もう自分でも意味不明です。
いい汗かいたぜ!!はっ!
100m走を一着でゴールし、俺はガッツポーズした。
最高の気分で校庭にあるクラスの場所に戻ると、狐が椅子に座りペットボトルの茶を飲んでいた。つか、見てたらノドが渇いてきたな…俺はまっすぐ狐に近づいた。
「それくれ」
そう言い、狐のペットボトルを奪い、ゴクゴク一気に飲み干した。
教師や生徒がいる前では強くでれねぇからな狐は。はっはっ!
「ぷはぁ、うまいな」
ただの茶がうまい。にしても周りからキャーキャー女の悲鳴が聞こえるが、なんなんだ?
「きさまは間違いなく阿呆じゃな」
呆れた表情の狐が俺を見上げていた。
「あっ?つか素の喋りになってるぞ」
「誰も近くにおらん」
「そうかい。じゃっ、俺は次の競技に行ってくるわ」
狐に空のペットボトルを返し、俺は玉転がしの舞台に向かった。
玉転がし、メンバーの奴らに気合を入れ、一丸となり全力でやりきった。
長距離走、スタートと同時に全力で走り続けた。
綱引き、クラスの奴らに気合を注入し、本気で綱を引っ張った。
もちろん!全部一位だ!
それらが終わり、昼飯の時間になった。
俺は狐にレジャーシートと重箱を持たされ、狐の後をついて行った。たどり着いたのは校庭の端にある芝生だった。そこにレジャーシートを敷き腰をおろした。狐も俺も今はジャージを着ている。狐の肌は病的に白く、そこはかとなくエロい、ジャージを着てる方が安心するぜ。…んっ?何に安心すんだ?まっ、んな事より飯だな。
いざ重箱を開けると、一段目いなり寿司、二段目いなり寿司、三段目いなり寿司、オールいなり寿司だった。
「お前バカかっ!いなり寿司しかねぇぞ!おい!」
「何が不満だと言うのじゃ?」
心底不思議そうな顔が、腹立つわ!
「しいて言うなら全部だよ!」
「贅沢な奴じゃ…、仕方ないの。しばし待て、そろそろ来る頃だ」
「はっ?」
俺が、何が、と続けようとした時。
「お姉さま〜!」
聞き覚えのある幼女の声がした。振り返って見ると丼を二つ持った狂骨が、こちら向かって走って来ていた。狂骨は俺の前を素通りし、狐の前に座った。
「お待たせしました、お姉さま。きつねそばときつねうどんです」
「うむ。時間通りじゃな、えらいぞ狂骨」
そう狐は言い、狂骨の頭を撫でていた。
「えへへっ、ありがとうございます。お姉さま」
狂骨の、しまりの無い笑い声が聞こえた。ほぼ確実に、しまりの無い笑みをしている事だろう。
狐は狂骨を一通り撫で終わると。
「さて、総司。きつね蕎麦ときつね饂飩、どちらを食べたい?」
「馬鹿かっ!!」
その後、狂骨と小競り合いの喧嘩になった。
仕方なく俺はいなり寿司ときつねうどんを食った。ちなみに狂骨はそのまま居座り、飯を食べている。狐は、いなり寿司を馬鹿食いし、きつねそばを狂骨と半分こで食っていた。
昼飯を食い終わり、まず玉入れをやった。
しかし、これは負けちまった…
あと狂骨は狐の席に座り、観戦している。
んで、次に借り物競争だ。
教員がピストルを打ち鳴らし、俺は全力で走り出した。
『実況は今日誕生日の校長先生と!私!放送部部長!速水スズメです!高だかと鳴るピストルの音共に各者いっせいに走り出しました!グングン早いスピードで躍り出たのは!もちろん!この人!我が学校の不良王子!朱天総司だ!』
俺は一番でクジ箱にたどり着いた。
出てきたクジに書かれていたのは「花束」か。
確か校長、今日誕生日で花束もらってたな。
『おっと!一着でクジを引いた朱天総司!まっすぐ私達の実況席に走ってきます!迫力があって非常に怖いです!』
俺は校長に一言「花束もらうぞ!」声を掛け花束をひったくり、次のクジ箱に向かって走った。
『どうやら!花束が借り物だったようです!校長先生は涙目です!気持ち悪い!あっ!嘘です!相原先生!すいません!マイクを取らないでください!』
二番目のクジ箱から出たのは「シカ」だった。
シカ…、シカ…か、あぁ!校長室にシカの剥製あった!
