゃ…」スピー
まだ眠たかったのか、活真君はすぐに寝息を立てて再び眠ってしまった。
僕は活真君を起こさないよう静かに部屋から出て襖を閉じた。
まだ寝てるだろうけど、一応出掛ける前にお母さんへ声をかけておこうと思い、僕はお母さんがいる寝屋の襖をソッと開け、お母さんに小声で話しかけた。
「お母さ~ん…起きてる~…?」
「スゥ……スゥ……」
「スピー……スピー……」
「やっぱりまだ寝てるか~、書き置きでも置いていくかな」
部屋の中を確認すると、お母さんとその隣にいる真幌ちゃんはまだ夢の中だった。
僕は物音をたてないように襖を閉め、リビングのテーブルに書き置きを残してトレーニングに出掛けた…
…
僕とお母さんは先月まで住んでいた静岡県の折寺町から遠く離れた九州の南西に位置する孤島《那歩島》に引っ越した。
えっ?なんで折寺町からこの南の島へ引っ越したのかって?
………結論から言わせてもらうと、この島へ《引っ越してきた》………いや…《逃げてきた》のは…全部《僕のワガママ》が原因なんだ…
それは今から1ヶ月以上前の4月下旬のこと…
僕は精神世界で植木さんとウールさんと別れたあと、現実世界(この世界)へと戻ってきた。
現実世界に戻ってきた僕が目を覚ますと、そこは病院のベッドの上だった。
僕は目を覚ましてすぐ、誰かが僕の左手を握っているのを理解し、誰かと確認するとそれはベッドに突っ伏しながら寝息を立てる《お母さん》だった。
だけど…お母さんの姿が大きく変わっており、痩せて……いや…窶(やつ)れていた…
その姿は…まだ僕が小さった頃の《痩せていた頃のお母さんの姿》だった…
ヘドロヴィラン事件から700日近くも経過しているんだ…きっとお母さんは《僕が自殺未遂をしたこと》や《ずっと目を覚まさない僕のこと》がストレスとなってしまい、食事が喉を通らずに栄養失調になって、ダイエットなんかをせずともこんな痩せ細った姿になってしまったんだろう…
ウールさんの言ってた通り…お母さんは僕のことを本当に心配してんだってことをこの時点で僕は把握した。
僕はベッドから上半身を起こすと、右手でお母さんの肩を揺さぶった。
『お母さん、お母さん、起きてお母さん』
『…ん……んん?…なぁに出久?お母さんちょっと疲れちゃってるからもうちょっと寝かせ……………て……………』
目を覚ましたお母さんが僕の顔を見た途端に喋るのをやめ、まるで時間が止まったかのようにジッと僕の顔を見ていた。
こういう時に僕は何を言えばいいのか分からず脳ミソをフル回転させていると…
『い………い…………い!……出久ーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!』ダキッ!
動かなかったお母さんは、突然滝のような涙を吹き出して《ボイスヒーロー プレゼント・マイク》に匹敵する大声で、僕の名前を叫びながら抱き付いてきた!
『良かった!!!良かった!!!目を覚ましてくれて!!!本当に良かった!!!!!』
僕のことを力一杯抱き締めてくれる母のぬくもりを感じながら、僕は改めて思い知った…
お母さんが《どれだけ僕を思っていてくれたのか》を…
気づけば僕もお母さんを抱き締めながら、お母さんの頭を撫でていた。
ガラッ!
『なんだい!?さっきの爆音は!!?』
病室の扉が思いっきり開くと、入ってきたのは雄英高校に勤務している女性看護教諭の《リカバリーガール》だった!
『むおっ!!!??…ア…アンタ!?…目を覚ましたんだね!』
僕を見たリカバリーガールは声を荒げながらも話しかけてきた。
状況から察するに、あの無人ビルから飛び降り自殺を図った僕は病院に運ばれて《リカバリーガール》に命を救ってもらったということなのかな?
『まぁ…取り敢えずだ。ちょっと引子さん、落ち着いて……ってのは無理だろうけど…息子さんを診察したいから少し時間をもらえないかい?』
『出久!!出久!!!…はっ!!リカバリーガールさん!ありがとうございます!ありがとうございます!貴女のお陰で出久が目を覚ましてくれました!!!』
リカバリーガールの存在に気づいたお母さんは、僕から一旦離れるとリカバリーガールに対して何度も頭を下げてお礼を言っていた。
そんな折、僕はベッドの上にある《丸まったティッシュ》を見つけた。
ベッドの側にあるゴミ箱にも大量に入っており、お母さんが泣いた時に使った《鼻をかんだティッシュ》なんだなと理解した僕は…
そのティッシュを右手で持ち…
『お母さん。僕、超能力が使えるようになったよ』
『『………え?』』
僕の言葉にお母さんとリカバリーガールは面食らった表情となったけど、僕は構わずに右手に持っているティッシュを握りしめて、植木さんから授かった【能力】を発動させた!
『【ゴミを木に変える能力】!』
僕の右拳から緑色の光が放たれ、ゆっくり右拳を開くと掌の光から《小さな木》が1本生えてきた!
『…夢じゃ……ない…』
《植木さんとウールさんとの出会い》は、やはり夢でも幻でもなく現実だった!
僕は精神世界で植木さんとウールさんと出会い《大切なこと》を沢山教えてもらった…【別世界の能力】を授かった…紛れもない事実なんだ!
現に僕は【ゴミを木に変える能力】で右手に握ったゴミ(ティッシュ)を木に変えることが出来た!
更に【もう1つの能力】の確認をするために、僕は両掌にそれぞれの【紋(もん)】を浮かび上がらせるイメージをすると…
右手の掌には【《モップ》の絵柄が記された道具紋(どうぐもん)】が!
左手の掌には【《掴(ガチ)》という文字が記された効果紋(こうかもん)】がそれぞれ浮かび上がった!
あれは決して夢なんかじゃない!
僕が植木さん達と過ごした時間は確かに存在した!
そして、僕は全てを覚えている!
ビルから飛び降りる前の…無個性としての僕の人生を…
植木さんとウールさんと過ごした《700日近くの日々》を!
そして…植木さんから授かった【別世界の能力】を!
バタンッ!!
『え?お、お母さん!!?』
僕が物思いに更けていると、突然お母さんが床へ倒れてしまった!?
僕は咄嗟にベッドから出てお母さんに駆け寄った!
