鬼殺の詩人   作:八ッ葉

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サブタイトルが思い付かない…


ちょっと無理矢理過ぎたかな。


そしてDMCと鬼滅の小説がちょっと多くなった?まぁ…鬼ぃちゃんとおっさまが鬼滅世界に来た小説にはびっくりしたけど。


捜索

――昼間山道にて

 

 

V達はその後童磨から何故悪魔の気配がしたのか話していた。

 

Vは人が座れるくらいの大きさの岩に座り、グリフォンは近くの木に足を下ろし羽繕いをしながら話をしだした。

 

 

『しかしなんだってあんなはっきりした悪魔の気配がしたんだ?』

 

 

「どうあれ悪魔達が絡んでるのは間違いないだろう、俺たちのやるべき事が増えたな」

 

 

『あー…やだやだ…こんなところでもあいつらと殺りあうとはな…』

 

 

「とりあえず目的は変わらないな、鬼の始祖を探すということには、奴が悪魔とどういう関係があるのかをな」

 

 

『まあ十二鬼月が現れたってんなら一歩前進だな』

 

 

 

V達は少し休んだ後出発しだした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同じ時。輝哉の屋敷にて輝哉としのぶが居間で話し合っていた

 

 

「そうか…あの子達は無事だったんだね…」

 

 

輝哉はある山に住んでいた双子の少年の身が保護されたという情報が入り安堵していた。

 

 

「はい…兄の有一郎君は体に締め付けられた痕のようなものがあるだけで、弟の無一郎君の方は頭を強く打っていますが命に別状はないかと」

 

 

「さすがだねしのぶ、藤の毒だけではなく医療面でも君は鬼殺隊の要だよ」

 

 

「感謝の極みですお館様」

 

 

しのぶは輝哉に頭を下げた。

 

 

「さて…しのぶ、カナエの推薦により君を新たな柱に任命したい。」

 

 

「私なんかが…よろしいのでしょうか」

 

「君の努力は鬼殺隊に新たなる光を見出だしてくれた、それに柱になるための条件を軽々と達成してしまったしね」

 

 

「それでも…姉さんのように私は鬼の頸が切れません…私は…柱の皆さんの足を引っ張ってしまいます…」

 

 

 

「しのぶ、君は君らしく己の責務を全うするんだ。カナエと同じように振る舞おうとしなくても君は立派な柱になれる」

 

 

「お館様…」

 

 

しのぶは顔を上げ輝哉の顔を見上げた。

 

 

年々ひどくなっていく鬼舞辻の呪い、額部分はもうほとんど爛れてしまっていて今はかろうじて右目が見えているが恐らく少なく見積もって半年後には両目が見えなくなってしまうだろう。

 

 

普通ならこうなってしまえば絶望してしまうがこの人は違う。

 

 

この人は自分の代で鬼を根絶することを固く誓っているため諦めずに私達の事を信用してくれている。

 

 

 

「…分かりました 柱の称号喜んでお受けいたします」

 

 

しのぶは姿勢を正し輝哉の方を見据えた。

 

 

 

「では…胡蝶しのぶ、君を新たな柱“蟲柱”に任命する」

 

 

「御意…柱の名に恥じぬよう全力を尽くします」

 

 

しのぶは頭を下げて誓いを口にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく後

 

 

「ふう…これでよし…」

 

 

蝶屋敷では着物に着替えていたカナエが洗濯物を干していた。

 

 

「「「カナエ様ーー!!」」」

 

 

「あら?皆どうしたの?」

 

 

きよ、すみ、なほ達が縁側からカナエのもとに近寄ってきた。

 

 

「「「しのぶ様からお手紙です!」」」

 

 

 

「しのぶから?何かしら?」

 

 

彼女達から手紙を受け取り手紙を広げて内容を確認する。

 

 

「まあ!やったわねしのぶ!今日はお祝いだわ!」

 

 

「カナエ様?どうかしたのですか?」

 

 

