変態現ル
「・・・・最後に言い残すことは?」
コウの目の前に修羅がいた。
説教をしている相手はコウにハニートラップを仕掛けた謎の女である。
「ええっと...私はですね...」
ギロッ!!
「ヒッ...」
千冬は彼女に対して言い残す事を与える猶予もしなかった。
「あの織斑先生?彼女は?」
「あぁ、コイツは“更識楯無“。このIS学園の生徒会会長であり・・・・」
「“学園最強“ですわ」
手に持った扇子を口元を隠すかのように広げた。それに書かれていたのは“学園最強!!“という文字であった。
(その生徒会長が俺に一体何の用なんだ?)
その表情で分かったかのように楯無はコウと2人きりで話したいと真剣な表情で千冬に懇願。そして承諾したのだった。
「はぁ...今回は不問にするが次は無いぞ...分かったな?」
殺気を飛ばすも楯無は簡単にいなしたのだった。
「それで俺に何の用だ?」
「そうね~貴方はあのブリュンヒルデを越えた者として会いたかったと言うべきかしらね」
「あれはデータ上での話だけだ。何故その事を知っている?」
「んーとそれは...裏情報としか言えないわぁ~」
裏情報というよりAE社に暗部の人間が働いているだけの話である。だがそれはガンダムの情報を知っている事になるのだ。
それ以前に暗部に対してガンダムの情報を探るよう指示したのでいずれにしても同じである。
さらに暗部の上層部は白騎士事件の真実を知っているのだ。
「貴方が10年前にガンダム試作0号機で白騎士事件に武力加入。ミサイルを白騎士と協力し全て撃沈させた。
しかし白騎士から戦闘を仕掛けられるが、相討ち寸前のまま勝敗は決まらず。
事件は政府により永遠の闇に葬られた...。これが事件の真実かしらね?」
手に持った扇子で“完璧!“と書かれていた。
「あれは勝手に体が動いただけの話だけで俺は何もしていない。社長や父さんのお陰さ...話はそれだけか?」
「いいえ...その貴方に決闘を申し込むわ」
「決闘...?」
「えぇ...でも今はクラス代表を決めなくちゃいけないでしょ?時間があれば申し込ませて貰うわね」
「あ、あぁ...」
「言い忘れていたけど、ここの同室者は私だからよろしくね❤️」
楯無のこの言葉によりコウは頭を抱える様になったのだった。
次の朝、食堂に足を運んだコウはメニューを見ていた。
コウがこの時にする事は“ニンジン“がない物を選ぶのだ。
この世界に来てもまだ“ニンジン“が食べられないのである。本人は克服しようとしても中々出来ないのである。
コウがメニューに目をつけたのは定食系であった。なのでコウは焼き魚定食を選ぶ事にしたのだった。
席に座ると、ここでも周りの視線がチラホラと湧いてくるのだ。そこに救いの手が差し伸べられた。
「コウさんおはようございます。隣いいですか?」
「一夏か、おはよう。よく寝れたか?」
「え、えぇ一応...」
このときの一夏の反応がとても変だったので、同室者は誰だったのかを聞いた。
「もうすぐ来ますよ...ほら」
一夏が顔を向けた先には、篠ノ之箒であった。こちらに来た箒は一夏の隣に座り食事を始めた。一夏の隣に座るということはいい関係ではないかと心の中で思ったコウであった。
「一夏、昨日はすまなかった」
「昨日...ですか?ああ、あれですか。俺は大丈夫ですよ。もしかしたらコウさんと同じ事をしていたかも知れないですし」
一夏の言う通りである。いずれにしても、あの時一夏が立ち上がっても話す内容が違うだけで、決闘に関しては結果は同じなのだ。
だが一夏は疑問に思った。
「決闘ってISを使ってのことですよね...」
「そうだな。一夏の専用機はもうすぐ出来るって話は聞いたんだけどなぁ...。確か、早くて月曜だったような気が...。いやちょっと待てよ...それって間に合うのか?」
一夏の専用機は早くて月曜に来るのだ。しかしそれは決闘に間に合うのかが問題になった。もし間に合なければ最悪、学園側のISを借りるしかないのだ。しかし、専用機を持つセシリア相手だと借り物のISだと厳しいのだ。
ならどうすべきか、2人は考えこんだ。そこで箒の提案が上がった。
「なら一夏、私と付き合ってくれないか?」
「え?ええ!?」
箒が言いたいのは剣道のことである。少しでも体を動かしておかないと本番には勝てないぞと箒が言いたかった言葉だろう。この言葉の意味に気付くのは箒に道場に連れてこられてからの話である。
IS学園の道場にて激しい音が響き渡った。
今、打ち合いをしているのは一夏と箒である。しかし、一夏は押され気味であり、箒が押しているのだ。一夏曰く、剣道をするのは小学以来であり、かなりのブランクである。
箒が一夏の胴に竹刀を当て勝ったのだった。
「ふぅ...やっぱ強いな箒」
「一夏。中学は何をしていた?」
「三連続帰宅部だな」
そのこの言葉を聞いた箒は可笑しいと思った。ブランクがあるにも関わらずその強さはあの時と変わらなかった。一夏本人は気が付いてはいないが、箒は一夏にはそれを敢えて言わなかった。言えば一夏が調子に乗る悪い癖が出るからである。
2人のやり取りを見ていたコウに連絡が入った。相手はAE社の技術開発からの人間だった。内容は、ガンダムの新しい装備についての事だった。この装備はレーザー系を弾き返す優れ物らしいのだ。それが完成し贈られて来るのは、来週月曜日である。その日は、セシリアとの決闘の日なのである。その時が来るようコウも準備に取り掛かったのだった。
※この作品にヒロインは居ません
次はセシリア戦です