『お母さん!大丈夫!?お母さん!』
『無理もないよ…昏睡状態でいつ目覚めるか分からないでいた無個性のアンタが…意識が戻った矢先に《個性》を使ったのだからね。それにアンタの母親はこの《1週間》…何も食べずに片時も離れずアンタの看病をしてたから、貯まっていた過労が爆発したんだろうさね』
『い!?1週間!!?』
『ん?そうさね、アンタが飛び降り自殺を図った日から今日で丁度7日目さね』
『(7日!?700日じゃなくて!??…あ!?そういえばウールさんが別れる前にそんなことを口ずさんでたような…)』
僕は《自分が現実世界で寝ていた時間》と《精神世界で植木さん達と過ごしていた時間》が大幅にズレていたことを察した。
植木さんとウールさんと過ごした時間、感覚では《700日近く》であることに間違いない。
だけど、それとは裏腹に実際の現実世界では《7日》しか経過していない。
これはつまり現実世界にとって《1日》とは、植木さん達がいた空間では《100日》になると導き出される訳だ。
僕はてっきり、現実世界に戻ってきた時(目が覚めた時)には《1年11ヶ月》の時間が経過しているんじゃないかとばかり思っていたから、その点については《狐につままれた気持ち》になった…
『さて緑谷出久、目覚めたばかりで悪いけどアンタにはこれから診察やら検査から色々受けてもらうよ。当然ついさっきアンタが使った《木の個性》についてもね』
『はい、分かりました。えっとぉ…お母さんはどうするんですか?』
『他の医者に任せるさね、十分な休息を取れば数日で元気になるよ』
『そうですか、良かった~』
『ほら、時間が惜しいからさっさと来な!それに……アンタには伝えなきゃならないことが沢山あるからねぇ…』
『?』
僕は床に倒れているお母さんを、僕が使っていたベッドに寝かせると、リカバリーガールと一緒に病室を出た…
それから数日の間は本当に《てんてこ舞い》だった…
・リカバリーガールの時もだけど、僕が目を覚ましたことは病院の医者や看護師さん達全員に驚愕され、リカバリーガールからは『1週間で意識が回復したのは本当に《奇跡》と言っていいほどアンタは深刻な状態だったんだよ』…と呆れながら言われた。
・《診察》《身体検査》《血液検査》《MRI》《個性因子検査》等と、数日でいくつもの検査を盥回しにされながら受けた。
・お母さんは倒れて2日後に目を覚まし、僕は大泣きするお母さんから何時間にも及んでお小言を言われ、正直3時間を超えた時点で僕は勘弁してほしかった……でも…僕はそれだけお母さんを心配と不安にさせてしまった…だから僕は涙をながし続けるお母さんのお小言を黙って聞いた。でも最終的には5時間を超えた時点で、見かねたリカバリーガールがお母さんを止めてくれた。
でも…それを『大変だ』と思えていた短い間が…ボクにとってどれだけ幸せだったことか…後になって嫌と言うほど理解させられたよ…
何故って?
僕は思い知ることになったんだ…
この超人社会の《無情な現実》を…
その現実を知ることになったのは、お母さんが元気になってすぐのこと、お母さんからの5時間を超えるお小言を言われた次の日だった…
午前中の検査とリハビリを終えた僕は、リカバリーガールに案内されて病院の応接室にやって来た。
応接室の中に入ると、そこには《お母さん》と《雄英高校の校長先生である根津校長》、《塚内と名乗る警部》と《その塚内警部の妹と名乗る女性》そして海外にいる筈の《お父さん》がいた!!!
お父さんは《僕がビルから飛び降りて病院に搬送されたこと》をお母さんから聞き、急遽仕事に折り合いをつけて今朝日本に帰国し病院へ駆けつけたらしい。
お父さんが日本へ帰って来たこともだけど、それ以上に《日本一のヒーロー高校の校長先生》がいたことに僕は驚きを隠せなかった!
でも僕の興奮はすぐに消え失せることとなる…
何故なら…応接室で僕を待っていた5人の空気がとても重かったからだ…
僕の顔を見た途端に浮かない顔になる《根津校長》と《塚内兄妹》…
さっきまで泣いていたのか目元を赤く染めた《お母さん》…
そんなお母さんに寄り添って慰める《お父さん》…
この時の僕は…否が応でも察してしまった…
これからこの応接室で話される内容は、きっと僕にとって《最悪の内容》であることを…
因みにお父さんとお母さんは、僕が検査やリハビリをしている午前中の間に、一早くその内容を聞いていたらしく、お母さんが泣いていたのはそのためだった…
そして…僕の嫌な予想は的を射てしまった…
・根津校長…リカバリーガール…塚内兄妹の4人から語られた内容…
・僕が眠っていた間の《現実世界での1週間の出来事》…
・《無個性だった僕》に対して超人社会が何をしたのかを…
根津校長達からの話をすべて聞き終えた時の僕は…
再び《この世界のヒーロー達》に失望…
そして《超人社会》に絶望した…
そんな僕に対して根津校長達は《最大限の擁護》を提案してくれた…
でも…僕も…お母さんも…お父さんも…根津校長からの提案を断った…
僕達の返答を…根津校長は何も咎めはしなかった…
そして7人での話し合いの末、僕の提案したワガママが聞き入れられ、僕と母さんは《ヒーローとヴィランとの関わりを避ける》ため、本州から遠く離れた《この南の島(那歩島)》へ移住することになった。
…
僕はこの島に来てから日課としている《早朝と夜に浜辺で【能力】の特訓》をしながら、先月の下旬に病院の応接室での根津校長達からの話を思い出していた…
正直…今思い出すだけでも胸が苦しくなる《嫌な内容の数々》だった…
あの時の僕は改めて思い知らされたよ…
《無個性に対する超人社会の理不尽さ》をね…
でも…そんな無個性の僕でも…根津校長やリカバリーガール、塚内兄妹といった人格者の人達は理解してくれた…
根津校長とリカバリーガールは、僕が眠っていた間も独自で色々と動いてくれていた…
《僕が夢の中で体験した出来事》だって根津校長達は疑わずに聞き入れてくれた…
お母さんは話の壮大さに理解が追い付かなかったのか、説明の途中で何度も気を失ってお父さんを困らせていたけどね…
ただ根津校長の提案で、僕の【ゴミを木に変える能力】については世間へ公開せず、内密に根津校長命名の個性名《循環》として登録することとなり、【職能力】については《個性の応用》という解釈になった。
更に僕が体験した《夢の中での出来事》…《植木さんとウールさんと過ごした700日の特訓の日々》や《【ゴミを木に変える能力】と【職能力】の詳細》については、緑谷一家と根津校長、リカバリーガールと塚内兄妹の7人だけの秘密にするようにとも、根津校長から忠告を受けた。
この島(那歩島)にやって来た僕は【個性《循環》をつい最近発現させた緑谷出久】として、新しいスタート(生活)をすることとなった。