「カナエ姉さん?」

 

 

アオイとカナヲが追加の洗濯物を持ってきてカナエのもとに来ていた。

 

 

「しのぶが新しい柱になったわ!アオイ!洗濯物を干し終わったら買い物に行きましょう!」

 

 

「本当ですか!?分かりました!」

 

 

「わ、私も行きたいです!しのぶ姉さんをお祝いしたいです!」

 

 

アオイとカナヲは迅速かつ丁寧に洗濯物を干して準備を進めていた。

 

 

「ふふ…二人とも張り切ってるわね」

 

 

 

「あの…」

 

 

 

「ん?」

 

 

ふいにカナエに声をかけてきたのでカナエは声の方に振り向くと。

 

 

「あら有一郎君?平気なの?」

 

 

「はい…無一郎ほどたいした怪我はしていないので」

 

 

この屋敷で療養している時透兄弟の双子の兄、時透有一郎が声をかけてきた。

 

 

「それと…ありがとうございます…俺たちを治療していただいて…」

 

 

「いいのよ〜それより…有一郎君もあの人に助けられたの?」

 

 

「刺青の男ですか?はい…喰われそうになったところを黒い豹が助けてくれて、その後に青い鳥が雷を鬼に浴びせてあいつがトドメを刺しました…」

 

 

「やっぱり…彼は何処にいるのかしら…会ってお礼が言いたいのに…」

 

 

「俺も!…礼が言いたいです…言いそびれてしまったので…失神してしまうなんて…」

 

 

「ふふ…あなたも私や錆兎君と同じように彼に助けられたからね」

 

 

そうこう話していると。

 

 

「カナエ様!洗濯物干し終わりましたー!」

 

 

アオイの声が響いてきたのでカナエは話を切り上げた。

 

 

「有一郎君ごめんね話の途中で、今から買い物に行ってきちゃうから」

 

 

「あの!荷物持ちくらいなら…俺でも…」

 

 

 

「あなたは患者よ、無理をしちゃだーめ」

 

 

カナエは有一郎の額を人差し指で突いた

 

 

「それでも…屋敷にいるだけでは体がなまってしまいますし…」

 

 

 

「ん〜困ったわね……分かったわ…でも無理はしないで!約束よ?」

 

 

「…はい!」

 

 

カナエは有一郎の小指に自身の小指を絡めて数回上下に動かした。

 

 

「……よし!では行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここには悪魔の文献はないな…」

 

 

Vは現在海外の書籍を取り扱っている本屋で悪魔に関する書物を探していた。

 

 

少し探し回っていると、グリフォンがVの右肩に雀ほどの小ささになって出現した。

 

 

『スパーダの伝説もこの地には根強く浸透してねーしな、っていうか調べたところで尻尾も掴めると思えねーぞ』

 

 

 

「無いよりはましだろう、それに奴が鬼になったのは悪魔のせいだと俺は考えてる」

 

 

『は?どういうことだ?」

 

 

 

「珠世から聞いた話によると鬼舞辻は鬼になる前は人間だったそうじゃないか、人間に超越的な力を与えられるのは奴等だけだ」

 

 

Vはかつて人間から悪魔になった男を思い出していた。

 

 

『でもよぉ…悪魔どもはなーんでそんな事するか分からねーな何のメリットがあるんだ?』

 

 

「奴等は気まぐれで行動することもある、まぁ考えたくもないがな」

 

 

『同感だね』

 

 

「ここに用はないなもう行くぞ」

 

 

Vは本屋から出ていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「有一郎君大丈夫?結局荷物持ちになっちゃったけど…」

 

 

「大丈夫です!杣夫で鍛えられてるんでこれくらい楽勝です!」

 

 

 

「頼りになるわ〜さすが男の子ね」

 

 

しのぶのお祝いとして街に買い物に出掛けていた彼女達は二手に別れて買い物をしていた。

 

 

カナヲとアオイは野菜などをカナエと有一郎は魚やそろそろ無くなりそうだったお米を買いに来ていた。

 

