ごめんなさい…
中学生編ラスト。
放課後の夕方、俺は音楽室で歌を歌ってる。クソ真面目になっ!
これもそれも狐が合唱コンクールの委員になったせいだ。あぁ面倒い。
「一度、止めてくれる。はぁ…、総司」
狐は、ピアノを弾いてる女に声を掛け、ため息をわざとらしく出し、残念な物を見る目で、俺の名を呼んだ。
「真面目に歌ってんだろ!」
「…音程が、びっくりするほど外れてるわ」
「んなもん知るかっ!」
「総司は後で居残り練習するわよ」
「えぇ!?俺は帰って『迷探偵ボナン』を見る予定なんだぞ」
「なら頑張って音程を合わせなさい。はい、じゃあ最初から始めるわね」
狐は冷めた目で俺を切り捨て、クラスの奴ら笑顔を振りまいていた。
30分ほどでクラスの練習は終わり、今は俺と狐だけが音楽室にいる。
「無理だって、俺、苦手なんだよ」
「めずらしいの。総司が弱気とは」
「別に弱気じゃねぇ。向き不向きがあんだよ」
「上手く出来るようになったら、ご褒美をやろう」
「なんだ?ご褒美って?」
「妾をやろう」
「いらねー」
そう言ったら尻尾でみぞおちを殴られた。
「がっ!てめぇ何すんだ!コラ!」
「すまぬ。手が滑った」
「アホか!それに尻尾だろ!」
「蚊が止まっていた」
「喧嘩売ってんのか!ボケ!」
その後、まるっとキレイに話を受け流され、30分ほど歌の練習をやり仕舞いになった。狐は鍵を返しに行き、俺は教室で待っていた。
あまりに遅いので、俺は椅子に座り、いつの間にか眠っていた。
寝ぼけ眼で目を開けると、近くに狐の顔があった、気がする。
「ふぁ、お前なんかしたか?」
目をこすりながら聞いたが。
「まったく疲れたわ。あのブタ教師にも困ったものだ。あやつに手を握られた。妾の手が汚れたわ」
まるきり俺の話をスルーし、ブタ教師の話をした。このブタ教師は音楽の教師で、やたら狐に接触している。今度しめとくか、とりあえず要注意だな。
二人で家に帰り、家でも歌の特訓をさせられた。
〜
朝なんとか布団から這い出て、部屋を出た。
いつも通りに狐は油揚げ系統の飯を食い、俺は味噌汁、ご飯、お新香、焼き魚を食った。洗面所に二人で並び歯を磨き、家を出て学校に向かった。
久しぶりに真面目に授業を受けた。
んで、五限目前の休み時間、ブタ教師を見つけた。
俺は後ろから静かに近づいた。
「要件だけ言うぞ。あいつに近づくな。二度目はねぇぞ。わかったな」
注意勧告はしたので俺は教室に戻った。
これでも狐に近づくなら、ぶっ飛ばすかね。
放課後。
また音楽祭の練習をやり、また俺は居残り練習した。
狐の尻尾にぶっ叩かれたりし30分ほどやった。
で、帰ろうと音楽室から出ようとした時。
ピアノの音色が聞こえてきた。
聞いたことあるな、なんだったか?
そんな事を考えていたら。
「エリーゼか…」
と狐がポツリと言った。
ピアノの音はだんだん煩く大きな音になっていった。あまりに煩いので俺はピアノをブン殴った。ピアノは壁際まで飛んで音は止まった。すると、違う楽器がいっせいに演奏を始めた。クソ煩い。なんか腹立つわ。
「総司、あれを殴れ」
狐が指差したのは、面白い髪型してるオッサンの絵だ。
「おう」
走って一気に近づき、飛び蹴りした。
絵は壁にめり込み、全ての楽器の音が止まった。
「帰るぞ」
「おう」
あと合唱コンクールは優勝した。