そうこう考えながら特訓している内に、水平線の向こうが少しだけ明るくなってきた。
腕時計を見ると6時前になっており、僕は直ぐ様にトレーニングをやめて浜辺を出ると自宅に戻ることにした。
因みに、僕が浜辺で【能力】の特訓をしていることについては、この島の唯一のヒーローであるお爺さんから条件付きで許可をもらっているため、まだ《個性使用許可免許証》を持っていない僕が【能力】を使っても問題はない。
ジョギングをしながら自宅へ戻った僕は、玄関を開けて家の中入ろうとしたら、丁度その時に太陽が水平線から顔を出したのか眩しい朝日の光が見えた。
「夜明けかぁ…」
僕はそう呟いて家の中に入った。
汗をかいたからシャワーを浴びようとお風呂場に向かうと台所の電気が点いて、中を確認するとエプロン姿のお母さんが朝食を作っていた。
「ただいま、お母さん」
「おかえり出久、走ってきたから汗かいたでしょ?早くシャワーを浴びてきちゃいなさい」
「うん、そうするよ」
「真幌ちゃんと活真君はまだ寝てるから、着替えを取りに行くなら大きな音を立てないようにね」
「分かってるよお母さん」
台所を離れた僕は、寝ている活真君を起こさないようにタンスから着替えを確保し、シャワーを浴びて汗を流した。
シャワーを済ませた僕は、お母さんと一緒に朝食作りをした。
4人分の朝食が出来上がった7時頃、真幌ちゃんが活真君の手を引いて台所にやって来た。
「あら2人とも起きた?」
「おはよう…」
「んん……おは…よ…」フア~…
2人ともまだ眠いのか、真幌ちゃんは片手で目を擦り、活真君は欠伸をしていた。
「朝御飯が出来たから、2人とも歯を磨いて顔を洗ってらっしゃい」
「「は~い」」
お母さんが優しい口調でそう言うと、真幌ちゃんと活真君は洗面所に向かっていった。
因みに《真幌ちゃん》と《活真君》というのは、隣の家に住んでいる島乃宅の子供達なんだけど、幼きながらも2人暮らしをしている姉弟である。
…
この島に引っ越してきた次の日に、引っ越しの挨拶回りでお隣さんの島乃宅へ最初に訪れた時のこと…
あの時は《活真君と真幌ちゃんのお父さん》が偶然にも那歩島に帰ってきていた時である。
今でもよく覚えているんだけど、島乃さん一家(父親、娘、息子)が僕のお母さんの顔を見た時に《物凄く驚いた反応》をしていたんだ。
僕とお母さんは、島乃さん達の突然の反応に疑問符をかられながらも自己紹介と引っ越しの挨拶をした。
ただ、僕のお母さんは島乃さん達の異常な反応を不思議に思い、その疑問について活真君達のお父さんに理由を聞くことにした。
2人が話している間、僕は活真君と真幌ちゃんに案内をされて近所に回ることになった。
そして後になってから、お母さんが僕に《活真君達のお父さんと話した内容》を教えてくれた。
・活真君と真幌ちゃんのお母さんは既に亡くなっており、活真君達のお父さんも出稼ぎのため普段は島から離れている。だから真幌ちゃんと活真君は2人だけ過ごしている状況であること…
・近所の人達(鈴村さん達)が気にかけて活真君達の面倒は見てくれてはいるけど、それでも幼い我が子達を家に残して島を離れることに活真君達のお父さんは不安があることを…
そんな島乃さん宅の家庭事情(父子家庭)を知った僕のお母さんは、活真君達のお父さんに『私達で宜しければ、お子さん達の面倒を見ましょうか?』と思い切った提案した。
お母さんが言っている『面倒を見る』というのは《時折2人の様子を見に来る範囲》ではなく、《活真君達のお父さんがいない間は自分達と一緒に暮らして四六時中、活真君と真幌ちゃんのお世話をする範囲》での提案だったのだ。
活真君達のお父さんからすれば、僕のお母さんからの提案は《願ってもない提案》だっただろうけど『そこまでの迷惑はかけられない』と最初は活真君達のお父さんも遠慮していた。
でも僕のお母さんの厚に負けたのか、最終的に活真君達のお父さんは僕のお母さんの提案を聞き入れてくれた。
2人が話し終わった頃に戻ってきた僕と真幌ちゃんと活真君は、帰ってきて早々に聞かされた提案に驚かされた。
僕個人としては、別に活真君達と一緒に暮らすのは問題はないけど、活真君と真幌ちゃんからすれば《隣に引っ越してきたばかりの人達といきなり一緒に暮らす》…なんて言われれば困惑して嫌がるんじゃないかと僕は思っていた…
でも僕の考えとは裏腹に、2人は僕のお母さんからの提案をスンナリと受け入れて、今こうして一緒に暮らしている。
どうして2人がこんなにもアッサリと提案を飲んでくれたのか、僕は最初は不思議でならなかった。
息子の僕が言うのは何だけど、僕のお母さんは《面倒見が良い方》だ。
現に活真君と真幌ちゃんは、すぐに僕のお母さんに心を開き懐いていたからね。
でも、その訳についてはすぐに知ることが出来た。
後日、近所に住んでいる鈴村さんが教えてくれたことなんだけど…
《僕のお母さん(痩せている姿)》は、どういう偶然なのか《亡くなった活真君と真幌ちゃんのお母さん》にとても似ているらしい…
何度か活真君達の家にお邪魔させてもらった時、玄関や居間に置いてあった写真立ての《家族写真》を見てそれを理解した。
活真君達と一緒に写っていた母親と思われる女性が、僕のお母さんと《瓜二つ》レベルで似ていたんだ。
髪色や瞳の色こそ違うけど、それ以外は全て《双子》と言っていいくらいにソックリだった。
どうりで始めて会った時に驚いていた訳だ。
そりゃあ、活真君達のお父さんからすれば《奥さん》に、真幌ちゃんと活真君からすれば《お母さん》にソックリな人が突然現れたんだから驚くに決まってる。
そうして現在では、真幌ちゃんと活真君と一緒に暮らしているのが当たり前になっていた。
だけど毎日一緒に暮らしている訳じゃない、週に3、4回のペースで2人はウチへ泊まりに来て、他は自宅で過ごすという形となっている。
僕のお母さんは、活真君と真幌ちゃんに『毎日泊まり来ても大丈夫なのよ?』と言っていたんだけど、真幌ちゃんは『お世話になってばかりじゃ申し訳ない』とか『活真の面倒はお姉ちゃんである私が見ないといけない』と、まだ8歳でありながらも《他人への気遣い》と《自立する精神》を持っているシッカリ者のお姉さんだった。
お母さんはそんな真幌ちゃんの気持ちを汲んであげて、真幌ちゃんに作れる範囲の料理などを教えるようになった。
でも活真君の前ではシッカリ者のお姉ちゃんでいる真幌ちゃんも、やっぱりまだまだ甘えたい年頃なようで、僕や活真君がいない時は僕のお母さんに甘えている様子があった。
活真君もだけど…なんだかんだ言っても真幌ちゃんも母親が恋しいんだな…と僕は思った。
僕に至っては、今までずっと一人っ子だったからよく分からなかったけど、妹や弟がいたならこんな感じなのかと思いながら2人と過ごしている。