 

そしてそろそろ合流の時間になっているため指定の場所に来ていたのだが…

 

 

 

「おかしいわ…あの子達が時間を間違えるなんてことはありえない筈…」

 

 

「何かあったんでしょうか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少し前

 

 

「こんなものね…カナヲ、そろそろ行くわよカナエ様達との合流時間までもうすぐよ」

 

 

「あ、待ってアオイ」

 

 

カナヲはアオイのもとに向かってトテトテと走っていたが。

 

 

「…あ!」

 

 

石に躓き持っていた果物を落としてしまった。

 

 

「もう!なにやってるのカナヲ!ほら拾うわよ!」

 

 

「ご、ごめんねアオイ…うぅ…」

 

 

「う…ごめんなさい言い過ぎた…あぁ!ほら!手分けして拾いましょう!」

 

 

アオイとカナヲが落ちた果物を拾っていた時。

 

 

「ほら、遠くに転がって行ったものは拾ってきたぞ」

 

 

カナヲとアオイの前に刺青だらけの手が差し出されており手の上には転がって行った林檎が乗っていた。

 

 

「あ、ありがとうございます…ほらカナヲも」

 

 

「拾ってくれて…ありがとうございます…」

 

 

「気にするな、それよりも急いでるんじゃないのか?」

 

 

カナヲとアオイはハッ!として懐中時計を見た。

 

 

「あぁ!合流時間が過ぎてる!あの!申し訳ありませんがこれで失礼します!カナヲ!急ぐわよ!」

 

 

「うん!あの!改めてありがとうございます!」

 

 

アオイとカナヲがお礼を言うとVはそのまま彼女達を見送った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「申し訳ありません!遅れました!」

 

 

予定の時刻より少し遅れてアオイとカナヲはカナエ達と合流した。

 

 

「珍しいわね二人とも、時間を過ぎてしまうなんて」

 

 

「ごめんなさい…私がドジしちゃって…」

 

 

「あぁぁ!カナヲ!その事はもう大丈夫だから!」

 

 

「何があったの?」

 

 

「私が転んで果物を落としてしまって…」

 

 

「あらあら…カナヲったら珍しいわね、でもアオイも私達も怒ってないから気を落とさないでね」

 

 

カナエはカナヲの頭を優しく撫でてにっこりと微笑んだ。

 

 

「はは…でも良かったよ、何か良くないことが起きてなくてな」

 

 

有一郎が二人を案じて探しに行こうと思った時に二人が戻ったため、カナエと有一郎は安心した。

 

 

「はい、むしろ親切な人が手伝ってくれました、刺青だらけで怖かったですけど…」

 

 

その瞬間カナエと有一郎が目を見開いてアオイに詰め寄った。

 

 

「アオイ!その人刺青の他にどんな特徴だった!?」

 

 

「えぇ!? えっと…袖無しの外套を着てて白い杖を持ってました…」

 

 

 

「そいつはいまどこに!?」

 

 

「え…えっとあっちのほうに…」

 

 

アオイは自分の歩いてきた方を指差していた。

 

 

「カナエ姉さん?有一郎さん?一体何が…」

 

 

「ごめん!アオイとカナヲは先に帰ってて!私達その人に用が――」

 

 

 

バササッ

 

 

カナエの前にいきなり鎹鴉が現れ、その足に手紙が巻き付かれていた。

 

 

「胡蝶シノブカラ手紙ダ!」

 

 

「しゃ…喋った?…おかしいな…鳥って喋るのか…?」

 

 

有一郎は頭が混乱していた、自分を助けてくれた男と一緒にいた青い猛禽類の鳥を思い出して。

 

 

「有一郎君しっかりして!それよりしのぶから?」

 

 

カナエは鴉の足に巻き付けられている手紙を取って広げた。

 

 

「そんな!有一郎君!やっぱり今すぐ屋敷に戻りましょう!」

 

