スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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お久しぶりです。
何とか生きてます。

地球規模で碌な事が続いてます、早く今までの比較的幸せな時代に戻って欲しいです。

皆さまにたくさんな幸せが舞い込みますように。


裏切りのミューズ

 私と奏はドリーとレリーの案内であまり人が近づかない海岸の岩場に向かう、結構な距離だけど奏も結構平気でついて来る、うん、トレーニングの成果がかなり出ていて安心する。

 

 崖下に着きミューズを探すと、岩陰に隠れていたミューズを見つけ、私は少し大きな声でミューズを呼んだ。

 

「ミューズ!」

 

 直ぐにミューズの元まで走るが、ミューズは私達を手で制する。

 

「あ……あぁ、そっか、この恰好じゃ分からないかもしれないけど、私達もプリキュアよ、私がキュアリズムで」

 

 奏がいぶかしんでいるミューズに説明と自己紹介をし、私も続いて自己紹介をする。

 

「私がキュアメロディ」

 

「私達ずっとあなたを探していたの」

 

「ええ、ハミィから聞いたわ……今までちゃんと話せなくてごめんなさい、本当は私も二人と仲間になりたいとずっと思っていたの」

 

 目を伏せがちに話をしてくれるミューズ。

 

「ミューズ……」

 

「じゃあ、私達もう今から仲間だよね」

 

「もちろんよ」

 

 私達の言葉を肯定してくれたミューズに奏と喜びの声を上げる。

 

「それより二人とも……時間が無いの!」

 

「「えっ?」」

 

 焦った声のミューズに、私達の喜びは水を差される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「音符が全部集まった?!」

 

「ええ、ハミィと私でさっき捜し終えて……」

 

「そうなんだ」

 

 奏の驚く声にミューズが状況を教えてくれる、私も思わず喜びの声を上げた。

 

「でもね、伝説の楽譜を完成させるには、貴女達の持っている『キュアモジューレ』がどうしても必要なの」

 

 ミューズの焦る声に、状況は一刻も争うのが分かる、でもそれって……

 

「でも、『キュアモジューレ』が無いとプリキュアになれないし……」

 

 何かが怖い、今『キュアモジューレ』を手放すのが物凄く怖い、嬉しさのあまり八雲兄に連絡を入れなかったのが悔やまれる。

 

「それはト音記号から生まれた物、ト音記号が無くては楽譜は完成しない、だから私急いでそれをメイジャーランドの届ける様に頼まれたの! 敵が音符を奪いに来る前に一刻も早く『キュアモジューレ』を届けなければ……」

 

 怖いけどこれで戦いが終わるのなら、良いのかな……良いんだよね、きっと……

 

 奏と見つめ合う奏も少し不安みたい、私達は覚悟を決め頷き合いミューズに『キュアモジューレ』を差し出す。

 

「そう言う事なら」

 

 ミューズがゆっくりと手を伸ばし、数度『キュアモジューレ』を触った後のまるで私達から奪うような勢いで『キュアモジューレ』を持ち去る、余りの勢いに嫌な予感が大きくなる。

 

 ミューズの手の中の『キュアモジューレ』がいきなり強い光を放ち出し、私達全員の目が眩んだ瞬間、事もあろうにミューズは『キュアモジューレ』を海に投げ捨てた。

 

「ちょ、ちょっと!」

 

「届けに行くんじゃ無かったの?!」

 

 ミューズの雰囲気が少しおかしい、何で? どうして? 

