スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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処女作以前に文章が稚拙でくどく読む人を選びます、それでも良いよと言う方のみお読み下さい。
合わなかった方は何も言わずに閉じて下さい、なお、否定意見及び低評価等はお許し下さい、ですが誉めて頂けると小躍りして喜びます。
作者のメンタルは濡れたトイレットペーパーより弱いです、宜しくお願い致します。



第0話 プロローグ
闇の世界と鬼姫


 暗い、暗い、暗い闇の中に佇んでいた。

 

「ここは……?」

 

 自分の手すらも見えない闇、だが後ろから小さいが温かい光を感じて、慌てて振り返る。

 

 光の元に急いで足を進める、どの位歩いただろう……時間感覚が掴めないままやっと、光の側に辿り着く。

 恐る恐る光に触れる、触れた瞬間、手が、体が引きずられる、えっ? と思った時にはすでに遅く、光に飲み込まれた。

 

 

 

 優しく頭を触れられている感触がする、頭の後ろが温かく柔らかい、そして落ち着く香りが鼻腔をくすぐった、ゆっくりと目を開ける。

 視界の中に薄桃色の髪、紅色(べにいろ)の瞳、そして白磁のようなツノを二本生やした少女と目が合った。

 

 意識がはっきりして気が付く、膝枕されてる! 

 

「目が覚めましたか?」

 

 手は止まらずにゆっくりと頭を撫でられている、心が落ち着き、このままで居たい衝動に駆られるが、体を起こし鬼の少女に合わせ正面に座る。

 それを見た彼女はクスリと微笑むと、職人が作った最高の鈴が、軽やかに転がるような声で話しだす。

 

「いきなり驚いたと思いますが、話を聞いて頂けますか」

 

 少女は立ち上がり、真剣な眼差しでこちらを見据え伺ってくる。

 彼女に合わせ立ち上がり、気を引き締めた。聞く体制を整えたのが伝わったらしく、鬼の少女は美しい笑みを浮かべた。

 

「自分が手術中だった事は覚えていますか?」

 

 その言葉にハッとする、そうだ俺は心臓が悪くて危険度の高い手術をしていたんだ、と……言う事は……まさか……

 

「大丈夫ですよ、手術自体は成功しています、しかし貴方の魂の一部が千切(ちぎ)れてしまいました……その一部が、貴方です」

 

「手術は成功したけど、魂は千切(ちぎ)れたって事は、俺は目を覚まさないって事?」

 

 俺の言葉に、鬼の少女は儚げに首を縦に振る。

 

「ですが、一つだけ助かる方法が有ります。私が鬼の力を授け、別の世界に貴方が行けば、私の力が本体にも流れ魂を修復し目を覚まします。

 今の貴方は、もう一人の自分になって、別の世界で生きていく事になります。魂の関係で年齢は若く成りますが、その世界での常識と生活する資金と知識は用意します」

 

 話が旨すぎる、この少女の目的はなんだ……? 

 

「何故そこまでしてくれるのですか? 正直言ってしまって信じられません」

 

 正直に問う、少女は微笑むと、一度目を伏せた。

 

「行っていただく世界は危険が迫っています、その世界を救うために向かって欲しいのです。

 その世界が滅ぶと他の世界にも魔の手を広げて、いずれは貴方の世界にも迫る事でしょう。

 これから向かう世界にも戦士たちは居ますが、まだ力は弱く闇にのまれる可能性を秘めています。

 貴方には私が鬼の力を授けますので、その力を使い戦士達と力を合わせ闇を払って欲しいのです」

 

「その世界で俺が死んだら、こちらの世界の俺はどうなりますか?」

 

「力を受けた時点で、貴方とは有る意味別の人物の成りますので、どちらの世界の貴方には何の影響も有りません。

 いえ、そうですね、せめてもの礼として彼方に行った貴方が、世界の為に行動した分の善行をこちらの貴方に授け、運気を上げましょう。

 しかし、このままだと今の貴方は消滅し、もう一人の貴方も目覚める事はありません」

 

 右手で口を覆い考える、断ればどちらも死ぬようなものか……選択肢が有るようで無いな……答えは一つか。

 

「分かりました、その話お受けします」

 

 覚悟を決め頭を下げる、返事に満足したのか微笑んで俺の両肩に手を置く。

 

「我、鬼神の鬼姫の名により(ことわり)を解き新たな(ことわり)を授けましょう、今より汝は鬼人の戦士と成りて生まれ()わらん、我が使者の名は、『獣鬼』、産声を上げた、新たな戦鬼に我が祝福を」

 

 幾重もの光の渦に囲まれ、体が作り替わり、信じられない力を感じる、光がゆっくりと収まり、自分を確認する、感覚で分かる、確かに若返っている事が。

 

「通常でも十分な力を持ちますが、戦士の力を十全に使うために、こちらを使い力を解放して下さい」

 

 そう言って渡された物は、見覚えのあるアイテム『音叉(おんさ)』正確には変身音叉(へんしんおんさ)音角(おんかく)』だった。

 

「これって……あの……すみませんが……どう見ても……ねぇ」

 

 困惑する俺が面白いのか、クスクスと笑いながら、楽しそうに鬼姫が答えてくれる。

 

「いきなり鬼人の力、と言っても分からないでしょうから、貴方の記憶の中に有る、正しき力を持つ鬼を参考にしました、3人の鬼の力が使えますよ。

 それに貴方が鬼の力を使いこなせれば、姿形はもちろん、能力も変化し覚醒していきます」

 

 能力の覚醒ねぇ……しかし仮面ライダー響鬼(ヒビキ)か……確かに好きだったが、これは何と言って良いのやら。

 

「後、戦士達とその周辺の人達には、好意的に受け入れられますので、安心して友好を結んで下さい。

 では、貴方の旅に幸運を」

 

 鬼姫が手を上げると、強大な門が現れゆっくりと開く、こちらを向き門に向かう様に促される。

 一礼すると門へと向かう、この門をくぐると戦いの日々か、などと思うが足は止めない、病気が原因で色々失った、失うものはもう無い。

 こんな俺を、必要として望んで貰えるのなら嬉しい限りだ、期待に応えたい、俺は門を潜り抜けた。

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