そんな僕は、活真君とはすっかり打ち解けることが出来て『出久兄ちゃん』と呼んでもらえる程に仲良くなれたけど、真幌ちゃんとはまだ距離があるのか『出久』と呼び捨てされている。
まぁ別に呼び方は何でもいいんだけど、僕のお母さんに対しては活真君と真幌ちゃんは完全に心を許している………でも真幌ちゃんは僕のことが気に入らないのか、たまに個性《ホログラム》を使って僕のことを脅かすイタズラをしてくる…
僕は真幌ちゃんから嫌われてるんじゃないかと思っていた…
でもそれは僕の勘違いで、真幌ちゃんが僕に冷たい態度をとるのは《ヤキモチ》であることをお母さんがこっそり教えてくれた。
お母さんの話だと、静岡県にいたママ友から聞いた話で《兄弟や姉妹の子供がいる家庭では良くある出来事》なのだと言っていた。
一人っ子の僕には理解できなかったけど、真幌ちゃんからすれば《大切な弟である活真君が姉の自分以上に他人の僕と仲良くしていること》が気に喰わないのだ。
だから真幌ちゃんは僕に対してイジワルをしていたと、お母さんが説明してくれた。
那歩島の中学校へ転校してから最初の休みの日、活真君のお昼寝中に僕とお母さんと真幌ちゃんは3人で話をし、なんとか誤解は解いて真幌ちゃんに理解してもらえた…だけどその際に僕は真幌ちゃんから…
『いい!出久!アンタが活真と仲良くするのは勝手だけど、これだけは覚えておきなさい!活真の姉弟で、お姉ちゃんなのはこの私だけなんだからね!!!』
…と仁王立ちしながら指を差して力強く宣言された。
そんな真幌ちゃんからの宣言の返答に困っている僕を、お母さんは近くで寝ている活真君の頭を優しく撫でながらクスクスと笑っていた。
あの時の僕は、お母さんに『笑ってないで何とかしてよぉ…』っと心の中で強く思ったよ…
…
なんてことがこの1ヶ月の間にあったけど、それ以降からは真幌ちゃんが僕に個性でイタズラすることはなくなり、僕は少しだけ真幌ちゃんと仲良くなれた……気がする……
「出久兄ちゃん?」
「出久?どうしたの?」
「えっ?」
ずっと考え事をしていたのか、ふと活真君とお母さんの声で気がつくと、僕以外の3人は朝食の置かれたテーブルの椅子に座っていた。
「なにボーッとしてるのよ出久、今日は《離れ小島》に行くんだから早く食べるわよ」
「あぁ、そうだったね」
真幌ちゃんに催促されながら僕もテーブルの椅子に座り、4人で朝食を食べ始めた。
今更だけど、以前の僕は考え事をする時にはブツブツと考えていることを小声で言う癖があったため、その度にかっちゃんからは個性を使った暴力を問答無用で振るわれていた。(僕の癖で迷惑をかけたのは悪かったけど、それでかっちゃんから一方的な暴力を受ける理由にはなら無い筈だよね…)
今はその悪い癖は無くなって、僕はダンマリで考え事をするようになった。
精神世界で植木さんとウールさんと一緒に700日過ごしている間、気がついたら治っていた癖の1つである。
朝食を食べ終えた僕達は、離島の観光に出掛ける準備を済ませて家を出た。
今日は《城跡が観光スポットである離れ小島》に行くことになっている。
僕とお母さんが那歩島の離れ小島にまだ行ってないと知った真幌ちゃんと活真君が今日案内してくれるんだ。
この島での生活を通して改めて思い知らされるよ…
ヒーローなんか目指さなくても…
こうしてのんびりと…
何事(なにごと)もなく平穏に暮らせること…
それがこんなにも幸せなんだってことをね…
…
●2月上旬…(ヘドロヴィラン事件から9ヶ月以上経過)
辛い時間が経過するのは非常に遅く感じるけど、楽しい時間って言うのはあっという間に過ぎていく…
植木さん達と過ごした夢の中での時間と同じく、この島での生活も…ふと気がつけば既に9ヶ月以上の月日が流れ、僕を含めた世の中の中学3年生達は高校の受験シーズンである《2月》を迎えていた。
その9ヶ月の間は、僕はこれといった大きな変化は起きていない。
あるとするのなら去年の12月に《真幌ちゃんの9歳の誕生日祝い》をしたことと、今年の7月に受ける《個性使用許可免許証》の最終試験に向けて去年の5月から本州に何度か赴いて講習を受けに行ったくらいだ。
この超人社会では、バイクの免許(普通二輪免許)と同じように16歳になれば《個性使用許可免許証》を取得にすることが出来る。
でもこの免許はヒーロー免許とは違い《個性を使ってヴィランと戦うこと》は出来ず、ヒーローを目指さない人達が日常生活や仕事などで大手を降って個性を使えるようになるためには必要不可欠な免許である。
ただし、この免許は実地試験が殆どであるヒーロー免許とは違って9割が学科試験であり、しかも問題数は多くて内容はとても難しいため10代で合格するのは『ほんの一握りだけ』だと、以前電話でお父さんが教えてくれた。
僕のお父さんは10代の時にこの免許を取れたらしいけど、中学3年生からこの試験を受け初めて高校を卒業するギリギリでやっと免許を取得できたらしく、最終試験までの学科試験で何度も落ちて苦労していたとも話してくれた。
でも、そんなお父さんの学生時代の苦労を他所に、僕は中学3年生の時点に最終試験以外の《個性使用許可免許証の学科試験》は全て合格でき、後は7月の誕生日で16歳になってからの最終試験(学科試験と実地試験)を残すのみとなっていた。
どうして僕はそんな難しい学科試験を中学3年生の間に合格できたのかと言うと…
実は無個性だと診断されてからの約10年間、僕はいつかの日か個性が芽生えると信じて、ヒーロー免許の取得に必要とされる勉強(学科試験)をずっと続けていたんだ。
ヒーロー免許の試験内容の殆どは《実地試験》だから、学科試験の勉強はそこまでの意味は無いんだけど、無個性だった当時の僕にはそれしかできなかった…
そうして今の僕はヒーローの道を諦めて、将来仕事で《個性(能力)》を使うため必要とされる《個性使用許可免許証》の学科試験を受けた結果、これまでの10年の努力は実り1回で合格することが出来た。
後は5か月後に受ける最終試験に合格できれば、晴れて《個性(【ゴミを木に変える能力】【職能力】)》をヒーローの許可なしで使うことが出来るようになるんだ。
…
●2月中旬…(緑谷一家が那歩島に来てから9ヶ月半後…)
那歩島の中学校の卒業式を控えた僕は、同じく那覇島にある少人数制の高校受験を終えて、自宅への帰り道を歩きながら、ふと思い出したことがあった。
「そういえば今日って…雄英高校の受験日でもあったっけ?…かっちゃんはきっと主席で合格するんだろうなぁ………まぁもう僕にはもう関係ないことか…」
ヘドロヴィラン事件のあった…あの日…
僕の中にあった《世界のヒーローへの尊敬と憧れ》は完全に消え去った…
この超人社会は狂ってる…
強い者が弱い者を守る?
