五十里啓とかいう勝ち組に転生した件について   作:カボチャ自動販売機

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ぼくの執筆中小説が溜まりすぎてワケわからなくなったので、整理のために、昔書いて投稿せずにお蔵入りした小説を無理矢理完結させて投稿していくシリーズ第一弾。
なので俺たちの冒険はまだまだこれからだエンドです。
数年前に書いたものなので、矛盾とかあってもスルーしてあげてください……。


プロローグ

ライトノベルのキャラっていうのは、簡単に死ぬ。

 

死ぬことはなくても、痛かったり、辛かったり、最後がハッピーエンドだったとしても、そこまでには数々の困難があって、それを乗り越えるために頑張っちゃったりしないといけないわけで、それってとてつもなく面倒なことだとぼくは思う。

 

そりゃキャラ、登場人物なわけだから、そいつが存在することに大かれ少なかれ、物語に影響を及ぼすような意味があるのは当然なんだろうけども、寝てたら物語が完結してました、ハッピーエンドだ、ラッキー!みたいな楽勝な展開が、実際、一番良いわけで。

 

 

ぼくは、そうなるようにしたいから、物語とか、ぶっ壊しますよ?

 

 

 

 

 

 

五十里 啓(いそり けい)

ぼくは魔法科高校の劣等生というライトノベルに登場する、そのキャラに転生したようなのだ。

 

最初は思った。

 

五十里啓って、何その微妙なキャラ、どうせなら達也とか深雪とかにしろよ、と。

 

主人公とそんなに深い関わりがあるわけでもなく、何か隠された力があるとかそんなこともなく、物語に何か凄い影響を及ぼすわけでもない、所謂サブキャラ。

 

転生したものの、なんだか微妙、損した気分。

 

 

そう思っていた過去のぼく、愚かなり。

ぼくは悟った。

この五十里啓というキャラ……かなり勝ち組だ。

 

『五十里』、という百家本流の一つである良い家柄に生まれ、容姿は少々中性的過ぎるものの整っており、物語中、こっそり生徒会役員をやってたり、論文コンペで発表者になったり、チョロチョロと活躍、成績も優秀なようで、目立たないものの、中々の優等生。

 

そして何より……可愛い婚約者がいるリア充だ。

 

物語中、果たしてこいつ以上のリア充が、いただろうか。

 

そう、五十里啓は微妙なキャラなんかじゃない。

現実的に考えると、凄く良い転生先だったのである。壮絶な過去なんて無くて、そこそこ裕福で、そこそこ優秀で、そこそこ人望もあって、婚約者がいる、そんな絶妙なサブキャラ、それこそが五十里啓なのだ。

転生万歳!

 

ただ、そんな五十里啓にも、一度だけ、瀕死の重症を負ってしまう場面があるのだ。

原作の横浜騒乱編、つまり、五十里啓が二年生の時の論文コンペで、婚約者の千代田花音を庇って、榴弾の破片を背中一面に浴び致命傷を負っている。

その後すぐに現れた司波達也の『再成』によって完全に元通りにはなるものの、下手すれば、いや、たまたま助かっただけで死んでいても何らおかしくはない状況だった。

 

 

それが、五十里啓に用意された唯一の関門。

 

 

また、同じようなことが起こった時、主人公(司波達也)が間に合うとは限らない。

むしろ、あんなタイミング良く登場できた方が奇跡、物語(エンターテイメント)故の演出なのだから。

 

 

もう死ぬのは御免だ。

死んだ記憶はないとはいえ、転生した以上死んだのだろうから。

また転生できるかは分からない、今度は本当に死んでしまうかもしれない。

 

 

生きる目的とか、そんなことは単純で、夢も希望も大それたものじゃないけど。

 

 

一人の人間として、幸せになるために。

 

 

ぼくは、物語をぶっ壊す。

 

 

 

これは五十里啓(ぼく)世界(物語)への反乱である。

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