ドイツ軍人が転校してきた!
「こ、今回も「転校生」を紹介しま~す」
ホームルームで山田が言った言葉だ。
山田の隣にいる彼女がそうである。
「ドイツから転校した、ラウラ・ボーデヴィッヒさんです....」
昨日のシャルルに続いて今回はドイツから来たラウラである。
まるで作為感を感じさせた人間はごくわずかであったが、それはあり得ないかと思いその考えは捨てたのだった。
「・・・皆に挨拶をしろ、ラウラ」
「・・・はい、教官」
(「教官」?それって千冬姉がドイツにいたときの事か...?)
「ラウラ・ボーデヴィッヒだ」
「・・・・・」
「ええ~と・・・ラウラさん?それだけですか?」
山田が質問するがラウラはまた口を固くしてしまい、山田はどうすればいいか分からずあたふたしていた。
ラウラは一夏の方に歩みよった。しかしその目は憎悪に溢れ一夏を殺すといわんばかりの目であった。
「貴様が....!」
「え?」
そしてその手を一夏の顔を打とうとする。
しかしそこで質問が飛んだ。
「織斑先生。ラウラは先程先生を「教官」と呼びましたが、彼女は軍人なんですか?」
それはコウからの質問であった。
「あぁ、そうだが。それがどうした?」
「その軍人が「一般人」に私怨で手を出そうとしていますがそれはどうなのですか?」
「・・・・・」
コウの言葉は鋭かった。この言葉でラウラは一夏に暴力を振るのをやめたが、それを遮られ憎悪のままにコウを見たが、臆することなくコウは平然とした態度でいた。
「──っ!今日の所は引いてやる....」
打とうとした手を下げ、恨み言葉を吐いた。
「認めるものか...!貴様があの方の弟など私は絶対に認めないっ....!」
こうして2人目の転校生であるラウラはクラスに重い空気を残し席に座った。
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射撃訓練の最中一夏は大きな溜め息を吐き続けていた。
「・・・はぁ~」
「一夏の奴、まだ気にしているのか?あれでは射撃訓練が身に付かんぞ」
「へぇ~酷いもんねぇ」
「そうですわね。喝を入れなければなりませんわ!」
「3人とも聞こえてるぞ!・・・はぁ~」
(((また吐いた)))
「一夏。ラウラの事が気になるのか?」
「・・・はい。あの憎悪の目は尋常じゃなかったですよ...」
一夏が溜め息を吐き続けていた理由はこれである。
「彼女に何かしたのか?」
「とんでもない!初対面ですよ!?でも千冬姉とは関係しているかもしれないけど....」
「ラウラが織斑先生を「教官」と呼んだときか?」
「千冬姉は元ドイツの教官で、教官として入った理由は・・・」
しかしどこともなく砲弾が飛んできて一夏の言葉は遮られた。
「・・・チッ、外したか」
「ラウラ・・・!」
砲弾を放った犯人はラウラであった。しかも一夏だけを狙っていたのだ。
「織斑一夏・・・私と戦え!」
「・・・その前に聞きたいことがある。なんで俺を狙ってくるんだ?」
「っ・・・!貴様が教官に汚点をつけたからだ!」
「汚点?」
「貴様は気がついている筈だ!自分のせいで教官は2連覇を逃してしまった事を!だから私は貴様を今ここでっ・・・!!」
そう言いながら再びレールカノンを撃ち、一夏に直撃させようとするが、白夜を展開し砲弾を真っ二つにした。
そして真っ二つし破片が飛ぶがコウは難なく切り刻んだ。
そこからラウラと一夏の私闘が始まる寸前だったが思わぬ人物が現れた。
「まったく・・・転校早々に騒ぎを起こすとはどうゆうつもりだ?ボーデヴィッヒ」
「きょ、教官!?」
「ここでは織斑先生と呼べと言ったんだがな...2人とも、戦いたいなら来週行われるツーマンセルトーナメント(学年別トーナメント)で戦え。それまで2人に私闘を禁じる。いいな?」
「・・・了解しました」
ラウラは一夏に殺意を向けその場を去ったのであった。
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その夜、コウは一夏に呼び出された。なんでもシャルルについて話したいことがあるらしいのである。
「入るぞ」
ノックし、部屋に入ると“シャルル“と似た女子が居た。しかしコウは彼女が誰なのかはすぐに分かった。
「シャルロット・デュノアか?」
「え?何で知って...?」
「君の事は・・・まぁ、社長自ら裏の情報で教えてくれたからな。それで一夏、シャルロット・・・いや、シャルルの事で連絡を寄越したのか?」
「・・・はい、その通りです...」
シャルルの本国フランスはIS技術が遅れており、シャルルの父であるデュノア社の社長は自分の娘をこのIS学園に送り込み、男性操縦者2人のISデータの収集もしくは、強奪を指示した。これがシャルルがIS学園に転校してきた本当の目的だった。
しかし、運悪く一夏が“彼“ではなく“彼女“を見てしまったので完全にパァとなってしまったのだ。
「そうゆうことか・・・そして女だということが本国にバレ、呼び戻され最終的には牢獄行きか...」
「お願いします!浅はかなお願いではあるけど俺はシャルルを助けたんです!どうかっ!!」
一夏は土下座をしコウに必死に迫った。
(治外法権がこの学園に存在するとは言え、フランスがシャルルを呼び戻す口実ら幾らでも作れる・・・どうすればいい...?)
(いや、一か八かでやってみるしかないな....)
「分かった。なんとかしてみる。少し待っていろ」
コウは部屋を出ていき、ある所に連絡を入れた。
数分後・・・
「わかりました。ありがとうございます」
再び部屋に入り結果を教えた。
「シャルル。時が来ればまた連絡する。しばらくは男として過ごしてくれないか?」
「え?もしかして・・・」
「あぁ、なんとかするそうだ。だが喜ぶのは連絡が来てからだ」
「そうですか・・・コウさん。今日はありがとうございました」
「あぁ、それじゃあ。あとシャルル、その格好寒くないか?」
「え?・・・あ!!」
シャルルの格好は世の男共を悩殺するには十分の格好であり、コウが話しているときも注目がそっちにいってしまいそうなった位なのだ。無論一夏も含めて
「2人のエッチ....」
「「すみませんでした」」
そうしてこの日の夜はこうして過ぎていった。
次はトーナメント戦を書いていきます