違うね……《強い個性を持つ強者》が《弱い個性を持つ弱者》と《個性を持たぬ弱者》を支配する格差社会……それがこの世界の常識なんだ!
そんな偽善者(ヒーロー)達に僕は絶対にならない!
全てのヒーローが、根津校長やリカバリーガールのように《他人へ思いやりを持てるヒーロー》じゃない…
ヘドロヴィラン事件で、オールマイトがあの事件を起こした失態と過ちは…公安委員会が権力を使ったことで真実は揉み消されて世間に報道されず…
同事件でかっちゃんを見捨てていたシンリンカムイやデステゴロ達も…公安委員会によって汚点や不備は包み隠されたお陰で真実が世間に露見されることなく、彼らは今もプロヒーローとして名を上げ続けている…
特にシンリンカムイはもうすぐ《トップ10》に入れるとかニュースで言ってたな…
《個性の相性を理由に子供(かっちゃん)を見捨てるヒーロー》がトップヒーローになれるなんざ世も末だよ…
自分達に都合の悪い情報は権力を使って情報をねじ曲げる…
それがヒーロー社会の在り方であり、摂理なんだ…
この世界のヒーロー達は《上っ面な正義感》しか掲げていない…
そんな腐った覚悟しか持っていないヒーローばかりが蔓延(はびこ)るこのヒーロー社会で、植木さんから授かった【能力】を《ヒーローの立場》となって僕は使いたくはなかった…
【ゴミを木に変える能力】と【職能力】をこの世界でヒーローとして使うことは、植木さんへの冒涜(ぼうとく)になってしまうと僕は判断したんだ!
僕の目標である《植木耕助》は…本物の正義を掲げた真のヒーローだ!
『そんな正義のヒーローから授かった【能力】を汚したくない…』
去年の春…僕が目を覚ましてから根津校長達より教えられた《ヘドロヴィラン事件後の出来事》を知ってから…僕はそう思うようになった…
だから僕は、植木さんのような《正義感のある強くて優しい人間》になる!
そして将来は《植木さんから授かったこの能力》をこの地球のために役立てるようと、海外で《環境保護》の仕事をしているお父さんの仕事を手伝おうと考えている。
それが…僕が決めた《道》なんだ…
…
●高校受験から1週間後…
None side
緑谷家に1通の封筒が届いた。
封筒の中身は、出久が受験した那歩島の高校からの《主席合格の通知書》だった。
元々出久は折寺中の頃から爆豪と肩を並べて成績は良く、特に今の出久はヒーローの夢をキッパリ諦めたことで、これまでヒーローになるためにかけていた時間も全て勉強に費やすようになったことで成績は更に上がり、現在那歩島の中学生で一番の優等生となっていた。
そんな出久が本気で受験勉強した《ヒーロー育成に関係のない普通の高校》ならば、合格ラインに達するのは容易いことだった。
しばらくして、中学校を3月に卒業した出久は、4月の高校の入学式までのんびりと過ごしていた。
3月に《活真君の6歳の誕生日のお祝い》をしたことを除けば何事もなく、そのまま出久は4月を迎えて那歩島の高校へと入学した。
高校に入った出久は《今年こそ障害のない平和な1年を送れる》と確信していた…
しかし…そんな出久の考えとは裏腹に…
今年からのヒーロー社会が前途多難となり、困難の連続となっていくことを…
このヒーロー社会において《緑谷出久がヒーローを目指さないこと》がどれだけ多くの人達の運命を狂わせることになるのかを…
この時の出久は知るよしもなかった…
そして皮肉なことに…
今年の4月から…
出久の今までの苦悩が報われることになっていった…
…
●4月中旬…(ヘドロヴィラン事件から1年後)
緑谷出久 side
入学式を終え、高校生活をスタートした僕はいつもと変わらず平穏な日常を過ごしていた。
高校生になって《勉強のレベルが上がったこと》《自宅から学校までの距離が少し遠くなったこと》などを除けば、他の生活はこの島での中学の時と大して変化はなく、僕は当たり前の平和な日々を送っている。
この島の人達は皆が《心優しい人達》であり、折寺中学校にいた同級生達や教師達とはまるで違う。
那歩島での学校生活において、僕は同級生から虐められることもなければ、教師から差別されることもなく《普通の学校生活》を送れていた。
むしろ、この島での学校生活のおかげで、いかに折寺中学校での生活が辛苦であったのかを嫌と言う程に思い知らされた…
そんな《昔の自分が送っていた学校生活》と《今の自分が送っている学校生活》の格差を身に染みて理解させられていた高校生になっての最初の休日…
今日は何故かいつもより早く目が覚めてしまった僕は、日課である早朝のジョギングと能力のトレーニングをしがてら、帰り道の途中にある早朝から開店している売店に立ち寄った。
いつもならジョギング中に売店へ寄ったりはしないんだけど、何故だが今日の僕は特に買う物も無いのに売店へ足を運んでしまった。
「いらっしゃいあせ~…」
売店に入るとレジにいる店員さんは眠たそうな声で話しかけてきた。
まだ5時過ぎなのもあってか僕以外のお客さんは誰もいなかった、何も買わずに帰るのは悪いと思った僕は飲み物だけを買って颯爽に帰ろうと思い、コミックスや雑誌コーナーの前を通り過ぎようとした…
のだが…
「へあっ!!???」
僕はチラッと横見した雑誌の表示を見た瞬間、足を止めて変な声をあげてしまった!
何故って?
それは僕がチラ見した雑誌の表紙に《とんでもない内容》がデカデカと書かれていたからである。
その内容は…
「《雄英高校で殺人未遂事件》!!?」
にわかには信じられない内容に、僕はいつの間にか雑誌を手に取って読み始めていた。
開いたページに記されていたその驚きの内容の数々は僕を震撼させた!
