小学校に入学した。狐と同じクラスだ。ガキと楽しく遊んだり、めんどい勉強したり、とっても美味い給食を食べたり、なかなか学校は楽しい。
俺の一日には執事のセバスチャンに起こされて始まる。最初はリーチや身長の違いイラだったが、もう今は慣れ、余裕で服も着れる。で、一階の居間に向かった。いつも通り狐は油揚げ系統の飯を食い、もちろん俺は別のメニューを食っている。ずっと油揚げメニューなんて、ごめんだ。
飯を食べ終え、8時頃には家を出る。いつも一緒に狐と学校へ向かう。
ちなみに狐の服は真っ黒いワンピースだ。髪も目も靴もランドセルも全部黒い。
俺の服は赤いTシャツに短パンだ。もちろんランドセルも赤だ。
学校に着き、昨日狐に説教されたので真面目に勉強したり、教員にイタズラしたり、たらふく飯を食い、昼休みにサッカーをし、最後の授業は寝て過ごした。
一日精一杯遊び倒し家に帰る途中。
今日もまた『変態』と遭遇した。現れたのは汗ダラダラのデブだ。
狐と一緒に居ると、よく変態に遭遇する。前の日はロリコン野郎。その前はストーカー。その前の前はスーツのオッサン。あと他にも山ほど居たが忘れた。
「森羅ちゃんは可愛いなぁ。えへっ、えへっ、すぐに僕のお嫁さんにしてあげるからね。すぐに僕の物にしてあげるよ」
今日の変態は、今までの中で一番、変態っぽい。
ちなみに『森羅』とは狐が人間の時に使ってる名前だ。
苗字は『葛葉』合わせて『葛葉森羅』だ。
「総司、どうにかしろ」
自分は触りたくも無い、そんな表情をして一歩ほど後ろにさがった。
「あいよ」
面倒なので有無を言わせず顔面を少し強めに殴った。一回転しながら5mほどデブは飛んだ。大まかにだが力の加減も、やっと分かって来た。
デブは鼻がひしゃげ、鼻血を出し、うつ伏せに気絶していた。
狐が、今はあまり目立つ事はするなと言い、出来るだけ人間を殺さないようにも言われた。ただ人間は弱っちいので最初は加減を間違えて酷い事になっていたが、進歩したな俺は。うんうん。
「ゆくぞ」
「おう」
そのままデブを置き去りにし、俺と狐は家に向かって歩き出した。
「お前、変態にす」
俺が喋ってる途中にもかかわらず。
「二度と、その戯れ言は口にするな。いいな、総司」
狐は言葉を被せ、俺の目を見据え、静かに強く言った。
よほど変態が嫌いなんだな…
今度からは狐と遭遇する前に始末しとくか。
まっ、それは、その時に考えよっ。
帰って飯だ!
〜〜〜
今日も学校を満喫し、家に帰ろうと校庭を歩いていたら強い風が吹き狐の黒い帽子が風に運ばれ旧校舎の窓に吸い込まれた。
狐は何も言わず旧校舎の方向に歩き出した。
「取り行くのか?」
「あれは、お気に入りじゃ」
振り返らずに狐は答えた。
早く帰りたかったが、仕方ないので狐の後を追った。
旧校舎の扉は半開きになっていたので、すんなり入れた。狐が先頭を歩き、二階に上がりに進んでいたら何個目かの教室に狐の帽子はあった。
帽子を取ったので早く帰ろうと、昇降口まで戻ったが開かない。
少しばかりムカついたので強くドアノブを引っ張ったが、開かねぇ。
「閉じ込められたな…、どうする?」
振り返り狐を見た。本気でやればドアは破壊できるだろう。
「余興には、ちょうど良い」
ニヤリと狐は笑った。
俺と狐は適当に旧校舎をブラブラ歩いてる。
今までに出会ったのはテケテケに人体模型に石像や猫又あと人面犬。
若い奴ばっかりで、つまらん。でも泥手は、なかなか楽しめた。
トイレに行った時には、便器から腕が出てきた。しかも人がションベンしてる時に背後から首を締めてきたのでボコボコにした。あとは花子と言う名前の女と狐と三人で話した。
