えっ?ワイルドハント?アイツらはダメですね。黙って死ねって感じです。
それではどうぞ!
フェイクマウンテンでの狩りを終えた俺たちは何故か拷問室に案内された。
「一体どうしたんですかね?」
「さぁな。ウェイブがなんか連れてかれてたけど」
「わかんないけど、タツミを逃したからじゃないかな?」
「「ああ…」」
クロメの憶測を聞き俺とランは納得いったような声を漏らす。
ちなみにセリューとスタイリッシュはなんとかタツミを見つけられないか追跡中である。
そんなことを話していると『拷問室』と書かれた部屋に到着する。
そして俺とクロメ、ランはその部屋の扉を開く。
そこにはいわゆる『石抱』と呼ばれる拷問を受けているウェイブの姿があった。
ちなみに石抱とは洗濯板のようなギザギザの木の板の上に正座させ、膝の上に重りとして石を置くという拷問だ。
「ん?やっと来たか」
俺たちの入室に気づいたエスデスが声をかけてくる。
「何やってんだよ…」
「見ての通り罰を与えているが?」
エスデスは何でもないように言う。
相変わらずドSっぷりだ。
「…あの……なんていうか…本当に申し訳ありませんでした。このウェイブ、深く反省しております」
ここでようやくウェイブが口を開いた。
「タツミを逃したのも注意散漫だが、それよりもナイトレイドを逃したというのが情けない…クロメ、石を追加しろ」
エスデスはウェイブの失態に呆れながらクロメに指示を出す。
「んっ」
ゴトッ
「あだだだだだだ!!」
クロメはウェイブの膝に石を追加で乗せる……結構な高さから。
「結構上から落としたな」
「ですね」
「インクルシオならば中身は百人斬りのブラートだろう。ナイトレイドの中でも要注意人物だが…だからといって逃げられていいということにはならん。これで賊はアジトを移動させてしまっただろう。ユウイ、奴の背中を傷が残らない程度で炙ってやれ」
俺かよ…やるけど。
「温度調整って結構難いんだけどな……特別だぜ?」
「あざぁぁぁぁあ!!!」
俺はそういいながらウェイブの背中を炙る。
「ウェイブ…お前の技量は完成されているがメンタルが甘い。反省することだ…今回はあと水責めとムチ打ち程度のお遊戯で済ませてやる」
「それでお遊戯かよ…」
改めて俺がエスデスのドSっぷりに小さく呟く。
「だが…次に失態を犯したら私自らお前を……処罰する。肝に銘じておけ」
「……ハイ」
俺も一瞬エスデスの言葉…というよりは威圧感にゾッとする。
そんな時、拷問室の扉が勢いよく開く。
「隊長!申し訳ありません!フェイクマウンテンを山狩りしてもタツミは見つからず、コロでも追跡できませんでした!」
「ヘカントンケイルの本分は戦闘だろう、気にするな。スタイリッシュの方どうだったんだ?」
「はい。おそらく独自で調査してると思いますが、まだ連絡はありませんね」
「まぁ…望みは薄いか」
エスデスはセリューの報告に残念そうに息を吐く。
「隊長…そのタツミ君の件なのですが……先程のお話だと反乱軍に入る可能性が高いと思いますが、もしも敵として現れた場合私達はどのように対処すればよろしいでしょうか?」
ランがエスデスに確認する。
まぁ好きって言ってたしな。
「正直……タツミのことは今でも好きだ。なかなか手に入らないからこそ燃えるものもある…だが、それよりも部下の命が最優先だ。生け捕りが望ましいが生死は問わん」
「本当だな?殺しても文句言うなよ」
「了解しました」
「反乱軍に入っていた場合は必ず捕らえます!」
俺たちはエスデスの言葉に了解の意を示す。
それよりもエスデスが俺たちの事をしっかり考えてくれていることに驚きだ。
意外と仲間思いなんだな。
数十後
俺はある相談のため、ドクターの研究室を訪れていた。
「あら、いらっしゃい。待ってたわよ」
「悪いな。邪魔する」
俺はドクターに断りを入れ、入室する。
「それで?相談って何かしら?」
「クロのことでちょっとな」
俺が相談しに来たのはクロメのことだ。
いつも薬を摂取していることが気になり詳しそうなドクターに相談に来たのだ。
「ああ、あの子ね。何が知りたいの?」
「あいつの体のことをちょっとな。あいつの使ってる薬…あれは体に影響を及ぼすものなのか?」
「うーん…それは調べてみないとわからないわ」
「調べられないのか?」
「あの子が大人しく調べさせてくれるとは思えないのよねぇ」
確かにクロメはそういうのは嫌がりそうだな。
「そうだっ!これをあの子に飲ませてくれるかしら?」
ドクターはそう言って一粒の錠剤を俺に差し出す。
「これは?」
「アタシの調合した強力な睡眠薬よ。即効性だし後遺症も残らない。あの子が寝たらここまで連れてきてちょうだい」
「…変なことはしねぇよな?」
「ええ。アタシ、女に興味ないもの」
なんか説得力ある。
「お兄ちゃんどしたの急に」
「菓子もらったんだが俺甘いもん苦手だからよ。クロにやろうと思ってな」
そう言って俺はクロメに1枚のクッキーを差し出す。
それにはドクターにもらった錠剤を細かく砕いてまぶしてある。
この為にわざわざセリューに菓子をせがみにいったんだ。
マジ恥ずかしかった。
「えっホント!?ありがとう!じゃあ早速いただきまーす」
ぱくっ