「『今年雄英高校に入学した新入生が、入学して早々のヒーロー授業である屋内対人戦闘訓練の最中に同級生へ《過剰な暴力》と《個性使った重度の火傷》を負わせる暴行事件が発生!』…………火傷って……いや……まさかね…」
高校1年生ということは未成年であるため、雑誌には加害者と被害者である生徒の名前は無かった…
でも被害者の怪我が《火傷》と書いてあるため、僕は否が応でも《1人の幼馴染み》が頭を過(よぎ)った…
「いやいや…《炎系の個性》なんて別に珍しくはないし…きっと違う人だよね…。え~っと…続きは…」
僕はかつて…無個性の自分を10年以上も虐めていた《炎系の個性を持つ幼馴染み》のことを頭の片隅へ強引に寄せながら、雑誌の続きを読んだ…
「『暴行と火傷で重症を負った《被害者の少年A》は意識不明の重体。被害者の家族は加害者である《炎系の個性を持つ少年B》を訴えた』………ドンドン話が大きくなっていくんだけど…」
僕は内容を知るにつれ、段々続きを読むのが怖くなって来た…
1年前の僕と同じく、加害者が《強個性をもつ優秀な子供》もしくは《現役のヒーロー》ならば、大抵ことは警察と公安委員会が情報操作をして都合の悪い情報は揉み消すんじゃないか?…と僕はネガティブに考えた…
1年前に根津校長とリカバリーガールから聞かされた《理不尽な真実》によって…僕の中にあった《この世界のヒーローへの尊敬》は完全に消滅し…僕はこの超人社会のヒーローを嫌い…《ヒーロー不信》となった。
まぁ昔のことはさておき、僕は色々な恐怖を押さえて雑誌の続きを読んでいった。
「被害者の家族は《加害者の少年B》に対して謝罪を要求した。しかし当人は殺人未遂をしておきながら反省する素振りを一切見せず、あろうことか被害者の家族に対して『俺が一番嫌いな無個性のクソナード野郎と同じ面をしてるアイツが悪いんだろうがよ!第一、子供の喧嘩で一々大袈裟に騒ぐんじゃねぇわクソ親が!』との暴言を吐いて謝罪を拒否………これ…絶対にアイツだよね…」
・相手に火傷に負わせる炎系の個性…
・新聞に記された《暴言の台詞》…
・その台詞の中にあった『無個性のクソナード野郎』という単語…
これだけ条件が揃えば、この暴行事件の主犯である《少年B》が誰なのかを僕は嫌でも理解させられた…
でも…あんな乱暴者でも、成績トップでスポーツ万能、オマケに個性《爆破》という攻撃力と破壊力に優れた個性だ。
そんな才能マンを雄英高校やヒーロー協会、そして公安委員会が簡単に見捨てる訳がない。
1年前の時と同じように、どうせ今回の事件も《警察やヒーロー公安委員会の上層部があの手この手を使って隠蔽処理されること》によって、アイツは…かっちゃんは何の罪も罰も受けることなく《障害のないヒーロー人生》を送っていくのだろう…
え?1年前に何があったんだって?
・僕が飛び降り自殺を図る前にノートや教科書に買い残したメッセージが世間に広まったんじゃないのかって?
・かっちゃんを含めた折寺中の生徒達が、厳罰として《奉仕活動》をしたんじゃないのって?
・折寺中学校の教師達が《校内で起きていた無個性差別やイジメの件》で謝罪会見を開いたんじゃないのかって?
・ヘドロヴィラン事件に関わったヒーロー達は、根津校長からヘドロヴィラン事件でのヒーローらしからぬ愚行について説教と叱責を受けて《謝罪会見》と《奉仕活動》をしたんじゃないのかって?
・他にも《エンデヴァーの家庭事情》や《折寺中生徒を狙った集団暴行事件》など色々あったんじゃないのかって?
《奉仕活動》?《謝罪会見》?いったい何のこと?
1年前にそんなことは1つも起きてはいないよ?
1年前、僕が精神世界からこの世界には戻ってきた後日に、折寺町の病院の応接室で《根津校長》と《リカバリーガール》、《僕の両親》と《塚内警部とその妹さん》との話し合いをした際に、僕が眠っていた1週間の間に起きた出来事を全て知った…
僕がこの世界には絶望してビルから飛び降りたあの時…
屋上に置いていたノートや教科書の余白に書き残した《かっちゃんやヒーロー達から受けてきた辛苦の数々のメッセージ》を…
警察とヒーロー公安委員会が秘密裏に《隠蔽》したんだ…
始めてそれを聞かされた僕は…その事実をすぐには受け入れられなかった…
でも…その事実の詳細を先に聞いていたお母さんとお父さんが放つ暗い雰囲気を見て…それが嘘ではなく真実であることを僕は理解させられた…
根津校長と塚内警部からの話の経緯よると…
・僕が無人ビルから飛び降りたあの日、僕がビルの屋上に置いていた鞄から《ノートと教科書》を警察が発見していた。
・僕が色々書き残したノートと教科書の内容は、その日の内に塚内警部を含めた何人かの警察関係者の目に入ったという。
本来ならこの時点で《僕を10年以上苦しめてきた人達(かっちゃん等)》や《僕の夢を真っ向から否定したオールマイト》や《ヘドロヴィラン事件でヒーローらしからぬ愚行を働いたシンリンカムイやテスデゴロ達》はそれ相応の罰を与えられる…
筈だった……
・しかし、僕が書き残したメッセージを知った警察の中に、ヒーロー公安委員会に繋がる人間がいたことによって、その日の内に僕がノートと教科書に書いた内容はヒーロー公安委員会の上層部にも伝わってしまった…
・《オールマイトの失言》と《ヘドロヴィラン事件に関わったヒーロー達の情けないヒーロー活動》の真実を知った公安委員会の上層部は、事が大きくなる前に事態を収拾させようと先手を打ったんだ…
・その先手というのが《僕のノートと教科書を全て秘密裏に公安委員会が回収すること》だった…
・事件の次の日、塚内警部は根津校長に頼まれて《僕のノートと教科書》を持ち出そうとした…
・だが…昨日まではあった証拠品である《僕のノートと教科書》は煙のように消えていた…
・塚内警部は即座にヒーロー公安委員会が何かしたと勘づいて、警察の上層部に取り合ったらしいんだけど、ヒーロー公安委員会は万全な情報操作と根回しをしていたために、塚内警部が何も言っても全て拒否されたそうだ。
しかもそれだけじゃない…
・公安委員会は《オールマイトを含む日本のヒーロー達のイメージ》を守るためにと、ヘドロヴィラン事件の起きた日に《僕が写っていた映像だけをネットから全て消去》までしていたんだ…
・僕のヒーローになりたい夢を否定したオールマイトは、独自に謝罪会見を開き《ヘドロヴィラン事件発生の原因》と《僕の夢を否定したこと》を大々的に世間へ広めようしたらしいけど、ヒーロー公安委員会はそうはさせまいとオールマイトに箝口令を引いた…
