スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
活動報告のコメント頂きありがとうございます。
これからもゆっくりですが書いて行きますのでよろしくお願いします。
私と奏に聖歌先輩とそして八雲兄、四人で他愛もない話をしながらゆっくりと時間が過ぎる、時折吹く風が気持ちいい。
「ミューズさんとムツキさんは、何か理由があって二人の前に姿を現さないんじゃないかしら、何か事情があるのよきっと、でも、いつかその時が来たら彼女は名乗り出てくれるはずよ」
いろんな話をしながら辿り着いた、ミューズの話を聞いた聖歌先輩が流れていく雲を見上げながら、何かを噛み締める様に言葉を紡ぐ。
「……俺も、聖歌ちゃんの意見と同じだよ、慌てる必要はないと思うよ」
腕を組み自分の足元を見ながら八雲兄が同意する、少し険しい八雲兄の顔に何故だか私の胸は一瞬チクリと痛んだ。
「ちゃん付けなんて何年ぶりかしら、少し新鮮だわ」
いつもの調子で聖歌先輩を『ちゃん』付けで呼んだ八雲兄を思わずジト目で見てしまう、でも、『ちゃん』が付かないのは少し怖い、あの時を思い出すから……
「ああ、失礼、少し馴れ馴れしかったね、東山さん」
言い直した八雲兄に対して、聖歌先輩が少し頬を膨らます。
「良いですよ、ちゃん付けでその方が嬉しいわ」
何時も大人びて見えている聖歌先輩が、少し幼く見えて私と奏は顔を見合わせた。
「そう? よろしく聖歌ちゃん」
「八雲さん、こちらこそですわ」
楽しそうな2人を見てると胸が疼く、たまに起きるこの疼きを無理やりに胸の奥に押し込める様にクッキーを口にした。
「そろそろ、お暇するわ、南野さん達はまだ居るのかしら」
「私達はもう少し待ってみます」
私達の会話を聞きながら、八雲さんが思い出した様に顔を上げた。
「俺もそろそろ行くよ、用事思い出したしね」
「あら、エスコートしてくれるのかしら」
小首を傾げ、いたずらっ子の様に笑う聖歌先輩に八雲兄は少し考える素振りを見せる。
「昇降口まででよろしいですか、お嬢様」
八雲兄も少し悪い笑顔で返すけど、聖歌先輩も負けてはいない、一瞬空気が凍った気がするが直ぐに四散する、私の眼には二人の間に火花が散っている気がした。
「えぇ、お願いするわ、でも、その前に少し良いかしら」
聖歌先輩は八雲兄をベンチに座らせポケットから小さな整髪料を取り出すと手櫛でセットをし出す。
「聖歌ちゃん、何でセットをするんだい?」
「あら、せっかくエスコートして頂けるなら髪型ぐらい私の好きにしても良いと思いませんか」
少し戸惑っている八雲兄の言葉に間髪入れる聖歌先輩、八雲兄は聖歌先輩が前に居るから見えないし、先輩は楽しそうで私は楽しくない。
「八雲さんはブレスレットなんか付けているんですね」
聖歌先輩がセットしながら横目で見ながら呟く。
「最近ね、ちょっと好みのヤツだから付け出したんだ」
八雲兄が腕を少し上げると、私達に見せてくれた。
「本当だ。今までゴツイ腕時計付けてたから気が付かなかったよ、いつ付けたの?」
「ちょっと前にぶつけちゃって壊しちゃった。他に持っているのが細い腕時計しか無いから、良いチャンスだから付け出した」
吐息が聞こえ、目線を向けると満足した様な聖歌先輩は頷いていた。
「完成です、きっと南野さんと北条さんも気に入りますよ」
言葉と共に八雲兄の前からずれた聖歌先輩。
「はぅ」
変な声を上げた奏が手で口を覆って崩れ落ちた……破壊力あるなぁ、八雲兄……
かき上げアップバングされた八雲兄。上げられた髪は少し太めの束感も相まってワイルドな雰囲気を纏っていてかなり格好良い。
青銀髪の髪は太陽の光を受けてキラキラと輝いていて、前髪が上がった事により私の好きな銀色の瞳も強調されていた。