 

「……もう用が無いから捨てたのよ」

 

「どう言う事?」

 

 奏が私と同じ事思いミューズに訊ねる、ミューズがら殺気が溢れだしてくる。

 

「貴女達2人も、もう用は無いわね…………」

 

 奏の手を引いて逃げようとしたが、ミューズの動きは早く私達の間をすり抜けたと思ったら、赤く嫌な感じのする五線譜で私達を捕える。

 

「何をするの!」

 

「私達仲間じゃないの?!」

 

 私達の叫び、私のわずかな期待は裏切られる。

 

「仲間? フフフ……アンタ達の仲間はアレでしょう」

 

 ミューズの指さす方を見ると岩場に私達と同じ赤い五線譜で縛られているハミィがいて岩の上には笊みたいな物が逆さまに置いてあった。

 

「「ハミィ!」」

 

「さあ、みんなまとめてマイナーランドに招待するわ」

 

 ミューズが腕を振るうと海が禍々しい色に変わり、別の世界に繋がっているのが分かり私は恐怖した。

 

「マイナーランドで不幸のメロディをたっぷり聴かせてあげる、暗く哀しい調べをね」

 

 顔を歪め笑うミューズは恐ろしく、私は今更ながらミューズに騙された事を悟った、もしかすると八雲兄はミューズを疑っていたの? だとしたらミューズの正体に興味を示さなかったのも分かる、もしかして言いだせなかったの? ねえ八雲兄…………

 

 ミューズが五線譜を引っ張るが私達は何とか耐える、こっちは奏と2人、しかも戦う為のトレーニングもしているんだ、どんな状況でも諦めたくない。

 

「ミューズ貴女は敵なの? 今まで助けてくれたのは私達を信用させる為の罠だったの?!」

 

 奏が私の思いもミューズにぶつけるが、ミューズが歪んだ笑顔のまま五線譜に力を込める。

 

「『キュアモジューレ』が無ければただのか弱い人間と思ったけど、中々やるわね、でも、もう終わり」

 

 ミューズが一瞬力を緩めた為に私達はバランスを崩す、その隙を逃さずミューズは一気に五線譜を引っ張る、空中に投げだされる私と奏、視界一杯に広がる嫌な景色。

 

「八雲兄……ごめん」

 

 引きつるような私の声、血の気が引くのが分かる、内臓が持ち上げられるような嫌な浮遊感が唐突に終わる。

 

 受け止められ力強く優しい感触に包まれる、顔を持ち上げると視界に入る力強い意志を感じる銀色の瞳、変身もしないで慌てて救いに来てくれたその事実が嬉しくて、心臓が強く脈打って胸が苦しい、溢れ出しそうな涙を必死で押さえる。

 

「八雲兄!」

 

「八雲さん!」

 

 地面に着地すると、八雲兄は私と奏を優しく地面に下ろし手を離す。

 

「すまない、遅くなった」

 

 八雲兄は右腕を前に差し出すと、上から降って来た音撃棒が吸い込まれる様に手の中に納まる、でも、その音撃棒は私の知っているのとは少し違くって、鬼石から炎がまるで剣の様に伸びていた。

 

「二人とも動くな」

 

 短く鋭い声、八雲兄が私達に音撃棒を振るう、炎が軌跡が描くと私達を捕えていた五線譜がバラバラになり消えて行く。

 

「八雲さん!」

 

「八雲兄!」

 

 私と奏がもう一度名前を呼ぶ、感極まった私は思わず八雲兄に抱きつくと優しく受け止めてくれて、私の後頭部に手を回し力強く引き寄せ抱きしめてくれた。

 

「セイレーン! ミューズの真似は通用しない!」

 

 音撃棒で、ミューズを指しながら叫ぶ八雲兄に頼もしさを感じる。

 

「違う! 私は本物のミューズだ!」

 

「ハッ! なら後ろに居る奴に説明をして見せろ!」

 

 八雲兄の言葉に慌てて視線を動かすと、そこにはもう一人のミューズが佇んでいた。




いつもお読み頂きありがとうございます。

ここら辺から八雲の能力もかなり上がってます。
やっと烈火剣が出せました、最初は鳴刀・音叉剣にしようかと思ったのですが、音角を持って居るならその場で変身しろよと自分で突っ込みました。
パソコンの前で妄想しているのですが、文章と言いますか単語が出て来ません、困ったものです。
この様な作品ですが、お付き合い頂ければ幸いです。

では、次回。
第13話 黒い女神たち
第5節 ふたりの女神

よろしくお願い致します。
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