そろそろ終わりが近付いていきます
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コウはコロニーに開いた穴を通り内部に入った。
身を隠すべく建物の影に隠れ、周囲を警戒した。ウェポンシステムへと移行に移った。その最中、ふと視線の端にあるものが見えた。
「あれは・・・・人か?」
気になったコウはよく見るべくメインカメラ拡大をした。
だがそれはコウにとってトラウマとなるものだった
「あぁ....うぁあぁあ.....うっ....」
胃から吐きそうになるのを押さえ、耐えた。
『大丈夫カ!?大丈夫カ!?』
突然の事に慌てたハロ。
しかしハロはコウの事を見ることしか出来なかった。
コウが見たのは毒ガスで息絶え、此方を見つめていた死体であった。
他にもそのような死体がチラホラとあり、見るに堪えないものであった。
平常心を取り戻したコウは死体を見ないようにゆっくりとメインカメラを正面に向けた。
「これが同じ人間に対してすることか・・・!!」
憤怒の表情を浮かべたコウ。
そこに飛び込むようにノイエ・ジールがビームサーベルを振りかざしながら突っ込んで来た。
(
コウはノイエ・ジールに対し、通信を送った。
「聞こえるか、ガトーッ!!聞こえるなら返事をしろぉ!!」
ガトーは
「聞いてやる!」
「あぁ、よく聞け!貴様は理想の戦っているのか、それとも誰かの命令で戦っているのか・・・どっちだ!」
「言うまでもない!私は理想の為、そして頭領...いや閣下の為に・・・」
「理想や閣下とかの為に、ここに住む人間達を皆殺しをしてでもやることか!?下を見ろ!」
「なに・・・?」
ガトーは攻撃の手を止め、下を見た。
「なっ・・・・!?どうゆう事だ・・・これは!?」
コウと反応は違い、ガトーは目を見開き驚愕の表情を浮かべていた。
『あ~あ、見ちゃったか。出来ればソイツを落とした後に見て貰いたかったなぁ』
「なん・・だと?」
通信を割り込んだ束の表情は笑顔だったが
その隣にはガトーが
「篠ノ之束・・・貴公の望みはなんだ?」
「私の望み?そうだなぁ~私の邪魔をするやつを消すとか?」
「それは我々を殺し、地球にコロニーを落としてでもか?」
次の瞬間、コロニーは大きく揺れた。推進用レーザーが発射され、推進剤に点火したのだ。
軌道はゆっくりと地球に変えていくのだった。
「時間か・・・・征くのだガトー、私の事はもう良い。急ぎこのコロニーを破壊するのだ」
『はっ・・・!?』
「プッハハ・・ハハハハハハ!!この莫大な質量を持ったコロニーをどうやって破壊するつもりなんだ?ええ?気でも狂ったのかぁ!?」
「破壊する手段を持っているのは、アナハイムだ!」
「アナハイム」という単語に真っ先に反応したのは束で笑顔から一転、怒りの表情を浮かべた。
「は?アナハイムごとき何が出来る?なにもできやしない、無駄に戦ってこれが落ちるのを指を咥えて見るしか出来ない連中になにが・・・」
「それを覆すのが、トレーズという男と、
束はクロエから拳銃を奪い取り、足に向けて撃ったのだ。
「はぁ・・・クーちゃん、先に戻ってといて」
クロエはその言葉を理解したのか、煙の様にその場から姿を消した。
「あの時に*1
そう言い、足を撃たれ立ち上がれない男の胸ぐらを掴み無理やり立ち上がらせた。
「ねぇねぇ、コイツの命とコウ・ウラキの命を取るかどっちを選ぶ?コイツを選んだらこの天才である私の力でコロニーを止めてあげるけど?」
さぁ言え閣下を助けると早く言え!言え!言え!
『・・・・言うまでもない。私は・・・・
コロニーを破壊する。それが閣下の最後の命令・・・それが私の答えだ』
束にとって予想外の返答だった。
「そう、それでよいのだガトー・・・」
男は精一杯の笑顔をガトーに見せた。
そして束は自分の思う通りに動かない事に完全に頭に血が上りは声を荒げ勢いのまま男の脳天に鉛弾をぶちこんだ。
さらばガトー.....後の事....は任せ.....た
次回 駆け抜ける嵐