「奏ちゃん、大丈夫?」
崩れ落ちた奏に八雲兄が手を貸そうとしているけど、奏は赤い顔を隠したまま首を横に振っている。
「奏から離れて八雲兄、奏死んじゃうから」
「え、死ぬって……?」
駄目だ
「奏、鏡借りるね」
奏の上着のポケットからコンパクトミラーを取り出し無言で渡す、鏡で自分を見た八雲兄は「ほぅ」と小さな声を上げた……
「しかし、これは……」
八雲兄も戸惑っちゃったよ……私は少し面白くない、しょうがないから助け船を出す事にした。
「格好良いから良いんじゃないの? 聖歌先輩がせっかくセットしてくれたんだしさ、それに何時までも聖歌先輩を待たせちゃ駄目だよ、八雲兄」
目だけで八雲兄に早く行ってとお願いすると、八雲兄も気がついたらしく目で合図を返してくれた。
「では、お嬢様お手をどうぞ」
八雲兄が聖歌先輩に腕を差し出すと、聖歌先輩は躊躇いも無く八雲兄の腕に手を通す。
「お願いね」
聖歌先輩の言葉が合図となり、二人は腕を組んで歩いて行く。その姿を見送りながらも私はやっぱり物凄く面白くなかった。
二人を見送った後、何とか顔の熱の納まった私は、少し気が抜けてしまってのと聖歌先輩が羨ましくなり帰る事にする。
「響は八雲さんのブレスレットどう思った?」
「ん? 八雲兄の? 別に思わなかったよ」
響は小さく首をかしげきょとんとした顔をした。
「響は何も思わなかったんだ……私は少し考えた」
私は目線をぼんやりと桜の樹木を眺める。
「ブラックホール戦から帰って来た時に付けてたから、少し気になってるし、たまに八雲さんおかしい時あるから」
私の言葉を聞いて3本目の桜の所で足を止めて、唇の下に指を当てて考える響。
「八雲兄がおかしい? ……奏の考えすぎだよ」
「それなら良いけど……」
「まぁ、鬼人だからって鬼の顔のブレスレットは笑いそうになった」
思いだし笑いする響。
「それより気になるのが聖歌先輩だよ。聖歌先輩ってあんな事したっけ、もしかしてセイレーン?」
屋上の事を思い出した響は少し不機嫌そうだった。
響の言葉に私は少し考える、でも、はっきりと言える事はそれほど多くは無いけど決定的な事がある。
「あのクッキーは聖歌先輩じゃないと作れないよ、整髪料も何時も使っている無香料のヤツだったし、それに八雲さんなら直ぐに気が付くと思う」
「でもさ、初対面でしょう? 万が一って事もるじゃん」
風で揺れる枝を見ながら、ぼんやりと考える。
「聖歌先輩ってさ、たまにお茶目するんだよね」
「お茶目って…………あそこまで八雲兄の髪をいじり倒して?」
響が眉を寄せながら木に寄り掛かる、その仕草が少し八雲さんみたい。
「私だって腕組んだ事無いのに……あんな髪型まで……」
小さく呟いているけど全部聞こえてるよ響、口尖がらして響ってばかわいー、でも、響お姫様抱っこされた事あるじゃん、私は……おんぶは気絶してたからノーカン、あ、膝枕……
「ドドー」
フェアリートーンのドドリーとレリーが慌てて飛んでくると衝撃の言葉を伝えてくる。
「キュアミューズが現れたレレ」
「「えっ! キュアミューズが!」」
お読み頂きありがとうございます。
日に日に文章が出なくなってます、多少は本を読んですが脳に入りません。
日頃会話が無いので何時も自分が悪くなっていき気がします。
2ヵ所直しました、おかしくなければ良いのですが……
これからもゆっくりですがよろしくお願いします。
2~3月に文章を出します、まだ元気な時な文章ですが、直したい所もありますのでこの様になります。
宜しければこれからもお読み頂ければ幸いです。
では、次回。
第13話 黒い女神たち
第4節 裏切りのミューズ
よろしくお願いします。