クロメがクッキーを咀嚼して数秒
「あ、れ?からだ、がき、きゅう、に…うご……スゥ…スゥ」
クロメが眠りについたことを確認し、俺はドクターの研究室に向かう。
ドクターがクロメの体を検査し終え、部屋から出てくる。
クロメはもう自室のベッドに寝かせてある。
「はっきり言うわ。彼女、このペースで薬を使い続ければもう長くは持たないわよ」
「あいつ…やっぱ隠してやがったか…あいつの寿命は?」
「そうね…このまま行くと持って3年ってところかしら」
「どうすればあいつの寿命を伸ばせる?」
俺は想定していた中でもっと悪い予感が的中してしまい、その解決策を縋る思いで尋ねる。
「もう薬を飲まないように、としか言えないわね。でも正直に言ってもあの子は絶対に納得しない。あなたにもわかってるでしょ?」
「まぁな」
クロメは洗脳とも呼べるレベルで帝国を心酔している。
「強引にでも戦いを終わらせてあいつの負担を減らすしかないか」
「そんなあなたにアタシから提案があるわ」
「提案?」
俺はドクターの言葉に疑問を浮かべる。
「まだ誰にも言っていないのだけど、ナイトレイドのアジトに目星がついたの」
「…何が言いたい?」
「ナイトレイドのアジトに、アタシたちで乗り込まないかってことよ。アタシはその準備を終えてるけど、決定打にかけるって感じなのよね」
「別に構わねえ。それであいつの負担が減るんなら」
「決まりね。決行は今夜。こっちから連絡をよこすわ」
「わかった」
今夜俺とドクターはナイトレイドに殴り込みに行くことが決まった。
時間は既に22時を超え、ようやく俺の自室にドクターの改造人間が訪ねて来た。俺は素早く準備をし、ドクターの部屋に向かう。
「悪い。待たせたか?」
「いいえ。それじゃあ行きましょうか」
俺とドクターを先頭に仮面集団がついてくる。
「なぁドクター。アンタはなんで帝国軍にいるんだ?」
俺はふと頭に浮かんだ疑問をドクターに投げかけてみる。
「アタシは帝国の軍医だったのよ。死体もたくさん見てきたわ。そしていつも思っていたの、戦死した兵士たちを見てね」
「…………」
俺はドクターの黙ってを静かに聞く。
「彼らにもっと強い武器や防具があればってね。私の夢はスタイリッシュな帝具にも負けない兵器を作ること。もう誰にも死んで欲しくないのよ」
俺はドクターの言葉を噛み締める。
最初はただのマッドサイエンティストだと思っていたが、どうやら俺の勘違いだったらしい。
…色々考えてる。
「あっ、そうだわ。これをあなたに渡しておくわ。大事にしてね♡」
思い出したかのようにドクターが俺にあるものを差し出す。
それは3箇所に何やら噴射口のついた一対のガントレットだった。
「これは?」
「それはアタシがあなた用に作成した特製ガントレットよ。その3つの噴射口からは調合された特殊な風が噴出され、あなたの能力をアシストしてくれる。アタシの計算なら今までの力で最大火力の匹敵程の力を出せる筈…あなたなら理解出来るわよね?」
「すまねぇな」
「いいのよ気にしないで」
俺が渡されたガントレットの説明を書き終えるとほど同時に背後から巨大な耳を携えた女、鼻が肥大化している仮面の男、目を大きく見開き瞬き一つしない大男が現われる。
見た感じドクターの改造人間っぽいが…随分と個性的だな。
「スタイリッシュ様!そろそろ匂いが近づいてまいりました!」
「そうなのねハナ、ありがとう。ミミとメも頼むわよ」
「そんままなんだな」
耳でかい奴が『ミミ』で鼻でかいやつが『ハナ』、目がデカいのが『メ』って……
俺たちは道無き道を歩いて行く。
「匂いはこちらに続いています!」
「前方に糸の結界のようなものが、私と同じ動きをしながら避けてください」
「前方から微かに人の声がします」
「すげえな。しっかり役割こなしてる」
「初めての実戦投入だけど予想以上ね。フフッあの子はどーも怪しいと思ってたの♡」
あの子とはおそらくタツミの事だろう。
そして到着した。崖に埋め込まれるように建てられた建造…ナイトレイドのアジト。
「本当にあったな。アジト」
「ええ。フェイクマウンテンからは随分離れてたけどね」
さぁ…決戦の時だ。
スタイリッシュにもらったガントレットの設定を書いときます。
両腕に装着できるガントレット
左右両方に3つずつ噴射口があり、二の腕に空気を入れておくタンクも左右両方に付いている。
内容量は片側約3リットル程で中身には特別な空気が入っている。
特別と言っても実際は酸素と水素を少しずつ調合したもの。
装着部分の内側にセンサーが付いており、5000度以上の熱を3秒以上感知すると空気が放出される。
センサーは手の甲に付いているスイッチを押すことでオンオフの切り替えができる。
タンクに空気の調合機構が備わっているが、フルチャージまでに時間を要する為使い切ると数時間は使えない。
センサーをオフにすると空気は自動でチャージされる。
フルチャージされていなくてもセンサーをオンにすることでチャージ分は使用することができる。
噴出量は1秒あたり約50ミリリットル分の空気が放出される。
これで大体普段の火力を5倍程引き上げることができる。
設定細かくし過ぎました!わかりにくかったらごめんなさい!