スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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お読みいただければ幸いです。

TOKYO MXでスイートプリキュアの再放送も始まりました、DVDで見るのと放送で見るのとは気分が違います。

今回で第100話になりました、いつも応援してくれてありがとうございます、感謝の気持ちでいっぱいです、これからもよろしくお願いします。


幼き日々に

「ハミィが生まれ育ったのは音楽の都メイジャーランド、セイレーンとは幼いころからずっと大親友だったニャ。

 

 セイレーンはいつも真面目に音楽に取り組んでいて、音程、リズム、歌唱力どれをとってもハミィより上だったニャ、大音楽会で年に一度だけ歌われる幸せのメロディの歌い手にもずっとセイレーンが選ばれていたニャ、その姿は女神の様だったニャ」

 

 セイレーンの事を語るハミィは、まるで自分が音楽会で歌っているかの様に喜んでいる。確かにセイレーンの歌は美しかった、尚更何故あんな事になっているのだろうと考えてしまう。

 

「うーん、歌が上手で女神の様で……」

 

「って事は、やっぱりセイレーンがキュアミューズ……」

 

 響ちゃんと奏ちゃんが絞り出す様に呟くが、ハミィは何も答えずに続きを話しだす。

 

「そして今年の歌い手を決めるコンテストの日が発表されたニャ、ハミィはセイレーンにコンテストを受ける話をしたら、セイレーンはもうライバルだから一緒に練習は出来ないって言ったニャ、その日からハミィとセイレーンは別々に練習する事になったニャ……」

 

 わずかな気配を感じ、公園の入り口を横目で見ると、セイレーンが入って来てこちらに気が付いて慌てて物陰に入って行く。

 

「それでどうなったの?」

 

 奏ちゃんが続きを聞きたがる中、俺以外はセイレーンに気が付いていないらしく、特に何にかする訳でも無さそうなので放っておく事にした。

 

「コンテストで歌う課題の楽譜が渡される日ハミィは寝坊してしまったニャ……」

 

「「「えぇっ!」」」

 

「あぁ……ハミィらしい展開……」

 

 俺達は思わず声を上げて驚いてしまう、響ちゃんが内心思っていた事を呟き奏ちゃんはそれを聞いて苦笑いをしている。

 

「着いた時には楽譜は配り終わっていて、困っていたら別の歌い手候補から楽譜を渡されたニャ、その時に楽譜は誰にも見せちゃいけないとか練習は一人でしないとダメとか色々教えて貰って、ハミィはその言葉を信じてずっと一人で練習していたニャ」

 

 ハミィの話に少し違和感を感じてしまう、何故一人じゃないといけないのかどうにも腑に落ちない。

 

「そしてコンテスト当日、セイレーンが渡された楽譜無偽物だからと言って、セイレーンは自分が持っていた本物の楽譜を渡してくれたニャ、ハミィはその場で一生懸命練習してコンテストに挑んだニャ」

 

 相手を思いやる事の出来るセイレーンはやっぱり優しいな、隠れているセイレーンに目線を向けると辛そうな顔をしている、色々と考える事もあるよなセイレーン。

 

「ハミィは初めてのコンテストで緊張してしまって沢山の失敗をしてしまったニャ、でも、セイレーンがハミィの心に力を貸してくれてコンテストは無事に終わったニャ」

 

「そして幸せのメロディの歌い手にはハミィが選ばれたって訳ね……」

 

 奏ちゃんは少し感動しているらしく、声に熱がこもっていた。

 

「それからニャ、セイレーンが離れていったのは……」

 

 ハミィの悲しそうな声、普段聞いた事の無い寂しそうな声に雰囲気、やはり俺は、ハミィとセイレーンは一緒に居るべきなんではないかと思う。

 

「何となくセイレーンの気持ちが分かる様な……」

 

「確かにな……少し辛いな…………」

 

 響ちゃんの言葉に同意してしまう、セイレーンの言葉を思い出す。

 

 

 

 

 

 

 

「私? ……歌なんて嫌いよ、無くなれば良いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 あの言葉はセイレーンの本当の気持ちだったのか、でも、あの時のセイレーンは辛そうな顔をしていた、響ちゃんを奏ちゃんを見る、きっとハミィとセイレーンもこんな感じだったのだろう……ハミィ達にとっての三本目の桜が幸せのメロディって訳か……辛いよなセイレーン…………

 

「ハミィには分からないニャ」

 

 ハミィはすでに泣きそうになっている、純真ゆえに分からないのだろう、ハミィらしいと言えばハミィらしいが……

 

「だからアンタは天然ボケだって言うのよ」

 

 物陰から思わず出てきて声をかけてきたセイレーンに、俺以外が驚いていた。




いつもお読み頂きありがとうございます。
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