 

「えぇ!カナエさん!?あの人はどうするんですか!?」

 

 

「それよりも大事なの!無一郎君の意識が戻ったけど記憶に問題があったみたい!」

 

 

「!無一郎!」

 

 

有一郎は米俵を担ぎながら蝶屋敷に戻っていった。

 

「えぇ!?有一郎君そんな重い物持ってそんな走ると…って行っちゃった…」

 

 

「カナエ様!私達も行きましょう!」

 

そして彼女達は遅れて蝶屋敷へと急いでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蝶屋敷に着いた有一郎は米俵を玄関に置いて一目散に弟の元に向かっていった。

 

 

「無一郎!」

病室のドアを開けて最初に目にしたのは新しい柱になった胡蝶しのぶと上半身だけを起こしてベットに座っている無一郎だった。

 

 

「有一郎君!さっき無一郎君の意識が戻ったの!でも…彼からは記憶の一部が無くなっていて…」

 

 

「そんな…無一郎…」

 

 

有一郎は重い足取りで無一郎に近づいていきベットのそばに近付いた。

 

 

「……あなたは…」

 

「あぁ…俺だ無一郎…お前の兄だよ…」

 

 

 

「兄さん…?」

 

 

「……くっ!何でなんだ!何で…!」

 

 

「有一郎君…」

 

 

有一郎は無一郎の記憶が消えてしまったことによる悲しみにより膝から崩れ落ちてベッドのシーツに顔を押し付けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「大丈夫だよ兄さんちゃんと覚えてるよ」

 

 

「「…え?」」

 

 

しのぶと有一郎は今の言葉に疑問を持ち顔を上げた。

 

 

「確かに少し記憶は混濁してるけど兄さんの顔を見たら思い出したよ…」

 

 

「無一郎…!」

 

 

有一郎は無一郎を抱きしめた。

 

 

「心配かけさせやがって…!本当に…!馬鹿だよ!お前は!」

 

 

「うん…!ごめんなさい!兄さん…!」

 

 

無一郎はそのまま有一郎と同じように抱きしめて涙を流した。

 

「ところであの刺青が凄かった人は今何処に…僕達を助けてくれたお礼を言わなくちゃ…」

 

 

「ちょっと待て無一郎!お前あの時起きてたのか!?」

 

 

その言葉を聞いた有一郎は抱きしめるのを辞め、無一郎の肩を掴んで問いただした。

 

 

「…うん…少しだけだったけど…あの人の事は…覚えてる」

 

 

「……ますますあいつを連れてこなくちゃな」

 

 

「有一郎君、例の刺青の人よねそれって…」

 

「はい、無一郎と俺を襲った奴を殺した男です」

 

 

「やっぱり総力を上げて探すしかないわね…鬼殺隊から逃げれると思ったら大間違いよ」

 

 

「しのぶさん…あいつはたぶん悪い人ではないんで…手荒な真似は…」

 

 

「ふふ…冗談ですよ、でも本当に足取りが掴めないのはおかしいわ」

 

 

しのぶは可愛らしく微笑んだ後真剣な表情になって考え出した。

 

 

「あの…実はさっきカナエさん達と買い物に出掛けていった時に街にいたらしいんです…」

 

 

「えぇ!?そうなの!?というより何であなた達は追わなかったの!?」

 

 

「いや…無一郎の方が重要ですし…」

 

 

「…あ、ご、ごめんなさい…無神経だったわ…」

 

 

しのぶは申し訳なさそうな表情をして有一郎に頭を下げた。

 

 

「いえ!無一郎が無事ならそれで…そういえばカナエさん達を置いてきてしまった…」

 

 

そんな事を言っていると病室の扉が開かれた。

 

 

「はぁ…はぁ…有一郎君…米俵持って走っちゃ駄目でしょ…」

 

 

「……姉さん…どういう事?」

 

 

「…え?…し…しのぶ…?…あ」

 

 

