スイートプリキュア♪ 鬼人の組曲   作:水無月 双葉(失語症)

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激戦の前奏曲(プレリュード)

「キャアアアアアアア」

 

 空から地面に向かって落下する、私は大した受け身も取れずに、砂漠の砂に突っ込んだ。

 

「あー、イタタタ……! 八雲兄っ!リズム!」

 

 痛む所をさすりつつも、私は八雲兄とリズムを捜すために砂漠を見渡す、周りを油断なく周りを歩いていると絶叫が聞こえ、上を見上げると、ブラック、ブルーム、ドリームにピーチが同じように降ってくる。

 

 皆を助けようと走り出したが砂に足を取られ転倒してしまい、ブラック達も砂漠に突っ込んでしまう、無事を確認しようとした瞬間、頭上に物凄い嫌な予感がし、咄嗟に腕を伸ばしながら顔を上げると、顔を引きつらせたブロッサムが目の前に振って来ていた。

 

 ブロッサムを何とか受け止め、勢いを逃がす様に抱きしめながら砂の上を勢い良く何度か転がり、砂漠の上に二人して大の字で止まる。

 

「大丈夫?」

 

 安堵の息を吐きつつ、体を起しながらブロッサムに訊ねた。

 

「はい、ありがとうございます」

 

 私の手を借りながら立ち上がったブロッサムは、花が咲いた様に微笑む。

 

「二人とも、怪我は無い!」

 

 大きな声で心配するブルームに二人して手を振って答え、皆と合流し辺りを見渡し眉を寄せた。

 

「ここって、まさかサーロインの砂漠の迷路?」

 

 辺りを油断なく確認しながらブルームが、小さく呟く。

 

「もしかすると、ムシバーンのオーブンの世界かも……」

 

 ドリームも心当たりのある世界を告げてくる。

 

「どういう事」

 

 ブラックとピーチも辺りを伺い、私も周りを見渡そうとした。

 

「どうかな諸君」

 

 声の方を慌てて見る私達、そこにはつばの広い帽子をかぶった男と八雲兄と打ち合ったマントの男が空中に立っていた。

 

「サーロイン!」

 

「ムシバーン!」

 

 ブルームとドリームがそれぞれの名前を叫ぶ。

 

「八雲兄は! リズムは! 二人をどこに飛ばしたの!」

 

 私は自分の中の怒りの感情を抑えられ無なく、自分でも信じられない様な叫び声を上げる。

 

「みんなはどこ! ここは何なの!」

 

 ピーチが今にも飛びかからない勢いで声を張った。

 

「バラバラに混ざったバトルフィールドだ」

 

「お前達もバラバラだ、そしてこいつらが」

 

 サーロインとムシバーンが、不敵な笑みを浮かべて私達を見下ろす、ムシバーンが指を鳴らすと途端に地面が揺れ、その地震とは明らかに違う揺れに私達は油断なく身構える。

 

「お前達の相手だ!」

 

 その言葉を合図に、砂漠が爆発し数え切れないほどの敵が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

「キャアアアアア」

 

 飛ばされた私は、離れ離れになった不安と、落下する恐怖に思わず両手で顔を覆ってしまう。

 

 私は、地面に叩きつけられる事を覚悟し、体に力を込めたけど体に衝撃は無く誰かに優しく受け止めて貰った。

 

「ありがとう、八雲さ、あ……あの、すみません、助かりました」

 

 落ちた私を受け止めてくれた居たのはミントで、私は自分の感違いが恥ずかしくなる。

 

 少し戸惑った私の言葉に、ミントは何も言わずに微笑みながら頷いてくれ、私は自分の頬が熱くなるのを感じた。

 

「ここって、魔女の船の墓場とフリーズンフローズンの氷の世界が混ざって……」

 

 ホワイトが直ぐに状況を確認する、私はホワイトの状況判断の速さに舌を巻く。

 

「その通り!」

 

「「ようこそ、俺達の世界へ」」

 

 またあの声、私達は声のした空へと視線を向ける、魔女とまるで氷で出来た様な瓜二つの男達、明らかに悪意を持った三人が空に浮かんでいた。

 

「あなた達!」

 

 ホワイトが構えようとしたが、海が揺れ巨大な三体の敵が海中から現れる。

 

「コワイナー!」

 

 アクアが鋭い視線で見上げるが、コワイナーは私達に圧し掛かって来た。

 

「みんな! 避けて!」

 

 いち早く回避行動を開始した、イーグレットが力の限り叫ぶ。

 

「なんなの一体! てか大き過ぎでしょう!」

 

 マリンは後も見ずに、バックステップで難破船を渡りながら叫ぶ、それぞれ回避に成功した私達は、反撃する為に各々が手近な敵に向かって行く。

 

 

 

 

 

 

 

 俺達の目の前には、戦いの場とはいえない空間が広がっていた、空中に飛び石の様に並んでいる円盤、大きさもあり全員で乗れそうな広さがあった。

 

「なんだかワクワクします」

 

 レモネードが手を組み、瞳を輝かせている。

 

「ここはおもちゃの世界の双六かも……」

 

 パインが、周りを見渡しながら覚えがあるのだろう、皆にこの場所の説明をしていた。

 

「双六? なんか、冗談みたいか空間に出たな……」

 

 皆が一斉にこちらを振り向くと、俺が居る事に驚く。

 

「貴方、一緒に飛ばされたの?」

 

 ムーンライトは眉を寄せ思案顔だ。

 

「いきなり敵に飛び込むななんて無謀すぎよ、どうするのよまったく」

 

「巻き込まれたんだから、私達が彼を守らないと……」

 

 ローズの言葉にパッションがフォローを入れている、俺は無言でレモネードの前に移動するとレモネードは首をかしげる。

 

「キュアレモネード、君さ、春日野うらら……だよね」

 

 俺の言葉を聞いたルージュが、レモネードの盾になる様に間に入り、殺気の混じった声を上げた。

 

「何よアンタ! レモネードがうららだったら何なのよ!」

 

 ルージュの言葉を聞き流しながら、俺はレモネードに右手を差し出す。

 

「握手してくんね、応援してんだよ」

 

 俺の台詞を聞いた、レモネードが笑いながら握手をしてくれる、思ったよりも手ちっちゃいな、などど場違いな感想を思ってしまう。

 

「アンタ紛らわしいのよ! うららのファンか! ファンなのか!」

 

 ルージュが、がなり立てる中、数名が崩れ落ち数名は額を押さえていた。

 

「戦いが終わったらCD買ってくるからさ、サインお願いできる?」

 

「ハイ! 喜んで!」

 

 可愛く両拳を握ったレモネードが、良い笑顔で返してくれる。

 

「ハハッ、もう好きにしてよ、アンタ達は」

 

 ルージュが投げやりな声を出し、みんなが小さく笑う。




お読み頂きありがとうございます。

フリーズンフローズンは二人で一キャラ扱いになります、フリーズンフローズンの台詞は常に二人でひとつの台詞をしゃべります、よろしくお願いします。

明日も通常通り更新を予定しております、お付き合い頂ければ幸いです。では、次回。

プリキュアオールスターズ 虹色の花束
第7節 黄色の嬉遊曲(ディヴェルティメント)

よろしくお願いします。
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