No.1ヒーローのオールマイトも公安委員会の上層部は逆らえず、結局のところ謝罪会見は無しになった…
・オールマイトはまだ謝罪の意志があった………でもシンリンカムイ、デステゴロ、バックドラフト、Mt.レディといったヘドロヴィラン事件に関わったヒーロー達は真実を知らぬまま、後日のインタビューで《無謀にもヘドロヴィランに向かっていった子供(つまり僕)》に対してこんなコメントを溢していたんだ…
<シンリンカムイ>
『彼の身勝手かつ無謀な正義感は、彼自身だけでなく大勢の人々を巻き込む被害になりかねなかった!そんな下らない正義感で命を軽視する彼は愚か者でしかない!しかもその少年は個性を持っていなかったと聞く!なんと馬鹿げたことをしたことか!そんな間違った正義感を翳すあの少年は、断じてヒーローになるべき人間ではない!』
<デステゴロ>
『あの少年が取った行動は、ただ命をドブに捨てるだけの愚かな行動だ!ヒーローとは危険を省みず人々を守り助けるのが仕事!自己犠牲を正義感と勘違いしている自殺願望の無個性の子供が勤まる仕事じゃない!後で知ったことだがその少年は無個性だった、個性で成り立つこの社会において個性を持たぬ者がヒーロー気取りをするのがどういう意味なのか、あの少年は身に染みて理解したことだろう、自分がヒーローになるべき人間では無いことをな!』
<バックドラフト>
『あの少年の行動は、結果的に我々のヒーロー活動の邪魔でしかなかった。彼の自分勝手な行動のせいで我々は余計な仕事を増やされてしまい本当に迷惑でしかなかったよ。それに聞いた話だとその少年は無個性でありながらヒーローを目指しているという、なんと浅はかなことか…ヒーローと死にたがり屋の区別もつれられないのか…あの無個性の少年は…』
<Mt.レディ>
『同級生を助けようとした必死になった心意気は立派だけど、彼とった独断の行動のせいで周囲への被害が広まるんじゃないかと肝を冷やしたわ。他者への迷惑を考えられないあの少年には、ヒーローとして最も必要とされる常識が欠けているのかもしれないわね。まぁ彼は無個性だったみたいだから…それを知らないのは仕方ないことでしょうけど…』
…っと、シンリンカムイ達はヘドロヴィラン事件での自分達の失態を棚に上げて…僕のことを好き勝手にボロクソ言っていたんだ…
警察とヒーロー公安委員会によって、自分のヒーローとしての地位が守られたとも知らずにだ…
・シンリンカムイ達のコメントを聞いた僕は…またしても《ヒーローに対する尊敬と憧れ》も無くしてしまった…
・そして僕がヒーローを目指すことに諦めがついた極めつけは…《僕が無人ビルから飛び降り自殺を図った事件》そのものが、ニュースやネットから完全に消されていたことだった…
まるで…ヘドロヴィラン事件のあった日に起きた全ての出来事に僕が…《緑谷出久が存在しなかった》と言わんばかりにだ…
・僕が残した《ノートと教科書》に加えて、僕に関わりのある事件やニュースが全て消されているのならば、当然かっちゃんを含む折寺中の生徒や教師達に火の粉が飛ぶことは無かった…
現にかっちゃん達は今も何事もなく…いつも通りの学校生活を送っているらしい…
・しかも、かっちゃん本人は《自殺を図った僕の心配など微塵もしてなく》…《僕が自殺を図ったことによって自分達に非が飛んで来るんじゃないかという自分の心配しかしていないこと》を塚内警部の妹さんが個性を使って調べてくれていた…
これが1年前…折寺町の病院の応接室で知った全てである…
《無個性への理不尽》なんて言葉じゃ決して済まされない出来事だ…
根津校長、リカバリーガール、塚内兄弟は全てを話し終えると…僕達(緑谷一家)へ深々と謝罪をしてくれた…
根津校長は《ヒーロー公安委員会》から…塚内警部は《警察上層部》からの圧を掛けられてしまったために…これ以上動くことが出来ないと僕に謝罪してきたんだ…
根津校長は、僕への《せめてもの償い》にと《雄英高校の受験前日まで僕に教育者をつけること》を提案してくれた。
だけど…
僕にとってはもう…《ヒーロー》なんかどうでもよくなっていた…
僕は根津校長の提案を丁重にお断りした…
僕の返答に対して…根津校長は二つ返事で了承してくれた…
それでも根津校長は僕達一家に何か償いをしたいと言って引かずに提案を持ちかけてきた…
そんな根津校長の提案に対して僕の出した答え…
それが《ヒーローもヴィランもいない場所で静かに生活したい》…という願いだった…
僕の返答を聞いた根津校長は少し黙った後…何も言わずに首を縦に降ってくれた…
お母さんも僕の意見を快く受け入れてくれて、お父さんも異を唱えなかった…
後日、根津校長が《ヴィランがおらずヒーローが1人しか在中していない島》である《那歩島》の存在を調べ教えてくれた。
本州からかなり遠く離れた場所だけど、僕はこの島で暮らすことにし、両親も賛成してくれた。
ただし、僕達が那歩島へ引っ越すことについては、僕の【能力】の真実を知る人達(緑谷一家、根津校長、リカバリーガール、塚内兄弟)だけの秘密としてもらった。
その際に根津校長は…
『これからキミ達一家に対して、ヒーローが関わることが無いように配慮するのさ』
…とも気を使って固い約束してくれた。
こうして4月末に折寺町の病院を退院した僕は、そのままお母さんと一緒に空港へ行き、改修工事も引っ越しを済ませた新しい住居がある《那歩島》へと向かった。
その日は、お父さんは既に海外へと戻っていて、根津校長とリカバリーガールは僕の退院日は都合が悪くて来られなかったけど、《塚内警部》と《その妹さん》が忙しい中で時間を作って、僕とお母さんを空港まで送ってくれただけでなく、搭乗口手前まで僕達を見送ってくれた。
これが1年前の出来事…
正確には《僕が目を覚ましてから那歩島行きの飛行機に搭乗するまで》に起きた去年の4月の下旬の出来事の全貌である…
でも…今回(《雄英高校内での殺人未遂事件》)は1年前の時とは違うんだと、僕は判断できた。
なぜって?
ヒーローを徹底して擁護するヒーロー公安委員会が、ヒーローの育成高校…況しては《雄英高校》で殺人未遂事件が発生したことを知ったなら、僕の時と同じように《権力》を使って事件そのものを完全に揉み消し、世間に情報が漏洩させること防ぐ筈だ。
なのに、こうして本州から遠く離れたこの島の売店までに、こんな大スクープの書かれた雑誌が並んでるってことは…
《ヒーロー公安委員会が今回の事件を隠蔽できない理由》があるということだ…
その理由が何なのか、雑誌を隅々まで目を通していくと《驚きの内容》が記されていた!