『これはどうした!現在一位の朱天総司!全力疾走で校舎の中に消えて行きました!そして!現在二位の吉田優は椅子を持ち二番目のクジ箱に到着しました!おっと!校舎から朱天総司が出てきました!シカの剥製を持っております!おそらく校長室の物でしょう!校長先生誕生日なのに踏んだり蹴ったりです!笑え…ません!なんともシュールな絵です!シカの剥製と花束を持ち走っております!』
俺はシカの剥製と花束を持ち、三番目のクジ箱たどり着いた。
「学校一の美人」とクジには書かれていた。
ちっ、シャクだが、一人しか思い浮かばねぇ。
まっすぐ狐の元に向かって走り、椅子に座ってる狐を見つけた。横には狂骨が座っているが、あれは俺の席だろう。何故か狂骨の周りには女生徒が沢山いて騒いでいるのか、狐は俺に気付いてない。
「おいっ!きつね!」
仕方なく大声で読んだ。
「どうしたの?総司?」
猫撫で声の、エセ笑顔の狐が俺を見た。
「いいから、来い」
めんどいので説明ははぶいた。
狐を担ぎ上げると「キャッ」と悲鳴のような声を出していた。
よしっ、さっさとゴール目指すかね。
『おっと!我が学校のアイドル葛葉森羅を朱天総司が担ぎ上げました!花束もあり!非常に絵になります!シカの剥製が無ければですが!そして!朱天総司そのままゴールを目指し走り出した!風を切るように走り!今!一着でゴールしました!一着は朱天総司です!』
しゃっ!やったぜ!一位だ!はっ!
俺が最高の気分でいたら…
「総司、早くおろしてくれないかしら?」
担ぎ上げている狐から、怖いほど優しい声が聞こえた。
「おっ、おう」
出来るだけ、ゆっくり優しく狐をおろした。
「何故、私を担ぎ上げたのかしら?」
「…その方が早いだろ」
「そう。帰ったら、じっくりねぎらってあげるわ」
ニッコリ笑っていたが、目がヤバイ…
何が悪かった…、ぜんぜん思い当たる事はねぇぞ…
俺は意気消沈した。底の底まで。
しかし、すぐテンションを無理矢理に上げて騎馬戦をやり、一位になった。その後も何種目かやり、最終種目のリレーが終わった。
体育祭の結果は、ぶっちぎりの一位で俺達の紅組が勝ち、クラス別でも一位になった。いやぁマジで良い汗かいたぜ!はっはっ!最高に最高だ!ひゃはっー!
体育祭が終わり、かるい後片付けを今はしている。
ちなみに狂骨は狐に言われ、すでに帰っている。
で、狐と共に俺は外にある用具室にカラーコーンをしまっていたら…、扉が突然と閉まった。
「なんだ?風か?」
「阿呆。鉄の扉じゃ、風で閉まるか。ふむ…地縛霊じゃな」
「おい、出て来い。俺は早く風呂に入って酒を飲みたい」
すると、透けた女が空中にあらわれた。
(妬ましい。二人で死ね)
姿と同じで薄い声だった。
砲丸投げの玉が宙に浮き、俺達に飛んできた。
迎え撃とうとしたが…
んっ?妖気が出ない…
あれ?コレはヤバイか?
しかし砲丸が俺に当たる前に、狐が全ての砲丸を尻尾で打ち落とした。
「なっ、何故に妖気が出ない…」
「…お主は本物の馬鹿じゃな」
「あん!?」
「ハァ…妖気を封じる腕輪をしているじゃろう」
「あっ、あぁ〜、そんなんしてたな」
そうだった。狐に「妖気を使って全力を出されてはかなわん」とか言われて、そんな腕輪したな、たしか。すっかり忘れてたわ。
腕輪を外し、俺は地縛霊をブン殴った。
一発で地縛霊は消えていった。
よしっ、さっさと帰るか!