スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲 作:水無月 双葉(失語症)
体調など変わりはありませんか、これから寒くなります、ご注意ください。
皆さまにたくさんの幸せが舞い込みますように。
「「ミューズが二人」」
相対する二人のミューズに私と奏は同時に驚きの声を上げる。
「私の真似はやめるドド」
「うるさい! 私が本物だ」
私達を捕えていたミューズが、もうひとりのミューズに対して攻撃を始め激しい攻防を繰り広げる中、私達三人は急いで捕らわれているハミィの元に向かう。
ハミィの周りにはディスクアニマル達が集まっており、緑大猿達がハミィを捕えている五線譜や猿ぐつわを力任せに引き千切り助け出していた。
「ハミィ、大丈夫?」
奏の問い掛けにハミィは何度も頷いて見せる、その隣で黄蘗蟹が笊に捕らわれていたフェアリートーン達を救出する。
「皆、無事か? 怪我は無いか?」
「大丈夫、ありがとう八雲兄」
少し焦っている八雲兄を安心させたくて明るく返事をすると、八雲兄は大きく息を吐く。
「いでよ! ネガトーン!」
セイレーンの声に応じ海の中からネガトーンが現れミューズを襲う。
「二人とも行けるか?」
八雲兄が、鋭い視線をネガトーンに向けながら私達に声をかけて来る、でも今の私達には『モジューレ』無い、私は下唇をかみしめながら自分の迂闊さを後悔する。
「八雲さん『モジューレ』が海の中に……」
奏の悔しそうな声、私はうつむいたまま何も言えなかった。
「大丈夫だよ、ホラ」
八雲兄が海を指さすと小さな水飛沫が二つ上がり『モジューレ』が空中に投げだされ舞っていた。
「「『モジューレ』!」」
空中の『モジューレ』に勢いよく小さな影が迫る、ひとつの『モジューレ』を弾き飛ばしもうひとつをしっかりと掴むと、私目がけて飛んで来るその小さな姿に胸が熱くなる。
「アカネ!」
「瑠璃!」
アカネは『モジューレ』を私の手に置くとそのまま肩に止まる、その隣では瑠璃が『モジューレ』ごと奏に抱きしめられていた。
「「ありがとう、ハミィをお願い!」」
私は一人じゃない、奏が、八雲兄が、ハミィが、皆が居るそれだけで私は幸せだ、だから必ずこの世界を守って見せる、ここで決めなきゃ女がすたる。
「ミューズになり済まして!」
「『キュアモジューレ』を奪おうとするなんて!」
「「どうしてそんな事を!」」
「目を覚ませ! セイレーン!」
私達の怒り、思い知りなさい!
「「レッツプレイ! プリキュア! モジュレーション!」」
「鬼姫の使者! 音撃戦鬼! 獣鬼!」
「爪弾くは荒ぶる調べ! キュアメロディ!」
「爪弾くはたおやかな調べ! キュアリズム!」
「「届け! 三人の組曲! スイートプリキュア!」」
迫って来たネガトーンを三人同時に殴りつけてネガトーンを吹き飛ばす。
「一人では敵わない困難だって!」
「仲間と力を合わせれば打ち勝つ事が出来る!」
私とリズムが叫ぶ、私達は色々経験した、悲しい事、辛い事、嬉しい事、全てが私達の糧になっている。
「行くぞぉ!」
私と獣鬼が同時に飛び出しネガトーンにラッシュを入れる、リズムの気合の声が耳に届くチラリとそちらに視線を送ると、私達の攻撃の隙を付くリズムの動き見え
私と獣鬼はまるで示し合わせた様にリズムに場所を開ける。
走り込んで来たリズムが、ネガトーンを下から蹴り上げ、その反動を利用し回し蹴りを綺麗に入れた。
「ネガトーン飛び道具よ!」
セイレーンの言葉に応じ、ネガトーンが両腕を振るい、幾つもの衝撃波が私達を襲う。
「舐めるなぁ!」
獣鬼が私達の前に立ち塞がり、音撃棒を振るい衝撃波を打ち返して行く、土煙で舞い上がり視界を塞ぐ。
風で土煙が流されると私達の姿が浮かび上がる、仁王立ちの獣鬼、無傷の私とリズム、獣鬼が腕を振るうを土煙が一気に晴れた。
「「獣鬼!」」
私とリズムの弾む声、リズムが重心を低くして私にウインクをしてくる。
「よぉし、行くわよメロディ」
私が頷くとリズムが一気にネガトーンに飛翔する、何度か打撃を加えるとネガトーンを捕まえ体勢を入れ替えた。
「メロディ!」
「オッケー!」
リズムのやりたい事が今まで以上に分かる、特訓の成果がで出している、よし、私も!
ベルティエを召喚して構える、「ミュージックロンド」をイメージして力を溜める、私の力がドリーを介して集中させる。
「たあああ!」
リズムが気合と共にネガトーンを放り投げた、迫って来るネガトーンに私は全てを集中する、今だ!
溜めた力を解放すると大きな爆発がネガトーンを包み吹き飛ばす、巻き起こった爆煙の中に獣鬼が飛びこみ爆煙を吹き飛ばしながら体を回転させ、ネガトーンに踵を落とし地面に叩きつた。
「メロディ! リズム!」
獣鬼の叫びに合わせて体に力を巡らせる。
「おいで! ドリー!」
「おいで! レリー!」
「ミラクルベルティエ」
「ファンタスティックベルティエ」
「「セパレーション!」」
「あふれるメロディのミラクルセッション!」
「弾けるリズムのファンタスティックセッション!」
「プリキュア! ミラクルハート・アルペジオ!」
「プリキュア! ファンタスティック・ピアチェーレ!」
「「三拍子! 1、2、3!」」
「「フィナーレ!」」
浄化の済んだネガトーンからハミィが音符を回収するとセイレーンの姿は既に消えていた。
太陽が海に涼む姿を見ながら私はミューズとの会話を思い出す。
「ミューズ待って」
「私達ずっと貴女を探していたの」
「ねえ、仲間になろうよ」
私とリズムの思いをミューズに伝えた。
「まだその時ではないドド、その時が来たら必ず貴女達の前に仮面を取って現れるドド」
フェアリートーンが、ミューズの代弁をするとそのまま去ってしまう、でも、一瞬見えたミューズの瞳は何かに耐えている様に見え、私の胸を締め付ける。
オレンジ色に輝く太陽を見ながら、私はミューズは黒よりも太陽の様な色が似合う気がした。
「ま、たとえ正体が分からなくってもミューズは私達の大切な仲間」
「えぇ、何時かきっとミューズは私達の前にちゃんと姿を現してしてくれるわ」
「そうだな、その時を楽しみに待っていよう」
私達の言葉が波に掻き消されていく、八雲兄に目線を送ると何かに思い巡らせている、夕日に照らされている横顔は物悲しく見えて心配になる。
「ハミィは早くミューズ達とカップケーキ食べたいニャ」
ハミィの発言に、私達は声を揃えて笑う。
「よし、仕方がないからミューズの分がハミィが食べちゃうニャ」
勢いよく私の頭に飛び乗って来たハミィが宣言すると、更に笑いが起こる。
「さ、三人とも早く帰るのニャ」
「バイクで来ているから家まで送るよ」
八雲兄の言葉に私達は喜びの声を上げる、そうだ、せっかくだから街を一回りして貰おう、大切なこの街を。
第13話終了となります。
お読み頂きありがとうございます。
宜しければお付き合い頂ければ幸いです。
では、次回。
第14話 響と奏のお泊まり会
第1節 揺らがぬ絆
よろしくお願いします。