「えっと……はああっ!!?被害者である少年Aの父親は《警視監》!!!警視監って……確か警察組織の《No.2》だった筈だよね!……成る程、被害者の父親が大物だったから、公安も隠蔽工作が出来なかったのか………ん?えっ!!?」
加害者である少年Bが死なせかけた少年Aの父親の役職に驚きつつ、雑誌を読み進めていると《少年Aの母親》の役職も記載されていた!
「被害者の母親は《外交官》!!!??外交官っていうと…国を代表して海外で色んな交渉をする仕事…。海外のヒーロー関係者達との協力や提携に大きく関わりのある凄い役職だったよね………これって…日本のヒーロー社会が危うくなるってことなんじゃあ…」
雑誌に記載されていた《被害者である少年Aの両親の職種》に僕は心底驚愕させられた。
「警視監と外交官の息子……そんなサラブレッドに一方的な暴力を振るった上に瀕死の重症を負わせた………何やってんだよアイツ…小さい頃から『オールマイトを超えるヒーローになる』なんて言っておきながら………光己さんと勝さん、大丈夫なのかなぁ…?」
僕は《かつて自分を無個性という理由で散々傷つけてきた幼馴染み》の心配よりも、そんな無個性差別の息子の親とは思えないほどに無個性の僕へ優しく接してくれた《爆豪 光己》さんと《爆豪 勝》さんの2人が心配になった…
1年前の事件の時は、警察や公安委員会が僕の情報を隠蔽工作をしたことで有耶無耶となり、かっちゃんの両親があの事件の真相を知ることはなかった…
だが今回はそうはいかない…警察も公安委員会も相手が相手であるため、いくら雄英高校の生徒であろうとフォローすることが出来ないんだろう…
そんな息子の犯罪が公表された以上、親である2人はお先真っ暗で間違いない筈だ………
僕は《読んでいた雑誌》と一緒に《スポーツドリンク》を買って、自宅へ戻った…
いつもよりも早く起きてトレーニングを終わらせたからか、自宅に戻っても活真君と真幌ちゃんはともかく、お母さんもまだ眠っていた…
僕は3人を起こさないよう静かに居間へ移動し、さっき買ってきた雑誌を再び読みながら考え事をした…
「もし…僕のお母さんやお父さんが…かっちゃんの仕出かしたことを知ったらどう思うのかな…」
《僕のお母さん》と《かっちゃんのお母さん》は、僕やかっちゃんが赤ん坊の頃からの1番のママ友で大の仲良しだ。
でも1年前…《かっちゃんがこれまでの10年間で僕に何をしてきたのか》を知ったお父さんとお母さんは衝撃を受けた。
お母さんは僕が虐められていた内容の一つ一つを、僕のノートを確認した塚内警部が覚えている範囲で聞かされる度に気絶する程のショックをしていた…とお父さんは言っていた。
当然そんなことを知ったなら、いくら温厚な僕のお父さんとお母さんも黙っているわけがなく、かっちゃんや僕をイジメて差別していた生徒や教師達を裁判に起こそうした。
だけど、警察と公安委員会が証拠品である《僕のノートと教科書》を秘密裏に隠蔽をしただけでなく、他にも色々と根回しをされたことで、結果は裁判を起こすことは出来ずに両親は悔し涙を飲まされた…
しかも、ヒーロー公安委員会は根津校長や塚内警部達に対して《1年前の真実》を外部へ漏らすことまで固く禁じる命令を下した……と去年4月に退院して飛行場へ向かう途中に塚内兄弟が教えてくれた…
それによって、真実を知らない者達(爆豪一家など)に対して何も言うことが出来ず、結果この島へ引っ越す際《折寺町の人間》へ僕とお母さんは挨拶も何も言わずに去ったのだ…
因みにお母さんは心機一転をかねてなのか、《僕》と《お父さん》以外のメールアドレスは全ての削除と着拒にした…
僕もお母さんと同じく、退院する前に家族以外のメールアドレスを削除と着拒した。
だから折寺町の人達から僕達に連絡することは絶対にない…
それともう1つ、僕がこれまで集めていたヒーローグッズは全部処分………しようかと思ったけど、どうせ捨てるなら売って少しでもお金にしようと考え直し、海外に戻る前のお父さんに頼んでネットなどを使い《僕が持っていたヒーローグッズ》を全て売りに出してもらった。
そう簡単に全部は売れないかと思ってた僕だけど、なんと退院する前に全部売り切れたんだ。
ヘドロヴィラン事件の一件でオールマイトは更に評価されていたからなのか、僕が持っていたオールマイトのヒーローグッズは中古でも直ぐ様に良い値段で売り切れたらしい。
今まで僕が買ったヒーローグッズの合計金額が全部でいくらなのかは僕自身覚えてないけど、後日そのヒーローグッズを売ったことで得たお金の金額は、僕が見た感じでは十分な額が帰ってきたと思っている。
そしてお金は、去年から受け始めた《個性使用許可免許証の試験代》と《交通費》として有意義に使わせてもらってるよ。
僕とお母さんの移住先が《この島(那歩島)》であること知ってるのは《僕の秘密を知る人達(根津校長やリカバリーガール等)》だけ…
だから折寺町の人達と僕達に関わることは不可能…
「…とはいえ、こんな大スクープはきっとTVでも大々的に報道させるに決まってる…。そうなればお母さんもお父さんもいつかは気づいちゃうよね…」
その時、お母さんとお父さんは何を思うのか?
そんな僕の《両親への心配の気持ち》を嘲笑うかのように…
今年のヒーロー社会は、正に《苦難の連続》という年になっていった…
4月に発生した《雄英高校内の殺人未遂事件》を皮切りに、例年では考えられない程の事件が本州で数々発生していった…
僕はそれをスマホ、TV、雑誌、新聞を通して知っていくことになる…
※緑谷出久が雄英高校にいない…
この時点でヒロアカ世界に住む人々の運命は大きく変わってしまうと私個人は思っております。
この番外編(20万UA記念)において、那歩島編を迎えるまでの間に、ヒロアカキャラクター達は当たり前のごとく原作とは違う道を進むこととなってしまいます。
その手始めとなってしまったのが《少年A》こと《赤谷 海雲》と、《少年B》こと《爆豪 勝己》の2名です…
今作の番外編における赤谷君の両親の役職は、父親が《警視監》、母親は《外交官》というヒロアカ世界でもかなり上の職業としました。
そんな凄い仕事に勤めている両親の子供を、私利私欲で理不尽な暴力を振るった上に瀕死の重症を負わせたとなれば…《爆豪 勝己》はただでは済まされないことでしょう…。当然、爆豪夫妻も…
緑谷引子さんが、活真君と真幌ちゃんのお母さんに似ていると言うのは、私のオリジナルです。
最終チェックが終わり次第、次の話(番外編2作目3話)も投稿いたします。