スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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闖入者

 開演時間が近づき俺達は奥の席に座って待っていた、肘かけに無造作に置いていた俺の手の上に響ちゃんが手を重ねてたので横目で見ると顔を強張らせ舞台を見ていた。

 

 手のひらを返し手を握ると響ちゃんはこちらを見てぎこちない笑顔を向けてきたので更に強く握り頷くと響ちゃんも頷き握り返してくる。

 

 舞台に目を向けると音楽王子隊のメンバーが準備を終え指揮者である北条先生を待っている、ピアノの前に座っている王子君は余裕があるらしくいつもの笑みを浮かべていた。

 

 舞台袖から出てきたのは北条先生ではなくセイレーンだった、その姿を確認した俺達は揃って声を上げる。

 

 慌てて出てきた北条先生がセイレーンの肩を掴み止めるとセイレーンはいとも簡単に北条先生を弾き飛ばしと会場がざわめくがセイレーンは意にも介さずに舞台中央に堂々と立つと会場を見渡した。

 

「私のマイナーランドの歌姫セイレーン、今日は私のコンサートにようこそ」

 

「「「ようこそ~」」」

 

 間髪いれずにトリオ・ザ・マイナーがコーラスを入れる、舞台上の音楽王子隊は困惑の声を上げそれに気が付いたセイレーンは後ろを見回し音符を見つけたセイレーンは猫の姿に戻るとファルセットの頭に乗り悪意ある声を浴びせる。

 

「いでよ! ネガト──ン!!」

 

 王子隊の一人が持っていたチェロが禍々しいオーラに包まれるとネガトーン変わってしまう。

 

「さぁ、聴かせなさい! 不幸のメロディを!」

 

 力をため負の力を一気に解放するネガトーンを中心とし会場全体が包まれ、舞台上の王子隊はもちろんホールに居る人々も涙を流し悲しむ。

 

 俺達は弾かれた様に立ち上がると全員が怒りに満ち溢れていた。

 

「土足でコンサートを踏みにじり人々を悲しませるなど」

 

『音角』を取り出し展開させ構える。

 

「パパ達の大切なコンサートを滅茶苦茶にして」

 

「音楽を使って人を不幸にするなんて」

 

 響ちゃんと奏ちゃんも『キュアモジューレ』取り出す。

 

「「「もう、許さない!」」」

 

「「レッツプレイ! プリキュア! モジュレーション!」」

 

 二人の掛け声に合わせ音叉を振るう、二人は光に俺は紫炎に包まれた。

 

「鬼姫の使者! 音撃戦鬼! 獣鬼!」

 

「爪弾くは荒ぶる調べ! キュアメロディ!」

 

「爪弾くはたおやかな調べ! キュアリズム!」

 

「「届け! 三人の組曲! スイートプリキュア!」」

 

 三人同時に座席から舞台のネガトーンにジャンプし、メロディは体を縦回転させ勢いを付け踵を落とし、リズムは横回転を加え手刀を入れる、俺は錐揉み回転をし蹴りを入れその反動で一度距離を空け体勢を低くし重い一撃を入れるために力を溜め出す。

 

 メロディとリズムはその場に留まりネガトーンに連続蹴りを入れている。

 

 連続蹴りが終わった一瞬の隙にネガトーンが腕を振るうのを見た瞬間俺は二人を助けるべく飛び出した。

 

 ネガトーンの攻撃が彼女たちを捕えたが何とか空中で二人を捕まえると直接壁に激突しないように体を入れ換えクッションになる凄まじい勢いで壁に衝突し、しばらくの間壁に留まり俺達三人はズルリと床に落ちるメロディとリズムはしっかりと着地したが俺はダメージが大きく両膝を着いてしまう。

 

「「獣鬼!」」

 

 二人が慌てて寄って来る、何とか顔を上げると安心させるように声を掛ける。

 

「二人は大丈夫かい」

 

 二人は俺に手を貸し立ち上がらせながら感謝の言葉を言ってくる。

 

「ネガトーンその三人をとっとと倒し、もっとみんなを悲しみのどん底に叩き落としてやんなさい」

 

 セイレーンの言葉に従いゆっくりと近づき力を溜め出すネガトーン。

 

「君! やめなさい!」

 

 その存在感のある声はネガトーンを止め、さらにはセイレーン達も戸惑わせた。

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