カナエは今自分が言ったことに気がつき顔を青くした。

 

 

目の前の妹はにっこりと笑っているが青筋が何本も額に走っていた。

 

 

「何で有一郎君に米俵なんか持たせてるの?彼はまだ安静の筈だったのだけれど?」

 

 

「ご、ごめんなさいしのぶ!私も無理はしちゃ駄目って言ったのだけれど…」

 

 

「お、俺が行きたいって言ったんです!カナエさんは悪くありません!」

 

 

「……はぁ…分かりましたよ…腑に落ちないですがお咎めはなしにします」

 

 

しのぶは呆れた表情をしてため息を吐いた。

 

 

「…それより姉さん、その男は今も町にいる?」

 

 

「ううん…多分もういないと思う…」

 

 

「…そう…また…」

 

 

「鬼殺隊もそいつを探してるんですか?」

 

 

有一郎がしのぶやカナエに訪ねると。

 

 

「えぇ、数年前鬼殺隊の入隊試験を行う藤襲山で現在の鬼殺隊士の錆兎さんが助けられたのが最初です」

 

しのぶが有一郎や無一郎にVがどう鬼殺隊に関わってきたのかを喋った。

 

「錆兎さんの話によると日輪刀や太陽の光、私の作った藤の花で作った毒でしか殺せない鬼をただの杖を突き刺しただけで倒したことで鬼殺隊に目をつけられたのです。」

 

 

次にカナエが口を開く。

 

 

「その後は数年間私達の前に姿を現さなかったけど、私が上弦の弐という鬼に殺されかけた時に不思議な力で彼は私を助けてくれた、だから彼に会いたいの…助けてくれたお礼を言えてないから…」

 

 

「上弦の弐…?」

 

 

有一郎はいまカナエの言った言葉の中に聞き覚えのある言葉が聞こえた。

 

 

「上弦の弐って“童磨”とか言う奴ですか?」

 

 

「え…!な、なんで知ってるの!?それは鬼殺隊にしか知っていない筈なのに!」

 

 

「まさか…有一郎君…あの鬼と会ったの?」

 

 

しのぶは驚愕し、カナエは冷静に有一郎に訪ねた。

 

 

「は、はい…俺があいつに何者か訪ねた時にいきなり現れたんです…すごく不気味でした…あの異様な雰囲気に当てられて失神してしまったんです…」

 

 

「…そんな事が…あの鬼は何か言ってた?」

 

 

「ブイの事を最近鬼を殺し回ってる男って言ってました…」

 

 

「まずいわ…十二鬼月が動いてるとなると彼の身が危険だわ…!早く見つけないと!」

 

 

カナエはVの身に危険が及んでいることを知り、早く彼を見つけなければと焦っていた。

 

 

そんな時に無一郎が。

 

 

「鬼殺隊って僕でもなれますか?」

 

 

「無一郎!?お前!」

 

 

「このまま守られっぱなしは嫌だ!兄さんも僕も殺されかけたんだ!それにあの人も…鬼殺隊に入れば会える確率が上がるかも知れない…」

 

 

「…………」

 

 

有一郎は顔をしかめて俯いていた。

 

 

弟が死地に赴く事をこのままにしていいのかという葛藤に悩まされていた。

 

 

そしてしばらくして。

 

 

「なら…俺も入る!お前だけを危険な目に合わせない!だから…」

 

無一郎の手を握って。

 

 

「俺はお前と人々の平穏を思って戦う…だからお前も俺と人々の平穏を思って戦ってくれ…」

 

 

無一郎は一言「わかった」と言って頷いた。

 

 

かくしてここに新しい剣士が二人誕生した。

 

 

双子は同じ呼吸法を身につけ、実力は二人ともわずか二月という短い期間で柱に近い実力を身につけていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

時透兄弟が剣士になる誓いを立てた時に胡蝶姉妹は。

 

「そうだしのぶ、ちょっと待ってて」

 

 

カナエが病室を出て自室にある物を取りにいった。

 

