スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
迫るネガトーンを飛び越えて躱すと、ネガトーンは直ぐに無防備な背中を晒しているリズムに腕を伸ばす。
「させるかよ」
迫る腕を直前で蹴り飛ばしリズムを救うと、ネガトーンは今度はメロディに攻撃をする気配を見せる。
「メロディ! 跳べ」
後ろも見ずに俺の声だけ信じたメロディは間一髪で攻撃を避ける、追撃させない様にネガトーンに攻撃を繰り出すが防がれてしまう。
俺の攻撃の隙を付き攻撃を仕掛けたメロディとリズムだが逆にとらわれ地面に叩きつけらた。一瞬気がそれた隙に俺も攻撃を受けてしまうと、セイレーンはメロディとリズムの前に悠然と立ち腕を振り上げる。
「止めよ」
二人に迫るセイレーンの音符、俺は二人の前に立ち両腕を広げる受け止める、巻き起こる爆発、舞い上がる土煙。
「どうせ止めると思ったわ、あの数では防げないでしょう」
感情が感じられないセイレーンの声。
「確かに俺だけじゃ防げないな。だが、二人ならどうだセイレーン」
「何を……?」
土煙が晴れると、俺の防げなかった位置にもう一つの影が立っていた。
「「キュアミューズ!」」
「こいつがキュアミューズか」
セイレーンが品定めをする様な目付きでキュアミューズを見る、途端に聞こえる遠くからの発砲音。
当たる直前に、セイレーンが身をひるがえし躱してしまうが良い牽制になった。
「跳び込む気配を感じて任して見たが正解だったな……キュアミューズ感謝する。しかし、噂の鬼人は遠くからスナイプか……」
出来るだけ感情を出さない様に気を付けながら初対面を装う、ディスクアニマル達も上手く音撃管を使ってくれたみたいだ、内心で胸を撫で下ろす。
「やっぱりセイレーンじゃなかったのね」
リズムは薄々違うと思っていたのだろう、驚きというよりも確認といった声質になっている。
「私の正体は今はどうでも良いドド、早くネガトーンを倒すドド」
ミューズはフェアリートーンが話し終わると軽い身のこなしで気の上に飛び上がる、それを合図に音撃棒を振るう。
「烈火弾!」
メロディとリズムに見せる様にあえて大きく体を動かし、多くの火球をネガトーンとセイレーンに向けて放つ、だが、火球が着弾する前にネガトーンの前に居たセイレーンは大きく間合いを取る、ネガトーンに幾つもの火球が当たり大きな爆発が何度も起きる。
「うわ、あの時より凄い」
驚いているメロディの横に居たリズムは好機と見たのか、一気に間合いを詰めていく、舞い上がる土煙の中リズムの両足をそろえた綺麗なドロップキックが決まり、衝撃で土煙も一気に吹き飛ばす、もんどり打つネガトーン。
「今よ! メロディ!」
「オーケー」
「奏でましょう、奇跡のメロディ! ミラクルベルティエ!」
「おいで! ドリー!」
「ミラクルベルティエ・セパレーション!」
「あふれるメロディのミラクルセッション!」
「プリキュア! ミラクルハート・アルペジオ!」
「三拍子! 1、2、3!」
「フィナーレ!」
浄化された音符を手早くフェアリートーンにしまうと、ハミィは思い出の楽譜を回収しようと手を伸ばす、途端に爆発が起き大切な楽譜が破れて散ってしまう、風で流されていく楽譜を泣きそうな顔で見送るハミィ。
「セイレーン!」
名前を叫んだ俺をセイレーンは一瞥すると、ハミィに冷たい目線を向ける。
「次こそはその楽譜と同じ目に合わせてやる、覚えておけ私はマイナーランドの歌姫、悪の妖精セイレーンだ」
「待つニャ、セイレーン」
ハミィがセイレーンを追うがセイレーンはトリオを連れて去って行ってしまう。
「違うだろう……セイレーン……お前は…………お前はハミィと一緒に居るべきなんだ! そうだろう! セイレェーン!」
天を仰ぎ叫ぶ俺をメロディとリズムが複雑な表情で見つめてくる、そんな俺達を青々と茂る樹木の枝が、ただ揺れていた。
当時書いた後書きです、よろしくお願いします。
第12話終了となります、お読み頂きありがとうございます。
原作もこの辺になりますと響ちゃんと奏ちゃんが変身前に平然とネガトーンの攻撃を躱したりします、それに対する理由付けとしまして八雲との特訓を考えました。
第13話 黒い女神たち
第1節 正体捜しと罪悪感
よろしくお願いします。