また俺と狐はプラプラ歩き出し、見た目が用務員のおっさんと遭遇した。
「立ち入り禁止の立て札があっただろう。最近の子供は、まったく」
おっさんは何度も、まったくを連呼していた。つか、こいつ妖怪だよな。
「ガキは、お前だろ。おっさんは何の妖怪だ?」
俺と狐の事を知らない奴ばかり、しかも高確率で人間と間違え襲ってくる。
まぁ変化してるけどよ、妖怪かぐらいは気付けよ。
用務員のおっさんは変な音を出し変化した。気持ち悪い蜘蛛男に…
んで、六本の蜘蛛の手で襲ってきた。なかなか早い、でも弱いな。
蜘蛛の手を一本掴み引き寄せ、ぶん殴った。壁をブチ破り蜘蛛男は飛んで行き、消えた。
その後、職員室で若さ溢れるコピー機の化け紙妖怪に出会った。
狐が狐火で燃やし、即効で終わったがな。
最後に食い倒れ人形っぽいのがあらわれた。
俺が好きなアニメの敵キャラにソックリだ…
「あぁああああ!?忘れてた!」
そして俺は重大な事実を思い出した。
「なんじゃ?」
腕組みしながら冷静に狐は聞いてきた。
「今日!見たいアニメがあったの忘れてた!ずくに帰るぞ!」
有無を言わせず、人形を本気で一発殴った。
バラバラに砕け廊下を転がり、人形は動かなくなった。
「行くぞ!」
狐の手を掴み急いで走り出した。
「…阿保な事で妾を走らすな」
「お前、馬鹿!チョー重大だから!」
「はぁ、もう間に合わんじゃろ」
「諦めたら、そこで試合終了だ!」
だが狐は早く走ろうとしない。この野郎。
旧校舎を出た所で狐を抱っこしダッシュで家に帰った。
数分後、家に着いたが…
くそったれ!畜生!
エンディングだ…
燃え尽きたぜ…
〜〜〜
プール!プール!今日はプールだぜ!ひゃっほう!
しゃらくさい準備運動など、やる気も起きず、俺はプールに飛び込んだ。
すると狐に手招きで呼ばれ、プールから上がり近付くと隅っこに連れて行かれ人間には見えない早さで腹を殴られた。みぞ、おち、入った…
「子供達がマネしするじゃろう。阿保な事はするな」
「…言葉で、説明しろや」
腹をやられ、今はヘリに座り同級生が泳ぐ姿を見ている。可愛いねぇ。
「ロリコンか」
狐が気配を消して背後から現れ、俺の隣に座った。
「誰がだ」
まったく何を言ってんだかよ。ガキ共は微笑ましいが…狐は幼女のくせにエロい。白磁のように真っ白い肌も、烏の濡れ羽色のように真っ黒い髪も、綺麗だ。ただ表情や仕草が、どことなく妖艶な雰囲気をかもし出してる、気がする…のは気のせいか?
違うぞ!俺は別にロリコンじゃないんだ!だって狐だけだし!
ん?…そうだよ!俺は普通だ!ノーマル!何故ならば狐は精神的には婆だ、超婆だ。婆の中の婆で、多分俺より年上だろ。
まったく不覚だぜ、見た目が幼女だから惑わされたわ。
うん、俺はロリコンじゃない。良かった。良かった。
一安心していたらプールの中から妖怪の気配がした。
「水中に、ナニか居るな…」
「水虎じゃな」
とりあえず俺は殺気を放ち、ずっと気配の方を睨んでいた。
プールの授業は何の問題も無く終わった。
んで放課後、プールに来た。
狐言わく、今の時期に周りでウロチョロ騒ぎを起こすのは面倒との事だ。それで俺は妖怪なのに妖怪退治をしてる。まぁ暇潰しには丁度良いか。
「おい、水虎!出て来い!」
軽くプールの中央の波が揺れ、ザバッと水虎が現れた。
「はいっ、なっなんでしょう」
ちっちゃ!仔犬程度の大きさだよ!もっと強いの想像してた!
「まだ、子供じゃな」
至って冷静に狐は呟いた。
その後、水虎の子供にプールから別の場所に行くよう促した。
何故か俺と狐で新しい住処を探す事になり、近くの川まで見送った。
もう、やってらんねー
帰ったら酒飲もう。