 

「姉さん…それって…」

 

 

戻ってきたカナエが持っていたのは自身が身につけていた羽織だった。

 

 

「今日からあなたがこの羽織を纏ってね、私は柱の称号を返上するから」

 

 

「姉さん!?それどういうこと!?説明して!」

 

 

「私はあなたが柱になったら一般隊員になろうと考えてたの、それに私には皆と同じ立場に立てないわ」

 

 

「そんなのおかしい!姉さんはすごいのに!何でそんな事を言うの!?」

 

「私の夢は長らく理解されない、痛感できたの…上弦の弐に殺されかけて…だから私は柱を降りてあなたの研究を手伝いたいの」

 

 

「柱を降りる理由になってない!何でなの姉さん!それだったら柱の称号を返上しなくてもいいじゃない!」

 

 

「しのぶ…やっぱりあなたの言うとおり、鬼とは仲良くなれないのかも…だから私の考えを持つ者は柱にいる資格はないの」

 

 

「……ッ!姉さん…!」

 

 

カナエは俯いてしまい、自分の夢が叶えられなくなった事を悔やんでいた。

 

 

しのぶはカナエの意志が固いことを感じ取りこれ以上言ったら姉を更に悲しませてしまうと思った。

 

 

そしてしのぶはあることを決意してカナエを見据えて、羽織を持ってる両手に手を添えた。

 

 

「なら!私が姉さんの夢を!意思を継ぐ!これからは鬼にも違う目を見る!だから姉さん…」

 

 

そして鬼殺隊としては異例の誓いを口にする。

 

 

「これからは鬼を人に戻す薬を作ることも開始する!この意思は変わらないわ!梃でも動かせないんだから!」

 

 

「しのぶ…その道は茨よ?それでもいいの?」

 

 

「いいの!だって私は姉さんの妹だから!姉さんと似た考えを持つのだって当たり前よ!」

 

 

そう言ってしのぶは子供のような笑顔を浮かべた。

 

そしてカナエも同じように笑顔を浮かべた。

 

 

「…わかったわしのぶ!これからもよろしくね!」

 

 

「うん!こちらこそよろしく!姉さん!」

 

 

そしてカナエはしのぶに羽織を着せてこれからの新しい挑戦を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――そして数年

 

 

ある山に隊員達が次々と消息を絶っている情報が輝哉の耳に入ってきた。

 

 

その山の名は“那田蜘蛛山”

 

 

 

そして同じ時その山の近くでその男は那田蜘蛛山を見つめていた。

 

 

「ここから少しだが悪魔の気配がするな」

 

 

『一旦様子見に行ってくるぜ』

 

 

「頼んだ」

 

 

そう言うとグリフォンは飛びだっていった。

 

 

 

「さてこの山に手掛かりがあるといいが」

 

 

そう呟くと

 

 

 

「ひぃぃぃぃ!!!なんかヤバイ奴いるよぉぉぉぉ!!刺青だらけだから絶対ヤクザだよーぉぉぉぉ!!!」

 

 

 

「うるせぇぞ!!あんなひょろながに怯えてんじゃねぇぇぇ!!!」

 

「こら!失礼だぞ二人とも!あぁすいません!二人が失礼なことを言ってしまって!」

 

 

三人の少年の声が後ろから響いてきたので振り返ると。

 

 

一人は珍しい金髪で恐らく先ほど悲鳴を上げていた少年、一人は猪の被り物を被っており鍛えられた上半身を晒している、そしてもう一人は赤寄りの黒髪をしていて額の左側に痣があり、花札のような耳飾りを着けている。

 

 

「お前らは…?」

 

 

「俺たちはこの山に用があってきました!」

 

 

そしてこの少年達に会ったことでVは鬼殺隊と本格的に関わっていくことになる。

 

 

 

 





ここから原作に繋げていきます。


そして戦闘描写とかも多くしていかないと…苦手なんだよなぁ…




次回も不定期です。

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