羽衣狐ルート   作:眼鏡最高

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第一話 封印開放

今日は実に良き日だ。

ぬらりひょんの息子を殺す事ができ、ようやく体も完全に手に入れた。素敵な気分で我が家に帰ろう、と道を歩いていたら何やら懐かしい気配が森の奥から感じた。

 

気まぐれに森の中を進むと、そこには二重五芒星の封印に、置き石にまで五芒星が彫られている。なかなか大物の妖怪の封印したのか厳重じゃ。だが風雨や月日で封印がゆるみ、はずれかかっている。それで妖気が漏れ出したか。

 

ん?これは、成る程のぅ。

近づいて分かったが、この妖気は間違いなく奴じゃな。

仕方ない、起こしてやるかの。

 

しかし、いい拾い物をした。

 

〜〜〜

 

長い間、無音の真っ暗闇だった。

 

だが今は、激しく!煩い!気持ち良く寝てんのに!

「うるせぇよ!この阿呆が!」

とりあえず煩い音の方に怒鳴った。

 

「妾は、お主を封印から解放した恩人じゃぞ。その言い草はなんじゃ『朱天総司』よ」

 

「ん!?お前は…、誰だ?」

まったく知らない童女が、そこに立っていた。

髪も目も服も黒いが雰囲気が何よりも一番、真っ黒だ。こんな童女一度見たら忘れないはずだがな…

ただ、この尊大な物言いは聞き覚えが、あったような、なかったような。誰だったか…

 

「妾が、わからぬか?」

薄気味悪く童女は黒く微笑んでいた。面倒だし苦手だが少し集中して妖気を探ってみた。いつもより何故か一刻半ほど時間がかかったが、ようやく分かった。

 

「寝起きに羽衣狐か、最悪だな。つか、その無様な姿は何だ?だいぶ小さくなったな」

ずいぶん様変わりしてたから気が付かなかったな。

 

「随分な言いぐさじゃの。妾は転成妖怪じゃぞ。それに無様と言うなら、お主の方じゃろう」

狐が訳のわからない事を言うので、何気無く自分の手を見ると…

 

「なっ?!なんじゃこりゃ?!」

縮んでる!俺の手が童のような手になっとるがな!

はっ!すぐに俺は頭に触ったが、角が!角まで縮んでる!

しかも立ち上がったら狐と同じ目線だ!なにこれ!どうゆう事だ!

 

「おそらく封印されて妖気が霧散し、幼児化して極力妖気を押さえようとしたのじゃろう。このまま封印されていれば消滅していたであろうな」

アゴに指を当てて考え込むように狐は言った。

 

「なっ?!…糞、何が目的だ」

狐とは反りが合わない、あいつは仲間を阿保みたいに集めるが、俺は一人で行動するのが好きだ。それに狐に何度も勧誘されて面倒だったし、女は苦手だ。

 

「話しが早くて助かるの。妾の悲願、やや子を産むまで協力して欲しい」

癇に障る笑顔を作り、そう狐は言った。

 

「良いけどよ。具体的に何すりゃいいんだ?」

一応、狐に助けられたと思うし、恩は恩なので了承した

 

「妾の護衛じゃな」

 

「必要か?お前、強いだろ」

 

「一匹狼のお主が妾の仲間になれば宣伝効果になる。今は妖気が霧散しているが、お主は強い。まぁ頭は悪いが、頭の回転は悪くないからの」

 

「ふ〜ん。よう分からんな」

狐と話していたら、背後から胸糞悪い気配がしたので。

 

「おらっ!!」

素早く振り返り、気配がある辺りに拳を振るった。なっ、なんてこった!本気で殴ったのに地面が5尺ほどしか陥没してねぇ。今の俺、弱っ!絶望していたら横から爺の声がした。

 

「ふぇふぇふぇ、いきなりで驚きましたぞ朱天殿。私は羽衣狐様にお仕えしている。みなごろし地蔵と申します。以後、よろしくお願いしますぞ」

胡散臭い爺だ…

 

「そうか。俺はお前が嫌いだから、仲良くは無理だな」

 

「相変わらず素直な奴じゃ」

狐は半笑いで言い、爺には諦めろと慰めの言葉を言っていた。

 

 

で、とりあえず俺達は狐の家に向かう事になった。

 

 

着いた場所は、大きな屋敷だった。

 

そして狐は玄関の前で。

「ただいま。今、帰ったわ」

めっちゃ、気持ちの、悪い、猫撫で声を、出した。

全身に悪寒が走ったぞ…

 

扉が開き、そこには燻し銀な爺が居た。後で分かる事だが、執事のセバスチャンだ。

 

「お嬢様。そちらの方は、ご友人ですか?」

爺はかしこまった言葉で狐に聞いていた。

 

「えぇそうよ。さぁ総司くん、私の部屋に行きましょう」

何故か狐に手を掴まれ歩き出した。

 

そして狐は部屋に入った瞬間に。

「おぬし、人間に見えるのか?」

 

「あぁ元々人間だし、変化してないからな」

変化は出来るが苦手なので、あまりしない。

つか角しか隠せない。

 

「そうか。ならば人間達に催眠をかけるかの」

 

狐は優雅に茶を飲みながら、みなごろし地蔵に屋敷の人間共に暗示をかけるよう命じていた。

だいたいの設定は、こんな感じだ。俺は狐のイトコで父母が死んで狐の所に来た。

ちなみに転成体の両親も死に、狐は叔父叔母に育てられたらしい。その叔父叔母は催眠で遠くの別荘に居るようだ。

 

 

んで、現代に蘇って一週間が過ぎた。

 

 

飯のメニューは、朝、狐うどん。昼、いなり寿司。晩、狐そば。延々と、このローテーションだ…。馬鹿かっ!どんだけ油揚げが好きなんだよ!アホだろ!いやアホだね!

 

流石に一週間が過ぎた日に、俺は油揚げを断固拒否した。

 

そんで、たぶん一ヶ月ぐらいが過ぎ、俺は学校に行く事が決まった。狐が色んな書類を捏造するのに手まがかかったと言っていた。

 

それにしても学校に行くのが楽しみだ。

 

で、とうとう明日が初登校日だ!チョー楽しみ!

 

夜!寝れねぇ〜!

 

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